2009年10月12日 中央アルプス 中御所谷 西横川→東横川下降

メンバー:やますきーおさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、8mm×50m、カム、靴:フェルト
遡行図はこちら

2days企画の第2弾。昨日の中御所谷に引き続き、本日は西横川を遡行。多くの記録では千畳敷まで30分程度で移動し、
ロープウェイでの下山をしているが、昨日中御所谷の下降でロープウェイを使っているため、本日は東横川を下降する事にした。

7:05第二堰堤上発→7:17東横川出合→8:25 30m大滝上→10:12奥ノ二俣→
11:07登山道横断点(遡行終了)→11:43東横川下降開始→14:20西横川出合→15:02しらび平

今日も、絶好の天気。 食事を終え、入渓準備をしていると、やますきーおさんが
「ひろたさん、やばい!!! マジやばい!!! ギックリ腰・・・」
「マジですかぁ!!!?」

今回、初めてらしいが、まさかこんな所で。。。この天気で、敗退は辛いなぁ・・・
「どうします?。お留守番??? 下りはロープウェイでも構いませんよ?」
「歩きながら様子見るかぁ・・・痛たたた・・・・」
って事で、予定通り出発する。 自分も”ギックリ腰”の経験が無いので、彼の痛みは判らず。。。それでも、
やますきーおさんは普通に歩いていた。

10分弱、広河原を歩くが、我々が幕営したポイントが一番良く、他はあまり良い所が発見できなかった。 5mナメを
上がると沢は顕著な二俣になり、ここが西横川/東横川の出合。水量比は1:1.東横川は見事なナメ滝が見える。

西横川に入り、3m程度の小滝を2つ超えると、再び大岩が転がる平凡な様相。10月なのに、沢には早くも日が差し込み
良い感じ。右岸に30m滝で出合う枝沢が良いアクセントとなっている。ここは左岸小尾根を超えるとすぐ東横川が
流れているようだ。
堰堤上の絶好のテン場
東横川出合
30m滝で出合う左岸枝沢

この先のミニゴルジュ内、5mトイを右から直登。ゴルジュを抜けるとナメ床になり遡行感度も一気に上がる。6mナメ滝
傾斜も緩く快適。3mトイ状上で沢床は平凡になるが、左に曲がるとハイライトの30m大滝が視界に飛び込んでくる。
5mトイ状
6mナメ滝
30m大滝

前衛の5m滝はシャワー突破も可能らしいが、さすがにそんな気力は無く、右の乾いた所を利用して超える。
30m大滝は水流左のスラブが快適なルートを与えてくれる。フリーで先に取り付いたやますきーおさんが残置ハーケンを
抜きながら上がっていった。私も取り付くが、V-といった感じで快適だ。
前衛5m滝
30m大滝
快適に直登出来ます

大滝上に出ると間髪入れずに18mナメ滝。この滝が(2:3)二俣となっている。18mナメ滝は思いのままルート
取りが出来る♪ 快適このうえない。右俣に入ると、ナメの小滝が続く。水流右にスラブ状の岩盤が発達しており、
快適さが継続・・・
屈曲して水を落とす2段13mナメ滝は、敢えて水流通しで突破を試みるも、トヨ状に流れる箇所がホールドが乏しく、
そのまま真っ直ぐ直上して越えた。
18mナメ滝
2段13mナメ滝(カーソルを当てて)

この上もナメが続く。3段15mナメ小滝が3つ続く感じで快適。9m滝も水流左の乾いたスラブが格好のルートだ。
この上もナメ&ナメ滝が続く。難しい所は一つも無いのが良い。ナメを堪能していくと左岸から枝沢が入る。水量比
は(2:1)。ここは水量の多い左に入る
9m滝
12m多段ナメ
(2:1)二俣。左に入ります

ここからは平凡な様相。特徴的な5m3条滝を超えると、”奥ノ二俣”となる。本流は左で、階段状の20m滝を
掛けている。この滝も快適に直登可能。
5m3条滝
奥ノ二俣
奥ノ二俣の20m滝

ここからは、概ね平凡な感じになる。5m滝は小さく左から巻いて超えた。。平凡な様相が続いたあと水も急に枯れる。
沢筋は続き、ボサっぽくなった所に右上に慰霊碑があり、ここに登山道が通っている。この慰霊碑、似顔絵付きで、
妙にリアルなのが逆にちょっと怖い。
5m滝
源頭部の様相
終了点にある慰霊碑

長谷部新道と名づけられた登山道は、ほとんど歩かれていない様だ。ただ、西横川へ来るパーティのほとんどが、
千畳敷へ向かう為、そちらへの道は明瞭なはず。我々は、東横川へ向かう。途中道は不明慮な所があったが、
東横川までは殆どアップダウンしない。遭難碑から15分ほど進むと最初に水流を横断する手前に赤テープがある。
この沢筋で、降りてもよいが、急下降なので、その2つ先の水流横断点(これが本流筋と思われる)から下降を
開始する。
ちなみにここの横断点は、道が不明慮で、目印も何も無いので東横川を遡行した場合、気付かないで通り過ぎて
しまうはずだ。東横川を遡行する場合は、長谷部新道を見つけることが核心となると思う。。。
東横川へ水平移動
最初の東横川の枝沢に赤テープ
本流筋横断点(標高2500m付近)

東横川は概ね平凡な様相。5m程度の小滝も現れるが、小さく巻いて降りれる。左岸から入る(3:2)の枝沢を見送り、
3条6m滝をはじめとして、6、7m級の滝が幾つか現れるがすべてノーザイルでの下降が可能だ。
5m程度の小滝
(3:2)の枝沢
3条6m滝

8m4条滝を左岸側草付きで小さく巻き、2段15m滝をクライムダウンすると左岸からスラブの枝沢が入り(水量比3:1)開けた
様相となる。さらに12mナメ滝をクライムダウンすると、再び左岸からスラブの枝沢が入る。
8m4条滝
2段15m滝
再び左岸からスラブの枝沢

ここからはガレた感じの沢床が続く。右岸、20m滝で出合う枝沢が入るとナメ床が多くなってくる。7mナメを降りると、
最後の15mナメ滝になる。これは懸垂かな・・・?と思ったが、やますきーおさんが、「降りれるんじゃねぇ?」と言うので、
クライムダウンにTRY。確かにそんなに怖い思いをせずに降りることが出来た。その下の小滝を降りると西横川出合
となる。
ナメ床
7mナメ
東横川最後の15m滝上

結局、東横川はノーザイルで下降できた。テン場にデポした荷物を回収し、しらび平に向かう。
ロープウェイと違って、バス待ちは10分〜15分程度だった。
15m滝全景
15m滝全景-2

P.S:西横川は中御所谷よりワンランク簡単な沢で明るく快適。沢慣れしている人はノーザイルで遡行可能でしょう。
   東横川を下降する場合、30mザイル一本あれば安心して降りれると思います。逆に、東横川を遡行する場合は
   終了点となる長谷部新道を見つけるのが難しいと思いますので、標高2500〜2530m辺りで遡行を打ち切るように
   する事がポイントとなります。西横川、東横川共に良いテン場は無く。我々が幕営した2つ目の堰堤上が唯一の
   ベストポジションです。ここをベースにして1泊2日で中御所谷をセットで計画されると、より充実した遡行となるで
   しょう。

遡行図(クリックしてください)


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