2013年10月6日 登川支流 姥沢川 南ノ入り沢右俣

メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム、靴:アクアステルス
地形図:巻機山
遡行図、概念図はこちら

土曜の天気が悪く、日曜日帰りで、登川支流、姥沢川 南ノ入り沢に決定。2008年に左俣を遡行したので、今回は右俣を狙う。。。この沢、2011年夏の新潟豪雨で北ノ入り沢の支流、
大畑ノ沢が崩壊して土砂が南ノ入り沢まで流入したという記事が流れ、それ以降、姥沢川に入渓した記録がめっきりと減ってしまった様だ。確かに栃木から出向いて、沢が大荒れでは
ガッカリだが、時代は大幅に進化。なんとGoogleマップの写真で、沢の様相が解ってしまうのだ! これを見る限り、荒れているのは入渓基点付近のみで、他はかつての様相を維持して
いると判断。実行に移した。


18:15小金井駅発→18:50栃木IC→20:35塩沢石打I、→6:15基点着
6:35出発→6:39南ノ入り沢入渓→8:26(1:1)二俣→13:20稜線登山道→15:58稜線からの下降点→16:30基点着

ナビが無いと、姥沢川流域の沢は塩沢石打ICからR291に入ってからがアプローチしずらい。以前左俣を遡行した時の記録が役に立った。。。
国道を横断する川が有ったら、橋の名前を確認、”新姥沢橋”を見たら、100m程戻って姥沢川右岸の古峰山登山口に向かえばよい。橋の名前を確認に
降りると、1台のワゴン車が止まってウインドウが降りると、”上信越の谷105”の著者 豊野さんではありませんか!
「金山沢にアプローチしようとしたら、道が崩れちゃってて・・・」と道を聞いてきた。簡単にご挨拶させていただき、別のルートを案内させていただいた。

古峰山登山口は駐車スペース5台程度。崩壊地の治山工事が2013年12月まで行われているようで、重機が2台程止められており、従業者用トイレあり。
携帯もバッチリ繋がる。

南の入り沢の入渓点は、ここから古峰山登山道を進み沢を横断するところから入渓するのが一般的だが、今回は基点すぐから入渓する。基点付近は
埋め尽くされた土砂を片づけた工事現場となっているが、かつての様相と変わっているのは個々だけと言って良い。

沢に入って300mも進めば、新潟豪雨以前の様相が残されていると言っていいだろう。
新姥沢橋が目印(カーソルあてて)
新潟豪雨の治山工事状況(カーソルあてて)
すぐに、かつての様相に・・・

前回来たとき同様、登山道横断点まではほぼ平凡。ここから先、少しくとナメ床が現れる。沢が大きく左カーブを描くと、そこにはかつてあった7段15mナメ
が今なお、埋め尽くされず残っていてくれた! 前回はフェルトソールの遡行だったが、今回はアクアステルス、岩のヌメリも少なく前回より大胆なライン
で登って行ける。
登山道横断点
ナメ床チックになります
7段15mナメ。健在でした♪

連続する5mナメを超えると(1:1)二俣。前回はここを左に入ったが、今回は右に入る。右俣最初の3段7m滝から先は、ひたすら幅広のナメ滝が続く。それも
間髪入れずに続くのでどこで区切れば良いのかは迷うところかもしれない。5段20mナメ滝、続く多段25mナメ滝は傾斜が立っているところは、左右の
灌木を掴みながら登れ、"高巻き"になる所はない。
(1:1)二俣と右俣の3段7m滝(カーソルあてて)
5段20mナメ滝(カーソルあてて)
多段25mナメ滝(カーソルあてて)

続く、2段7m3段15mナメを快適に超えると、幅広ナメ滝帯は一旦終わるが、一瞬平凡な様相に戻った直後6mナメが現れた所からまた幅広ナメが続く
ようになる。7mナメ滝上で二俣になるも水流の多い方を選んで素直に進めばいいので、迷う所は無い。
2段7mナメ滝
3段15mナメ滝(カーソルあてて)
一瞬平凡になるが、またすぐにナメ(カーソルあてて)

この二俣を右に入ると、沢床は一旦狭まるが、沢が左に折れた所からまた明るいナメ滝帯が始まる。途中の傾斜の強い10mナメ滝は水流左の灌木との
コンタクトラインで直登。このあたりから振り返れば塩沢石打方面の集落が見えてくるので、確認はしていないが遡行中携帯も使える可能性が高い。
6mナメ滝上の二俣を水流の多い左に入り、ひたすら続くナメとナメの小滝を堪能。また、一旦ナメ床は途切れるが、続く60m階段状ナメも傾斜は緩く
好きなラインを自由に登れる。
こういう狭い所はごく稀・・・
10mナメ滝(カーソルあてて)
60m階段状ナメ(カーソルあてて)

これ以降ナメとナメ小滝でどんどん高度を稼ぐ。。。ここまで、1か所上からザイルを投げた所があったが、敢えて難しいラインに突っ込まなければ、
ザイルを必要とするところは無かった。

最後まで明るい様相のまま源頭に・・・ 最後は草付きからネマガリタケ+灌木の藪に突入。30分程藪を漕ぐと、地形図に掛かれている登山道に出た
と思いきや、尾根を跨いで隣の金山沢源頭が視界に入る。前回来た時もそうだったが、この辺りは、笹が続くラインが登山道跡となっているので、
これを見つけたら遡行終了となる。
ひたすらナメとナメ小滝が続く♪(カーソルあてて)
源頭から最後の詰めへ(カーソルあてて)
稜線出ました・・・。(^_^;)

標高は1780〜1800m付近。昨今、隣の金山沢の遡行では、この尾根の不明瞭な道を嫌って、4時間かけ巻機山経由で桜坂登山口に下るパーティが多い
ようだ。もちろん我々は車一台で来ているので、その選択肢は無いし、一度下ったことのある尾根なのでこの尾根を下降する。

ただ、残念ながらガスが出てきて、さらに下降が困難な状況。金山沢に吸い込まれないよう、笹が続くところを選んで下降。それでも灌木にさえぎられる
個所は多々あり、その都度、道を探す。上から見るより、道を見失ったところで、足元の笹をかき分けると道を見つけやすいかも・・・

樹林帯に入ると、尾根の姥沢川側に色あせた赤テープを見るが、ここに道は無く、そこからそれた方向に獣道が伸びていたりするので厄介になる。
この辺りは、悩まず、尾根を離れない様に強引に降りて行った方が早いだろう。

尾根上に大木が見えたら(スミマセン写真撮り損ねました)、そこからの細尾根に忠実に道が付いている。ここに出るまでが下りの核心だ。ただ、大木からの
道も昨今、歩かれていないだけに、以前来た時よりも藪が掛かっているところは多い気がした。

暫く尾根道を忠実に下ると白いポールが立っている。ここから姥沢川に降りる明瞭な道が伸びている。古峰山への周遊コースは整備されている様で
真新しい赤テープが多数ついていた・・・。結局、なんだかんだ面倒な下りだったが3時間10分で基点に戻ることが出来た。
笹の箇所が道。灌木帯の核心部分(カーソルあてて)
後半は尾根の頂点に道あり(カーソルあてて)
この目印まで来たら安全圏


P.S:南ノ入沢は新潟豪雨の影響を受けずナメは健在だった。遡行自体は難しい所は無く快適そのものだが下山に難あり。割引岳経由桜坂登山口までは4時間半は見て
  おいた方が良く、迷いながらでも金山沢/姥沢川境界尾根を下った方が早いはず。ザイルは30m1本で足りるが、下山で迷って姥沢川で降りる場合はもっと長いのを
  用意しておけば安心でしょう。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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