2010年9月26日 越後 広掘川 入道沢→古雪沢下降

メンバー:mt-samさん、ひろた
装備:8mm×30m2本、フェルトソール
遡行図はこちら

土曜の天気が今ひとつだったので、日曜日帰りで急遽mt-samさん紹介の入道沢に決定。この沢「上信越の谷105ルート」に掲載されているが、どうも悪そうな印象を
持っていた。
通常、阿寺山経由or大日岳経由の登山道で下山するのが一般的だが、時間があれば、情報は全く無い、隣の古雪沢を下降する計画にした。

アプローチ:フィット
17:45自宅発→(R4、R50)19:32桐生太田→21:20石打PA
5:50ゲート出発→7:00入道沢/古雪沢出合→11:35稜線登山道(休憩)
→12:21古雪沢下降開始→14:45入道沢/古雪沢出合→15:30ゲート到着

六日町ICから八海山スキー場を目指し車を進める。広堀橋まで入ると。もうSoftbank携帯は繋がらない。この少し先で
簡易ゲートがあり、ここに車を停める。駐車スペース5台くらい。
出だしは阿寺山への登山道を利用し、登山道が沢から離れる所で入渓する。ここから暫くは工事現場を思わせるような
平凡な河原が続く・・・。ポッと現れる4m巨岩滝は階段状で何の問題も無い。
簡易ゲート手前基点駐車スペース
平凡な様相が続く
4m巨岩滝

しばらく進むとゴルジュに突入。ゴルジュ内は一見悪そうに見えるが、3m程度の小滝が1つ2つで、問題なく突破出来る。
ゴルジュを抜けると入道沢/古雪沢の出合。ここはさらに左岸から枝沢が入っており三俣となっている。入道沢は左。
水量は古雪沢の方が圧倒的に多い印象。
ゴルジュ突入
ゴルジュ内は難所無し
三俣(入道沢/古雪沢の出合)

入道沢に入ると両岸草付きのゴルジュっぽい様相。ゴーロ状をしばらく進むと7m滝。傾斜は弱くフリクションも充分。
9mスダレ状(ちょっと大げさかも)もかなり寝ている。
入道沢入口
7m滝
9mスダレ状

ここからさらに進むと、沢は右に屈曲し『上信越の谷105ルート』に書かれている3段30m滝で急に核心部が始まる。
この滝は実際は2段20mでその上に10m滝があると言った方が良いだろう
下段は水流左をフリーで直登。2段目は左の草付きリッジがルート。高さがあるので、「ザイルは?」とmt-samさんに問うと
「要らない」といって登って行った
しかし、リッジを登りきった所で行き詰っている様で、私が追いつく。落ち口に向かってトラバースする所が1箇所
凹角っぽくなっていて良いスタンスが無いのだ。
ここは、一歩降りて、凹角を跨いで落ち口にトラバースして突破する。そんなに緊張はしないが、通常はザイル出した
方が良いのかな?

このスグ上は3段目に位置する10m滝。ここはザイルを出して私がリード。釜が深いので右壁を経って、
そのまま水流右を直登するW(リス有り)。ここは下から見ると右岸から簡単に巻けそうに見えるが、草付きバンドが
途切れているので、取り付かない方が無難。
2段20m滝(カーソル当てて)
2段目の登攀(カーソル当てて)
10m滝(カーソル当てて)

ここからは両岸の傾斜はきつくなり高巻きもままならない様相。。。幸い出てくるのは5m弱の快適に登れる小滝
ばかりだった。ホッ・・・
先行しているmt-samさんに追いつくと「これが30m4段滝だ!」とのこと。下から見ると簡単そう。1段目、2段目は快適に直登。
傾斜の強い草付きゴルジュ
幸い快適に進める
30m4段滝1段目&2段目

問題は3段目。『上信越の谷105ルート』を見ると右岸の草付きから水流を横断している写真がアップされているが、
2人とも、この記録を持って来ていたにもかかわらず、遡行中全く見ることなく、一見高巻きしやすそうな左岸を選択して
高巻きを開始。mt-samさんがフリーで登っていくが徐々に厳しい感じになっていく・・・。
上に控える4段目より10m以上高い所まで巻き上げられ、ようやくトラバースを開始。潅木はこの高さでは全く無く
ハーケンが打てなければ、ザイルを伸ばしても支点は取れない。ただ、幸い草の密度は高く、私はそんなに恐怖感は
感じなかった。先行するmt-samさんを抜いて下降点を探すが、急傾斜で良い所が無い。
mt-samさんが

「最後釜に向かって滑り降りるのはどうだ?」

とか言っているが、釜も浅いし、怪我をする確率95%以上、かつ ムリ降りて登り返しが利かずゴルジュから抜け出れ
なくなる可能性もあるので勧められない。草を掴みながら4段滝上に降りようとすると、ヒョングッた3m滝が行く手を
塞いでいる様にに見える。
”降りてその先突破できるのか???”
念の為mt-samさんを待機させ、ゴルジュ内に慎重に降りていく。幸いこの3m滝は右岸側から小さく巻ける事を確認。
彼にも降りてきてもらった。
ちなみに、ここで下降しないと、延々左岸の草付急斜面をトラバースしなくてはいけない事になるだろう。
ガイドの通りに直登した方が良いのかは定かではない。
4段滝3段目
左岸の高巻きに入る
ヒョングッた3m滝


この先も両岸切り立ったゴルジュは続き7mトイ状、mt-samさんは左岸を巻いて超え、
「登るならザイル出すよー!」と言ってくれたので、”ものは試し”にトップロープで登ってみる。ツッパリで登れるが股関節が
痛くなったです。W
この上で、雪渓の残骸が現れる。今年は記録的な猛暑が続いているのに、これだけ雪が残っていると言う事は、
通常かなり多くブリッジとして残っているのだろう。
ここから先のゴルジュは両岸とも側壁50m以上で高巻き不可能。”突破出来る”という事前情報が無ければ、
不安極まりない・・・
やはり予想通り、こんなゴルジュにはCS滝が付きもの・・・ 

「悪りぃー・・・!」 

と思うが、実際取り付いて見ると、
特に問題なく登れるから、上手い具合に岩が挟まったと関心してしまう。なんとザイルを出す事も無く。CS滝郡をクリヤー。
最後の10m滝もフリーで直登しこの狭いゴルジュを終了する。
7mトイ状(カーソル当てて)
側壁50m以上のゴルジュ
連続するCS滝(カーソル当てて)
ゴルジュ出口10m滝

10m滝を越えると沢床が多少広がるが、すぐ次の7m滝が見えている。ここは左岸の高巻きかと思ったが、滝下まで
行ってみると登れそうだったので取り付く。一箇所立っているところがあったが、ここをクリヤーすればOK。
mt-samさんにはザイルを出す。
すぐ上の10m滝は左からも巻けそうだが、そのままザイルを伸ばして私がリード。一箇所段を上がる箇所にガバが無く、
支点を取ったハーケンに足を乗っけてクリヤーW A0
7m滝
7m滝はフリーで直登
10m滝(カーソル当てて)

この上は再び両岸切り立ったゴルジュ。幸い雪は無かった・・・6mCSは残置シュリンゲはあるものの、体勢が今ひとつ
決まらず。お助け紐を出してもらう。
次の8m2条は右の小さなルンゼ水流沿いを快適に越え、7mトイもフリーで越えた。V+
ラストのCS小滝を越えると核心部が終了。急に源頭の様相になる。
また切り立ったゴルジュ
6mCS
7mトイ
核心部が終了

右から水を落とす沢筋を詰めていけば登山道も近い。1分程度の軽い藪コギで終了。尾根の反対側は水無川流域に
なっており、幣ノ滝などが遠望できる。休憩中、鎖場の修理目的であがった登山者から、水無川北沢に入ったものの、
寒くて撤退しそのまま三国川五竜沢に転進したパーティーが居たそうだ。気合は入っているなぁ・・・

時間はまだ昼前。「沢で下降しますか?」と問うと、「物足りないんで、沢下降しよう」とのお返事。
計画通り古雪沢を下降する事にした。
最後の詰め
稜線登山道から中ノ岳(正面)と五竜岳(右)

『凡ゲ岳』と書かれた入道岳ピークで高度計を修正。そのまま登山道を下降して1597mの鞍部から古雪沢へ下降する。

根曲り竹と潅木のミックスの藪コギから沢形に入るとすぐに急傾斜。涸滝を2、3小さく巻いて降りると左岸から水流の
ある沢筋と合流。
入道沢とは違い側壁が切り立つことなく、安心して下降できる。ナメ床を下っていくと6m、7mと滝が次々と現れてくるが
両岸の潅木を掴みながら、あるいはクライムダウンでさらには小さく巻く等、ザイルを出さず下降できる。
古雪沢を下降
6m滝
連瀑帯を降りて行きます

左岸から(2:1)で入る枝沢を見、さらに連瀑を下っていく。8mスダレ状は癒し系の滝で良い感じ。さらに5m、7mの二つの
トイ状滝を降りると、沢は右に屈曲し予想もしなかった2段50m大滝が現れる ここは5m程水流右のバンドを下降して、
右の潅木帯に入り下段は水流の右岸側の乾いた岩を降りていく。
8mスダレ状
大滝すぐ上の7mトイ状
2段50m大滝(カーソル当てて)

ここから先は平凡な様相になる。突如現れる9m滝は30mザイル2本繋げて懸垂。30m1本ではギリギリかも???
さらに平凡な様相を進み、6m滝を降りると左岸から7m滝で出合う(1:1)二俣ここを通過すると入道沢出合の三俣に到着する。
本流ゴルジュ内の小滝をクライムダウンすれば、あとは基点駐車スペースを目指すのみだ。
9m滝(カーソル当てて)
6m滝
(1:1)二俣。左から降りてきました

P.S:入道沢のゴルジュは非常に側壁が高いので、雪渓の状態で敗退を余儀なくされる可能性があります。
   泳ぎは無いのでシーズン終盤に計画を立てるのが良いでしょう。
   一方、古雪沢は序盤は平凡な様相が続きますが、大滝をを含め上部連瀑帯は、快適に登れ
   越後入門には良いかもしれません。ザイルは、古雪沢下降の場合30m2本か45m以上1本あれば足ります。

遡行図(クリックして)


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