2012年8月4日 吾妻 前川 大滝沢
メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム 靴:アクアステルス
地形図:天元台
遡行図はこちら
1昨年から狙っていた吾妻大滝沢。難しい沢では無いのだが、天気の都合で実行になかなか移せず、やっとチャンスが来て6/30に遡行したものの、
大滝の登攀で滑落しハーケン&カムが全て外れ10mのグランドフォールしてしまう。幸い(?)下顎骨折、上前歯3本損傷、左足太もも&右膝の打撲、
左手打撲の負傷で済み、自力下山、自力運転で、地元の救急病院で全治3か月の診断を受け緊急入院となった。。。あれから1か月・・・顎間固定を経て
開口訓練が終了、両足の打撲が8割程治り、先週のプレ遡行である程度の見通しが立ったので、事故の検証と新たなスタートの意味を込めて、
6/30の時と同じSACHさんにご同行頂き、再度大滝沢を訪れる事にした。
20:45矢板IC→21:45安達太良SA、5:05発→6:02滑川温泉
6:35基点発→7:35大滝下→9:30ホラ貝沢出合→13:15登山道横断点→13:35潜滝上、14:00下山開始→(途中から沢コース)16:20基点P
R13から細い舗装道を滑川温泉の看板に従い進んでいく。R13から離れるとSoftbank携帯は繋がらない。滑川本流に架かる滑川橋を渡ったすぐ先に
4台分ほどの駐車スペースがある。
8月なのに、アブは殆んど居ないのは助かる。入渓して少し進むと。2段10mナメ滝がお出迎え。左右どちらからでも快適に登れ、前回は右から
上がったが、今回は残置支点がある水流左をフリーで登る。滑りは少なくアクアステルスの靴が良く利く。
このナメ滝には左岸から30m滝が出合い早くもハイライトが始まる雰囲気。。。滝上はナメ、ナメ滝が続き癒し系。ただ、上流部に温泉が入っているのか、
多少水が酸性で、魚影は無い。
長い、ナメがいったん途切れ、沢床が右直角に曲がった所に架かる小ナメ滝を超えた右岸に古いロープがぶら下がっており、ここに上部登山道に繋がる
明瞭な道が伸びている(帰りはここを利用)。
ここから少し広河原状を進むとハイライトの120m大滝が見えてくる。まさに圧巻の滝だが、他のWEB記録をみて、これ登れるんじゃない?なんて思って
来たのが抑々のマチガイだったのかも。まだ顎が完治しない状態で 1か月ぶりに来たこの日、やっぱり大滝は青空の下で変わらずに水を落としている・・・
どう見ても完全直登できる滝ではないのだが、みんな右岸を高巻いているので、”チョットでも違うルートで・・・”なんて思っていたのだ。。。
記念撮影後に、今日も懲りずに下部のルートを探る。直登可能ルートは私が落ちたルートを覗けば、シャワークライムになる1ポイントのみ、今日は
水量が少ないので、前回よりも簡単に見える。「誰か登ったことがあるかも・・・?」 と思わせる程度のレベルだ。ここをクリヤーすれば60m程直登できるが
落ち口までの40mは人工でしか登れそうになく右壁に逃げることになると思う。
さて、前回落ちたルートを見に行く。SACHさんに言わせると”30mザイルのセンターマークが足元に見えており、自分がビレイしていた場所より下に落ちた”
との事なので、10m落ち?ということだが、10mと言えば3階のビルの屋上の高さ・・・そこから落ちて、この程度の怪我で済む訳がない。。。
なんて思った訳だが、確かに傾斜あるものの10mは落ちていた。そして、落ちたところの岩は思ったより外傾しておらず、さらに停まった、釜は”釜”
と言うより深さ25cm弱の”水たまり”と言った方が当てはまっている。。。 自力下山、自力運転で栃木まで戻れたのは奇跡だった。。。
今日、落ちた壁を見ると、やっぱりそんなに脆そうには見えない所が怖い・・・
もちろん、今回はおとなしく、定石の右岸高巻きに入る。メジャーな沢だけに、明瞭な踏跡となって居るが、1箇所だけ、ちょっと嫌らしいトラバース
が6m程あった。(もうちょっと大きく巻けばここも安全に高巻ける?) 踏跡をたどると、大滝上の2段10m滝上に出る。私は、この10m滝上を降り、大滝の
落ち口に立つ。パッと見残置支点は無かった。
この先もナメ滝、ナメ床が随所に現れ、50分程でホラ貝沢出合になる。水量比は(4:1)。
二俣を過ぎてもナメが続く。明るい様相もあり、癒し度MAX!!! この先両岸の傾斜が立ってくると前方に9m滝。水流左に取りつき下段を登り、SACHさん
にはザイルで補助。ここから左壁を利用してと思ったが、結構悪そうだったので、中央のノッペリしたリッジに取りつく。若干緊張する感じ。
簡単に巻ける6m滝は水流右にリハビリがてら取りついてみるが、結構嫌らしくハーケンを打ってのA0、さらにSACHさんに上からお助け紐を出してもらって
乗り越えた。この後、10mと顕著な滝が現れるが、問題なく直登できる。
小滝を快適に超えていくと、頭上に壊れた吊り橋が掛かっていた。帰りに解った事だが、ここの左岸に作業小屋跡が有る。ここから巨岩帯を過ぎると
1270m付近の(2:1)二俣。ここを左に入ると左岸から湧水が作り出す滝が現れる。トロッコの車輪を見ると1330m(2:3)二俣。1355m(1:1)二俣と続き、
登山道横断点も近い。
登山道横断点は岩に赤ペンキが塗ってあり、右岸側を見れば道標が立っている。ここから5分で潜滝に出る。登山大系には40mとあるが、実際は20mくらい。
右岸は垂直壁が伸びているので、高巻きは左岸。ここを登山道まで上がった所で終了にした。白いピークがあり。そこから上流部の様相が見えるので、
休憩には良いだろう。
登山道はトロッコの軌道跡に付いていた。その昔、この沢で何を採っていたのだろうか??? 登山道を下って行き、大滝付近に差し掛かると、残置シュリンゲと
テープで付けられた目印があり、ここを下ると大滝の下に出れるのかと思ったら、まだ大滝上で、引き返す。その先、登山道から大滝が見えたあと、地形図
には無い道を降りていくと、そのまま大滝下まで続いていた。最後は沢をそのまま下って基点に戻る。
P.S:圧巻の大滝と大ナメに吾妻連峰No1の人気沢と言うのは納得できます!。特に難しいところも無く、初心者を連れて行くのも良いでしょう。
強いて言えば魚が居ればなぁ・・・と言う感じ。テン場は随所にあり、困らないです。ザイルは通常遡行であれば、30mで十分。
大滝登攀する場合は40m以上必要です。
|