2010年8月21,22日 清津川 熊ノ沢
メンバー:shunrinさん、ひろた
装備ザイル8mm×30m,2本、靴:フェルト
参考ガイド:上信越の谷105ルート
遡行図はこちら
いつも仕事で忙しいshunrinさんを誘い、1.5日で終了する清津川現流域を計画。
赤湯をベースとするこの流域は一度も足を踏み入れた事がなく、「一度行っておかないと・・・」と以前から思っていた。
この流域ではサゴイ沢が有名だが、こちらは単独遡行も可能と判断。二つの大滝を擁する熊ノ沢に狙いを絞り遡行する事にした。
アプローチ:フィット
18:31自宅発→(オール下道)19:03ジョイフルで燃料補給→20:17太田桐生IC通過→21:23赤城IC通過
→21:47月夜野IC通過→22:25元橋登山口P着
7:10林道ゲート発→8:27赤湯→9:08熊ノ沢入渓→9:50サゴイ沢出合→14:05三俣→15:05 30m大滝上
→16:35 50m滝高巻き終了→16:40行動終了
前夜平日移動で桐生太田から月夜野まで高速を利用してもお徳感が全く無いので、オール一般道でアプローチ。
Shunrinさんは突発で仕事が入ったらしく、朝4時に元橋に付いたそうだ!
元橋にある登山者用駐車場はトイレ完備。携帯も繋がる
元橋から赤湯への登山口に車を移動。フラットダートで特に走行に問題は無い。棒沢出合から1km程度手前に
ゲートがあり。少し下がった所に10台程の駐車スペース。さすがにココでは携帯は繋がらない。
ここから赤湯までの道のりだが、やたら高い所まで巻き上げられ汗だく。寝不足のshunrinさんは
「赤湯で引き返すかも・・・」とグロッキー状態・・・
途中、ドコモならタクシー呼べる 『見返りの松』 と名付けられた場所がある。ゲートから越後湯沢駅まで8200円だそうだ。
赤湯の手前で熊ノ沢を一度横断、ココから入っても良い感じだが、今回は持っていったガイドの通り昌次新道に入って
からの入渓とする赤湯は川沿いに湯船がありロケーションは最高。服を脱げばそのまま入れそうだが、しっかり入湯料500円の
看板が立ちはだかっていた(笑)
赤湯から清津川本流の橋を渡ると、またもキツイ登り。途中タマゴタケを見つけて元気を取り戻す。ゲートを出発してから2時間で
ようやく熊ノ沢に入渓する事が出来た。
地図上ではゴルジュ記号で書かれてあるが、悪い様相は無く、しばらく平凡な様相が続く。幅広の小滝を越え、
ゴルジュっぽくなってくると、登れない5m滝が現れる。左岸にトラロープがぶら下がっているが、これを使わなくても簡単に巻ける。
ご丁寧に残置シュリンゲが3本ほど付けられていたので、捨て縄用としてすべて頂く。
この滝を巻くとサゴイ沢/熊ノ沢の出合だ。ガイドにはフィックスザイルを利用して下降とあるが、利用せずとも簡単に沢床に降りれる。
熊ノ沢側には5m2条滝が掛り、左の水流を直登する。ここから切り立ったゴルジュになり。9m滝が行く手を遮る。
ここは左岸を高巻いたが割と渋めで、shunrinさんにはお助け紐を出す。
滝上は一瞬ナメ床も混じるが概ね平凡な様相。2m小滝をシャワーで越えた先に15m2段滝。2段というより滝が二つ
連続している感じ。この滝も直登出来ず右岸を高巻く。ここに”ミズ”が群生している。
2段15m滝上から平凡な様相が続く。魚影を見かけるようになるので、竿を出す。
割と型の良い物が2匹釣れた。Shunrinさんはこの間に仮眠。大分元気が出てきたとの事。
1300mで出合う左岸枝沢を過ぎると両岸の傾斜が増し、テン場は少なくなってくる印象。
2段6mは水流左を直登。4m幅広滝を快適に越え、右岸ガレを見ると両岸の傾斜はさらに増してくる。
この先の4m滝、5mナメは共に水流左を直登する。魚はこの滝を越えると居なくなる様だ。
この先で、両岸は急に広がり1425m付近に位置する三俣となる。今日はのんびりココで幕営するつもりだった。。。
・・・が、・・・ 確かに地形的にはベストなのだが、草ボウボウで、相当な時間を整地に費やしそう。
「なんだかなぁー・・・」
という事で、さらに先の(3:1)二俣まで進む。しかしココもダメ。 進路を左にとると右岸の壁は切り立ち、ゴルジュ地形となり
30m大滝が姿を現す。
時間は14:20。三俣まで戻るか迷ったが、30m大滝は簡単に突破出来そうに見えた事もあり先に進む事にした。
この大滝は概ね4段になっており、3段目まではフリーで快適に直登。ここでザイルを出し4段目を水流左を私がリード。
概ね順層なので問題は無い。ハーケンで2箇所ランニングを取り滝上に上がったV+。
30m滝上にテン場を期待したが、2人がギリギリ横になれるスペースを1箇所見つけはしたが今ひとつ。
そしてハイライトの50m大滝が姿を現す。絶壁から垂直に水を落とす様は、今までの沢の様相からは想像も出来ない。
高巻きは右岸であることは間違いないが、大滝を間近に見たくて、私は前衛の10mトイ状滝を直登する。
Shunrinさんはお疲れなのでオーソドックスに右岸の沢筋から高巻いてもらうことにして、私は草付を大滝の左壁の端っこを
目指して斜上トラバースを掛ける。最後は垂壁沿いのトラバースになるが難所はなく私の方が早く上部に到着した。
どうもShunrinさんのルートは藪がひどいらしい腕力勝負。
私が居る所からも藪がひどく。20m程”パワー勝負”の登りになる。小尾根に出たのは高巻き開始して55分後。
ここから適当な潅木を探して30mザイル一本で懸垂。途中の草付までしか降りれないがここから問題なく沢床に降りれる。
ここからは平凡な様相。多くの記録ではこの辺りで幕営しているそうなので絶好なテン場があると思ったが、岩がゴロゴロしており
あまり宜しくない。それでも大滝上から200m程度上流右側に二人は余裕で横になれる平らな大岩を見つけたので、
ここで行動終了とした。その先もちょっと偵察したが良い所は無し。薪も豊富。疲れた体をイワナの塩焼きで癒す。
二日目
6:40出発→7:11奥の二俣→8:50昌次新道着(荷物デポ苗場山往復)、10:30下山開始→12:42赤湯
→14:15基点ゲート着
6:40出発。平凡な様相が続く。テン場もあまり良い所は結局見つからなかった。。。奥の二俣を定石どおりに
右に入るがその先の二俣を左に入ったのがちょっと失敗。曲り竹の激しい藪コギになる。
1時間半近くもがき苦しんで、ようやく1950m付近の昌次新道に出た。上手く進路をとれば登山道近くまで沢型が
伸びているので、我々のように苦しむ事はないでしょう。
折角なので、荷物をデポし苗場山を往復。"ここには山ガールが居るはず"と期待してたが遭うのは中高年の
オジサマ/オバサマばかり・・・(^^ゞ
10:30にデポ地に到着、当初は棒沢の下降を計画してたが、おとなしく昌次新道で下山。チタケを多く見つけ
shunrinのお土産にする。暑さは相当な物で清津川本流で水浴び、さらに棒沢出合で水浴びしてゲートに到着した。
下山途中、「熊ノ沢に行きます』という男女ペアにすれ違う。沢マニアは結構居るものだ!
P.S:熊ノ沢は魚影も多く楽しい沢ですが、赤湯までのアプローチが結構カッタルイです。技術というより体力勝負の沢。
ガイドには"核心部以外は至る所に幕営適地あり"とありますが、標高1300m越えると、
時間を掛けて整地しないとダメな所ばかりです。ザイルは沢慣れしたパーティであれば30m1本でOK。
|