2010年10月11日 奥秩父 笛吹川東沢 鶏冠谷左俣 三ノ沢

メンバー:NYAAさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム、靴:アクアステルス
参考ガイド:奥秩父両神の谷100ルート(これもAmazonで5000円もするのかぁ〜)
遡行図はこちら

10月の3連休、天気予報に翻弄され、計画が二転三転。最終的に表記の沢に決定。
沢登りの経験が少ないNYAAさんとは初顔合わせ。鶏冠谷は7年前に左俣/右俣共に遡行済みという事もあり、
半分ガイド遡行という感じで遡行することになった。

アプローチ:フィット
16:28自宅発→17:20道の駅「思い川」→19:05太田→21:20豆焼橋PA
5:25西沢渓谷駐車場発→6:10鶏冠谷出合→8:35二俣→10:25三ノ沢出合→12:45鶏冠尾根、
13:00下山開始→15:50鶏冠谷出合→16:35西沢渓谷駐車場

過去の自分の記録を見ると、鶏冠谷は結構時間が掛かっているので早出。西沢渓谷駐車場はsoftbank携帯
はかろうじてアンテナ1本だ。 NYAAさんの装備をチェックし出発。
私も今回は、初のラバーソールでの遡行、靴裏の感覚は非常に影響を与えるので、いささか緊張気味。

歩き出し40分で鶏冠谷出合。昨日、一昨日と雨だったため、さすがに水は多い様だ。
序盤は小滝を交えての概ね平凡な様相。足裏感覚を確認しながら進む。話には聞いていたが、ぬめった岩での
グリップは"ゼロ"に近く、乾いた岩は物凄くグリップ。ラバーソールは"0"か"1"かのデジタル感覚といっても良いだろう。
この"ゼロ"の感覚で細かい凹凸を何処まで拾えるのかを確認する為、あえて濡れたところを進んでいく事にした。
8m魚留滝は、以前単独で来た時、A0で水流右を直登したが、今回は予定通り右岸を巻く。水量も多いので
諦めも付くというもの・・・
鶏冠谷出合(案内板あり)
序盤の様相
8m魚留滝(右岸巻き)

暫く進んで広河原で出合う飯盛沢が左から入るとナメ床が現れてくる。 奥ノ飯盛沢出合いの大滝は7年前には、
”こんなところ登る人居るんだ〜!”と思ったが、今回は登れそうにも見えてくるから怖い。。。

さて、ここに掛る12m4段ナメ滝は、おそらく前回同様水流左の凹角に取り付き。3段目からはそのまま水流右を直登。
飯盛沢出合
奥ノ飯盛沢出合の大滝
12m4段ナメ滝(カーソル当てて)

この滝上の10m逆「く」字滝は、NYAAさんが居るためザイルを出して私がリード。今日は水量が多いので、
水流に脚をつけながら下段を登るのは難しく。水流右15cmくらい上がった細バンドにスタンスを求めながら下段をクリヤー。
ここで多数ぶら下がる残置シュリンゲにランニングを取り上段を登る。水流のある岩にはラバーソールは結構グリップし、
この滝を登るのは今回3回目になるが一番容易だったかも・・・NYAAさんは上段で1度脚を滑らせるも転ぶことなく
上がってきた。

この先一旦平凡な様相になるが、またナメ床、ナメ小滝が現れる。これを越えると左俣/右俣を別ける(1:1)二俣だ。
10m逆「く」字滝
ナメが続きます
二俣

左俣に入ると5mトイ状。左壁をフリーで登る。その上の5mは濡れるのを避け左から小さく巻く。その後倒木のある
4mなど小滝を越えていくと8mナメ。巻こうと思えば右岸を簡単に巻けるので不安は無いが、右端奥から直登する。
岩は全体的に濡れててツルツル。1回滑って転んだが、右壁をうまく使えばそんなに難しくは無い。2度目で突破。V+
NYAAさんは「登れなーい」との事なので、上からザイルを投げる。
ココから少し進むと左から20m大ナメ滝で出合う一ノ沢が左から入る。本流も13m「く」字滝が掛かり直登は不可能。
左岸を高巻いて本流に戻る。降りた所に7mナメ滝。傾斜は緩いので問題無し。
5mトイ状(カーソル当てて)
8mナメ(カーソル当てて)
一ノ沢出合に掛る20mナメ

この先にちょっとしたゴーロ帯があり、軽く整地すれば好いテン場になりそう。鶏冠谷左俣は下降を含め10〜12時間
コースなので、ココで幕営すればムリの無い遡行となるはずだ。

幕営ポイントを過ぎてすぐに5m滝で出合う二ノ沢が左から入る。本流は3m,4m,4mの3つの小滝が連なっている。
最後の4m滝は倒木の右から取り付き落ち口を抜ける。NYAAさんにはお助け紐を出して突破してもらった。V+
一ノ沢過ぎての幕営ポイント
二ノ沢出合
4m倒木有

この先少し進めば三ノ沢出合になる。一ノ沢、二ノ沢の出合と違い細い水流で出合うので見落とさない事。
出合は貧弱だが、三ノ沢に入るとすぐに20m3段ナメ滝が現れとてもイイ感じ。どこからでも快適に登れそうで、
NYAAさんが先行するも、2段目で足を滑らせすべり落ちる!
体勢を反転させ、3m程度のスリップで自ら止めたのでセーフ。私が先頭を代わり、上からザイルを投げる。
NYAAさん「なんでもないじゃん!」と言って上がってくる・・・そう、なんでも無い所で結構事故が起きたりするものだ。

20m3段ナメ滝を終了すると1枚岩にひたひたと流れるナメ。敢えて濡れた所を直登する。
さらにナメ床が続くが、一旦崩落で埋まった様相に成りナメが途切れる。20年くらい前は全部ナメ床だったかも。
三ノ沢出合
20m3段ナメ滝(クリックして)
1枚岩のナメ

しばらく進むと(2:1)二俣、ココを左に入るとミニゴルジュとなり、小滝がいくつか掛かるが、水流通しで進める。
沢幅が広くなるとスラブ風の二俣。左は完全に涸れており、水流のある右に入る。ナメ床が続き快適に高度を稼ぐ。
(2:1)二俣
スラブ風の二俣
ナメ床が続きます

再び左から藪沢が入るところを右に進むと10mナメ状。ここも難なく直登。ここからも一枚岩のナメ(見方によっては
スラブ)を詰めていく。詰めはV−の岩稜を直登。ガレを少し登りコメツガの薄藪を1分ほど漕げば鶏冠尾根に出る。

下山は鶏冠尾根を利用。赤テープはあるが、相変わらず迷いやすい所が多い。鶏冠山山頂までは、道は尾根に忠実に
付けられている所が殆ど。
第3岩峰と第2岩峰の間に1箇所4人は横になれる絶好のビバークスペースがある。
鶏冠尾根のヘッデン下降はまず不可能なので、暗くなりそうだったら、ここにビバークした方が良いかも。歩いていて
2分以上赤テープが見つからない場合は明らかに登山道を外れているので、ご注意を。
懸垂下降はしなくても降りれるが残置ロープが無いと苦しい所も1箇所あり。
休憩1回入れて2時間50分で鶏冠谷出合に到着。16時半に基点駐車場に戻れた。
10mナメ状
上流部の様相
最後の岩稜
鶏冠尾根はもうすぐ
鶏冠山


P.S:鶏冠谷左俣は本谷を含め日帰りコースにしては長丁場になります。日が短い時期、初級者を交えた4人以上の
   パーティーなら二ノ沢出合手前にある幕営地で刻む1泊2日で計画した方が良いでしょう。ザイルは30m1本で足ります。

遡行図(クリックして)







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