2011年6月26日 丹沢 寄沢本流
メンバー:げんさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、8mm×20m、カムNo0.4、0.5、0.75の3個
地図:大山
遡行図はこちら
梅雨で、ほぼ今週は中止かと思ったら日曜は丹沢、奥多摩付近は曇り予報。ならば、丹沢で課題として残している、同角沢、エビラ沢、寄沢本流の
中から、寄沢(やどろぎさわ)を選択。この沢は表丹沢最大の”イイハシの大滝”があり、この滝の登攀がこの沢のメインになる。
この計画、天気予報に翻弄されながら、前日に決めたので、心の準備がまるで出来ていない。。。先週、先々週は癒し系の沢だったし。。。
まぁジャンケンで負けて急きょ下棚をリードするよりはマシか・・・
今回は、神奈川にお住いのげんさんとのジョイントだ! ちなみに靴は私がフェルトソール。げんさんはアクアステルスです。
4:10自宅発→5:33新井宿IC→6:10横浜町田IC→(R246)7:01寄着→7:25基点P
7:45基点発→9:10イイハシの大滝下→11:10イイハシの大滝上→12:58稜線(雨山峠)、13:00下山開始→14:20基点着
R246の”寄”交差点でげんさんと久しぶりの再会。基点となる"寄大橋"に向かう。ここに来るのは、滝郷沢に行って以来、4年ぶり。
駐車スペースは橋の両側にある。入渓準備をして出発。沢はしばらく平凡な様相が続く。寄沢沿いには、登山道とは別に遊歩道が設けられて
いるようで、これを使えば楽に、楽しいところから入渓できる。我々は早々沢床に降りてしまったため、堰堤にまともにぶつかる。最初の1個は
堰堤直登で超えるが、2個目は小さく左から巻き、3個目、4個目は遊歩道を利用して超え、二俣を右に入る。さらに出てくる堰堤群。。。
結局9個も出てきた!!!
この9個の堰堤を超えると遊歩道は登山道と沢で合流する。
ここからさらに平凡な様相を進むと、標高620m(1:1)二俣となり、本流はここを左に入るちょっと暗い感じだが、50m程進むと右から8m滝を
落としているので、これが目印になろう。さてこの8滝だが、水流右壁に取りつくが、難しいのはイイハシの大滝だけかと思ってたら、
この出だしの滝から結構シブイ。残置ハーケンあり。フリーで取りついたが、戸惑ってる私を見て、げんさんが「ザイル出そうかぁー?」と声をかけられ
ザイルを投げてもらう。残置で支点を取りシブイ1ポイントを超え滝上に出る。滝上には丹沢にありがちな残置支点は無く、カムとハーケンで
支点を取りげんさんに上がってもらう。
次の4m滝は右壁から容易に超える。さらにすぐ上に控える5m滝は一見逆相で取りつけないと思ったが、水流右に結構都合の良いホールドがあり
直登できた。そして、これを超えると、ハイライトのイイハシの大滝が姿を現す。
有名な滝で、多くの写真が掲載されているが、残念ながら、想像以上に立っていた。。。(涙)
どの記録にも下段は簡単で、話のタネにもならない様な風に書いてあるが、、自分にとっては確実にVはあるから、慎重に登る。
そして、2段目を見上げる。。。私の知り合いの一人は、残置シュリンゲを引っ張ったらハーケンごと抜けて3m落ち敗退。もう一人は
ノーザイルフリーで取りついて突破したが”超〜コワカッタ”って言ってた・・・。。。
丹沢の記録に何度も書いているが、丹沢以外でこんな滝が現れたらまず通常高巻きでしょう。丹沢は”精神トレーニング場”で無理やりTRY
させられる感じ。。。今日のリードは100%俺だし。。。('_') そりゃぁーまぁーこれ登るつもりで来たんだけど。。。
さて、web記録によると
@:右の草付から取りつき、直上。20m上がったところで垂直岩に行く手を阻まれるので、そこから水流方向にトラバース。後、水流右を
5m上がって終了。
A:垂直岩の右の草付を詰めあがる。
B:垂直岩をA0、or A1で強引に直登。
C:さらに右壁からザイルを出しての高巻き(それでもA0するみたい)
があるようだ。
下から見た感じでは、途中に良いテラスは無いので、ザイルは40mは無いと辛い。草付より水流側の岩は、おおむね逆相気味で、
さらにスタンスホールドは細かくまず不可能。。。定石の草付ルートにはハーケンベタ打ちとの記載もあったが、下から見て1個しか見えない。
まぁ、取りついたら、次の残置も見つかるでしょうと取りつく。。。草付の中はスタンスはあるけどガバは無く、草をつかんで上がるところが
1、2か所あった。
残置支点に腐りかけたシュリンゲがついており、再利用可能と判断。道具温存のため、それを利用して、垂直岩まであがる。ここまでW-。
ここには、残置支点2つ3つと、長めの古い残置シュリンゲが固め打ちされているが、さすがに不安なので、カム(0.4)でさらに支点をとる。
0.4だとギリギリなのでもう少し小さいカムがよい。
ここからは、@のトラバースラインを選ぶしか無さそう。Bはアブミ無いとかなり難しい気がします。
そうはいっても、トラバースラインにスタンス&ホールドは無い。2m離れたところに残置ハーケンがあるが(ハーケンのみ)、残置支点に眺めの
シュリンゲを使い左手を伸ばしても届かない・・・
よく見ると残置固め打ちされたポイントから左1m斜め上方にもう一つ残置ハーケンを見つける。ここに、なんとかカラビナ&シュリンゲを掛け、
全体重がけのA0で、2mのトラバースを終了するWA0♪
”ここから先はホールドスタンスが豊富で・・・” なーんて記録に書いてあったはずだが、岩が濡れてるせいか、ガバホールドがなく、安心できる
大きなスタンスもほとんど無い。水流にまともに突っ込んだ方が安心できそうだが、そこへのトラバースが若干不安なのと、まともにシャワーに
なるので、水流右の凹部を慎重に登る。ここには残置無し。最後長めのシュリンゲを、確認しながら掴んで、安全圏に足が届いた。
ビレイ点は中段上の釜の右リッジで極狭・・・。。。残置が一つしかないのでさらにハーケン2枚打ち足して、ビレイ。げんさんに上がってきてもらう。
上段10mは水量多過ぎ & お腹一杯なので右の藪に突入。 最初の一歩が甘いスタンスにホールド無なので、草&土を掴む感じで、思い切りが
必要。結構急傾斜の巻きなので、ここもザイル出した方が良いでしょう。げんさんは、この巻は結構コワカッタと言っておりました。
不安なら大きく水流から離れる方向に進めば多少傾斜は緩んでくる感じです。そっちには行ってないからわからないけど。。。
こうして2時間かかって全段終了する・・・遅すぎ???
ところで、この落ち口上に赤石沢で亡くなった人のプレートが打ちつけられている。日付が書いてあったので後日webで調べたらシシホネ沢で
単独遡行で亡くなったらしい。。。。なぜ、この滝の上にプレートがあるのかは???
大滝上は、小滝が2,3続く。ここで左岸から入る枝沢が寄コシバ沢になる。この上に控える堰堤を右から超えると広河原。休憩にはもってこいの
場所で、不必要な焚火まで起こして休憩(^^)ゞ
広河原と、の先で右岸からガレが入り、本流は右に曲がる。するとその先で右岸から顕著な沢形で3連続の枯滝が入る。これが小屋ノ沢。。。
当初、計画では上部で小屋ノ沢に入る予定だったが、遡行図をコピーするするのを忘れ、げんさんの持ってきた「丹沢の谷110ルート」寄沢本流
遡行図によると、
”ガレが現れ、次に右に折れているところに小屋ノ沢が入る”
ような事が書かれてあり、記述と現実がアンマッチ。さらに私も、そもそも小屋ノ沢は水が流れていると思っていたので、ここを通過してしまい、
本流遡行を継続することになってしまった。遡行図によると、本流ならこの先に6m滝が出てくるのだが、それが出てこないのもルートミスした原因。。。
沢は一旦伏流になり、その先で(1:1)二俣になったので、”ここが小屋ノ沢の出合かぁー!” と、ここを左に入る。
たしか、”小屋ノ沢は小滝が続くって書いてあった記憶があるんだけどなぁー” と言いつつ、ほとんど滝らしい滝は出てこない。唯一4m位の滝が
出てきたので、「水流通しっ!!!」とか言って突っ込んでる始末・・・
しばらくすると、道標が出てきた。。。道標には ”雨山峠まで0.4km” なんて書いてある。
「あれ、やっぱ間違っちゃった!?」といまさら言ってもアフターフェスティバル。。。
まぁ、とりあえず、すぐ横に登山道が通っている状況の中、最後まで沢通しで進む。この本流なんと峠直下まで水が流れている。。。
そして、雨山峠に到着♪
下りは、そのまま登山道利用。とちゅう凄いザレ沢がありました。なんて沢だろう???
急いだわけでもないのに、1時間半かからず基点に到着した。
P.S:寄沢本流はイイハシの大滝を登ってナンボ・・・という沢なので、この沢に行くなら、是非大滝登攀にTRYしてみてください!
後日冷静に振り返ると西丹沢の下棚よりは易しい気がします。カムは小さいのと開くと6〜7cm位になる大きい物二つあると、
万一残置ハーケンが抜けていたとしてもトラバースできます。残置シュリンゲは腐りかけているのでご注意を。ハーケンは4枚以上ご用意を。
靴はアクアステルスの方が良いみたいです。
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