2009年10月18日 北アルプス 中房川 曲沢

メンバー:shunrinさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、8mm×50m、カム(#0.5)、靴:フェルト
地形図:有明

当初、小出俣川流域を狙っていたが、天気の都合で土曜がNG。新潟方面の天気が日曜も今ひとつなので、
高速道路1000円利用で北アルプスへ。高速ICから近い有明山周辺の沢"中房川曲沢"を押さえておくことに。。。

アプローチ:CR-X
17:44自宅発→(R4、R50)19:20太田桐生IC→21:30豊科IC→22:10道の駅安曇野松川(仮眠)
6:56曲り橋(入渓点)→13:45稜線登山道着→14:10下山開始→15:30曲り橋着

北アルプスの沢も高速1000乗り放題のおかげで、前夜発日帰り可能圏内。しかも私の車だと有明山周辺で
あれば燃料1チャージで充分帰ってこれるのが嬉しい・・・

shunrinさんとは道の駅"安曇野松川"で待ち合わせしたが、この道の駅、国道沿いには無く、判りにくかった。。。
朝起きるとshunrinさんのクルマが隣に・・・2時間のほどの仮眠後、ここまできて車中で睡眠時間2時間半との事!
それでも彼にとっては問題無いらしい。若いって凄いネ!
私の車で、曲沢へ移動。中房温泉に向かう県道を進んでいくと『曲り橋』と書かれた橋が架かっているので、
沢を間違う事は無いでしょう。この橋からさらに150m程奥に入ると4台分程の駐車スペースがあるので、ここに
クルマを駐車する。準備を整え、早速入渓。曲り橋から入渓するとたいした踏跡は無いが赤テープが連続。
橋から見える堰堤を右岸側から越え入渓する。
曲り橋を過ぎてすぐの駐車スペース
曲り橋
しばらくはこんな様相です

しばらくは平凡な様相。明るく開放的な雰囲気では無く、ちょっと暗い感じ。しばらく進むと、2m程度の小滝が
現れた後、ガイドの遡行図にある5m滝。ガイドに書かれてあるように、確かにツルツル。頑張って登るが、
最後1歩が出ず。無理せず左岸から小さく巻いたshunrinさんにお助け紐を出してもらった。
2m程度の子滝
5m滝
ここまで登るが、この先が難点

この滝を過ぎると、すぐに20mトイ状滝。ガイドでは途中まで登ってから左岸を巻いたと書いてあるが、今日の水量
では全部直登できそう。多少濡れる覚悟が要るので、shunrinさんがカッパを取り出そうとしたら、「あれっ!ない
車に置いてきちゃった・・・」との事。
「最初の滝だし、この後何が出てくるか解らないから取りに行って来れば?」
・・・と、shunrinさんがカッパを取りに行っている間、たき火でのんびりすることに・・・
が、なんとshunrinさん、気を遣ってくれ、走って往復で30分で戻ってきた!!!お疲れ様です。

さて、20mトイ状滝の直登に取り掛かる。中段までフリーで上がり、ここでザイルを出す。カムがあれば、ランニングを
取りやすい。右足のスタンスに注意しながらツッパリで突破W この上で、沢は左に折れ間髪いれずに8m滝。
ここはザイルを出したついでにザイルを伸ばして取り付くが、とくにザイルの必要性か感じ無い。shunrinさんも
楽々クリヤーする。
20mトイ状滝全景
20mトイ状滝上部の直登
8m滝(カーソル当てて)

この上の10mトイ状は、階段状で何の問題もなく水流通しで直登。沢は左に折れ、少し進むと、10m斜滝トイ状は、
水流右壁はツルツルで断念。CSの岩を上手くとって超えた。この上で25mトイ状滝。この滝、西丹沢の雨棚
よく似ている。これは右岸から簡単に高巻けそうだが、高巻きにはいるshunrinさんに、
「右からいけるんじゃない!?」と引き留める。
水流左から取り付き2m登って水流を右へ横断。ここから途中まで階段状で快適なのだが、上部はノッペリしており、
ここでザイルを出して、灌木とのコンタクトラインで登った。
10mトイ状
10m斜滝トイ状
25mトイ状滝(カーソル当てて)

25mトイ状滝上は、ナメ床が随所に現れる。正面に岩壁が見えると沢はそこで右直角に曲り、ガイドには書かれて
いないトヨ状ナメ。その先に右岸から25m滝で水流を落とす枝沢が入る。
長さ30mナメ状の滝は傾斜が緩く。ほとんど手を使わないで快適に登れる。2段15m滝は傾斜の緩い下段を登り
上段の水流右に取り付くが、やはり厳しく、そのまま潅木帯に向かって直上し小さく巻く形となった。
ナメ床-1
右に直角に曲がって・・・
30mナメ状の滝
2段15m滝(カーソル当てて)

この先さらに進んでいくとガイドの遡行図に書かれている5m滝が現れる。
「これは巻きかなぁ・・・」
「なんで、今まで全部登ってきてるのに、これ巻くんですか?」
「だって釜深いんだもん・・・」
とは、言ったものの、右のツルツル壁にフリクションを利かせて、凹角に足が届けば、水流沿いに直登可能。
落ちても濡れるだけなので、TRYしてみたら成功!
それをみていたshunrinさん「おぉーっ!」と声を上げるが、shunrinさんも、何とか成功!
この先の巨岩のある小滝を過ぎると左岸から枝沢(4:1)。 崩れかけた2段7m滝を越えると水量比(2:1)の二俣を
思わせるインゼルとなる。これはガイドに書かれていない。このあたり振り返ると北アルプスの大天井あたりの稜線
美しい。このインゼルを越えて少し進むと(1:1)二俣となる。
5m滝(カーソル当てて)
巨岩のある小滝
振り返ると北アルプス主稜線
(1:1)二俣

左に入ると、連瀑帯になる。ガイドに3段40mと書いてる滝は3つの滝といった感じで、フリーで快適に直登出来る。
そのすぐ上はトヨ状のナメになっており、これを抜けると間髪入れずに10m滝(7m+3mトイ状)ガイドには17mと
書いてある滝か? これも快適に直登可能。 さらに5mナメを越え10m滝は水流左を直登。その上の2段8m
敢えて難しい水流左を狙うも、一歩が出ず。水流右に移動して突破する。
3段40m滝中段(?)を快適に直登
10m滝
2段8m

この上は癒し系のナメ床。右岸のハングした岩壁を見ると、水がだいぶ少なくなり、そこに25mトイ状滝が現れる。
左岸の1枚岩が右岸の岩壁に食い込んだような独特な様相。ここはザイルを出して私がリード。5m程度を登って
ハーケンを打ち、右の岩壁に足を押し付け這い上がりもう一枚ハーケンを打つ。ここからがツルツルで厄介だが、
倒木の枝が垂れており、「コレ大丈夫なのかな?」と半信半疑だが、コレを利用しないと登れないので、信じて直上する。
この倒木、根が滝に挟まっただけで、考えるとコワイ・・・ここを上がれば残り5mは簡単で、30mザイルいっぱいで
終了点に到着。支点は大岩にシュリンゲをかける形となる。ちょいとテクニカルな感じで登る面白い滝だったW。
Shunrinさんも「倒木の所が怖ぇ〜。。。」と申してました(笑)
25mトイ状滝全景
shunrinさんがとりつくも・・・
結構緊張・・・(カーソル当てて)
倒木を掴みshunrinさんフォロー

この上の8m滝は水流左をshunrinさんが取り付くも渋そうな感じだったので、私は右から取り付いたが、序盤が
滑りやすく注意が必要。お互いなんとか突破するV。 このすぐ上の25m滝はスタンス、ホールドとも充分で快適に
直登可能。
8m滝
25m滝

25m滝を超えると、源頭部の様相。最後はガレを詰め、樹林帯に入っていく。ルートを左寄りに取ると
うるさい笹藪から抜け出すことが出来、10分弱の登りで稜線に出た。”稜線に登山道が無い!”と一瞬焦るが
気付かない内に登山道を横断してしまったようだ。登山道は稜線より曲がり沢側、若干下についている。
源頭部の様相
右岸側に見えた岩壁
ガレを上がります
登山道着♪

shunrinさんが靴を履き替えている間にせっかくなので、有明山を見に行く。これ、200名山に指定されてるようだが、と
特にピークゲッターではないし、かったるいのでピークと街並みが見えたところで引き返す。
中房温泉への下山道は明瞭。1時間半かからず下山出来る。ちょうど国民宿舎『有明荘』の裏手駐車場が
登山口となっていた。有明荘前で、3人組の中高年女性に「有明山の登山道はどんな感じですか?」声を掛けられる。
明日、ガイド付きツアーで登るらしい。こんな山までツアー登山の企画があるんだ・・・ビックリ。。。
有明山と安曇野の街並み
国民宿舎『有明荘』

P.S:曲沢は直登可能な20m級の滝を含め、快適登攀系の沢で短いながら、楽しい沢です。滝登りに強い方が
   一人居れば、概ね水流通しに進めるでしょう。中級クラス入門の沢とガイドに書かれてますが、その通り
   だと思います。今回滝の大きさについては、「北アルプスの沢」(白山書房)に合わせて書いています。
   ザイルは30mでギリギリOK。ちなみにこの沢には幕営適地はありません。
   遡行図は「北アルプスの沢」(白山書房)が概ね合ってますので、今回は割愛します。
   迷うところは無いので無くても地図さえあれば遡行できますよ!



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