2011年10月16日 湯檜曽川 白毛門沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム
靴:アクアステルス
地形図:茂倉岳
遡行図はこちら

11年前、前穂北尾根でご一緒して、さらに7年前に竜喰谷でバッタリ再会したというSACHさんとのジョイント。天気予報に翻弄され、行先を吾妻から谷川へ変更。
さらに当日7時まで雨、その後急回復という予報だったので、短時間で遡行できる白毛門沢を選択。この沢は私は10年ぶり、SACHさんは5年ぶり。。。
私の場合、当時の写真も消失しているので。改めて遡行し記録を留めておくことにする。


20:30自宅発→21:03JR小金井駅、21:25同発→(栃木IC→水上IC)23:20湯檜曽公園P
8:45基点駐車場発→9:35白毛門沢/東黒沢出合→10:40タラタラのセン15m下(タラタラのセン直登)
→12:25(1:1)二俣→13:43白毛門山頂、14:00下山開始→15:30基点P着

SACHさんには小金井駅まで来てもらいピックアップ。高速を飛ばして湯檜曽公園で仮眠。ここならSoftbankでも使える。やはり夜中はずっと雨が降っていた。
7時半に起きると、まだ雨で、8時になって青空が見えだして、白毛門登山口に移動。こんな天気にも関わらず。車は20台以上停まっており、
沢登りの格好をした人も結構居た。さすが超人気スポットである。

入渓準備をして早速出発。白毛門登山道で右岸に渡り、踏跡を利用して堰堤上から入渓。昨日からの雨ではあったが、思ったほど増水しておらず、
遡行に全く問題ないレベル。入渓点付近は平凡だが2mのナメ滝上から岩盤が発達して、ナメ床が続く。”谷川の沢に来た!”という感覚だ・・・
今回はアクアステルスを履いて来たが滑りは少ないので歩きやすい。
基点駐車場です。
この小滝から岩盤発達します
谷川の沢らしくなってきます♪

12mハナゲ滝下で先行パーティーに追いつくと、声を掛けられる。沢登り同好会"さわね"の皆さんだった。以前1,2度メールのやり取りをさせて
いただいた事があり、まさか沢で逢うとは思ってもみなかったが嬉しい出会いである。
沢で人と遭遇するのを嫌う人が多いが、自分は全く気にならず。。。渋滞してればその間に会話も出来るし、違うルートも発見できたり、どちらかというと
嬉しいですね。

さわねパーティはハナゲ滝を水流左から。さっちゃんもその後に続き、私はど真ん中から取り付いて水流右に移動して直登。この滝は水流右も簡単に登れます。
さわねパーティは上部で灌木帯に逃げて小さく巻くが、さっちゃんはそのまま水流左をへつりを交えてフリーで見事突破! 私も何ら問題なく滝上に出た。
ハナゲの滝
中央突破で行きたいが・・・
水流右も左も登れます(カーソルあてて)

ハナゲ滝上もナメ床が続く。右岸、大岩脇を抜け少し行くと東黒沢と白毛門沢出合。出発から50分だ。

白毛門沢は2回目なので、今回は極力直登にこだわってみる。最初の4m滝は、SACHさんは小さく右岸を巻いたが。灌木を踏み台にして水流右から
抜ける。ここからナメとナメの小滝が続く。ミニ淵から続く4mトイ状も水線通しで進んだ。今日は水もあまり冷たくないのが嬉しい。
東黒沢と白毛門沢(左)出合
白毛門沢最初の4m滝(カーソルあてて)
ミニ淵から続く4mトイ状

左岸から多段10m滝で出合う枝沢を見、3m滝を超えると6mトイ状。ここは水流右にルートを求められ快適に超えられた。ここからもナメ、&ナメの小滝が続く。

右岸から3連続で入る細い枝沢(前日からの雨だったので水がいつも流れているかは???) が入るとちょっとした瀑流帯に入る。4m滝を右から超えると10m滝
単独遡行の先行者は右岸を巻いてたが、水流左が登れそうなので取り付いてみるとスタンスホールド十分でフリーで登れた。最後、無理に落ち口に
突っ込もうとしなければ難しくは無いV−。SACHさんもフリー突破。さすが、100本以上の遡行経験の持ち主だ。

ここから少し進むと5mナメ滝。水流左に取りつくが、チョイト渋そうなので、カムを決め、長めのシュリンゲでセルフを一応とってクリヤー。
SACHさんには上からお助けを出す。残置ハーケンあり
右岸から3連続の枝沢が入ると瀑流帯になります
10m滝(カーソルあてて)
5mナメ。水流左を直登。

ここを超えると、ハイライトの15mタラタラのセンが見えてくる。前衛の2段5mは水流左からクリヤーし、タラタラのセンの下へ・・・

”この滝、こんなに立ってたっけ???” 

今回、これを登るつもりで来たのだけど、簡単じゃなさそう・・・自分で記録を残しているのに、全く見て来なかったし、・・・(^^)ゞ

水流左が寝ていた記憶を持って来たのだが、水流左は逆相で結構立っていてムリ。取りつくなら水流右。

”下から5mくらい頑張れば何とかなるかな・・・”

と判断し、ザイルを出して取りつく。概ね階段状のステップがあり、4m程上がってハーケンを打つが、しっかり入らず浅打ち。ここで、ハーケンを1枚落としてしまう。
さらに、3m登ってステップが途切れる。この辺りでカムがバシッと決まると嬉しいのだが、そんなところは無く。微妙な体勢でリスを探る。ハーケンを打とうとしたら
また1枚飛んでってしまった。(涙)  ラストのハーケンを打ち込むが、これまた浅打ち。。。 ホールドもスタンスも安心できる物はない1ポイントをA0せずに乗り越える。
さらに3m程上がって灌木に手が届いた。W- ここから落ち口は下から見ると簡単そうに見えたのだが、全部逆相で難しそう。このまま灌木帯に入ってピッチを切る。
SACHさんはハーケンを全部回収しフォローしてくれた。 
2ピッチ目はこのまま灌木帯と滝のコンタクトラインをトラバース掛けたかったが、ほぼ灌木にぶら下がる腕力勝負になるので、1.5m上がってからトラバース。
このまま灌木帯で抜けるのは勿体無いので、滝の落ち口めがけて若干下降。再び滝に出て、落ち口へ向かって2mトラバース。落ち口の1m程度の登りも良いホールドが
無いが、カムで支点が取れたので、思い切って這い上がることが出来た。
タラタラのセン(カーソルあてて)
右壁を直登(クリックして)
上部は逆相でした・・・
タラタラのセン落ち口から

タラタラのセン上はナメ床。この先の5mトイ状は水流左から直登を試みるがまともに水流を浴びなければダメそうで左岸を巻く。この次に現れるのが第2のハイライトである
2段20mナメ滝。通常ここは下段4mを左岸から巻くが、水流左を直登。上段は緩やかなナメになっており、快適に上がる。
この滝の上には大岩が守護神の様に鎮座。さすがにこの大岩は健在だった。。。この大岩を右から通過すると急に平凡な様相に変化する。
唯一巻いた5mトイ状
2段20mナメ滝(カーソルあてて)
2段20mナメ滝上の大岩

再び岩盤が発達すると左岸から8m滝で出合う枝沢。水量比は(1:1)ここは直進し、正面の2段6m滝に取り付く。その上のインゼルを超えると今度は右岸から枝沢。(1:2)
ここも直進すると、再び(1:1)二俣。正面は4mナメになっている。ここは間違えやすい所で、正面の4m滝には取り付かず、右に入ると、ジジ岩の東方を抜け白毛門山頂に
ダイレクトに出れる。
ジジ岩、ババ岩が見えます
(1:1)左岸枝沢の8m滝
本流6m2段
間違えやすい(1:1)二俣。ここを右に入ります

ここから概ね平凡な様相だが、ジジ岩を横に見ると多段15m、8m階段状滝で高度を稼ぎスラブ状になってくる。(2:1)二俣を左に入り少し進むと正面の沢型は
藪っぽくなってくるのでここを右に上がり草付きスラブ(まだ水流あり)で高度を稼ぐ。最後はわずかな笹薮漕ぎで、山頂の東側20m程度の所にダイレクトに出た。
多段15m
ナメの小滝を詰めあげる
沢型が藪っぽくなるので右壁を上がる
ラストの詰め
白毛門山頂からから笠ガ岳方向
山頂付近からジジ岩、ババ岩


P.S:10年ぶりの白毛門沢だったが、変わりなく明るく快適遡行を約束してくれる沢だった。アプローチは良いし、南面で紅葉は美しいし文句なし。
   ザイルは、沢慣れしている人なら必要性を感じないはずで、タラタラのセンの直登でも30mで足りるでしょう。
   この沢を1泊で遡行する人はいないと思うが、良いテンバはありません。

遡行図(クリックして)



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