2014年4月19日 渡良瀬川流域 小中川 下ノ滝沢→弓ノ手沢下降

メンバー:SACHさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム、靴:アクアステルス
地形図:袈裟丸山
遡行図・概念図はこちら

今年は、4月時点で奥多摩、奥秩父より、群馬/栃木県境の方が雪が少ない場所もあって南面の小中川流域は雪解けも割と早いようだ。
小中川流域は10年前に弓ノ手沢→本沢下降を行っているが、今回は時期も早いこともあり、流域中、比較的標高の低い下ノ滝沢を選択。
稜線まで上がらず、弓ノ手沢側に移動して、同沢を下降するルートとした。このルートはすうじいさんが詳細な記録を残している以外は、
下ノ滝沢の大滝の滝見がわずかにヒットするくらいで、ほとんど記録を見ない。今回はこの大滝も登れそうだったら取りつく予定で計画してみた。

19:25自宅発→20:12小金井駅→20:47栃木IC→21:10太田桐生IC→21:49道の駅→22:22基点着
6:15基点P発→6:45下ノ滝橋(入渓点)→9:10大滝下→9:50大滝上→12:45 1265m(2:1)二俣→13:13下ノ滝沢/弓ノ手沢境界尾根
→13:20弓ノ手沢入渓→15:32林道着→15:35基点P

国道122から小中川沿いを通る県道268に入る。集落を過ぎても道は完全舗装。途中落差100mある”小中大滝”は地元観光スポットとなっている。
小中大滝を過ぎると橋を渡ってT字路になる。下ノ滝沢はT字路を左に入るが、右に曲がって以前弓ノ手沢を遡行した時に使った駐車スペースに
車を停める。ここは3台ほど駐車可能で落石の心配もなく、今回下降に使う弓ノ手沢を横断する八子岩橋から、1,2分程度のところだ。

ここから、車道を歩いて、30分で入渓点となる下ノ滝橋に到着。通常、下ノ滝に入る場合は下ノ滝沢右岸林道をあるいて980m付近から沢に入って
下ノ滝を見に行くケースが多い様で、すうじいさんの記録もそこから入渓していたが、我々は面倒なので下ノ滝橋から入渓する。
弓ノ手沢入渓付近に車を停めて出発
下ノ滝沢入渓点
入渓してすぐゴルジュ

入渓すぐにゴルジュとなるが滝は無く早くも魚影発見。しかし、クランク状に曲がると堰堤が出現する。ここで、SACHさんに”竿出してみれば”と煽られ、
出してみるが、さすがにそう簡単にはアタリは来ない。堰堤をそのまま竿を出したまま左岸巻きし、上でも出してみると、なんと今シーズン初のイワナが
掛かった! ここで遡行そっちのけでやる気が出たのだが、この先堰堤が8つ程連続し、当然竿も途中でしまうことになる。
6つ目くらいの堰堤で、右岸に上がると、先ほど書いた林道にでて、林道をそのまま利用。この林道が沢から離れるところから入渓すると、もう堰堤は
出てこなくなった。ここでも竿を出すが、全くアタリは無い。
一つ目の堰堤
堰堤上の様相
すべての堰堤を超えて

小滝は現れるが、おおむね平凡な様相を進むと、突如としてハイライトの大滝が現れる、30mと記録されているが妥当で、それ以上の迫力があり、
わざわざ滝を見に来る人がいるのもうなずける。
小滝
小滝-2(カーソルあてて)
30m大滝が見えてくる(クリックして)

高巻きは左岸手前のルンゼだろうが、ちょっとグズグズで高巻きも簡単というイメージは無い。当初、写真で見た右岸側、滝と灌木のコンタクトラインは
確かに登れそうな雰囲気。ただ、水流左も下から20mは立っているものの概ね順層で、岩が脆くなければ期待が持てそうだった。この滝を直登した
記録は見たことないが、今回は40mザイルを持ってきているし、記録を書く上で試登は重要でしょう・・・ と取りついてみる。。。 下部7mは簡単でいくつか
ルートが取れそうで、そのうち水流側から登る。傾斜立ってくるところで、凸岩にシュリンゲを掛けてビレイ。核心部に入っていく。岩は概ね安定。
でグレード的にはVを超えないだろう。ただし、濡れている+不確定要素、さらに一度落ちた経験があるだけに10m超えると結構怖い・・・、
残置類は一切なく、途中もう1か所凸岩にシュリンゲを掛け、さらに、カムで1か所支点を取って核心部を抜けた。傾斜が緩むと一安心。ここからは容易。
ラスト5mは岩が乾いているので、アクアステルスのグリップを利かせて終了。灌木でビレイしSACHさんにフォローしておらう。
30m大滝直登ルート(カーソルあてて)
直登開始(カーソルあてて)
核心部ラスト(カーソルあてて)

大滝上は右岸から枝沢。本流は2m、4mの小滝が続き快適に超える。再び平凡な様相を進むと、6mナメと7m滝の複合滝。6mナメはヌメるが傾斜も緩く
登れるが、7m滝は可能性が在るとすれば水流左で、頭から飛沫を浴びつつ、滑ったリッジを登って取り付かなくてはらない。この滝は簡単に右から巻ける
のでムリせず巻くことにした。
大滝上の2m、4m滝
平凡な様相になります
6mナメ,&7mの複合滝(カーソルあてて)

滝上はまた平凡な様相が続く。。。おむすび型の岩を見て(1:2)二俣を右。さらに1265mに位置する同方向に分岐する(2:1)二俣を水の少ない右に入り
ショートカットする。
少し進むと、下ノ滝沢と弓ノ手沢を分ける中間尾根も迫ってくるので、沢床から離れ尾根に上がる。藪漕ぎは一切無く、10分の登りで尾根に上がれた
のは良いが、SACHさんが完全に私と同じペースで登ってくるって、自分の体力が落ちたのかな・・・? 
おむすび岩
1265m(2:1)二俣を左に入る
ここから中間尾根へ上がった


中間尾根には道はないが、この時期であれば歩きやすそうな雰囲気。尾根を跨いで弓ノ手沢に下る。水量は下ノ滝沢より若干多い。上部に5m滝が
見える。沢は平凡な様相が続く。朝、林道を歩いていたとき、釣り師を思わせる車を2台ほど見たため、沢で遭遇するかと思ったが、誰とも合わなかった。
せいぜい3m程度の小滝しかしばらく現れなかったが、いきなり8m滝が現れ。左岸を小さく巻いて降りる。
中間尾根から弓ノ手沢へ(カーソルあてて)
弓ノ手沢の平凡な癒し系を下る
左岸を巻いて降りた8m滝

弓ノ手沢は平凡な様相と、ゴルジュを交えるが、ゴルジュ部分はすべて、右岸左岸のどちらかに釣師が使ったと見られる薄い踏跡があり、これを利用
すれば下りは早い。遡行する場合は、ゴルジュ内の滝も登れるものが多いので沢通しで進むと面白いだろう。最後の10m、8m、4mと続くゴルジュを
左岸踏跡を利用して巻くと、林道が見えてくる。
5m滝等、小滝はすべて小さく巻けます(カーソルあてて)
10m滝、8m滝を左岸踏跡で巻く(カーソルあてて)
林道が見えてきて終了です。

P.S:下ノ滝沢は平凡な区間が多く、30m大滝がメインの内容といって良いでしょう。大滝を直登する場合は40mザイルを持っていけば1ピッチで抜けれます。
   弓ノ手沢の方が滝は多いので、弓ノ手沢→下ノ滝沢下降の方が、充実するかもしれません。今回の遡行は新緑前の遡行ですが、夏は深い緑の中を
   遡行することになるでしょう。テン場は至る所にあるので、困る事は無いはず。今回は竿を結構出したので超のんびりペースです。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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