2012年5月27日 二口山塊 大行沢 京渕沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、50m、カム 靴:アクアステルス
地形図:作並
遡行図はこちら

昨日遡行した穴戸沢(穴堂沢)エシコ沢→高倉沢下降の第2段、今日は大行沢の支流の京渕沢を遡行。大行沢流域で屈指の内容を誇り大東岳直下にある大東滝が
ハイライトで、この滝を登ったパーティも居るようだ。


6:25登山口発(裏コース)→7:10京淵沢出合、7:30京淵沢梯子滝下→9:40大東滝下(左岸巻き)12:55登山道
→13:20大東岳下山開始(表コース)→14:53登山口着

二口沢本流の幕営ポイントから大東岳登山口に移動。入渓準備をしていると、この時期に沢登りパーティが! 仙台朋友会の方々で、カケス沢に
行くとの事。大行沢と言えば本流遡行からカケス沢に入るのがメジャーで、私もすでに遡行済み。SACHさんは大行沢自体遡行したこと無いらしく、
いきなりデビューが京渕沢でスミマセン。

京渕沢出合まで、大行沢本流遡行もちらついたが、時間も押すので、おとなしく登山道(裏コース)でアプローチする。京渕沢まで45分の道のり。
京渕沢の第1のハイライトである梯子滝が登山道からも見えるので間違う事は無い。せっかくなので梯子滝を下から見るために、下に降りていく。
20mはあろう梯子滝は実に見事。残念ながらこの滝は登れず、来た道を戻り登山道へ一旦上がる。登山道が京渕沢に近づいたところですぐに入渓。
裏コースでアプローチ
梯子滝 25m
梯子滝上から入渓します。

2段5m滝を超えると先ほどの登山道が沢を横断。そのまま沢通しで行くとミニゴルジュになり釜を持った2m滝。これは手が出ず。左の岩穴を潜って
滝上にすると、先ほどの登山道にまた出くわす。ミニゴルジュ内は4m滝で終了しており、この滝もついでに巻いて沢床に戻る。
2段5m滝を右から
ミニゴルジュ内2m滝(カーソルあてて)
すぐ上の4mも右岸巻き

ゴルジュ上は平凡だが、すぐにナメ床が続くようになる。魚影もあり、この辺りは完全癒し系の様相が続く。巨岩が散見されると4m大岩滝。水流直登で
突破したが、振り返るとSACHさんは居なくて、ちゃっかり左ルンゼから上がっていた。
癒し系です
巨岩が散見
4m滝(カーソルあてて)

ここからは平凡な様相。2回現れる(4:1)二俣をそれぞれ左に入ると伏流帯になる。しばらく伏流帯を上がって行くと前方に高さ50m程の側壁が見えてくる。
この側壁に近づくと再び水が流れ始める。
(4:1)二俣
伏流帯に突入
左岸側壁が見えてくる

沢はこの壁にさえぎられるように左に曲がる。すると正面にも壁が立ちはだかっており、否が応でもそこに大滝が隠れていることが解る。
ドキドキしながらガレた沢筋を上がって行くと徐々にハイライトの大東滝70mが姿を現してくる。ちなみにこの大滝手前左岸に顕著な枝沢が入っており
大東滝の高巻はこの枝沢を利用するらしい。
左岸側壁で左に曲がる
正面にも岩壁がそびえる
大東滝70m登場

大東滝下まで進む。これを直登する場合は水流右ルンゼに入るのが順当だろう。しかし、頭からのシャワー浴び続けなければならず。ど近眼でメガネを
掛けている私にとっては、視界が利かず苦手な登攀だ。ちなみに最下段は5m弱の水壁。とりあえず荷物をおろして、水流左から取りついてみるが
案の定、頭から水を被ると全く視界が利かず手だけの間隔でホールドを探す始末。すぐに断念し水流左を見ると、こちらには残置ハーケンが2つ打って
あり、A0すればこの垂壁は何とかなりそう。。。SACHさんも「ひろたさんが行くならフォローします」と言ってくれているが・・・

や・・・め・・・た・・・。。。(^^)ゞ

正当な言い訳はありません。これしか突破出来ないなら行くけど巻けるし。”頭から濡れるの嫌だ”、”怖い”・・・ただそれだけ。。。カム4つも持って
来てるのに情けない。。。右の枝沢に巻き道を求め移動する。
大東滝全貌
登攀ルートは右ルンゼ(クリックして)
とりあえず濡れてみる。全く見えない(カーソルあてて)

右の枝沢には多段20m滝が掛かっているが、岩は安定しており、スタンスホールド十分で、フリーで登れる。この滝を登り切った所で、本流とこの枝沢の
中間尾根に上がり、大東滝上部を偵察するが、はっきり言って悪い・・・。。。下から見れば登れるように見えるとは思うが。。。 上段の水流右端にルートを
追うが、支点となりそうな灌木は一切見当たらなかった。 結局この中間尾根を利用して大東滝上に出る。
高巻ルートになる左岸枝沢20m滝(カーソルあてて)
中間尾根から見る大東滝上部
大東滝上に出てきました

大東滝上はほぼ(1:1)の二俣になっている。左俣にも入ってみたがナメ床になっているものの、すぐにボサってしまう様で、右に入るのが順当だ。
平凡な様相を少し進むと雪渓が残っており、その奥に連瀑帯が見えてくる。
大滝上右俣の様相
大滝上左俣の様相(カーソルあてて)
雪渓奥に連瀑帯が見えてくる

連瀑帯最初の6mを右から行くが1ポイント嫌らしいのでSACHさんにはザイルを出す。その先5m、5mと滝が続き、最後に20m滝が行く手を塞ぐ。
右に斜上するバンドがあり、軽いシャワーを浴びて右に逃げ、そこから水流側に近づき笹薮帯に突入して滝上に出たが、1,2ポイント渋いところが
あるので、右に斜上後そのまま右から大きく巻いた方が安全かもしれない。
連瀑帯最初の6m滝(カーソルあてて)
5m滝を進みます
20m滝(カーソルあてて)

20m滝上は雪渓がビッシリ。雪渓上を歩く。雪渓が切れると背丈ほどの笹薮を20分ほど漕ぐと樋の沢非難小屋と大東岳を結ぶ登山道に出た。
一般登山者で賑わう大東岳山頂を後にし表ルートで下山する。
雪渓ビッチリです
大東岳山頂
表ルートで下山

P.S:登攀系の人は大東滝を登ってナンボかもしれませんが、ナメも多く明るい沢で気持ちの良い遡行が出来ます。
   ザイルは大滝を巻くなら30mで十分。大滝直登なら50mを用意した方が良いでしょう。夏向きの沢です。

遡行図



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