2010年6月5,6日 南アルプス 富士川支流 早川 滑河内

メンバー:カワハギさん、BTBAMさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、8mm×30m、靴:フェルト
地図:奈良田
概念図、遡行図はこちら

当初、雨畑川流域の沢を考えていたが、雨畑川沿いの林道で土砂崩れがあり、交通規制が掛かった為、
早川右岸支流の滑河内を選択。登山大系によると、早川右岸支流の中で一番短いが悪いとの事。
遡行図も無く何が出てくるか解らないが、WEB記録では単独で抜けた記録もあり、まぁ何とかなるでしょうと調査遡行してみた。

前夜アプローチ:フィット
18:35自宅発→19:56久喜IC通過→20:53新狭山駅→22:31双葉SA(泊)、5:28同発→5:42増穂IC→6:00道の駅富士川クラフトパーク、
7:35同発→8:03新倉(車デポ)→8:20不動橋(滑河内基点)
8:40不動橋発→13:30不動滝下→15:40三俣(行動終了)

前夜に高校生のBTBAMさんを新狭山駅で拾い双葉SAで仮眠。当日朝、集合である道の駅富士川クラフトパークに向かう。
ここなら携帯が繋がる。ここから県道37号線を早川沿いに進むと、早川町役場から先は携帯が繋がりにくくなるので注意。
カワハギさんが1時間遅れで到着し、車2台でまず下山口になる新倉に向かう。
トンネルとトンネルの間に位置する県道37号線沿いの空きスペースに車を停めたが、内河内川沿いの林道が2km程入れる
ので、ゲートまで進んだ方が下山が多少楽になるでしょう(舗装)

ここで、ナビの付いているカワハギさんの車で滑河内入渓点に向かう。滑河内は、唐突に現れるのでナビが付いて無い車だと
注意。県道には"不動橋"という名前の橋が架かっている。橋のすぐ近くに3、4台分くらいの駐車スペースあり。早速出発♪
新倉、内河内に車をデポ。
出発です。
滑河内に掛る不動橋

滑河内の左岸の林道を進み、赤茶けた鉄橋の下から入渓したが、少し進むと取水堰堤があり、右岸から作業道を利用して
巻く。本来はここから入渓か・・・
岩盤が発達した感じの沢で、結構釣師が入っている感じ。特に滝という滝も無く、快適に進む。ようやく現れた6m滝は絶望的
で左岸を巻く。その先も概ね平凡だが、水量がしっかり有るせいか、悪い気はしない。
取水堰堤上
良い感じです♪
6m滝


しばらく進み、2条7m滝は左の水流沿いを直登。特に悪くは無いが、後続にお助け紐を出す。この先ゴルジュっぽくなり、
左岸枝沢を見ると6m滝が行く手を阻む。。。幸い右壁に釣師用の残置ロープが綺麗なカラビナと共に付けられていたので
安易にこれを利用し一気に滝の高さまで登るが、ここから落ち口へのトラバースが足の置き場が無くちょっと渋い。
凸岩に手を掛け突破した。後続にはお助け紐を出し、全員が突破した所で、落ち口にあったクロモリハーケンは回収し、
BTBAMさんに寄贈。井戸の底のようなゴルジュはそのまま続き、すぐに15m滝が垂直に水を落とす。
幸い左岸に巻き道が取れたが、トラバースがちょっとやばそうなのでザイル出した。
2条7m滝
ゴルジュ内6m(カーソル当てて)
15m滝(カーソル当てて)

ここでゴルジュは終了。日も射して快適に進む。この先の6m滝も直登は難しく小さく右岸巻き。小滝を交え、しばらく進むと
3段15m滝が現れる。1段目は容易だが2段目が登れない。右岸を巻くが、土壁なので結構体重を掛けると崩れてやばい。
何とか登れた・・・後続にはザイルを出す。1段目から右岸を巻けば、もう少し楽に巻けると思う。
明るい感じです♪
6m滝(右岸巻き)
3段15m滝(カーソル当てて)

3段15m滝を過ぎナメ状の小滝を越えていくと、右岸の壁が茶色く光り、ここから水が真横に噴出していた。飲んで見ると
思いっきり"Fe"の味がした・・・
この先、細流を両手両足ツッパリで突破すると7m滝。その奥に右岸枝沢だろうか?デカイ滝が見える。7m滝を左から
越えると、右岸枝沢の60m美瀑これは凄い!
ナメ状小滝
水が真横に飛んでいた!
快適です(笑)
7m滝(クリックして)

本流は、この先で6m滝が行く手を阻む。この滝も直登は難しく右岸を小さく巻く。すると、すぐ上に倒木の掛かった5m滝
現れる。先に沢床に降りて見てみようとしたが、沢床から2mの高さまでノッペリした岩が続いており、クライムダウンが出来ない。
この5m滝も一緒に高巻こうとするとかなりの大高巻きになりそう。倒木を利用してこの5m滝が突破できるかを確認しに、
私が懸垂で降りて見てみる事に・・・
ただし、NGの場合、ゴルジュから脱出できなくなる場合もあるため、カワハギさんとBTBAMさんは懸垂の支点で待機してもらった。

幸いにも倒木を伝って5m滝はクリヤー。しかし、この滝上は、物凄いゴルジュになっており、二人に『チョット待ってて』サイン
を送り偵察に入る。

このすぐ先に2本の大滝が掛かっており、これが滑河内のハイライトである『不動滝』なのはすぐに理解できた。
この手前に左岸枝沢が3m滝で入り、ゴルジュ奥に20mナメ滝も見える。
景観を堪能する前に、この深いゴルジュの脱出ルートを探す。不動滝の直登は考えられず、右岸の壁もすべて絶望的・・・
唯一、不動滝と左岸枝沢の間の枯葉の堆積した急斜面に脱出ルートを見出し二人に『OK』サインを出す。
今回2本ザイルを持ってきているので、私が運んでいるザイルを投げ、BTBAMさんがユマールを付けて倒木を伝って来るが、
途中バランスを崩し落下!!!
幸い下が釜だったので、怪我も無く無事だった。。。2回目のTRYでBTBAMさんも突破。カワハギさんも難なくクリヤーする。
またまた6m滝が行く手を阻む
倒木有り5m(カーソル当てて)
カワハギさんがフォロー


3人で大滝見物・・・ただし、深〜いゴルジュ内なので、長居は出来ない感じ。。。

不動滝40m
不動滝40m-その2
左岸枝沢20m滝

早速、不動滝の高巻きに入る。枯葉&土の堆積した急斜面を慎重に登る。安定した所までリードし、上からザイルを投げた。
15,6m上がれば傾斜が緩くなり、潅木も多くなってくるのでザイルの必要性は無くなる。
巻きの途中、どうもゴルジュの上に小屋があったようで、ガラス瓶などのゴミが散乱していた・・・

不動滝上で沢床に降りれるが、残念ながらまだゴルジュの様相。幸いその上の7m滝は直登可能だった。
二人が休憩している間に、私がフリーで登り、滝上のゴルジュを偵察。その上の10mは直登不可能だが左岸高巻きが可能。
カワハギさんもフリーで登り、BTBAMさんにはザイルを出す。
不動滝の高巻き開始(カーソル当てて)
不動滝すぐ上の7m滝
7m滝を直登するBTBAMさん

10m滝も巻きは左岸。その上にも直登不可能な6mくらいの滝が見えたので、そのまま高巻きを続けると、落ちる寸前の吊橋が
現れる。これを横目でみて6m滝上に懸垂下降。 30mザイルでは残念ながら2m程届かず、中間でピッチを切った。

ここでゴルジュは終了。癒し系の様相になる。どこでも幕営できそうだが、1350mの広河原まで進み本日の行動を終了する。
ここは丁度”三俣”となっており、絶好のテン場となっていた。
BTBAMさんを釣りに行かせると、アマゴを釣りあげてきた!
10m滝(左岸を巻きます)
懸垂で沢床へ
癒し系になりました!
1350m付近の三俣
高校生が運んだお酒を注がれる大人
ビックファイヤーです♪


二日目
6:05三俣発→6:37 1470m二俣(右俣へ)→9:20稜線林道着、9:56同発→10:37転付峠
→11:34保利沢出合→13:42新倉(県道)着
14:00不動橋発→14:34身延→15:05増穂IC→19:05新狭山→21:35自宅着

まだ稜線まで標高で700mあるので早めに三俣を出発する。癒し系の小滝を進んでいくと沢幅が狭くなり、左に曲がったところに
5m滝。右から小さく巻く。再び癒し系の様相。幕営適地はこの辺りまでか・・・ しばらく進むと(1:1)の二俣。左俣は8mの滝が
かかり、つめ上げると別当代山の方に詰めあがる。『登山大系』の記録では、ここを左に進み、別当代山から4時間で下れる
と記されているが、今は藪々かもしれない恐れがあるので、今回は進路を右に取る。
癒し系の小滝
5m滝
(1:1)の二俣。左俣8m滝

少し進むとミニゴルジュになり、入り口に2段6mが掛かる。軽いシャワーで直登。次のトイ状3mをクリヤーし倒木の掛かる
5m滝はBTBAMさんは右の岩壁を直登。私とカワハギさんは倒木利用で直登した。ミニゴルジュはまだ続き。5m滝、5m滝と
共に水流右から直登出来る。ゴルジュ出口の6m滝も軽いシャワーで突破。
2段6m
倒木の掛かる5m滝
 5m滝

ここから先は平凡な様相になりガレっぽくなる。(1:3)の二俣を右に進み、6m滝を左から直登。この先1760mほどに位置する
(2:3)二俣が登場。地図を見ると、右に入ると1900m位置するガレが現れてくる様なので、水量の少ない左に入る。
(1:3)の二俣
6m滝
1760m(2:3)二俣。左に入りました。

ガレを進むと1900mで水涸れ。そこからすぐ上で沢形も無くなり樹林帯に突入。ここから40分の登りで稜線に到着(藪漕無し)
稜線は登山道では無く、旧林道が通っている。ここから転付峠まで赤石、聖といった3000m級の山々が見ながら40分程度で到着。
このすぐ上で水が涸れます
沢形も無くなります。
稜線到着

ここから新倉までの登山道は若干判りにくいところもあるが、特に問題にはならない。
内河内沿いまで降りてくると橋が多数架かっている。腐りかけたのもあれば、新たに整備され鉄橋に架け替えられた物もあり。
チョイト昔は橋が崩壊していた所が多く難儀していたようだが、今は特に問題となる所は無かった。
転付峠にある道標に下り4時間と書いてあったが、休憩+温泉代わりの水浴びタイムも含め3時間で新倉に到着。
無事、高校生を下山させる事が出来て安堵。本人も楽しんでくれた様でなにより。。。
転付峠
内河内で入浴
内河内の林道はここまで車で入れる。

高速の渋滞を避けるために、温泉に入らず直帰したが、中央高速の渋滞は既に始まっていた。その渋滞は、東名高速よりも
激しい感じがする。カワハギさんの話しによると身延から富士SAまで1時間チョットで行くらしいので、
都心に帰るには東名で帰った方がまだマシかもしれない。

P.S:滑河内は滝の直登より、巻き道のルート選択と技術により遡行内容が大きく変わると思います。
   特に不動滝手前のゴルジュの巻き道の選択は重要かも。。。今回、極力沢通しに遡行しました。
   ザイルは30m1本で足りますが不安な場合は50m1本を持っていくより、30m2本の方が良いかも。
   テン場はゴルジュ以外では幾つか点在しますが今回泊まった三俣がBESTです。
   気温は割と高かったですが、ヒルは全く居ません。

滑河内概念図(クリックして) 滑河内遡行図(クリックして)


沢登りトップへ     その空の下で。。。トップへ



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