2011年7月15日 北アルプス 中房川 白水沢

メンバー:Kagiyamaさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、8mm×30m、カム
地図:有明山
遡行図、概念図はこちら

今回は、同県お住まいのKagiyamaさんとのジョイント。ならば、高速道路使って遠くの沢&日帰り遡行の条件を満たす沢を探して、北アルプス有明山の白水沢を選択。
この山域は2年前の秋に曲り沢を遡行して以来だ。

18:00自宅初→18:40壬生PA、19:00同発→21:04姥捨SA、4:53同発→6:06曲沢橋
6:35曲沢橋基点発→6:47中房橋→8:05 50m滝下→10:00 100m滝下→11:40 100m滝上→12:31 奥ノ二俣→13:35稜線の鳥居
→14:11有明山山頂→16:02曲沢橋基点着
16:15曲沢橋発→20:30自宅着

集合場所の壬生PAは道の駅と隣接しており、さらに上下線も歩いて行き来できるので、集合場所にはもってこいの場所。Kagiyamaさんのご家族に
見送られ出発。北関東自動車道が繋がった事で、お金さえ掛ければ北アルプスも信じられないくらいアプローチが楽になった。姥捨SAで仮眠。
ここから1時間20分で白水沢の基点となる中房橋に到着。ココにも駐車スペースはあるが、有明山登山口と中房橋の中間地点となる曲り沢橋近くに
車を止め、ココを基点とした。(携帯はもちろん使えない)

中房橋から白水沢右岸に伸びる踏跡はあまり踏まれていない。2つ目の堰堤上から入渓したが、もう一つ堰堤が出てきた。水量は少ないのは
単独峰の沢なので、こんなものかな。。。
曲り沢横の駐車スペースに駐車
白水沢右岸の踏跡は消えかけている
水量は少な目???

倒木で埋もれかけた3m滝を潜り抜けると、7m滝。水流左にフリーで取り付くもワンポイント渋めの箇所があり、ここでカムが決まったので、
ムリせずA0して滝上に上がる。
Kagiyamaさんにはシュリンゲを繋いで上がってきてもらった。ここからナメ床が続くようになる。2段6mを快適に登り2mCSは右から越える。
この先も小滝を交え1380m付近で沢が右に曲がる付近までナメ床が続く。
7m滝(カーソルあてて)
2段6m
ナメが続きます

沢が右に曲がると両岸が狭まり右岸から4m滝で出合う(2:3)二俣。本流はこの先で5mCSは水線上を上がり最後は大岩を右から回りこんで滝上に出る。
左岸岩壁を通過し傾斜の緩い7m幅広ナメを上がると6mトイ状滝。Kagiyamaさん水線上でトライするが上部は難しそうで、右に移動し倒木を潜った後、
水流左に移動して突破。私もこれに続く。ここから再び岩盤が発達したイイ感じの様相が続く。
(2:3)二俣。右が本流
5mCS
6mトイ状滝

すると沢が左に曲がった所に第1のハイライト50m大滝が姿を現す。ここで、焚き火休憩をするが、そういえばこの沢、全くブヨが居ない・・・なんでだろ???

さて、50m大滝だが、下部は概ねトイ状で水を落としており水線通しで登っていける。上部は切り立ったスラブなので、斜上し、そのまま左岸の笹薮に
突っ込む。ここからも、笹と滝のコンタクトラインを攻めたいところだが、今回はお互いフェルトソールという事もあり、まず不可能。
高巻きも急傾斜で若干悪めなので30mザイルを出し、3mの岩壁を登り、落ち口に向かう斜めバンドで落ち口ジャストに出る。
50m滝
50m滝ルート(カーソルあてて)
大滝下部を登る(カーソルあてて)

大滝上は連瀑帯の様相。2段8m滝を越え、下からは2段しか見えない3段15m滝は、水流左に取り付き下段落ち口の一歩が嫌な感じ。
左手で取れるガバがあるので、これを取れればOK。上段(2段目)は正面突破はムリで、右から笹薮に突入して小さく巻いた。
沢は右、左と屈曲。ココにかかる5段15mはムリなルートを選択しなければ、ザイルは不要。
2段8m滝
3段15m滝(左手でガバを取る)
5段15m下部

すると、白水沢最大の100m大スラブ滝が現れる。水流は滴る程度しか流れていないのは残念だが、それでも圧巻だ。

『北アルプスの沢』では下部を直登して、右の樹林帯に逃げ込むがそれでもかなり苦労したと記されてあり、最初から高巻いた方が良いんじゃない?・・・
なーんて書いてある。
最初から高幕く場合、左岸か右岸の選択だが、右岸は50m近い岩壁が樹林帯の奥に続いているのが見え、やはり高巻きは左岸になろう。
ルーファイしてると、kagiyamaさんが大滝を横断しているサルの親子を発見。
「あそこまでなら簡単に直登で来て、左岸の樹林帯に逃げれるんじゃない!?」
「まあ確かに、この大滝を下から巻くのは面倒だよねぇ・・・」
という事で、サルが横断したところまで直登する。。。すると、結構狭い外傾バンド通ってサルが樹林帯に入ったことが判り、
「ここは通りたくないよなぁ・・・」という事になる。
「じゃぁトポにある、渋いルートがどんな感じなのか、もう少し登って見てみるよ!」
と少し登ってみると、左岸樹林帯への抜け口には数本の凹角があり、その内の1本は簡単そうだったので、
「なんとか抜けれそう!」とkagiyamaさんに伝えさらに登っていく事にした。
100m大スラブ滝
下段登ります(カーソルあてて)
中段から左岸逃げ口を見る(カーソルあてて)

樹林帯に突入するまで嫌らしい所は3箇所。
1箇所目はハーケンを打ってA0で50cmの段差をあがる。ここから長いシュリンゲでビレイを取って1m程バンドを下って2m上がるのが2箇所目。
ここで岩壁にぶつかるのでカムで支点をとり、さすがにフリーはリスキーなので50mザイルを投げて確保してもらった。
そして細かいスタンスホールドを拾って笹藪急斜面に突入し太い潅木にたどり着くところまでが3箇所目。。。ここでピッチを切る。
ザイルは30mでギリギリかも・・・W、A0
kagiyamaさんは、面倒だから、といってザイルを掴みながらのフォローでサクサク登ってきた。。

この位置から、安全圏に抜ける凹角が2つあるが、難易度には大きな差があり、簡単な方を選択。簡単な両足ツッパリで凹角を抜け大岩に上がると
4m程度の懸垂で安全圏に抜けれる事が判明V-。 今ひとつパッとしないので。一旦戻り、もう一つの凹角を覗いてみるが、こちらは支点も取りにくそうで、
やはりリスクが大きい。。。ココは安全に最初の凹角から安全圏に抜ける事にした。4mの懸垂で、安全圏に突入。まぁこのくらいで抜けれるなら、
最初から高巻くよりは良いかもくらいの感じ・・・

ここから潅木を掴みながら岩壁にぶつかるまで直上。岩壁沿いに落ち口に向かって進むと岩壁が途切れる弱点があり、ここを木の根を掴みながら5m上
がると後は落ち口に向かってトラバースするのみ。。ジャスト落ち口上に出れた。
逃げ口へ目ざして登る(カーソルあてて)
kagiyamaさんのフォロー
2ピッチ目は簡単。このすぐ先で4m懸垂

大滝のすぐ上はナメ小滝。ココを超えると少し平凡な感じになるが、いきなり9m滝が現れる。下部1ポイント頑張ればという感じだが、左から巻いたのは
正解だった様で、最上部がノッペリしているので取り付かないほうが良いと思う。9m滝すぐ上の5mは直登可能。滝上は階段状のナメになり
それを超えると少し平凡になる。大岩を越えると10m滝があわられるが快適に登れる。ナメはまだ続き、ミニV字谷の形相になっていく。
9m滝(右岸高巻き)
5m滝
10m滝
ミニV字の形相

ここにはトヨ状の小滝が続きノッペリした5m滝が右から水を落しており、左から越える。 この上の6mナメを越えると奥ノ二俣。左はガレ沢で、
本流の右俣は笹薮に覆われた様相になっている。

『北アルプスの沢』ではこの先平凡となっているが、滝はまだ出てくる。笹薮を書き分けながら進むと5mナメ。さらに水がチョロチョロ流れるなか
笹を掻き分けて進むと10mナメ滝。この滝は中段まで登り左の凹角から直登出来る。
ノッペリした5m滝
奥ノ二俣。右に入るが、ここから笹がうるさくなる
10mナメ

いよいよ沢は源頭の様相になるが、水流は消えそうでなかなか消えない。沢形を詰めていくと一旦開けたところに出るが、ここも忠実に沢形を進み
樹林帯に入って沢形を離れて稜線を目指す。藪コギは無し。詰め上がると祠のあるところに出た。ここからは登山道が付けられ有明山へ導かれる。
ここから基点駐車場までは2時間見ておけば充分でしょう。
源頭部の様相
稜線到着です♪


P.S:水量は少なめの沢だが、ナメも多く、圧巻の大滝が二つもあり飽きる事は無い。100m大スラブ滝は、カムとハーケンで支点もとれるので、
   せっかくなら中段まで登った方が面白いと思う。50m大滝もアクアステルスだともうチョット攻められるかも・・・・
   ザイルは30mで足りると思いますが、40m以上持っていけば安心です。途中に良いテン場は無かったです。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)






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