2011年4月16日 奥多摩 日原川 樽沢→カラ沢下降

メンバー:単独
ザイル8mm×30m
地図:奥多摩湖
概念図、遡行図はこちら

所沢に来て2週間、なんと急きょ来週末から栃木に戻ることになった。ならば、栃木からじゃ行き来にならないけど、
所沢からだったらいいや・・・という沢を選定。相互リンクさせていただいている”山頂のてっぺんで!”で樽沢が
高評価だったため、ここに決定。一般登山道で下るのも容易だが、沢屋なので、一本西に位置するカラ沢を下降することにした。

アプローチ:Fit
5:10所沢発→6:38日原村P(基点)
6:55基点駐車場発→7:25樽沢出合→8:15大堰堤→10:40稜線→11:00カラ沢下降開始
→12:50日原川出合(カラ沢下降終了)→13:10基点駐車場着

いやぁー近い!!! 奥多摩が近い!のんびり走っていたにもかかわらず、1時間半で日原村まで来てしまいました。
いままで、丹沢、奥多摩の沢も結構遡行したけど、本当に今まで頑張ったね♪ 丹沢なんか遡行時間よりも往復
アプローチの方が時間のかかった沢が何本あったことか・・・
でも、この楽チンさも今回が最後。。。これからも頑張りましょう(^^)v

さて、基点は日原村のお客様用無料駐車場。ここは相変わらずsoftbank携帯は使えない。 手前から日原川へ降りる
車道もあり、ぐるっと弧を描いて降りた突き当りにも2台程度車を停められる。ここから沢に降りる明瞭な踏み跡が
伸びており、対岸へは吊り橋を利用。ここから樽沢まで日原川に沿って右岸に踏跡が伸びるが、沢床に降りて樽沢出合を
目指す。日原川左岸の大ガレを過ぎ、右岸から4m滝で入るのが樽沢だ。
日原村観光客用駐車場
吊り橋で日原川対岸に移動
樽沢出合の4m滝

4m滝を軽くシャワーを浴びながら、直登、すぐ上に2段6m。水流右に取りつき、水流へトラバースを試みたが、
明らかに無謀。そのまま水流右凹角を登った。ここからは左岸がザレ、右岸は岩壁という様相が続く。沢床は岩盤が
発達し、予想以上に良い感じ。少し進むと大岩左脇から水を落とす3m滝。直登するには頭からまともなシャワーを
受けなければならず、さすがに4月は断念。大岩右のザレの直登で巻こうとするが、かなり厳しい。しかし、ここを
諦めるとかなり引き返して、やはり潅木滞までの10m以上のザレ直登になる。 ハンマーをザレに突き刺し、
キックステップでこのザレ直登。今回の核心はここかも。
2段6m滝(カーソルあてて)
序盤の特徴的な左岸ザレ
この沢核心となった3m滝(カーソルあてて)

ここを超えると、概ね平凡。そういえば、『奥多摩大菩薩高尾の谷123』にはこのあたりワサビ田跡があるように
書かれているが、崩壊が激しいのか、ワサビ田は全く見当たらない。
4m滝を超え、3m階段状、5mヒョングリと続く2つの滝は敢えて難しいラインで登る。とはいってもV+だが・・・
さらに、5m滝を超えると急に沢床が開ける。
3m階段状
5mヒョングリ(右から登りました)
この5m滝を超えると開ける

と、そこには記録でみた巨大な堰堤が現れた。なーるほどこれかぁー
この堰堤は平成15年に作られた模様。でっかい堰堤だが、小さく巻けるので問題なし。崩壊した石積み堰堤が
あり、一時の崩壊の凄さを物語る。その先に石積み堰堤があるが、これは真ん中から直登を試みる。
安定しているが、ほぼ垂直・・・堰堤なんだからあたりまえ。。。
岩が大きくてホールドスタンスが遠い・・・堰堤なんだからあたりまえ。。。
ということで、何も考えず取りついたのでハマッテしまう。なんとか超えたW
さらに、もう一つ石積み堰堤があるが、さすがに、左端から超える。しばらく行くと沢は二俣に分かれる、水流は左から
右の沢を見ると奥で大崩壊していた。この崩壊が沢の様相を一変させたようだ。
巨大堰堤
石積堰堤も直登
二俣(左に入る)右の沢筋が大崩壊

水流のある左に入ると、ゴルジュとなり、2段7m滝が行く手を塞ぐ。近づいて見ると、水流左の乾いた所から行けば簡単
なので一安心。慣らしに意味も含め、敢えて難しい側の水流右から取りついて、水流に移動。そのまま水流の中を突破する。
ゴルジュ内3段7mも快適に直登。ゴルジュを終了。さらに2段8m滝を右から超える。
2段7m滝
ゴルジュ内3段7m
奥に2段8m

ここで滝場は終了。ふたたび左岸から上部に大ガレを見るルンゼを超えると、左岸に作業小屋跡(960mくらいか)
この辺りで初めてワサビ田跡が見られるようになる。水量のある沢筋を追うと、沢は緩やかに右カーブ。
しばらく進むと下から水流の音が聞こえる沢筋と、明瞭な沢形となっているが水が流れていない沢筋の二俣になる。
ここは右の水の流れていない明瞭な沢形に入り、高度を稼いでいく。この沢形がなくなると稜線も近い。
ヤブ漕ぎなしで六ツ石山と将門馬場間の稜線到着。登山道は少し下った南側を通っている。
左岸にある作業小屋跡
ワサビ田跡
明瞭な沢筋を詰め上がる

この登山道を西に進み二俣に分かれるところを右の稜線コースに上がれば、どこから降りてもカラ沢に降りれる。
遠くに日原川左岸の大ガレが見えるのも目印になるだろう。
さてさて、このカラ沢。。。なんと変化も無ければ、水も無い。平ーーー凡な様相が延々と続く。現れたとしても、
せいぜい1m〜2m程度の枯滝。地図には水線が描かれているが、どこまで下っても全く水は無いので、夏場は水の補給
に注意が必要。だから”カラ沢”なんだ!!!

このまま、ゴールかと思いきや、右岸側壁が異様に立ち上がったところで、スパッと沢筋が切れ落ちている!
覗き込むと15mはあろう枯滝! 奥多摩だから当然あるだろうと思った残置支点もない。まぁ30mしか持ってきてないから
届くか微妙だけど・・・
右壁は垂直で絶望的だが、左側もかなり急激に落ち込んでいる。ただ、左側は支点となる木が点在するのが救い。
懸垂2回で下に降りたが、岩が脆いので、懸垂中の落石には十分注意が必要。
ザイルがないと、ここの下降は非常に難しいはず。

この涸滝を降りれば、日原川はすぐそこ、本当に最後まで水がなかった。。。(>_<)
日原川に出て右を見れば、朝渡った吊橋がすぐそこ・・・、来たとき確認しとけばよかったよ・・・
カラ沢の全体的な様相
最後の最後で・・・
15m枯滝(左岸から懸垂)


P.S:ほとんどの滝が直登可能で中盤までは水も十分あり、予想以上に楽しめました。初級者の方を連れていくには
   お勧めです。ガイド本「奥多摩大菩薩高尾の谷123」からは大きく内容が変わっていますのでご注意を。
   下りのカラ沢は水がなく、足場の悪い下山道と考えた方が良いでしょう。ただラストに涸滝があるのでザイルは必携です。

樽沢概念図(クリックして) 遡行図(クリックして)


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