2011年10月9日 名取川二口沢 鳴虫沢

メンバー:単独
装備:ザイル8mm×30m(使用せず)
靴:フェルト
地形図:作並、山寺
遡行図、概念図はこちら


昨日、小松原沢を遡行したが、今日も休み、せっかくなので滝が多いといわれる鳴虫沢を遡行することにした。短い沢なので、サクッと遡行して
高速道路が混雑する前に帰るつもりだ。

6:30姉滝駐車スペース発→6:42鳴虫沢出合→8:07シシ滝上→9:11 15m滝/13m滝(1:1)→左俣に入る 10:00稜線登山道→10:18家形山
→11:10姉滝駐車スペース

二口沢林道をくだり、”姉滝”と書かれた案内板前の駐車スペースに車を停める。ここが鳴虫沢の基点になる。ここには二口沢本流に掛かる姉滝と
鳴虫沢の一本東側を流れる三方倉沢に掛かる妹滝の二つの滝があり、見事な景観を作っている。ただし、遊歩道では滝下に降りれないので
観光スポットとしては今一つか・・・当初、鳴虫沢を遡行して、三方倉沢を下降しようかと思ったが、この姉妹滝の処理が面倒なので、おとなしく
登山道で下山することにした。。。

姉滝上に降り、10分程上流側に進めば鳴虫沢の出合。両岸土壁のミニゴルジュとなっており、その奥に5m滝が見える。
ここが鳴虫沢の基点になります。
姉妹滝上から
鳴虫沢出合

とりあえず、5m滝までゴルジュ内を進むが、やはりこの5m滝は登れない。すぐ近くから巻けないかルートを探るが弱点は見当たらず、30m程度戻り、
ようやく弱点を右岸に見つけ高巻いた。 滝上はナメ交じりではあるが平凡な様相。次の5m滝は倒木の上を歩いて突破。平凡な様相のなか3m程度の
小滝を超えていくと、3m,7mの2連続滝が行く手を阻む。下の3m滝を登っても次が登れ無さそう。まとめて巻くなら右岸でうっすら踏跡が見える。
まぁ栃木からわざわざ来てるので、ためしに下の3mを登るが、”うーんやはり次の7mは登れませーん” という事で、3m滝落ち口から左岸に伸びる急傾斜の
草付を這い上がる。滑りやすく神経を使うが、幸い太い倒木があり、多少精神的にゆとりが持てた。

5m滝
5m滝 倒木利用
3m、7mの連続滝(カーソルあてて)

ここから上は、ナメと釜が交互に現れるようになる。時折みせる右岸のスラブ壁は良いアクセントだ。4mナメ滝を超え、左岸からナメで出合う枝沢が入ると
深い釜を持った2m滝。泳ぎはどーしても避けたいので、右壁の細かいスタンスを拾いトラバース。この先も深い釜・・・小滝・・・深い釜・・・小滝・・・を
繰り返す。この先、美しい2段8m滝を超えていくと鳴虫沢のハイライト”15mシン滝”が現れた。
深い釜を持った2m滝
2段8m滝
15mシン滝

 ”これは巻きでしょー”と思うが、良く見れば水流右を登れそうにも見える。取りつき点から見上げると概ね順相。。。取りついてみても岩も安定しており
見た目以上に容易。途中利きの甘いクロモリハーケンが打ってあったので、ハーケン持って来るのを忘れていることも有り、ここは回収。
上部は水流側に近づいて、直登する。V

滝上はナメ床にだが、大岩が鎮座しており、ここから鳴虫山第2のハイライトともいうべき巨岩帯に突入する。
シン滝直登ルート(カーソルあてて)
シン滝上部(水流沿いの方が登りやすい)
シン滝上は巨岩が鎮座

この巨岩帯は一つ一つの岩が本当に大きく。水は胎内状で縫うように流れている。岩の隙間を潜り、這い上がっては、また潜り、行き詰っては巨岩を巻き・・・
結構この動作を繰り返す。。。かなり迷路状・・・まぁ迷路とはいっても上に行けばいつかは抜けれるんだけど(笑)

巨岩帯突入です。
正直気味悪いです・・・
巨岩帯内、5mカクレ滝

巨岩帯をようやく抜けると、右岸壁がそそり立つようになり、60m滝で出合う右岸枝沢が入る。水量が非常に少ないので、滝と書いたが、滝と言って
いいのか微妙。。。さらに3mCS滝上で右岸から顕著な枝沢。5m滝で出合い、上には2段15mハング滝が控える。水量比は(1:2)。ここは水量の多い右に入る。

この辺りの左岸枝沢を入ると南石橋というスポットがあるらしいが、遡行中予習不足で、そんなものが有るとは知らず。左岸枝沢を確認しなかった為、
まったく気づかずに遡行してしまった。
右岸60m(滝)
3mCS。上部は右岸枝沢5m
右岸枝沢奥の15m滝

この先、左岸も切り立ってきて、V字谷形状になる。幸い沢床は平凡。少し進むと、右岸から垂直に水を落とす枝沢が見える。近くまで行ってみると
もう一本奥に右岸から、同じように垂直に水を落とした滝がある・・・ と、思ったら、この2本の滝は右岸枝沢ではなく、本流のようだ。
実は、予習が少なかったため、この2本の滝は上で一つの沢筋になっていると思ったのだが、手前の滝が右岸枝沢。奥の滝が本流になっている。

後日、奥の滝は直登可能という記録を発見したが、遡行当日は直登不可能と判断。 高巻きルートを探すが、左岸高巻きは、かなりの大高巻きになりそう。
自分は、2本の滝が上部で一つの沢になっていると考えた事もあり、右岸高巻きを探る。30m程度戻って、一番取りつきやすい箇所を登ったが、これが
結構悪かった。8m強上がった所に灌木があるのだが、スタンス、ホールドが細かく、かなりの緊張を強いられた。W+ 灌木をなんとか掴むことが出来、
ホッとしたが、ここからさらに5m上部まで、灌木が少なく、緊張は抜けない。さらにシブイ登りを続け灌木帯に入ったところ(沢床から15m位の高さ)で、灌木を
掴みながらの急斜面トラバースを行い滝上に出た。
狭い沢床とV字谷形状
二つの滝。奥が本流
本流側には前衛3m滝有り
悪い右岸を高巻いた(カーソルあてて)

滝上に出て、初めて手前の滝が右岸枝沢であることに気づくが、ここから先の本流の内容もたいした事ないだろう。と判断。ならば、早く下山できる
右岸枝沢を詰めてショートカットしてしまう事にした。

滝上はナメ状。ナメ小滝を超えて行く。その後、左、右と進路を選択。ナメ床は最上部まで続き、水が消えると藪漕ぎ無しで稜線に出た。ここには登山道が
ある。三神林道と呼ばれるらしい。 ここから登山道を利用し東側に位置する家形山に向かう。そのまま稜線に登山道が付けられているのかと思ったが、
登山道は家形山から姉妹滝に下る一本道であった。朝、遡行するときは登山道に気付かなかったが、姉滝落ち口すぐ上が、登山道の入り口で二口沢の
沢床から少し見上げると10m位上に色あせた赤布が付けられている。時間はお昼前。。。もちろん高速の渋滞には巻き込まれず。早々に自宅に戻る。
ナメの小滝が現れます。
ナメ床は上部まで続く
稜線到着♪
磐司岩方向


P.S:鳴虫沢は半日コースであるが、滝の直登、巨岩帯の突破。嫌らしい草付の高巻きなど内容は充実しているので、トレーニング場と考えると良いかもしれません。
   ちょっと予習不足で南石橋を見逃してしまいました。やはり多少の予習は必要な場合もありですね。
   ザイルは30mで足ります。

遡行図(クリックして) 概念図(クリックして)


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