2012年6月10日 丹沢 神ノ川 社宮司沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:青野原、大室山
遡行図はこちら

関東甲信越の梅雨入りが報道され、天気予報を睨みながら3案程計画を立てて、なんとか大丈夫そうだねと言って決まったのが社宮司沢。
4月くらいに遡行しようかと思っていたのが、2か月先に決行した感じ。625m付近で分岐する左俣/右俣があり、本流は右俣になるが、
左俣に結構滝があるという事前情報をマイミクさんから得ていたので、左俣を少し遡行して右俣に移行する計画にしてみた。
当初、だーさん含め3人で遡行する予定だったが、ソフトボールのやり過ぎで筋肉痛という連絡を受ける。残念・・・

18:45自宅発→20:40蓮田→21:45入間IC→22:20相模湖IC→22:45癒しの湯P仮眠、6:40エビラ沢出合P
7:12エビラ沢基点P→7:17社宮司橋→9:30 625m二俣(左俣遡行)→11:00左俣(1:3)二俣で遡行終了→11:10 635m右俣から遡行開始
→12:45 940m二俣(左俣へ)→14:25 1110m付近遡行終了→14:45袖平山北尾根1220m?付近。15:00下山開始→16:43神ノ川林道
→17:00エビラ沢基点P着

神ノ川林道は全舗装。神ノ川キャンプ場を目指す。このキャンプ場入り口に社宮司橋が掛かり、入渓点となるのだが、良い駐車スペースが無く、
その先のエビラ沢の駐車スペースに車を停める(3台分)。ここはsoftbank携帯もバッチリ繋がる。おいしい水も汲めるのだが、トイレは無い。
ここから社宮司橋まで歩いて5分なので、さしたる問題は無いだろう。入渓してすぐ2連続堰堤。一つ目の堰堤を梯子で上がり二つ目の堰堤を右から
巻くのが最短コース。
エビラ沢駐車スペース(携帯繋がる)
社宮司沢入り口にある神ノ川キャンプ場
社宮司沢 最初の堰堤

堰堤上は平凡な様相で、3m程度の小滝を超えていくと、突如15m石積堰堤が行く手を阻む。かなりの年代物で落ち口が欠けている。高巻きは
かなり手前に戻り右岸からみたいだが、左壁バンドを利用。ザイルを出してリードする。1ポイントスタンスが細かく&外傾して嫌らしいところがあり、
脆い岩壁を慎重にチョイスしながらホールドを探し核心を抜ける、あとは堰堤壁脇の泥ルンゼをステップを刻みながら這い上がり巨大堰堤を終了する。

平凡な様相を進むと三俣(左岸から枝沢が2本と言っても良い)が現れ左に入る。この先ナメ床もポチポチ現れるが、若干埋まってしまった感もあり。
小滝を快適に超えていきます
15m石積堰堤(カーソルあてて)
三俣を過ぎるとナメ床も現れる

しばらく進むと顕著な(2:3)二俣。高度計を照らし合わせると625mの左俣/右俣の分岐点と確認。本流は右俣だが確かに平凡な様相。左俣は滝が見える。
ここは事前情報を元に左俣に少し入ってみる。 左俣はすぐにゴルジュっぽくなり連瀑帯に突入、まずは7m滝がお出迎え。一瞬悪く感じるがスタンス、
ホールドは十分で、二人ともフリーソロでクリヤー。 次の4mトヨ状は先行するSACHさんが両手両足ツッパリで見事突破。 次の6m滝は左から簡単に
上がれるが、水流右に敢えてTRY。滑っており、アクアステルスだと危険だが、タワシで岩を磨くと結構外傾スタンスも利きが良く、じわじわフリーで
登っていけたが、残りあと1.5m位の所で苦戦。その様子をみたSACHさんが左から上がって、お助け紐を垂らしてくれたが、その間に#0.4を強引に
噛ませ長めのシュリンゲでセルフを取ってから難所をクリヤーし上に上がれた。
(2:3)二俣 左俣に入る
左俣最初の7m滝
4m滝(カーソルあてて)
6m滝(カーソルあてて)

連瀑帯はまだ続き、5m、2条2mを上がると、これまた渋めの4m滝。水流左から取りついて水流を跨ぐ。細かいホールドと小さなスタンスに足を決め
水流のあるV字溝を直上。SACHさんにはザイルを出す。 これを超えると12mの見事な滝が現れる。下部2mをクリヤーすれば完全直登出来そうだが
水流左から取りついたものの、下部落ち口への一歩が出ず。支点も取れないため断念。右から巻き気味に上がって下部を巻き、一段上がって
水流側に近づいて、ここでザイルを出して最上部の落ち口に向かって直登した。クライマーさんなら完全直登できるかも・・・?
4m滝
12m滝(クリックして)
ここから上に上がれない
12m滝下部を巻いて落ち口に向かう(カーソルあてて)

12m滝上は3mくらいの小滝があり、その上で(1:3)二俣。ゴルジュもここで終わり、キリが良いので、左俣/右俣の中間尾根に上がり(1、2分程度の登り)
右俣に移動。我々は、調査遡行含め、この尾根を下り、左俣/右俣の出合付近まで戻ったが、右俣は平凡な様相なので、尾根を跨いで、そのまま
右俣に移動しても、なんら損することは無い。

実は、この12m滝上に20m滝があるらしい。見損ねてしまった・・・マイミクさん情報をちゃんと見ておけばよかった。。。
左俣20m滝(げんさん撮影)
中間尾根を下ります
右俣(本流筋)に戻ります

右俣は概ね平凡な様相。途中SACHさんが鹿の死骸を見つけ「セーヌ皮」だと言っている。まさに骨と皮だけになった死骸だが、頭がい骨を拾っては
組立てて遊んでいる・・・

この先、沢床の傾斜が増してくると5mトイを始め、小滝が現れてくる。これを超えていくと、沢は開け右岸に崩壊して出来た岩壁が現れる。
沢が明るく開けるのは此処だけだったので、特徴的なポイント。この先も5m前後の滝が現れるがすべてノーザイルでクリヤー可能。
小滝が続きます(カーソルあてて)
一旦明るく開けます
再び小滝が続く
5mトイ状(カーソルあてて)

この先、右岸の大ガレを見ると940mに位置する顕著な二俣。右俣はほぼ伏流、左俣は滝が掛かっているので、迷うことなく左に入る。二俣から見えた
滝は『丹沢の谷110ルート』に書かれたF4と思われる6m2条滝。中央から右の水流を目指して上がると残置ハーケンを見つけた。岩はノッペリしており、
タワシで磨けば問題無さそうだったが、左の水流の方が簡単そうなので、ここだけナヨって左から上がる。
940m二俣(奥にF4が見える)
6m2条滝(F4) (カーソルあてて)
右のラインを伺う

『丹沢の谷110ルート』も含め多くの記録ではここから先、ゴーロ帯の伏流が延々続き、早く帰りたいならF4で引き返せ。。。とまで書いてある。
確かに一旦伏流にはなるが水がすぐに復活。四角い岩を見た先で左から枝沢が入っている。この枝沢には水流が少ないながらも滝が掛かっていた。
本流筋は確かにゴーロが続いている様なので、ここを左に入る。取りついて解ったが、ここに掛かる滝は4段15mという代物。最下段が一番難しく、
右から取りついて水流に近づくが、水流沿いにはスタンスが無く、ホールドも甘く小さいものばかり。強引に突破するにはあまりにもリスキーなので、
不安定な体勢からハーケンを何とかキメ、長いシュリンゲを掛けてビレイ。さらにもう一つシュリンゲを掛けてそれに足を掛けて上がった。
ハーケンの利きに不安が募ったがギリギリセーフ・・・。 私が核心を突破したところを確認してSACHさんは左から高巻いた。
残りの3段は快適に上がれ、4段15m滝を終了。
四角い石の先の二俣を左に入る
4段15m滝(カーソルあてて)
ここから核心(カーソルあてて)

すると正面にはザレた沢筋、右を見るとミニゴルジュ風の沢型が伸びており、僅かに水を落とす5m滝。ここに取りつくと残置発見。こんなところにも残置が・・・
と感心する。
ザイルを出して、中央から右壁に移動し直上、落ち口に向かって慎重にスタンスを拾って抜ける。
この先もミニゴルジュは続くが難しい滝は無く、再びゴーロになる。時間は14時半近く、高度計(あまりあてにならない)は1110mを指している
「袖平山登りたい?」
「別に特に・・・」
っという事なので袖平山北尾根を目指してトラバースを掛ける。約20分のトラバースで高度計が1220mを指す北尾根に出た。
5m滝(カーソルあてて)
ミニゴルジュ内様相
沢床から離れトラバースを掛ける

この尾根は赤テープがあり歩きやすい。気を抜いて歩くと左俣/右俣を分ける中間尾根に出てしまうが、それで降りるのが早いかもしれない。
我々は忠実に北尾根沿って進み900mから登山道を離れショートカットを試みるが(赤テープもあり、車道にも出たが)、神ノ川キャンプ場まであるいて10分程
東寄りに出た。まぁ迷う事はないでしょう。
袖平山北尾根を下降
地図にない作業道に出る
この小屋で車道は終わる


遡行図(クリックして)

P.S:社宮司沢は本流筋の右俣より、左俣の方が滝が纏まっているので、左俣遡行をして、右俣に移動するのがお勧め。
   左俣と右俣は細い尾根を挟んでほぼ並行しているので、移動は簡単だ。水が涸れてから詰めが長いという記録を多数見るので、
   途中から右岸側の袖平山北尾根に逃げてしまえば時間短縮になる。ザイルは30mで足ります。ヒルは居ませんでした。



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