2011年10月8日 二口山隗 名取川 二口沢 小松原沢→南沢下降

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)
地形図:作並、山寺、笹谷峠
靴:フェルト
遡行図、概念図はこちら

世間は3連休だけど。小生は通常の土日休み。まぁ有休対応も可能で、2泊3日で進めていたのだが、調整が進まず、単独で行ける沢ということで、
癒し系の二口沢流域から小松原沢を選択。この沢を遡行した場合、下山は二口峠まで登山道を歩き、さらに林道を下るというコースを取る例が多いが、
今回、神室岳北尾根を挟んで東側の南沢を下降路に選択。尚、土日の予定のため、オマケとして、翌日二口沢流域の鳴虫沢を遡行する計画で出発する。

アプローチ:フィット
17:44自宅発→18:48矢板IC→20:50菅生PA、4:57同発→5:55二口沢林道ゲート(基点P)
6:15出発→7:20南沢出合→8:50小松倉沢出合→(銚子大滝直登)9:50銚子大滝上→10:30 1030m(3:2)二俣→11:35稜線登山道
→12:00か神室岳山頂、12:15下山開始→12:35南沢下降開始→14:00二口沢本流出合→14:35二口沢林道ゲート着

仙台南ICから県道62号線に入り、二口キャンプ場まで来ると、フラットダートになる。通常の車で何ら問題なく走れる。土日は山形側まで抜けれるとの
情報もあるが、あまりあてにしない方が良いかも。メインゲートは林道が右岸から左岸にわたる直前にあり(概念図参照)ここに4台分くらいの駐車スペース有。

準備をすると、『あっ!カッパ忘れた!!!』  この時期カッパが無いのは痛い・・・ そういえば昨年滝ハナ沢行ったときもカッパ忘れてコンビニで
買った事を思い出す。。。あれ車の中に入ってるんじゃないかな?  とスペアタイヤスペースを覗き込むと、ありました!ありました♪ポンチョが!!!
今日はこれ来ていきましょう(^^)v

入渓点はこの駐車スペースから沢床に下りたが、ゲートを超え、林道が左岸に渡った先から入る方が一般的かもしれない。駐車場下から遡行しても
最初っからナメ床。今日は、この周辺で幕営予定なので、辺りを見回しながら進むと、一般的な入渓点と書いた場所の右岸に、5分弱の整地でOKな平らな場所が
見つかり、薪も大量にあるので、ここを今日の幕営地に決め、先に進む。車から歩いて3分。
林道ゲート手前駐車スペース
駐車場からすぐに沢に降りる
序盤のナメ

沢は左に曲がり少し平凡になったかと思うと見事な10m滝。巻くなら左岸だが、ここは水流左を直登する。細かいスタンスが結構あるので、特に問題ないV
ここからも沢床いっぱいにナメ床が広がる。左岸枝沢を見て、少し行くと、南沢の出合。ここには赤テープがぶら下がっていた。さらに足を進め、5mナメ滝上
で、両岸から枝沢が入る先で、見事な8mナメで出合う鍋越沢が左岸から入る。
10m滝(カーソルあてて)
南沢出合
鍋越沢出合

この後、2段7mナメをサクッとクリヤー。左岸から10m滝の枝沢が入る所の5m滝を超えていくと(3:1)二俣。右が桂沢というらしく、詰めると1239mピークに
出るようだ。ここを水量の多い左に入る。この辺りまでは結構魚影も見る。
2段7mナメ
10m滝の枝沢が入る所の5m滝
桂沢(右)出合。(3:1)左に入ります

ここからも癒し系の様相。すると突如7m滝。スタンス/ホールド共に細かそうに見えるが、取りついてみると簡単。さらにナメ床を進むと(3:2)二俣。
ここから左を”小松倉沢”、右を”小松原沢”と呼ぶらしい。地形図にも載っていないのに誰が付けたんでしょう。
実は遡行中は沢の名前なんてさっぱり解らなかったのだが、家に帰ってから多くのWEB記録から沢名を拾い上げました!→概念図見てね♪

7m滝(水流左から快適に直登)
ナメ床は続きます
左:小松倉沢、右:小松原沢


ここから小松原沢に入っていくと滝が続くようになる。最初の6m滝は結構立って見えるが水流左から難無く越せた。その先で4mナメ、6mナメが見事な景観を
作り出す。ここを快適に超えると沢は左直角に曲がり、4段トイ状5m滝。これを超えると10m直瀑が現れた。この滝は左の子尾根から小さく巻く。すると、この滝上で
ハイライトの50m銚子大滝が姿を現す。
4mナメ、6mナメの連瀑
10m直瀑
銚子大滝が見える。

銚子大滝はトイ状。下の10m滝の右岸を高巻く踏跡がそのまま銚子大滝も巻ける様に伸びていたが、右岸の巻きは悪く左岸から巻くのが一般的らしい。
さて、大滝の直登だが、下部の6〜7m程度が立っているものの、ここをクリヤーできれば傾斜が緩むので、精神的には楽に登れそう。ここは高巻を考えず
直登する。

まず水流右壁の弱点を探ったが、1ポイント スタンスが皆無で上がれない。仕切り直して、水流沿いを見る。トイ状部分を両手両足ツッパリで上がっていくのも
考えたが、リスキーか・・・ 。。。視点を移動させると、水流すぐ左がバンド状になっており、最初の3mをクリヤーすればバンドに上がれそう。
取り付いてみると、1,2歩スタンスが甘い所があるが、慎重に行けば何とかなるレベルでバンドにたどり着く。バンドは下から2段目の落ち口まで伸びており、
ここに残地ハーケンが2つ。一個抜いてしまおうかと思ったが、立ってるスタンスも甘めな為やめておいた。この残置に触れず。バンドギリギリまで上がって
2段目落ち口上に移動。ここまで上がると右の緩傾斜の岩に移動できる為、ホッとできる。"10月だし。このまま右の乾いたところで上がっちゃおうかなぁー"と思ったが、
欲をだして、さらに水流を責める。まともに水を体に受けないように縫うように素早く抜けて3段目上に出る。ここから最上段下までは階段状なので、
飛沫を浴びながら上がっていける。最上段は水流右だが、頭からシャワーを受けての登りだ。10月のノーザイルではあまりに厳しいので、ここは水線から
離れ右に移動。 自分が立っているところはバンド状だが、ここから3m強、壁が立っている。
一番の弱点から取り付くも上部に良いホールドが無く息詰まった。"ハーケン打ってA0すっか・・・"と思ったが、
「あれっ!?ハーケン無いや・・・」
カッパとい、ハーケンといい、今回忘れものだらけじゃん・・・さっきの抜いておけばよかった!
いったん降りようかと思ったが、、ここからホールドを2,3拾って右に移動するラインを見つけトラバースに成功。ラインを代えて突破した。
大滝最上段の上は滑った感じの1枚岩になっており。滑り易そう。最後はムリしないで正解だったかも・・・トータルグレードはW−といった感じでしょう。
大滝全景と登攀ライン(カーソルあてて)
2段目落ち口まで伸びるバンド
2段目落ち口から
最上段の様相
大滝上から下を見る

大滝上はすぐに7m滝。水流右の草付きを登る。ここからはミニゴルジュ。一つ一つの釜が深く、泳げば取り付けるが、さすがに泳ぎたくないので、右壁を微妙な
へつりで突破。1か所3m滝は取り付くしまもなく、左岸を小さく高巻くが、低く巻いたので灌木を掴みながらの若干厳しめのトラバースとなった。
さらに3m程度の小滝を超え、2段4mトイ状を上がるとミニゴルジュも終了。
銚子大滝上の7m滝
ミニゴルジュに入ります
唯一巻いた3m滝
ゴルジュ出口の2段4mトイ状

様相は一変し、癒し系のナメに変化。ここの両岸はテン場に絶好の台地状になっており、案の定左岸に2か所、完全整地済み&薪がきれいに山積みされた
物件を発見。1泊でこの沢を遡行している人も多いが、皆この辺りで幕営している模様。(1030〜1040m付近)
この先ナメ床を進むと(2:1)二俣。ここが左沢/右沢の分岐で水量の多い左沢に入る。ナメはまだまだ続くが両岸の木々がうるさくなってくると、平凡な様相になり、
水も消える。あまり沢型を追わず左に逃げた方が早く稜線に出れる。藪漕ぎは5分程度。
左岸 一坪の極上物件です
(2:1)二俣。左沢/右沢の分岐
ナメはまだ続きます

登山道は結構人が歩いていた。神室岳へは20分程度で到着。山頂から東側も踏跡くらいは伸びているだろうと思っていたのだが、10m先で突如として道が消える。
灌木交じりの笹薮はうるさかったが、10分強もがいて、藪を脱出。曖昧な沢型が現れたので方向を確認すると、これで良い様だ。
小松原沢に比べ全然パッとしない様相だが、下降ルートと思えば苦でもない。水も流れ始めるが、たいした滝も現れず平凡な様相が続く。
登山道に出ました。奥は神室岳。
南沢への下降(やっと沢型が・・・)
南沢 1030m(1:1)二俣

下降を続けるが、トイ状の小滝が2,3現れるだけで、平凡な様相が続き、ナメ床に変化したと思ったら、835mに位置する(1:1)二俣
左岸から入ってくる沢筋の方が、ナメが続いているようで、下から遡行するとこの二俣を右に入りたくなるんじゃないかな・・・。。。

ここからは、小松原沢に劣らないナメ床が現れる。途中小さいながらもブナハリを見つけ、翌朝ラーメンの具にする。神室岳山頂から本流出合まで1時間45分。
これは、登山道を二口峠まで歩いて戻るよりは、はるかに時間短縮になるだろう。
トイ状の小滝
835m(1:1)二俣 写真左から降りてきました
ここからは南沢も大ナメです

このまま、本流を下降。ゲートまでいったん戻り、宿泊キットを取り出して、朝狙いを定めた本流右岸の幕営地に移動。燃やしきれないほどの薪で焚火をして
のんびり過ごした。明日は、同じ二口沢の支流、鳴虫沢に行くつもり・・・
そびえる磐司岩
ほとんど放火魔・・・
やっぱ落ち着くねー♪

P.S:小松原沢は連続ナメ床と癒し系のナメ滝とデートコースにピッタリと言った印象。(笑)  銚子大滝もルートをうまくとれば、難しくはないので、
   デートじゃなければ直登した方が変化がついて、より充実した遡行ができるはず。(最近は女性の力量も凄いが・・・)
   一方南沢は私が下降したルートは平凡な様相が多く、最後の詰めも長いので、遡行対象とは考えない方が良いです。
   もちろん、下山ルートとして南沢を下降するのは長い登山道歩き+林道歩きより、変化があって充実する事でしょう。
   ザイルは大滝直登でも30m1本で事足りると思います。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)






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