2010年5月4日 富士川支流 戸栗川 寒沢

メンバー:バルボアさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、8mm×30、カム、靴:フェルト
地図:南部(静岡)
概念図、遡行図はこちら

昨日、一昨日の三ツ沢→醍醐沢下降を終え、今日は戸栗川集中の第2弾、寒沢を遡行する。
登山大系では5〜6時間の遡行タイムと書かれてあるが、他の記録では1泊、あるいは2泊掛かった記録もある。。。
下山タイムは、十枚山登山口に車をデポしてある為、昨年の温井沢の経験から1時間半と読み、
遡行時間8〜9時間で稜線へ抜けれるだろうと判断し、日帰りで計画した。

5:45折付発→5:52寒沢/醍醐沢出合→6:55大滝沢出合→8:20-9:00 920m(2:1)二俣
→12:00 15m涸滝→14:05稜線、14:25下山開始→15:28十枚山登山口(林道)着

アプローチについては前日の三ツ沢の記録を参考にしてください。十枚山登山口に車をデポしておくと下山が非常にラクなります。

三日間の戸栗川集中で、今日の3日目が一番ハードということもあり、今日も早出する。
基点となる寒沢(菩薩川)の堰堤から歩き出す事10分弱で寒沢/醍醐沢の分岐。ほぼ水量比は(1:1)。寒沢に入る。右岸から
枝沢が2本入り、さらにその先で(1:4)で出合う右岸枝沢が入る。この辺りは概ね平凡な様相。2条4m滝を越え、さらに進むと8m滝。
直登は困難で、右岸を高巻く。
菩薩川沿いの駐車スペース
寒沢/醍醐沢出合
寒沢8m滝 右岸を巻きます

この滝を超えると、似たような感じで水を落とす7m滝。この滝も水流沿いは直登出来ないが水流右から小さく巻ける。
すぐ上の4mナメを超えれば、正面に15m滝で出合う大滝沢が入る。本流は左に屈曲。
7m滝。写真右のバンド状を利用して簡単に超える
大滝沢の15m滝

少し進むとゴルジュになり6m滝が行く手を阻む。ノッペリして手がつけられず左岸の枝沢から高巻く。そのすぐ上にある7mCS
直登不可能で一緒に左岸を高巻いた。ここからはまた平凡な様相。右岸に現れる1枚岩壁は自然に出来たものとは思えない。
2段6m滝を超えると左岸から40m滝で出合う枝沢が入る。
ゴルジュ内6m滝
7mCS。これも巻きです
2段6m滝
左岸枝沢の40m滝

ここからは沢幅広くなり明るい様相。沢幅が狭まると滝場が現れる3段7mナメは滑りやすいが、両手両足ツッパリで
技を使うと水流沿いに直登可能。その次の3段12mは下段中段は簡単だが、上段は滑りやすく、バルボアさんが
突破してくれたので、私は安易にお助け紐を出してもらった。この上の6mナメ滝上で標高920mに位置する(2:1)二俣となる。
右沢には5m程の滝が掛っている。ここで一旦焚き火休憩となる。
ちなみに、ここにはあまり良いテン場は無い。
3段7mナメ
3段12m
6mナメと(2:1)二俣、正面は右沢

この二俣を左に入ると小滝が続く。ここからが寒沢の核心部と言っても良いだろう。2段7m滝は水流右に取り付いたものの、
岩が脆くあと一歩が出ず、バルボアさんに高巻いてもらい上からお助け紐を出してもらう。その先の10m滝は直登不可能で
すぐ横の右岸ルンゼに取り付くも岩が脆い為断念。さらに手前の右岸枝沢から高巻いた。尾根に巻き上げられない様に小さく
巻くが1か所ルンゼを”飛び”で超える。自分は慣れているが、バルボアさんは”飛び”は初めての様で、セルフを取った私に
飛んだ直後に掴ってもらってクリヤー。10mすぐ上の4m滝は快適に直登。
2段7m滝
10m滝(右)
10m滝すぐ上の4m

この上も連瀑帯が続く。5m滝を超えると2段18m滝。下段は簡単そうに見えるが、上段はノッペリしており難しそう。水流左から
取り付いて、下段終了後水流右に移動して直登か・・・?と判断、ザイルを引くが、下段の岩が非常に脆く、掴んだ岩、掴んだ岩
がドンドン崩れる。それでも、頑張って、後一段上がれば下段終了というところまで上がったが、あまりの岩の脆さと、上段の突破
に疑問を感じ、「すいませーん、降りますぅ・・・」と敗退宣言。途中ランナーは取って居ないが、6m以上登ってしまい。岩を崩しながら
登ってきたため、クライムダウンは非常に困難。

『ヤバイ!?』

何とか1.5mをクライムダウン。ここから45度くらいでザレた斜面へ向かって飛び降りる。ザレが良いクッションになってくれ、全く
痛みを感じずに着地成功♪
それにしてもヤバかった・・・

「じゃぁ右岸ルンゼで高巻きますか!」と取り付いたものの
こちらも脆く、途中でザイルを出す。1ピッチ伸ばして、そこから7〜8m登って、リッジを回り込むと簡単に滝上に出れる。ここも
大きく巻かないようにする事がポイントかも・・・
2段18m滝
下段は簡単に見えたが、モロモロ
右岸をザイルを出して高巻く。

2段18m滝のすぐ上で左岸から枝沢が入る。本流を進むと右岸に大ガレが広がり12m滝が垂直に水を落とす。左岸を高巻くが、
小さく巻かないと、かなり高くまで巻き上げられ、下降点を暫く見出せない可能性あり。12m滝上に出てみてビックリ。
すぐ上の15m涸滝下から一気に水が湧き出て、ここから上は急に水が枯れてしまう。この先、水の出てくるところもあるが、
こで水を汲んでおく事を勧める。この15m涸滝も左岸を高巻く。
右岸大ガレと12m滝
12m滝下にて
15m枯滝

この高巻きも小さく巻かないと上まで巻き上げられる。細尾根をあがり笹藪に突入する前に沢の方にトラバースを掛ける。
本流は、伏流のゴルジュになっており、すぐ上に現れる10m涸滝は登れそうだったが、左岸を簡単に巻けるので、巻きを選択。
水は一旦復活。ゴルジュ出口の4m滝は、最初の一歩をバルボアさんに背中を押してもらい取り付き、脆い岩を避けながら何とか
突破する。
10m涸滝(右から簡単に巻く)
奥にゴルジュ出口の4m滝

この先は、ガレ沢の登りが延々に続く。。。ガレが嫌いな人は早めに右岸尾根に上がった方が良く、ガレを詰めると
左岸尾根には上がれるが、右岸側はすべてガレガレなので尾根筋に上がるポイントが無くなってしまう。
我々は、ガレ沢を忠実に詰める。傾斜はそれほどでも無いため、特に危険を感じる事は無かった。
ほぼ上がりきったところで、右岸尾根筋に上がるが、稜線登山道はまだ少し上・・・藪漕ぎは無く。15分ほどの登りで稜線に出た。
ガレが始まる
ひたすら続きます
最後の詰め

登山道は明瞭。下山は”成島”を目指す。ほぼ1時間で十枚山登山口に到着。長かった沢が嘘のようだ。
温泉は、なんぶの湯に入る。東名高速は予想通り渋滞が発生。富士川SA手前でバルボアさんと別れ、富士在住の
友人の家で時間をつぶしてから自宅に戻った。
下山道と下十枚山
成島方向へ入ります。
林道到着♪

P.S:寒沢は高巻きで遡行時間が大幅に変わると思います。十枚山登山口に車をデポしておけば、下山は1時間足らずなので
   充分日帰り可能かと思います。滝は脆く滑りやすいので直登は注意してください。残置は一切ありません。
   ザイルは8mm×30mで足りると思います。隣の温井沢よりは1ランク厳しい沢でした。

戸栗川概念図(クリックして) 三ツ沢・寒沢遡行図(クリックして)



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