2013年11月3日 仙ノ倉谷 毛渡沢 シッケイ沢右俣左沢→ダイコンオロシ沢下降
メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム、靴:アクアステルス
地形図:土樽、三国峠
遡行図、概念図はこちら
11月2日の夕方から夜にかけて越後湯沢で、沢の大御所”豊野さん”主催の熊鍋会に参加。そのまま近場の沢という事で仙ノ倉谷に入る。仙ノ倉谷と言えば西ゼン/東ゼンが
有名だが、どちらも行ったので今回は毛渡沢流域のシッケイ沢を狙う。登山大系によるとシッケイ沢では中俣が面白い様で、シッケイ沢中俣→イイ沢下降のつもりで計画。。。
しかし、どうも表記した沢を遡行した様だ・・・。。。
6:45仙ノ倉谷右岸林道ゲート発→7:05毛渡沢出合→10:15シッケイ沢出合→11:20シッケイ沢左俣/右俣出合→13:20仙ノ倉北尾根着、
13:25ダイコンオロシ沢下降開始→15:15仙ノ倉沢出合→15:35平標新道横断点→16:35基点ゲート着
仙ノ倉谷左岸林道は堰堤工事の看板が出ていたが問題なく入れる。林道の状態もまずまずで通常の2WD車でゲートまで入って行けた。駐車スペース
は10台は大丈夫。Softbank携帯はここでは圏外。林道を歩く事20分で毛渡沢出合に到着。吊り橋の土台の様なものが林道横にあるので、それが目印。
ただ、歩いてきた左岸林道は毛渡沢左岸まで伸びているので、林道を最後まで詰めた方が早いでしょう。
毛渡沢を沢通しで進むが水量が多く、11月ではついつい水流を避け、灌木帯と沢の際を歩いてしまう。形相は良いのだが単調・・・左岸に釣師の道でも
有るだろうと行ってみると、車道があった。進んでみるとすぐに終了して残念。道標があったので見ると”毛渡沢林業専用道終点(延長500m)”との事。
ここから踏跡が伸びているが、左岸枝沢を横断した後に山に上がって行ってしまうので、踏跡を離れ、毛渡沢の流れに戻った.
小屋場沢出合手前で、SACHさんが、右岸、高さ2m位の位置に生えるムキタケを、さら左岸でこの時期にしては珍しいまだ食べられるブナハリを発見。
さらに、山ブドウも大量にGET! ・・・という事もあり、毛渡沢入渓から3時間ちょっとでようやくシッケイ沢に到着した。顕著な沢筋になっているので
間違う事は無いだろう。シッケイ沢出合は多数種のキノコが生えており、なんとまたSACHさんがナメコの群生を発見!!! 今日はもう帰ってもいいん
じゃないかっていくらいの収穫だ。
シッケイ沢に入っても平凡な様相は続く2,3のインゼルを超えると釜を持った小滝が現れ、左壁からヘツリ気味に超える。するとその先で、左俣/右俣を
水量比(4:1)で圧倒的に左俣の方が多く、さらに左俣出合は4mナメを掛けている。目指す中俣はここを右に入らなければいけないのが辛い所。ガレた
右俣を少し進むと右岸から中俣が入る。水量比はほぼ(1:1)。登山大系の遡行図の通りだったので全く遡行中は疑問視しなかったが、登山大系の遡行図
を"正"と考えると、ここは二俣では無く、"登山大系の遡行図には書かれていない左岸枝沢が入る"と見るのが正解だ。この(1:1)二俣を中俣/右俣の二俣
と思って左に入ると、すぐまた二俣になる。ここが、登山大系の遡行図に記す中俣/右俣を別ける二俣になる。しかし、実際、中俣は暗い藪の中に入って
行く感じで、とてもこれが中俣とは思えない、さらにこの二俣から右俣側にはちょっとした滝も見え、さらに見事な山のピークも顔を出している。これが
"シッケイの頭"と思えてしまうのだ、ここで見えるピークは1627mと書かれているピークになるので注意。ここの二俣は地形図を見てもなかなか解らない。
遡行時は何の迷いも無く、この二俣を右岸枝沢と思って右に進路を取る。(ここで、右俣に入ったことになる。) 少し進むと、先程見えた、滝が近づいてくる。
8m程度のもので、水流中央から取り付き水流左を草を掴んで這い上がる。ここまでの3m部分が核心。フリーで登って、SACHさんにはザイルを投げる。
8m滝上で二俣チックになり、右の方が水量が多いが、藪の中に消えていく感じなので明るい左に進路を取るが、ここで一旦伏流になる。
ゴーロ状を進むとその様相のまま、二俣になる右は全く水流が無い。(ここが左沢/右沢を別ける二俣らしい) ここを左に進路をとる。水流の少ない2条4m滝を
右から直登。そのまま小滝を上がるとようやくハイライトのスラブとなる。
スラブの傾斜は、昨日行った檜又谷大スラブより強いが、アクアステルスであれば快適で、ザイルを出すほどの所は無い。進行方向に1627mピーク
(この時はシッケイの頭と思っていたが)を見ながら、振り返れば万太郎山の幅広く広がる裾野がとても雄大でなかなかイイ景観だ。
スラブが終了してもまだ水は涸れない。急傾斜の沢形を上がって行くが、SACHさんには厳しい所もあり、お助け紐を出すところもあった。この沢形は
稜線直下まで続き、藪漕ぎ無しで稜線付近の草原に飛び出してゴールは間近。仙ノ倉岳北尾根は腰の高さの笹薮で獣道も無かった。
時間は13時半前。そのまま、イイ沢だと思って、尾根を跨いでダイコンオロシ沢に下降していく。笹薮を強引に降りて行くと、細長いスラブチックな沢形に
出る。明るい様相である意味気持ち良いが、結構な傾斜があり、"これが下降に適した沢なのか?"と思うが、まぁ階段状でザイルも出さず特に問題なく
降りる事が出来た。
ちなみに、ダイコンオロシ沢は下降中、平標沢が前方に見えるので、これが見えるようだと、ダイコンオロシ沢だと思っていい。まぁ降りれない沢ではないので、降りてしまった
ら覚悟を決めた方がイイかも・・・
細長いスラブが終わると荒れた感じの様相で右岸から枝沢が入る。この先小滝が現れ始めクライムダウンしていくが、この沢も昨日の蓬沢同様、両岸は
基本草付きなので、クライムダウンできない小滝は捨て縄を使っての懸垂になる。捨て縄の数もあんまり無いなぁ・・・と思っていたら、残置もありラッキー
だった。
両岸の切り立ちも大きくなってきたが、ここに、幸い大きい滝は無く、ザイルを出さず下降出来た。水量はあまり多くならず、伏流を交えた複雑なインゼル
状を適当に降りて行くと仙ノ倉沢にぶつかる。ナメ床状を20分程下って行けば平標新道横断点に出る。トラロープもあり結構明瞭なので通りすぎる事は
無いはずだ。
平標新道は朝見つけた毛渡沢左岸林道にぶつかり、立派な橋で仙ノ倉谷を渡ってそのまま基点に戻った。
PS:シッケイ沢は概ね平凡な癒し系の沢でした。中俣は暗いルンゼ状が多いという事で、右俣左沢の方が遡行感度は良いかもしれない。
シッケイ沢狙いの遡行と言うよりは毛渡沢本流を秋の収穫をを楽しみながら進んでいく方が楽しいでしょう下降に使ったダイコンオロシ沢は
下降は可能だが、イイ沢の下降よりは1ランク難しいはず。まぁ。詰めた沢を間違うマヌケな遡行になりましたが、この記録を一読してもらえれば、
同じ過ちをする事は無いでしょう。ザイルはダイコンオロシ沢の下降でも30m1本で足ります。
|