2011年7月1日 奥多摩 海沢川本谷
メンバー:常吉さん、まっちーさん、Perseidcrossさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、8mm×50m(使用せず)、カム
地図:武蔵御岳
遡行図、概念図はこちら
夏場の電力対応で木、金の休みが始まる。同じ境遇の常吉さんをお誘いしたら、ぶなの会所属の若い強力なお二人が加わることに。。。
行先は奥秩父中津川流域を考えていたが、天気の影響で、奥多摩海沢川(うなざわかわ)に転進。この沢基点駐車ポイントから下部、上部と別れ
遡行内容が大きく変わるらしい。今回は下部から遡行することにした
2:51自宅発→4:50入間→5:11青梅→5:35鳩ノ巣駐車場→6:30基点着
6:50海沢園地基点発→7:07海沢川下部入渓→8:20下部遡行終了基点着、8:25同発→9:40大滝下
→10:50枠木大滝下(30分休憩)→12:40奥ノ大滝下→13:43 1090mで遡行終了左岸尾根にあがる→14:50海沢園地着
15:00梅沢園地→19:40自宅着
集合は、鳩ノ巣駐車場。無料で携帯も繋がるしトイレもあり。常吉さんと遡行は8年ぶり、まっちーさんは2年ぶり、そして、今回初顔合わせとなる
Perseidcrossさんとご挨拶を済ませ基点となる海沢園地に向かう。海沢川沿いの林道は全舗装。林道が川から離れるように左に折れ曲がるところ
が基点となる。周辺図を現した看板が立っているので間違うことはないだろう。駐車スペースは6,7台。
遡行準備を整え、海沢川下部の廊下を楽しむため林道を歩いて下る。ガードレールが切れたところに”布滝、古滝”と書かれた小っちゃい看板が
あるところから沢床へ降りる。
入渓してすぐに深い釜を持った淵が現れる。。。と思った矢先、若いお二人は泳ぎ体勢・・・ 「いきなりかい!」って感じで、私は右壁をヘツリに入るが
アクアステルスを履いてきてしまったため、藻に対してノーグリップ。。。気を緩めるや否やドボンしてしまう。
淵すべてを泳がなくては突破できないという事は全く無いが、この二人には水線通ししか眼中になく? 後に続くオジサンは「もう寒いんですけど・・・」と
弱音を吐いてしまう。。。この二人はきっと5月でも水流通しで突っ込んでいるに違いない、7月の沢でヨカッタ・・・(^^)ゞ
しばらく進むと左岸から8m滝が入り、石積み堰堤が現れる。海沢川下部の楽しい所はここまでで、ここから平凡な様相が基点Pまで続くらしい。
”寒ーい”と言ってくれたので、「林道あるいて基点まで移動しよう」という事にするホッ♪
基点に戻り、再び遡行を開始。少し平凡な様相を進めとすぐに三ツ釜の滝に出る。ナメの3連続滝で、下段は水流左から。
まっちーさんはそこから左岸側に移動。Perseidcrossさんはそのまま右岸から上がる。右岸側から上がった方がスッキリしてそうかな・・・
三ツ釜の滝上の3mは釜を右から泳いで取り付いて何とか上がれた。これらの滝はすべて簡単に巻くことも可能。
再び平凡な様相になるが、特攻隊長まっちーさんは、敢えて水流通しで突っ込んで行くので、頑張って付いていく。。。すると沢は左に折れ曲がり
"ネジレ滝"と呼ばれる所に到着。
深い釜を持つ2m、6mの滝の構成。ここは私が30mザイルを伸ばし、左壁をヘツリ2m滝上に出る。残置ベタ打ち、シュリンゲ付きで、これを利用すれば
難しくはない。2m滝上にはボルトも打ってあり、、4人立てるスペースもあるので、ここでピッチを切れる。カムも利用可。
ここから2ピッチ目はPerseidcrossさんがリード。右壁を真っ直ぐ直登かと思ったら、途中バンドがあり、さらに易しいラインで登っていける模様。
自分の番がきてフォローすると、出だしのスタンスが細かいが、概ねVといった所か・・・
この先、2mトヨ状、4m滝を越えていくと20m大滝が現れる。この滝は直登はムリで右岸大高巻き。途中テープが付けられている踏跡がありこれを利用。
大滝上は深いゴルジュ。すぐ先で沢は、それぞれ10m滝で出合う二俣になっていた。右が本流で不動滝と呼ばれるらしい。懸垂で20m大滝上に降りる
ことも可能だが。その場合、脱出ルートを確認してから降りないと脱出不能になるので要注意。
我々はセオリー通り、右岸から二俣左の10m滝上を横断、トラバースを続け不動滝上に出る。左の滝を横断してから先は小さく巻くとノーザイルで沢床に
降りれる。
ここからは2m〜3m程度の小滝が散見される。小さく簡単に巻ける小滝ばかりだが、水流沿いですべてTRYすると面白い♪
この先で3条3m滝で合流する(2:3)二俣。水量は右が多いのだが、本流は左だ!
さらに小滝を快適に超えていくと”枠木大滝”という名を持った滝が現れる。大滝と言っても8mくらいの高さしかない。ただ直登は不可能で、
両岸が切り立っており、結構厄介そうな印象。。。。
ここで、焚火休憩した後 右岸の高巻きルートを探る。最初は小さく巻けると思い、カムを利用して1段上がるが、壁がえぐれていて落ち口への
トラバースが出来ない事が解り、大高巻を指示。Perseidcrossさんが上手い具合に高巻きルートを見つけてくれ、滝上に出る。
滝上は平凡な様相に戻り、現役のワサビ田が右岸→左岸へと続く。 この先で(1:1)二俣。。。左は枠木沢で芥場峠に抜けるらしい。本流は右。
ここから平凡な様相で上がっていくが、しばらく進むと7m滝が行く手を阻む。。。この滝は”奥ノ大滝”と名前がついているらしい。
Perseidcrossさんが水流右から取りつくが、一歩が嫌らしいとの事。。。カムをねじ込んで長めのシュリンゲでビレイを取ってシャワーで左に斜上。
倒木で支点を取り、シュリンゲを繋いで登ってもらう。このまま直登したいが、上部4mは登れず。そのまま小さく巻いた。
ガイドではこの先すべての滝を巻いている様に書かれているが、奥ノ大滝上ですぐ沢床に戻り水流通しで進んだ方が面白い。すぐ上の5mナメは
皆意外と手こずるが、Perseidcrossさんにシュリンゲを出してもらい全員クリヤー。
その先の6mトイ状は水流通しでまっちーさんが突破してザイルを出してもらう。さらにその上の5mCSは一見直登は不可能に見えるが、水流右から
岩を潜って楽しく突破できる。
これで、海沢川本谷の滝は終了。山頂まではまだ高度で200m弱残しているが、少し進むと水も涸れる。。。雨も降りだして、高度計が1090mを
指した辺りで右の小尾根に上がる(沢床から2分程度)。
稜線の鋸尾根から伸びる海沢探勝路がちょうどこの尾根を通っており、そのまま下山開始。道は一般登山道と同じくらい明瞭。迷うことは無いはず。
1時間半かからず基点に到着した。
P.S:奥多摩駅からすぐ近くの沢で、これだけ変化の富んだ内容は驚きです。泳ぎあり、滝の直登あり、高巻ありで一回の遡行で沢登りのすべてが
経験できるので、初級者・初心者のトレーニングには超お勧めの沢かもしれません。沢慣れした我々も十分楽しめました。靴はフェルトの方が
良いかな・・・ザイルは30mで足ります。カムを持っていくと重宝します。
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