2014年3月9日 房総 小糸川 三間川左俣→本流下降

メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム、靴:アクアステルス
地形図:坂畑
概念図はこちら

小生は3歳から千葉県育ち。。。学生時代は吹奏楽をやっていたので不自由を感じなかったが、就職で栃木で暮らすようになり山やスキーを始めるようになって、何処に行くのも
首都高を抜けなくてはいけない千葉の不自由さを大いに感じるようになっていた。さらに、人や車が多くゴミゴミ感は耐え難く、愛着は薄れここ10年くらいは実家にも正月
しか戻らなくなっていた。そもそも、ゴルフ場は値段高いし、イワナ居ないし、最高地点の標高が松本よりも低いなんて・・・(あっ千葉県民の方ゴメンナサイ。)・・・とまぁ沢屋には
無縁そうなところだが、まぁそんな千葉の沢にも行く人が居るんですね。沢を初めて13年・・・房総はやらなくてもイイかな・・・と思っていた訳ですが、なんか周りで皆が
雪山を楽しんでいる中、ゴルフも少し飽きて、ラッパも練習しててもなんか空しいし・・・という事で、プレシーズン1発目という事で、仕事・仕事・・・と重い腰を上げてみることにした。
まえおきが長くなったが、房総の遡行対象沢は数本あるらしい。ちょっとでも暖かくなるとヒルが出てくるそうなので、遡行適期は真冬がいいそうだ。
今回は事前情報で一番の好感触を得た小糸川三間川(さんまがわ)を狙う。
アプローチ
4:35自宅発→6:07南越谷駅、6:50同発→アクアライン経由8:04君津IC→8:40基点着
9:24基点を移動し再出発→9:27入渓→9:31二俣(左俣へ)→12:05東山林道(左俣終了点)→12:33香木林道からの本流下降点(休憩)
13:30本流下降開始→14:35林道下通過→15:30開墾場の滝上→16:28基点着
16:45基点発→17:35君津→18:37穴川IC→19:05勝田台駅→21:15自宅着

三間川のアプローチだが、君津ICから三島湖を目指す。ナビがあれば問題ないだろう。三島湖への道は完全舗装だが道が細いので注意。
基点とする場所は、いくつかある様だが、我々は三島湖を横断して、トンネルをくぐり道なりに進むとY字状で左に三間川に降り”廻田橋(めぐたばし)”
を横断して三間川の右岸側に渡り最奥の民家の手前に駐車する。ここだと、三間川に藪漕ぎ無で楽に入渓できる。”廻田橋”付近ではまだ
ダム湖が伸びており入渓できないので注意。softbank携帯はここまで入ると圏外だ。
廻田橋。ここからは入渓できず(カーソルあてて)
本流右岸最奥の駐車スペース(カーソルあてて)
三間川本流入渓です!

入渓して、すぐ(1:3)の二俣。今回、右の本流では無く左俣を選択。貧相な雰囲気を少し進むと、『ここから入口です!』のごとく丸くえぐられた
手掘りの短いトンネルに出くわす。三間川はこの手掘りのトンネルがポイントなのだ 

ここを通過すると、ナメ床が続くようになる。両岸、あるいは片岸が岩壁を持ち、変なタイミングで滝が出てくると高巻きが面倒そうだが、滝はそう
出てこない。
(1:3)二俣。水量の少ない左俣に入ります
この様な枯滝は随所に見られます
ここからスタート!?(カーソルあてて)

少し進むと、3条3m滝。右から巻けるがアクアステルスの感触を確かめながら左壁から直登。この沢の規模からしては実に見事な8m滝。釜を右から
へつって、そのまま二人ともノーザイルで直登する。ツルツルという事前情報とは違って、意外とアクアでもグリップ利く。 滝上は延々続くナメ床だ。
3条3m滝。右から簡単に巻けます。(カーソルあてて)
石積堰堤ぽく見える8m滝(カーソルあてて)
滝上はナメ床が続きます。(カーソルあてて)

ナメ床を堪能すると、石積み堰堤。左から簡単にまけますが、中央突破も簡単です。堰堤上は泥が溜まってますが、しばらく進むと、またナメ床が
姿を現してくれます。所々に雪があったのは、2月の大雪の名残でしょうか?それにしても房総でまだ残っているって、沢屋にとっては嫌な感じ・・・
二つ目の堰堤を同じように超えると、高い側壁が視界に入ってきてビックリ。千葉→山が無いという先入観でいくと感動です(笑)
こんな堰堤が2つほど
右岸枯滝
房総で雪渓・・・見てはいけないものを見た感じ。

三間川流域の特徴だが、沢はやたらクネクネ曲がっていて、高度計もほとんど変化が無いので、GPS以外に現在地点を確認するのはほぼ不可能と
言っていい。ある意味怖い沢だ・・・。我々はそんな高価な装備は持っておらず、ただ淡々と素直に遡行するだけ・・・。。。この先、倒木帯、ナメ、倒木帯を
繰り返していくと、ゴミが目立ち始め、林道のガードレールが見えてきて終了。
沢幅が狭くなってもナメが続きます
源頭部
林道東山線に出て終了。

この林道(東山線)は舗装されているが、随所に倒木が横たわり、車での通行は不可能。南東方向に進路をとれば、10分弱で、車が走れるだろう県道に
でた。時間が無ければ、本流左沢(概念図参照)を下ると早いが、せっかくなので、香木林道に入って、本流を下降することにした。この香木林道も
倒木で車の進入は不可。10分程進んで、枝沢を横断する小さな橋を渡って本流が近づいたところでスロープを利用して本流に到着。ここで、焚火休憩。
林道東山線の基点(車入れず、チャリは可)
林道香木線(カーソルあてて)
スロープを使って本流に入渓(カーソルあてて)

本流はただひたすらにナメ床と言っていい。川幅も広く、へぇ〜なかなかジャン!って感じ。両岸の側壁も房総のイメージから想像できない位立派なもので
これでイワナが走れば、ミニ葛根田・・・というと、さすがに大げさかな(笑)

難所も全く無く、ナメを歩いて行くと、林道を潜るトンネル。けして薄気味悪いものでは無く、いい意味でアクセントになっている。
三間川本流の様相
ナメがつづきます
県道下のトンネル(カーソルあてて)

県道をくぐった後もなめ床が続く。側壁も70〜80m程そそり立ち、全く房総とは思えない。幅広の小滝を、2,3降りて進んでいくと、地形図に描かれてある
開墾場ノ滝に到着する。人工的にトンネルを掘りそこから流れ落ちる滝で、『川廻し』とよばれ、蛇行する川を短絡化し、残った部分で水田開発したようだ。
房総特有で450箇所程あるという。滝は10m弱で、トンネルを潜ると左岸に綺麗な固定ロープが付けられているが、どこに向かって伸びているか解らない
ので、潅木で支点とって懸垂下降する。この滝は水流右岸側にもいつ切れてもおかしくない固定ロープが付けられているが、まぁこれを使わずとも
登れそう。
ナメ床が広がります(カーソルあてて)
開墾場ノ滝に到着(カーソルあてて)
開墾場ノ滝下から

開墾場ノ滝を過ぎてもナメ床が続く。両岸随所に人工的に彫った穴が見られるが、これも水田開拓の名残なのだろうか? 幅広の癒し系の滝が2,3
現れ、この辺りの遡行感度は非常に良い。ここが千葉だと思うとなおさら驚きだ!!!長いナメもようやく終わり平凡な様相になれば左俣との合流点
も近い。
気分は北東北の沢(カーソルあてて)
癒し度MAXです。(カーソルあてて)
こうした穴が両岸に多く点在

P.S:三間川はナメの続く完全癒し系の沢で、ハイキング感覚で遡行できます。渓相も思った以上によく、沢のハイシーズンには何もここに来ることはありませんが、
   シーズンラストや、早い時期のシーズンインにはお勧めできる沢でした。林道を利用して、いろいろコースを選べるので、その点も面白いかもしれません。
   シカは結構多く側壁も高いので、動物による落石だけは注意。ザイルは30m1本で十分。房総の紅葉時期は11月下旬から12月上旬なので、この頃が一番の
   お勧め時期かもしれません。

三間川概念図(クリックして)


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