2012年9月22日 中央アルプス 正沢川 幸ノ沢

メンバー:現場監督さん、やますきーおさん、ひろた
装備:ザイル8mm×50m、、ザイル8mm×30、カム 靴:みんなアクアステルス
地形図:木曽駒ヶ岳
遡行図はこちら

当初、中田切本谷で計画していたが、当日早朝、携帯で空木岳の天気を見たら、昨夜まで日曜日晴れマークが並んでいたのだが、急遽一日中雨に変わってしまう。
地形図も中田切流域しか持って来ておらず、あとは中アのエアリアマップのみ。。。  「どうしようか・・・?」と思った矢先、やますきーおさんの「幸ノ沢どうですか?!」に、
「そこがあったかぁー!」「そこアプローチ知ってる!」という事で幸ノ沢に転進することになった。
小生にとっては、ちょうど1年前、細尾沢→玉ノ窪沢下降を遡行して、最終日に幸ノ沢を遡行する予定だったのが悪天により断念して帰宅した経緯があった。
幸ノ沢だけの為に栃木から出向くことは”無いだろうなぁー”なんて思っていた訳だが、こういう形で遡行するチャンスが巡ってきた。

アプローチ:フィット
19:25自宅発→19:40真岡IC→23:00小黒川PA(仮眠)、6:00駒ヶ根IC→6:11伊那IC→7:00木曽駒高原スキー場
7:20基点発→7:40林道から入渓→8:25登山道横断点(通常入渓点)→9:40(1:1)二俣→10:35奥の二俣→(途中焚火休憩1時間)
→13:10登山道横断点→13:30七合非難小屋→15:30木曽駒高原スキー場

お久ぶりの現場監督さんとの挨拶もそこそこ、小黒川PAから駒ヶ根ICを折り返し、伊那IC近くで車を1台にして木曽駒高原スキー場を目指す。
1年前に細尾沢遡行で来たため、ほとんど迷うことなく木曽駒高原スキー場に到着。ここはdocomoを含めて携帯は繋がらない。
現場監督さんは、幸ノ沢と言われても、予習ゼロで、「まぁメジャーで結構良い沢なんで、ご安心を」と言ったところで、何が何だか解らない所に
来させられた感があるだろう。(笑) 

宿泊用装備をすべて車に置き出発。地図はとりあえずエアリアマップを持って行く。。。木曽駒高原スキー場から幸ノ沢右岸に伸びる林道は
クロカン4WDなら問題なく入っていけるレベル。ただ、最奥には落石が2.3あり。
登山道が幸ノ沢を横断したところから皆入渓していた様なうっすらした記憶があったが、エアリアマップを見ると、そこまで林道を歩くと遡行距離が
とても短いような感じだったので、適当なところから沢に降りようという事で意見が一致。たまたま踏跡が沢方向に伸びていたので入ってみると
車道跡だった。おそらく堰堤工事に使われたものだろうと思ったら、やはりその通り。入渓点は平凡。。。結局堰堤3個を左岸から高巻いて、
林道終点に出るという”チャンチャン”な結果で終わった。
木曽駒高原スキー場が基点です
林道を途中下車(カーソルあてて)
この堰堤上が登山道横断点でした。(カーソルあてて)

登山道横断点上にもひとつ堰堤が有ったので、登山道利用で右岸を巻いて超える。すると、やますきーおさんがホウキタケを見つけてGET。
最初に現れたのは大岩の乗っかった7m滝。水流沿いに取りついたが、落ち口の一歩が悪く、右から登ったやますきーおさんにお助け紐を出してもらって
突破した。 この先も小滝が現れ快適に超えていくが水が結構冷たい。早くもカッパを着込む。
堰堤終了!(カーソルあてて)
最初の7m大岩滝(カーソルあてて)
小滝を快適に超えます(カーソルあてて)

すると7mトイ状滝。やますきーおさん、現場監督さんの順で両足ツッパリで華麗に登って行いった。じゃぁ俺も・・・  ここから両岸が切り立ち、右岸から
15m滝が落ちる。少し進むと本流も連瀑帯に突入する。何の情報も無ければ、不安になるような様相だが、ネットの時代・・・多くの人が遡行してるのだから
行けないはずがないっていう”思い込み”が気持ちを楽にさせてくれる。。。(^^)ゞ
7mトイ状滝(カーソルあてて)
右岸枝沢の滝
連瀑帯が現れる!

連瀑帯最初の6m滝。やますきーおさんは水流左の草付ラインを選択するが、現場監督さんは水流に近いラインどり。。。まさに何処かの医薬部外品
のCMの様な光景が目の前で展開される! 次の8mナメ状は、30mザイルを持つ現場監督さんがフリーで駆け上がり”上から目線”で見下ろす中、
50mザイルを持つ私が、ならば・・・と同じラインを負けじとフォロー。。。上から目線で見下ろす二人にザイルを出そうという意識はみじんも無い・・・(笑)
連瀑帯最初の6m滝(カーソルあてて)
8mナメ状を上から目線を受けながら登攀
出るのはデジカメだけです(笑)

ナメ床状を詰め上がった先の2段8m滝は現場監督さんが水流左から取りついて水流を横断。右壁から突破する。あとからフォローするも結構細かい。
ここも出るのはザイルでも、お助け紐でもなく、デジカメだった・・・。。。 すぐ上の5m滝は水流右の草付ルンゼで上がれそうだったが、水流左の草付を
やますきーおさんが取りつくも断念。ならば私が・・・とチャレンジするもやはり後一歩が出ない。セミ状態な私を見て、やますきーおさんがさらに左の草付、
現場監督さんが、右のルンゼに取りつくが、私も左右の足を入れ替えることによって難所の一歩を上がり、3人同時に滝上にでて、誰も”上から目線”
で見下ろす者は居なかった。。。なんてね・・・  この滝を超えると右岸からナメの枝沢が合流。本流は小滝が続く。
2段8m滝登攀(カーソルあてて)
5m滝にやますきーおさんが挑戦
右岸枝沢から本流(この”上から目線”に意味はない)

7m滝を交えた小滝群を快適に超えていくと、顕著な(1:1)二俣が現れる。とーぜん「これ、どっちに行くんだ???」ってことになり、1/50,000で書かれた
エアリアマップを広げると顕著な二俣が1か所書いてある。左俣は七合非難小屋に直接詰め上げ、右俣は非難小屋と赤林山を繋ぐトラバース道に
出ているようだ。谷筋から遠くの街並みがが見えるので、やますきーおさんに「携帯のWEBで幸ノ沢の記録見れない?」とおねだりしたが、残念ながら
docomo携帯ではアンテナは立つものの、WEBに繋がらないとの事・・・

「右俣上がって、左俣下降ってどう?」って提案したが、何となく却下(笑)
「確か。。。どの記録も”登山道が横断する”って記述で終わっていたと記憶してるんだけど・・・」という事で右俣を選択する。
7m滝は快適に直登
(1:1)二俣
右俣を選択(最初の8m滝)

右俣最初の8m滝はシャワーを覚悟すれば登れそう。。。しかし、「今日は寒いし・・・」なんて考えていたら、やますきーおさんは右岸から高巻に入った。
”俺も、そーしよっかなー”なんて目を移すと現場監督さんが水流左端から直登しようとしている。”さすがクライマーは躊躇なく取りつくんだ”と感心させられる。
シャワーを受けながら、水流に入って行くところが核心。そこを超えると、スタスタと上がって終了。「行ける!行ける!」と言われると、もはや逃げられず、
取りついた。水流に移る箇所のスタンスが細かいが、足を引っ掛けて右手のガバを使って体を上げる。あとは水流を受けながら階段状を上がるだけ。
10月になると、直登はきついですな。。。

滝上は荒れた様相だが、すぐに岩盤が発達した様相に変化。2段8m、3mを超えると見事な12m滝。この滝は左右どちらからも登れ、やますきーおさんが、
左に取りついたので私は右に取りつく。
8m滝(カーソルあてて)
8m滝フォロー
12m滝(カーソルあてて)

12m滝を超えると平凡な様相に小滝が混じるという様相に変化。しばらく進むと”奥の二俣”に到着。水料比は(3:2)で7m滝が掛かる左の方が多いので
迷わず左に進む。7m滝は水流左を快適に直登可能。この先は小滝を交えながら高度を稼いでいく。
12m滝上の様相
(3:2)奥の二俣。左に入ります
まだまだ滝は近づく。。。

出てくる滝は巻いてしまうことも出来、各々好きなラインで取りつく事が出来る。何の変哲もない7m滝だが、やますきーおさんが、足を滑らせ4m落ち。
幸い途中で止まって大事に至らなかったが、指を痛めたとの事。この滝で現場監督さんが水流横断ラインに挑むが、あと一歩が出ず、全員安全ルート
で上がった。15m幅広滝を超えると、一気に源頭の様相。

5m滝。ここは勝負(カーソルあてて)
敢えて苦労した7m滝(カーソルあてて)
15m幅広滝

ここまで、サクッと来た感じ、休憩がてら焚火を起こすが、木が全体的に湿っていて、ビッグファイヤーに至らず、休憩なのに余計に疲れてしまった。
この先、は水も涸れゴルジュ内のガレで高度を稼いでいく。一登りすると、真新しい赤テープを発見。登山道横断点となる。この先も同じようなガレた
様相が続くので、ここで終了するのがやはり一般的でしょう。20分弱の登山道歩きで七合避難小屋に到着。屋根に太陽電池が設置され、非難小屋には
見えない。この太陽電池でバイオトイレ用の電力を生んでると聞いたが、トイレ様にしては随分大きな太陽電池と思ったのは私だけか・・・?
最後の詰めの様相
終了点には真新しい赤テープあり。
七合非難小屋

ここで、大きな荷物を背負ったカップルさん登場。明日雨だよと告げると「えぇー。じゃぁここで泊まろうかなぁ」という男性と、もっと「上まで行ってみたい」
意思表示する女性。結局どうしたのか聞いてみたいところだが知る由も無く下山開始。「最近、一般道を歩いている人はとにかく装備が新しく綺麗だ」
とやますきーおさんが解説。そういえば、現場監督さんのザックは新しそう。。。それに比べると、自分は10年以上使ってた完全ヘタレタザック、熊に穴を
空けられたヘルメットと破れたウエア、サイドをガムテープで保護した沢靴。。。よく言えば渋すぎる私・・・と言った所か。。。(笑)

装備の話から、35歳以上で受ける”オヤジ検診”の話に話題が変わる。体脂肪率、なんと現場監督さんは一桁台をキープしているらしい。クライミング
をやるにはこれをキープしないとやはりダメとのこと・・・。。。しかもメタボ検診でウエストが70切ってるって、どーいう事!!!

話は、熊に変わり、先週、やますきーおさんは登山道下山中にクマと遭遇。距離10mだったが、お互い「う!」と唸って相手が逃げて行ったそうだ。
俺は熊と並行に歩いて、パートナーと間違えて『どうしたの?』と声を掛ける始末・・・距離2m・・・「うー」と唸って襲われた。。。(^^)ゞ

「沢はサクッと終わったのに、下山長くねぇー?」と言ってたら幸ノ沢横断点到着。林道で木刀1本だけ持ったオジサンとすれ違うが、襲われず無事基点に戻る。
明瞭な下山道
幸ノ沢横断点到着
基点到着です♪

P.S:短い沢ですが、滝が程よくまとまった楽しい沢です。ザイルは30m一本で足ります。敢えて突っ込まなけれな、そんなに濡れないので、秋でも
   大丈夫ですが、標高は高いのでベルグラに注意。泊まりで行く人は居ないと思いますが、テン場は良いところは見つかりませんでした。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)

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