2013年11月2日 檜又谷大スラブ沢→蓬沢右俣右沢下降

メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム、靴:アクアステルス
地形図:茂倉岳
遡行図、概念図はこちら

先月、姥沢橋でバッタリお会いした縁で、沢の大御所”豊野さん”から越後湯沢での熊鍋会に誘っていただので、越後湯沢を基点に日帰り×2で土日を過ごすことに・・・
初日は短め沢として取っておいた毛渡沢シッケイ沢、日曜に一ノ倉沢の某沢(計画書を出しておいた)に行く事にした。。。さらに予備案としてさらに短めの
檜又谷大スラブ沢を用意して家を出る。そして結局・・・

アプローチ(フィット)
19:38小金井駅発→20:06栃木IC→21:33土樽PA、5:40発→6:15蓬沢右岸林道基点
6:35基点発→6:50檜又谷入渓→8:25大スラブ沢出合→9:45-10:10スラブ内4m断層→11:25蓬沢境界尾根→11:54蓬沢下降開始
→14:20左俣出合→14:30登山道→15:15基点P

豊野さんに、14時,三俣レイクサイドロッヂで開始の熊鍋会に”16時過ぎ頃に向かいます” と参加希望を出したものの、どなた様が来るのかが解らない
のは良いとして、野外でやるのか室内でやるのか・・・、も解らず、前夜SACHさんに「宿泊客が居る場合、宿の食事取る人も居るだろうから遅くても5時くらいに
終わっちゃうんじゃない?」 「30分でお鍋は無くなっちゃうんじゃないかなぁー」と不安を煽られ。
「そうかぁ・・・???、じゃぁ大スラブ沢だったら割と早く戻れるんじゃないかなぁー。」 と、ここで行き先が決定、仮眠をとる。

湯沢ICから蓬沢右岸林道に進むが、新潟豪雨の影響か、かつて林道最奥まで通常の2WD車で入れたが、現在は道が荒れててフィットでは檜又谷出合
までも入れず、檜又谷出合まで歩いて10分程度手前の空スペースに車を停めた。最低地上高の高い4WD車であれば、檜又谷出合まで入れるだろう。
我々が駐車した場所ではsoftbank携帯のアンテナは1本立っていた。

林道を進み、蓬沢を横断する橋は健在。15分程度で檜又谷に入渓。ここに来るのは2009年8月の滝沢遡行以来4年ぶりだが、かなり様相が変わった
様で、流された木とゴーロが目立つ。崩壊は右岸が顕著で、やはり新潟豪雨の時の物だろうか、最近と思われる崩壊地が目立つ。そんな様相でも、
偶に魚影を見たのは嬉しかった。
林道は荒れたが蓬沢横断橋は無事(カーソルあてて)
檜又谷は荒れていた(カーソルあてて)
ここは前からこんな様相だったっけ・・・?

キノコを探しながら進んで行くがムキタケをほんの少々しか見つけられず残念。。。一ノ沢は昔の暗い雰囲気からガレ沢に変化していた。二ノ沢の出合
は、より一層はっきりした出合となって本谷に合流している。二ノ沢出合から岩盤が発達した様相はそのままだったような・・・。。。前滝沢は出合からイイ
感じのスラブ滝が上まで続いており、改めて遡行意欲を掻き立てる。前滝沢を過ぎれば、大スラブ沢出合はすぐ。上部に明るいスラブが顔を出している
のが見える。
荒れた一ノ沢出合
顕著になった二ノ沢出合と前滝沢出合(カーソルあてて)
大スラブ沢出合

大スラブ沢に入ると最初の2段4mナメが出迎えてくれるが、その先にいきなり15m滝が立ちはだかる。完全癒し系のつもりで来たので一瞬たじろぐが、
水流左が登れそう。二人ともノーザイルで取りつき、1ポイントSACHさんにお助け紐を出す程度でクリヤー出来た。V-
15m滝上はスラブ状40m滝になっているが、傾斜は寝ているのでアクアステルスのグリップ力で快適に直登できる。この上で左岸から枝沢が入る。
ただでさえ水量が少ない沢なのに、水を取られると悲しい気持ちになるのは自分だけか・・・?
大スラブ沢2段4mナメ(カーソルあてて)
15m滝(カーソルあてて)
40mスラブ滝(カーソルあてて)

ここからは小滝が続く・・・その中の5m滝は、水流右から取りついて水流を横断して滝上に出るのだが、嫌らしい水流横断する手前に軟鉄残置ハーケンが
打込まれており、長いシュリンゲでセルフを取って横断する。SACHさんにはお助け紐を出してクリヤーしてもらった。振り返ると、前滝沢と滝沢の様相が
見えるが、前滝沢は結構な急傾斜で詰め上がっているようだ。あちらの沢は殆んど日が当たらないので寒そう・・・。。。
岩盤が発達した様相のまま、ハイライトの大スラブが始まる。丁度、陽も当たってきて、周辺の紅葉もちょうど見頃・・・傾斜も緩くアクアステルスなら自由な
ルートで登って行けるので快適だ。
5m滝(カーソルあてて)
寒そうな前滝沢
大スラブが始まる

登って行くとスラブ中央に断層と化した4m滝。気持ちが良いので、ここで焚火休憩・・・。。。4m断層滝は左に行けば行くほど簡単に登れる。適当な所から
難無く超えた。この上で、スラブは二分され広い右側に進路をとり、さらにこの先で三俣チックになっているところを開けた真ん中を進む。ちょうどこの辺り
でスラブが終了。
大スラブと4m断層滝
断層滝上でスラブは二分されます(カーソルあてて)
大スラブ上部からスラブ終了点へ(カーソルあてて)

スラブが終了すると、一気に詰めの様相に変化。沢形を最後まで詰め、極力薄い所を選んで上がって行く。。。ラスト10分程度の笹薮を漕げば左に二ノ沢
、右にススケ沢を別ける境界尾根に出る。蓬沢と檜又谷の境界尾根までは、ここから腰までの笹藪を軽く漕いで到着する。時間は11時半前・・・。。。
これなら、14時開始の熊鍋にちょっとの遅れで行けるかも!・・・と県境尾根に向かって歩いて行く。蓬沢と檜又谷の境界尾根は獣道すらないが、精々膝上
程度の藪なので、問題なく進める。最後のピークをうざい笹薮トラバースしてると、蓬沢の沢筋が視界に入り、地形図を取り出す。見た感じそんなに悪く
見えないし、そもそも遡行対象の沢じゃないので、滝なんか無いと読んで「割と遠回りに見える一般道の蓬峠経由より、意外と沢下っても対して時間変わらないん
じゃない?」とSACHさんに提案、「どちらでもいいですよ!」との返答だったので、登山道まで30m位を残して、一気に蓬沢に下降を開始した。。

詰めの様相(カーソルあてて)
二ノ沢/ススケ沢境界尾根に出る(カーソルあてて)
蓬沢/檜又谷境界尾根から蓬沢を下降(カーソルあてて)

笹薮を強引にかき分けると沢形に容易に出る。平凡な様相を進むが、4m程度の小さい滝でも、クライムダウンが出来ないと、ザイルを直接掛けられる
灌木が両岸に無く、巻きも不可能で、捨て縄を細い灌木に巻きつけての懸垂になる。平凡な様相が続くが、次に現れる2段6m滝も懸垂。
沢形が現れる
両岸草付なので、下降は苦労する(カーソルあてて)
2段6m滝も懸垂

この先、沢幅が狭まりトイ状に水を落す8mトイ状滝。幸い多段になっており、あまり高度感を感じる事無く降りて行けた。しかし、すぐ下に控える4段12m
トイ状が懸垂ではないと降りれない。支点になる灌木が無く、先ほどの8m滝に引っかかっていた倒木にロープを掛ける。今回40mザイルを持ってきたが、
下まで届かず。残り1段の所までとりあえず降りる事に。ここはルンゼ状で垂直に水を落す滝で、水流をよけるのが難しく、懸垂中に水を浴びてしまった。
SACHさんにはカッパを着るように言ったが、左岸側バンドをうまく使って濡れずに降りてくる。まだ、1段残っているが、支点は無く、リスを探してハーケン
1枚打ち込んで懸垂した。この4段12m滝は右岸を大きく巻いて降りた方が早かったかも・・・
8mトイ状滝(カーソルあてて)
4段12m滝トイ状滝1回目の懸垂(カーソルあてて)
4段12m滝トイ状滝2回目の懸垂

次の4m滝は左岸側からクライムダウン出来た。この先また平凡な様相が続くが、左沢との出合手前で3段12m滝となっている。ここは右岸を巻いて左沢
に降りようとしたが、下部が弱い草付きで、5m程滑り落ちてしまった。かなり加速したが幸い怪我が無くホッとする。固まってるSACHさんに、下降ルートを
指示し、無事降りてきてもらった。滝なんか無いと思ってたので、とんだ誤算だった・・・
4m滝
平凡な様相を下降
右俣右沢出合に掛かる3段12m滝

左沢と降りてきた右沢の水量比は(2:1)で右俣の方が少ない。ここから先は滝らしい滝は無い。キノコも探しながら降りるがGET出来ず。下降を続けると
今度は左俣との出合になる。ここも水量比(2:1)で左俣の方が多かった・・・。
ここから少し下ると、右岸から登山道が近づいてくるため、適当なところで右岸に上がってみたら10mも歩かず登山道に出た。
以前来た時から、林道が現れる手前に新しい堰堤が出来ていたが、あとは林道の終了点も変化なし。基点に戻る。着替えて、熊鍋会に直行。

会場はロッジの外で、20人以上集まっていた。いろんな所からメンバーが来たようで、知ってるメンバーも・・・豊野さんをはじめ、気さくな方ばかりで、
2時から始まってる宴会が夜11時半になっても話は尽きず、鍋以外にもなんだかいっぱいご馳走になった。明日の予定が無かったら朝まで盛り上がって
いたに違いない・・・
右俣左沢/右沢に(2:1)出合
平成20年に出来た蓬沢の堰堤
11時半過ぎまで盛り上がる

P.S:大スラブ沢は半日で抜けれる快適な沢でした。檜又谷自体も水量が多い沢というわけではないので、雨が降った翌日でも良いかもしれません。
   夏は暑すぎるので秋、特に日の短い晩秋にはお勧めです。ザイルは使いませんでしたが、30mあれば、何とかなると思います。フェルトでも
   問題ないはずですが、ラバーソールであればより快適です。一方、蓬沢右俣右沢は両岸草付きで、滝は懸垂下降になる所が多いです。
   ここを下降する場合は40m以上持って行った方が安心。登山道経由で戻った方が時間的には1時間以上早いと思います。

遡行図(クリックして)
檜又谷概念図(クリックして)


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