2013年4月14日 御坂 芦川 濁沢

メンバー:SACHさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、50m、カム#0.4、#0.5 靴:アクアステルス
地形図:市川大門
遡行図、概念図はこちら

芦川流域に短いながらも充実遡行が楽しめる沢があることは数年前に知ったが。2010年発行された"東京近郊沢登りルート120"にも掲載され、一気に人気度がアップ。
栃木からでは高速道のアプローチが悪いので、土日両日使って、上信越がまだ雪で覆われている4月中に、横沢、濁沢2本を遡行する計画を立て行ってみた。
この記録は二日目の濁沢のもの

7:15濁沢入渓→8:08 3段60m滝上→9:10 2条20m滝上→10:00白竜ノ滝上→11:40 795m(1:1)二俣→12:55稜線(そのまま下山開始)
→14:25基点P(濁沢出合)
14:35基点発→16:06雁坂トンネル→18:03花園IC(高速)→18:38桐生大田ic通過→19:18真岡IC→19:29自宅着

横沢出合から車で1分程度の移動で濁沢出合に出る。横沢同様、橋には沢名が記されていないので、地形図を見ての判断。やはりここもSohtbankは
圏外。沢の近くの道路沿いに駐車スペースは4〜5台程ある。

早速入渓。濁沢だが、水は濁っておらず、昨日の横沢の方が、若干水が白濁していた。少し進むと早くも3段60mの大滝が姿を現す。
濁沢横の駐車スペース
濁沢に入渓
3段60m大滝

1段目は水流左に取り付いている記録も見るが、水流右が定石でしょう。傾斜は緩めでノーザイルで快適に直登。V-
2段目は水流左からも登れそうだが、右壁に残地シュリンゲが下がっていたので回収ついでに右から行く。ここも沢慣れした人ならノーザイルで行ける
レベルではあるが、SACHさんからのザイル要求でザイルを出してリードする。60cm程度の段差を超える所がスリップ注意で、ここにカムを押し込み、
タワシでスタンスを磨いて乗り上がる。V  3段目は立っていて、右の灌木めがけて直上し、落ち口に向かってトラバース。V

滝上から下を見下ろすと、なんとこの時期に遡行者を発見、単独で来ているようだ。
1段目(カーソルあてて)
2段目(カーソルあてて)
3段目(カーソルあてて)

大滝の上は間髪入れずに9m滝、水流左のノッペリ岩を上がり、枯れ木を掴んで突破した。そのすぐ上の8m滝は簡単で、そのままザイルを引っ張って
超える。

4mナメ滝を超え少し進むと2条20m滝が見えて来た。下部は切り立っていて下半分を右から上ががり、上半分を右水線に沿って上がるようだ。
ここで、単独遡行者が追い付いてきた。地元甲府の方で、山岳会には所属していないとの事・・・へぇー〜って関心。この滝は巻くとの事で、先に
行ってもらった。
大滝上の9m滝(カーソルあてて)
8m滝
2条20m滝(カーソルあてて)

我々は、水流右の岩と土のコンタクトラインを10m程上がり、ここで50mザイルを出してリード。ノッペリ岩の間のクラックを利用。簡単に3m程上がる。
飛沫を浴びながら大岩を回り込んだところにカムを決め、シャワーを浴びながら上がるともう1箇所カムを決められるポイントがある。スタンスホールドは
豊富で、割と簡単に登れる。V 水の流れる凹角を2m程上がれば1m幅のバンドに上がれる。もはや、ここは安全圏・・・。ここでピッチを切っても良いが、
乾いた岩を上まで上がって灌木にビレイ。上まで上がると、フォローが見えないし、声も届きにくいので、バンドでピッチを切った方が良かったか・・・?
SACHさんのフォロー中1度鈍いテンションがかかったが、ゴボウでは無く、触った岩が崩落して、ずり落ちたとの事。。。怪我は無くホッとする。
見た目以上に簡単
核心を超えたバンドから下を見る(カーソルあてて)
2条20m滝上から

ここからはナメとナメ小滝が続き気持ちが良い。両岸が立って来て、5mナメがかかり、左に屈曲した奥に20m白竜ノ滝が現れる。。。10m強まで登った
WEB記録を見たが、とても登れる代物ではない。持って行ったトポでは右岸を尾根まで巻き上げているが、右壁沿い沢と並行にイイ感じのバンドが伸びて
おり、これを利用しない手はない。一応、ザイルは出してみたものの、必要性はあまり感じず、簡単に白竜ノ滝上に出る。落ち口にはボロボロになりかけた
残置シュリンゲ。沢の下降で使ったものか?それともアイス???
ナメの小滝が続きます(カーソルあてて)
白竜ノ滝が見えてくる(クリックして)
白竜ノ滝高巻きルート(カーソルあてて)

白竜ノ滝上はトヨ状4段10m滝が間髪入れずにある。さらに4m滝、5mCSが続くが突破に問題はない。ここ左岸には石垣が出来ており、いったいここで
何が行われていたのか謎。"魚を取った人は罰金があります"との看板も発見。相当無断で釣られたんですねぇ・・・

この先、少し行くと裏見の滝9m。確かに下部1.5mが抉れており、観光スポット(?)になっている。クライマーはここを下から登るのか?、もちろん我々は
右から巻いて滝上に出た。
トヨ状4段10m滝
4m、5mCS滝のすぐ横に石垣が・・・
裏見の滝9m

ここから先、平凡な癒し系の様相になる。滝場⇒癒し系⇒滝場という概ねの流れは、横沢も濁沢も変わらない。

暫く進むと、前衛3m滝奥に2段12m滝。下部はナメ状だが、そこから1,5m程の段差を上がる所がポイント。クライマーなら登れるレベルだが、どうも
ノーザイルだと踏ん切りが付かず、右岸を巻いたSACHさんに上からザイルを投げてもらう。
ここを上がると正面に難儀しそうな黒壁滝が見えるが、幸い左岸枝沢の滝で、本流は左直角のクランク状に滝がかかり、問題なく超えられた。
平凡な様相に変化
2段12m滝(カーソルあてて)
黒壁滝か?と思ったら・・・(カーソルあてて)

再び”平凡な様相に小滝”というシチュエーションになり、右岸から2段7m滝で出合う枝沢が入る。水量比は(1:1)。地形図を見ると、ここが795mに位置する
"二俣"と呼ばれるところになる。 ここを左に入ると蛾ヶ岳方向に詰める事が出来るが、あまりこちらに入っている記録は見ない。蛾ヶ岳は昨日登ったし、
「まずは本流筋・・・」という事で右に入った。 少し進むと、黒光りした15mスラブ滝。左から巻くが、結構悪かった。ギリギリ小さく巻いて滝上に出る。
795m二俣
15mスラブ滝(カーソルあてて)
15mスラブ滝高巻き途中から(カーソルあてて)

870mに位置する奥ノ二俣はトポに従い右に入る。トポの通りに9m、12m滝が連続で出現。9m滝は水流左から取り付いて、そのまま水の流れる凹角に
入ってフリーで直登V。SACHさんもお助け無しで上がってきた。12m滝は水流右から斜上バンドで水流を横断して1段上に上がって突破。
奥ノ二俣
9m、12m滝(カーソルあてて)
12m滝

ここを超えると水涸れ。右岸から2本の涸滝を見ながら体力勝負の詰めを残すのみ。

"下山は1128mピークを回り込むように道が付けられている"とトポに書かれているので登山道が1128mピークから延びる尾根とぶつかった所まで歩いてみたが、
"道" と呼べる代物は無かった。幅広尾根を蛇沢側に引き込まれない様に歩いていくと、枯葉で埋もれた道らしきものが現れる様になり、ここを
下って行くと正解だったようだ。1時間半で基点駐車スペースに戻った。
右岸20m涸滝と最後の詰め(カーソルあてて)
1128mピークからの尾根と登山道合流地点
県道到着です!


P.S:濁沢は横沢より、見どころも多く、最後まで飽きずに楽しめる沢でした。下山も横沢よりルートファインディングが楽かもしれません。
   難易度は横沢よりは簡単です。ザイルは沢慣れしたパーティであれば30m1本で足りるはず。是非行ってみてください!


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)
 


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