2011年6月11,12日 葛根田川北ノ又沢→明通沢(大ベコ沢)下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m、靴:フェルト
地図:曲崎山
遡行図、概念図はこちら

高速道路土日1000円も残す所あと2週・・・残念ながら関東甲信越は梅雨空だが、北上すれば、梅雨の影響は受けない予報。。。
ならば最後のチャンスということで、岩手雫石を流れる葛根田川をチョイス。超メジャーな沢で、WEBでも多数記録がアップされているようだ。
いろんなルート取りが考えられる沢だが、●クルマ1台でのアプローチ ●沢中1泊  という事で、北ノ又沢から東の大白森経由、明通沢下降の
オーソドックスルートで計画を立てた。

アプローチ:FIT
16:23会社発→17:22矢板IC→18:46吾妻PA、19:10同発→21:38紫波SA、5:30同発→5:46盛岡IC→6:27葛根田地熱発電所基点着
初日: 6:55基点発→8:00明通沢出合→9:35大石沢出合→10:10中ノ又沢出合→(釣り休憩)12:50 835m右岸枝沢出合
     →14:05ルート修正 北ノ又沢へ移動開始→14:37 北ノ又沢930m地点→(釣り休憩)15:35 940m地点行動終了
二日目: 5:25出発→7:20大白森(下降ルートを間違い引き返す)、8:40明通沢へ下降開始→11:10林道横断点(林道利用)→12:20基点着
      12:33葛根田地熱発電所発→13:32盛岡IC→17:58矢板IC→18:52自宅着


栃木といっても雫石にある葛根田川は遠い。。。そういえば20代の頃は"雫石日帰りスキー"なんて同僚と行った事あったなぁー・・・
いったん自宅に戻ると遠回りになるので、仕事を追え直行。吾妻PAに店を構える"幸楽園"でラーメン&ギョウザを食べ、紫波SAで仮眠。
盛岡ICから基点となる葛根田川地熱発電所までは道も良い。ここはあたり一面蒸気が噴き出しており凄い所だ!
ゲート手前までクルマを入れ、入渓準備。ゲートから林道を少し歩いて入渓。堰堤を3つ越えると、いよいよスタートといった趣き。。。
葛根田地熱発電所ゲート手前に駐車
堰堤といってもこんな感じ
いよいよスタートです♪

平凡な様相を進むとヘルメットを被った2人組みとすれ違う。大石沢を下ってきたとのこと。本流は大丈夫だけど、大石沢は滑っていて非常に
辛かったらしい。岩魚は大石沢から下は少ないと教えてくれた。

右岸にに大きなガレと思ったら70m級の滝が掛かっている。本流が単調だけに両岸のこういったアクセントが一層引き立つね! 
ここからすぐに、下降ルートと計画している明通沢は顕著な水流で左岸から入る。この辺りからナメ床が点在してきます。
右岸ガレかと思ったら
70m大滝(クリックして)
明通沢(大ベコ沢)出合

少し進むと右岸からスダレ状の7m滝で入る枝沢に癒されます。本流はナメ床を交え、いたって平凡。。。ただ、すれ違ったお二人の言葉どおり
この辺りでは魚影は見かけません。この先、淵が出てきますが、何の苦労もなく通過。
スダレ状7m滝で出合う左岸枝沢
広々としたナメ床
淵が出てきますが問題なし
イワナ居るかも???
3m程度の滝
ど真ん中の水深は深いです。

淵を通過して広河原になると右岸から顕著な沢筋。。。これが大石沢です。基点から2時間半強。二俣には絶好のテン場があります。
ここから少し進むと滝で出合う沼ノ沢。さらに中ノ又沢が右岸から入ります。中ノ又沢出合右岸には増水にも耐えられるテン場有。
この先、魚影が現れたので早速竿を出してみると25cm弱が1匹かかりました 写真撮影後にリリース。・・・というのは嘘でちょっと砂がついたので、
洗ってからビニールに入れようと思って水につけたら、急に元気を取り戻し住処に帰ってしまいました。。。まさに”水を得た魚”
大石沢出合(写真中央にテン場あり)
中ノ又沢出合(右岸にテン場あり)
降参です・・・という表情のイワナ君

癒されに来たのにイワナにバカにされ、苦々しい気持ちを引きずりながら進むと初めて滝らしい滝が登場。10mのドーム状。前衛の2mを上がって
中をのぞきましたが弱点無し。引き返して左岸を高巻き。。。この先、竿を出しっぱなしで釣りをしながら進むも成果無し、さらに糸が絡まってしまい
結局仕掛けを作り直すという、大自然の中で非常にチマチマした作業をする羽目に・・・ それでも後から誰も来なかったなぁ。。。

この先二俣が現れ、右俣には25mの見事な滝が掛っていた。高度計は836mを指している。結構な水量で流れてくるので、ここを滝ノ沢/北又沢出合と
間違え、地図をちゃんと見ずに滝に魅かれ右に入ってしまった。
10m滝(左岸巻き)
間違って右に入ってしまった二俣。。。

間違っていることを、気づかず25m滝の直登ルートを探る。。。とりあえず水流左に取りつくと上部は渋いことが判り左壁に逃げる。
3m頑張って直上してトラバース掛けようとしたら壁が抉れてて絶望的・・・頑張ってクライムダウンしてさらに左に逃げて、またまた頑張って
直上して灌木帯に逃げ込み枝をつかみながら落ち口上に出た。。。なーに癒し系の沢で頑張ってんだ???しかもルート間違ってるのに。。。

滝上はS字に屈曲しながら進み12m滝が現れる。これは水流左を直登可能。さらに7m滝を水流右を直登。ここまでアドレナリン出しまくって
勢いで来ちゃったけど、この滝上で水流が細くなる。
25m滝(カーソルあてて)
12m滝(水流左を直登)
7m滝(水流右を直登)


進んでいる方向はあってるんだけど、さすがにこれは無いんじゃない・・・?と思って地図を確認すると、やはり一本手前の枝沢に入ってしまった事に
気づく。まぁこの沢筋詰めても大白森に出るけど、”さすがにこれはいやだなぁー”

引き返すのは面倒だし、高度計から現在地も確認でき、小尾根を越えれば北ノ又沢に出れるのでちょうど右岸から入ってきた枝沢を利用して
北ノ又沢に移動。。。”小尾根を越える” というとカッタルイ印象だが、35分で北ノ又沢に降り立つことができた。標高は930m地点。
せっかくなのでちょっと下ってみたら3mナメ。さらにその下で絶好のテン場もあり、ここで幕営しゃちゃおうかなぁー とも思ったが、まだ14時半なので
折り返して上流をめざす。先ほどの3mナメで魚影をみたので竿を出したら1匹釣れた!、今度は容赦無く持ち帰る。

右岸30mナメ滝で出合う枝沢を見、標高940m地点でタープを張ることにした。。。ここより上流はあまりいい場所がない。
さすがにこれはないよなぁ・・・
北ノ又沢に下りてきた
3mナメ。イワナ釣れる♪
右岸30mナメ滝で出合う枝沢
940m地点で幕営
一回雨降ったんで湿った木が多かったけど


二日目
今日栃木まで帰ることを考えて、4時前に起きて早出する。少し進むと10m3段のナメ滝が突如として現れる。この滝の釜にも岩魚が泳いでいた。
ただし、魚止めはこの辺りだ。この滝は水流右を直登。滑って折らずアクアステルスの靴でフリクション充分。
そのままナメ床が続きすぐに15mナメ滝。ここは水流左に取り付く。ここもスタンス、ホールドが適度にあり快適に直登出来る。次の8mは傾斜も強く
ノッペリしており左岸巻き。
10m3段ナメ(水流右を直登)
15mナメ(水流左を直登)
8m滝(左岸巻き)


すると、右岸から6mナメで出合う顕著な二俣。6mナメを登ってみると沢筋が東に伸びているので、そのまま進む事にした。まだナメ床も続き正解か!

8m2条ナメは左から取り付き水流を右に横断して抜ける。ナメ床はまだ続き、倒木のある4mナメを抜けると平坦になってくる。藪コギを殆どすることなく
大白森の湿原に7時過ぎに到着♪
1030m位に位置する二俣(左の6mナメに入る)
8m2条ナメ
ほぼ終了地点
大白森到着♪

遠くにガスがかかり、完全に周囲を見渡せない状況で南東方向に進み沢筋に引き込まれ。これが下降する明通沢かなと思って藪で覆われる沢を
下っていくと、どうも進路が西よりになっていく。視界が利くと、完全に西に沢筋が伸びており、おそらく6mナメで出合った二俣に戻ってしまうのだろう。
登り返して、さらに藪コギで東に進路を取ると再び先ほど見たような湿原に出くわす。
「あれ、さっきとは絶対に違う場所に立っているのに・・・」と後ろを振り返ると、漕いで来た笹薮の向こうに同じような湿原が広がっていた。
視界が完全に利いて、「なーるほどね!、さっきはあそこにいたのね!」と納得。
ここを降りて行いくと間違いだった
登り返して東に移動(カーソルあてて)


明通沢へ下降。すぐに沢筋になり方向も問題なし。本流筋と思われる所に到着。高度計は丁度1000mを指している。すぐ下には6m滝があり、
頑張れば左岸側からクライムダウンも可能だが、懸垂で下降。明通沢も明るいナメ床の多い沢だが、何故か魚影は全く無し。滑っては居ないので
下降はしやすく、5m程度のナメ滝を潅木を掴みながらザイルを出さず下っていくが15m級の滝が現れ、さすがにこれはムリ。両岸見渡すと支点と
成り得る木は落ち口より5m程度上に有りそこからだと30mザイルだと下まで届くか微妙・・・。
水流右岸側を少し降りるとなんと細い潅木3本を括った割と新しい残置シュリンゲを発見。"大丈夫かなぁ・・?"と確認。ココにザイルを通して垂らして
みたら、なんとかなりそうだったので降りてみると、30mザイルでギリギリ届いた。
明通沢6m滝(この上に出てきた)
ナメの中に大岩が転がる
15m滝(カーソルあてて)

この先、下降を続875mで大きな二俣。右俣が明通沢の本流らしい。私が下りてきた左俣は白いナメ。本流右俣は赤いナメになっていて
興味深い。ここからナメ床もあるが、おおむね平凡な様相。左岸はしばらく高い土壁を呈しており、この土壁がなくなるとようやく林道跡の橋
現れる。このまま沢を下っても構わないが、林道の方が時間が短縮できるので橋の上にあがる。すると立派なのはこの橋だけで、林道はすでに
ほぼ藪に覆われ、踏跡程度を残すのみとなっていた。まぁほとんど迷うことは無かったが、数年後は微妙かも・・・
無事基点に到着したのは12時過ぎ。コンビニ弁当を掻き込んで一路栃木を目指した。
875mに位置する二俣(左から降りてくる)
左岸の土壁が長く続きます
林道横断点


P.S:癒し系の沢といってちょっとナメてかかってると、ルートミスします(^^)ゞ 大白森はガスが出ると迷いやすいので注意。
   テン場は私が幕営したところまでは随所にあり、困らないでしょう。ザイルは明通沢を下降する場合は最低30m持って行ってください。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)






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