2010年10月2,3日越後 北ノ又川 蛇子沢左俣

メンバー:mt-samさん、ひろた
装備:8mm×30m 2本、 カム、靴:フェルト
遡行図はこちら

悪い・悪いと聞いている越後 北ノ又川 蛇子沢左俣。「いつかは行っておかなきゃ・・・」 と思っていたが、
根拠無くなんとなく"行けるんじゃないかなぁ・・・" なんて思える様になってきたのが、ここ最近。。。
mt-samさんにお供していただき、ようやく遡行する時がきた。

アプローチ:フィット
18:15自宅発→(R4、R50)19:50桐生太田IC→21:12石打PA着、5:40発→6:27石泡橋
6:50石泡橋(基点)初→6:58蛇子沢入渓→10:35二俣→14:15 3段20m滝下(テン場あり)
→15:00 7m円形劇場滝上テン場着

関越道小出ICを折り、シルバーラインに入るともうSoftbank携帯は繋がらない。銀山平もいまだにダメ。
荒沢岳登山口でmt-samさんと待ち合わせ。登山口二つあるが、西側の登山口は『私有地で立ち入り禁止』なる看板が
立っているだけで駐車スペースもなく"下山専用"と考えた方が良い。

基点となる石泡橋横、きれいなトイレと5台分の駐車スペースがあるのでここに車を停める。
『ようやく幕営出来る所に到着・・・』というWEB記録を多数見たので早出する。入渓点は北ノ又川右岸舗装道を歩き
蛇子沢橋から。
石泡橋横の駐車スペース
蛇子沢橋
入渓付近は平凡です。

しばらくは平凡な様相だが、ゴルジュの様相になると行く手を阻む5m滝。頭からのシャワーで良いなら登れそうな気もするが、
荷物もカメラも濡れる事を考えるとパス。右岸から小さく巻いて、7m懸垂で沢床へ。
この先もゴルジュ。淵も出てくるが、腰上までで通過できる。 この先、広河原→ゴルジュ→広河原と変化するが
さしたる問題は無い。魚影は入渓点付近で1回見かけただけで、その後は全く見なかった。
最初の5m滝
水に浸かってもこの程度
悪そうですが問題ありません。

4m滝はmt-samさんは水流左をルーファイして断念。左から小さく巻いたが、私が見ると登れそうだったので取り付くと、
簡単に越えれた。V

この先、水量は少ないが割と顕著な沢筋が右岸から入ると最初の難関となる4段30m滝が現れる。登れば確かに4段
だが、下から見ると2段にしか見えない。最下段の5mから水流沿いは全く手が出ず、左のカンテを直登する。
問題は2段目。。。他の記録見るとそのまま水流左を登っている記録が多いが、我々は右端に移動しナメ状ルンゼ
残置ハーケンを見つけたので、吸い込まれる様にこのルンゼに取り付く。まずはザイルを出してA0で3m登る。
そのまま2段目水流右のカンテに取り付きたいところだったが、支点も取れず断念。
一番右端のリッジに取り付いて、潅木帯に逃げ込んだ。このルートは厳しかった。3段目4段目は楽勝。
この滝は、1段目2段目を左岸巻で、越えられるのでご安心を・・・
4m滝
4段30m滝(カーソル当てて)
右端のナメ状(カーソル当てて)

大滝上は狭いゴルジュ。右岩壁に残置ボルトのある5m滝は荷物を背負ったままA0+ショルダーで核心の段を上がる。
ここはアブミがあるとかなり楽になると思う。
落ち口へは簡単にトラバース出来る。フォローのザイルは落ち口では無く残置ボルト真上の岩を跨ぐ様に掛けて、
滝上の岩で支点を取ると良いでしょう。

この上の4m滝はシャワーで登ってる記録もあるが、簡単に右岸から小さく巻けるので、巻いた。

ここで、右俣/左俣を別ける二俣となる。広々とした所で、左俣遡行の場合、最初で最後の絶好のテン場になる。
石泡橋を午後に出て、翌日10時間行動というのも、沢慣れしたパーティーなら時間的には可能か・・・。
右壁を登る5m滝(カーソル当てて)
シャワー突破可能な4m(右岸巻き)
二俣

左俣に入ると直ぐにゴルジュ。両岸は草付きで高巻きは悪そう。5m前後の小滝をクリヤーしていくと、それと現れる8m滝。
ゴルジュ内でこういう滝が現れると一瞬あせるが、水流右から登れそう。
まだmt-samさんがザイルを伸ばしていく所は、私は見た事が無いので、リードしてもらった。
水流左から取り付いて頭からのシャワーを浴びて水流右に横断し直上していった。私は頭からのシャワーを嫌って
右壁から取り付いて、この滝をクリヤーV

小滝を挟んで次に現れた10m滝は全体的にノッペリ気味。右岸から簡単に巻けるのが救い。頑張って水流左の
斜上バンドにハーケンまで打って取り付くが、結局NG・・・クライムダウンして、今度は水流右壁を狙い6mを直上するも、
その先が下から見たのと違い、かなり悪かった。カムでビレイを取り悩んだ挙句、ギブアップ・・・。
ここからではクライムダウンも出来ず、結局、mt-samさんに右岸を高巻いてもらい上からザイルを垂らして貰い、
懸垂下降して。右岸から高巻いた。40分くらいはロスしたかな。。。mt-samさんには申し訳無い事をしてしまった・・・
二俣から見る左俣の様相
8m滝(カーソル当てて)
右岸を巻いた10m滝(カーソル当てて)

この先、正面にそそり立つ大岩壁を見ると沢は左折れ15m滝。結構立っており、直登はムリかと思ったが、水流右の
大岩に取り付き、最初の3mをクリヤーすれば、後は快適そのもの。
mt-samさんは、パッと見て、ムリと決め込んだのか左岸のルンゼから高巻きに入ったので、そのままフリーで直登したV+

このすぐ上の9mトヨ状と4mY字も快適に直登出来るが、次の7mトイは右の小尾根を登って、10m懸垂。
残置シュリンゲがあるので定石ルートと言った所か・・・

ここから先のゴルジュは今まで以上に切り立った感じになる。特に左岸の岩壁はほぼ垂直で、何かあったら右岸を巻くしか
ない。先人の記録があるから良いものの、情報がなければさぞかし不安だろう。
15m滝。(カーソル当てて)
9m滝も快適に直登♪

7mトイ(これは巻きだよねぇ・・・)
左岸小尾根から懸垂です。
これぞ越後というゴルジュ

今回、ゴルジュ内には僅かな雪渓を残すのみで全貌が把握できる。6m滝は水流右から巻き気味に越えられるが、
10mCSは右岸巻き。この上に控える5m、10m滝共にV級レベルで直登出来るので小さく巻けるならそうした方が楽しめる。
ノーザイルで下降可。
mt-samさんはすべてを高巻いた。10m滝はザックを擦りながら登ったけど・・・ 10m滝上で彼と合流。
10mCS。右岸巻き
奥に控える5m(カーソル当てて)
10m滝で相方と合流(カーソル当てて)

ゴルジュは容赦なく続く・・・
その上の7mナメ。6mはクリヤー出来るものの、15mCSは絶望的。一応滝下まで覗いてみたが、水流近くからは巻けず
100m程、引き換えして高巻きに入る。ここは、小さく巻けず潅木帯まで押し上げられた。途中古い残置ハーケンを発見。
それでも極力小さく巻いて12mCS滝のすぐ上に出る。懸垂無し。 
容赦無しのゴルジュ
15mCS滝
右岸を高巻きます
高巻き途中から(クリックして)

ここからCSの小滝を越えていくと3段20m滝。 実は多くのパーティはこの滝の下で幕営地としているようだが、
時間も早かった事もあり、全く気付かずココをパスしてしまった・・・

3段滝は、2段目までは簡単で、3段目は左から巻き右岸枝沢を利用して安全圏まで巻き上がる。3段滝の上に控える7m滝も、
さらにその上の6m滝も一緒に高幕いた。
3段20m滝
3段滝上の7m滝
さらに6m滝も高巻く(カーソル当てて)

左岸から枝沢が入り、少し進むと7m円形劇場滝。残念ながら直登は出来ず左岸に上がる。ココに一枚岩スラブがあるが、
ラバーソールでもムリらしい。ザイル出せば登れない事もないだろうが、この1枚岩と草付のコンタクトラインから巻く事にした。

時間は15時手前。ちょっとした河原状の所があったのでここを幕営候補地とし、先を覗きに行くが、またゴルジュが続いていたので、
ここで行動終了する。岩がゴロゴロしており左岸からの落石もちょっと怖かったが、仕方がない。整地して草を敷き詰めると
マズマズ。薪も多く良い感じ!これより上にはテン場は無いと思った方が良い。
円形劇場7m滝(左岸高巻き)
幕営した河原(1410m付近?)
のんびり〜♪



二日目
7:00出発→8:35稜線登山道(荒沢岳往復)、9:30下山開始→11:35登山口着→11:45石泡橋

核心はすべて終了してしまったので気分は楽。ゴルジュがこの先も続くが5m滝を右から巻いた以外に特に問題は無い。
そのまま源頭部の様相になる。(1:1)二俣を左に入ると、ザックが落ちていた!! 身元が解るものは一切なし。、
ちょうどカッパを買い換えようと思っていたのでカッパを一応いただく事に・・・。
でも、防水機能がゼンゼンダメで結局廃棄処分・・・
ゴルジュが続きます
(1:1)二俣
最後の詰め

更なる二俣を左に入ったが、荒沢岳山頂近くに詰めるのは右が正解。まぁこちらも10分弱の藪コギはあったが難なく登山道に出る。
山頂までは10分程度のところだった。

荒沢岳は2度目。北ノ又川本流滝ノ沢にはまだビッチリ雪渓が残っていたのが印象的。
下山は、一般道だが、鎖場が多く、ヘッデンでの下山はかなり難儀しそう。。。基点の石泡橋にはお昼前に到着した。
山頂にて
山頂から、中ノ岳、越後駒ケ岳


P.S:かなり身構えていたからか、思っていたよりは易しい沢でした。。ただ、雪渓の状態によっては
   遡行難度も大きく変わると思います。ザイルは30m一本しか使いませんでしたが、1本なら45m以上あった方が良いでしょう。
   幕営ポイントは二俣を過ぎると良い場所は無く、平らな所があっても、落石の不安が付きまとうことは覚悟です。。
   
遡行図(クリックして)


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