2014年7月6日 五頭 中ノ沢川 三階滝沢 淀ヶ沢
メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×30m 、8mm×50m、カム 靴:アクアステルス
地形図:出湯
遡行図・概念図はこちら
ブラジルでは、ドイツが渋いゲーム運びでフランスを破りベスト4進出する中、関東甲信越では相変わらず不安定な空模様で、またしてもこの週末、比較的天気が安定している
五頭に繰り出すことに。。。日帰りで、車1台でのアプローチということもあり、今回は裏五頭(五頭山東側)の中ノ沢 淀ヶ沢を選択。なかなかテクニカルな沢らしいが。。。
大丈夫かな???
15:01自宅発→16:20片岡駅発→(塩原経由)18:50県道72/R49交差点(食事)→19:42西会津IC横→20:06津川手前PA、5:00同発→5:30中ノ沢川森林公園着
5:58出発→6:02中ノ沢川入渓→7:51淀ガ沢出合→9:37 7mCS滝下→10:47 7mCS滝上→11:13 15m滝下→13:53 685m(2:3二俣)
→14:45稜線登山道→14:51与平の頭→16:02森林公園P
5割引だった高速道路の休日割引が3割引きに縮小。ガソリン代は平均169円に達し、アプローチにかかるコストは上がるばかり・・・、今回は早い時間に
集合できたので、一般道でアプローチした。
R49から県道14、513号と繋いで中ノ沢渓谷森林公園を目指す。三階滝沢沿いのオートキャンプ場横に広がる駐車場にクルマを停める。ここまで間は全
舗装。トイレあり、携帯は使えない。この広い駐車場から未舗装の林道が延び、沢から離れるところですぐに入渓。
ここだとオートキャンプ場から入渓したといっても良いところ・・・3つ堰堤を越えると大釜を持った4m滝。これが三階ノ滝と呼ばれるようだ。へつって超える
のは難しく、わずかな泳ぎで水流左に取り付き直上する。難しくないが簡単でもない。初心者・初級者が多いと時間が掛かるだろう。
4つ目の堰堤を越えると右岸から貧弱な"デト淀ガ沢"が入る。さらに低い堰堤があり、これが最終堰堤となるようだ。これを超えるとまた釜をもった7m滝。
水流左に取り付き体を上げると残置ハーケンも見える。2m強上がれば容易になるのだが、ガバホールドを見つけ手を掛けると、ホールドが砕けてしまっ
た・・・、これを失うと、スタンスが無いだけに残置ハーケンのところまでも手が届かず。遇えなく断念。左から小さく巻いて滝上に出た。
少し行くと、沢床がクランク状に屈曲。”曲がり滝”と呼ばれるミニゴルジュになる。ゴルジュ内に小滝が4つ。一つ目は右から。2つ目3mは水流を跨いで
右から、3つ目1m滝は倒木を利用して中央右から。4つ目3mは水流左から突破。一番難しいのは3つ目1mだが、左から小さく巻ける様で(お助け紐出して
あげたが・・・)まあ楽しみながら抜けれるでしょう。。。
曲がり滝を過ぎると、すぐに淀ガ沢出合。どの記録にもあるように出合は貧弱な印象だ。淀ガ沢に入ると、3m滝がお出迎え。ここから小滝とナメが点在
する様相。魚影もあるが、釣りに興じていると時間切れになる恐れがあるので程ほどにした方が良いかもしれない。我々も今回は竿を持たず。。。
しばらく癒し系の様相を楽しむと、4mCS滝。一見厄介そうだが、ラバーソールのグリップが効き、左から直登できた。
390m右岸支流で焚き火休憩。この先すぐに見た目の良い5mスダレ状。さらに2段2条の小滝を越えると、淀ガ沢の核心部に入っていく・・・。
核心部入り口には大きな雪渓ブリッジ。ここは下を潜った。この先から草付V字谷状になる。
草付V字谷を進むと、7mCS滝が行く手を阻む。多くの記録で悪い高巻きをしたとの記載がある滝だ・・・
高巻いてわかった事だが、滝上は倒木が多く詰まっているので、自宅に戻って、冷静に考えると、直登方法は、頭からのシャワーでCS下までフリーで上が
り、そこからカツオの一本釣りの要領で投げ縄。ザイルが掛かれば、ザイルにアブミを取り付けCS左から登る。。。
高巻きが悪いだけに、やってみる価値はあるかもしれない。
もちろん、今回は直登断念。20m程度戻ったところで、1ポイント右岸も弱点を見つけたが、さらに15mくらい戻って左岸を選択。もろい土壁を這い上がり、
岩にぶつかったところで、カムを支点をとる、ここから上流側に向かって斜上するが、手に取った岩が脆く、かなり厳しい。直上ポイント手前でハーケンを
打ち、核心1歩を決め1m上がったところで、さらなる核心。ホールドは甘く、土が乗った外傾岩に上がらなくては突破できないのだが、外傾岩の先端に1cm
にも満たない足が掛かる場所があるが、踏ん切りがつかない。幸い良い場所にリスがあったので、ハーケンを打つが鈍い音。これにシュリンゲを掛け、
引っ張ってみる・・・。静加重なので、大丈夫かな?と勝負をかけて、右足に力をかけて上がる時引っ張ったハーケンが動いたが、ギリギリ抜けずに上がれ
た・・・合掌。。。やはり生死を分けるハーケンは1個では無く2個打つべきか・・・
ここから慎重にキックステップで50cm上がってようやく潅木に手が届く。さらに3m上がってピッチを切った。
SACHさんは悲鳴を上げながらフォロー。動いたハーケンは手で引いたら簡単に抜けたそうだ・・・。ここから潅木を掴みながらトラバースして、10m弱程度
の懸垂で7mCS滝上にジャストに降りる。。。 他の記録はやはり左岸巻きだが25m〜40mの懸垂を行っているが、何処から高巻いたのだろう??? この 滝を通過するのに1時間10分掛かった・・・ ここから先も両岸は立ったまま。この先の2段9mトイ状滝は傾斜も緩く水線上を楽しく突破できる。次の2段5mCSは下段は倒木を利用し容易に上がれた
が、2段目は両足ツッパリで水線通しでなんとか越えたが、かなりバランスが難しい。幸い右岸にルンゼが伸びており、これを利用することも可能だ。
この先スリットゴルジュを難なく抜けるとの3mCSは右から直登すると、この沢最大の2段15m滝が現れる。水流右から取り付いて1ポイントA0すれば
なんとか・・・というルートも見出せるが、支点が上手く取れるかがポイントになるだろう。ここはおとなしく左岸高巻きに入る。ここは潅木が低いところから
あり高巻きは難しくない。ただ途中でトラバースをかけないと巻き上げられてしまうので注意。
15m滝上に4m〜5mの滝が二つ現れるが、トラバースポイントからでは直登出来るか見極めが難しい。特に2つ目の5m滝が厄介そうに見え、15m滝上の
2つの滝も一緒に巻いて7m程度の懸垂で沢床に戻る。今回は50mザイルも用意していたこともあり、2段15m滝上の二つの滝が直登可能なのかを調査
するため、懸垂で5m滝と4m滝を下降して確認しに行った。4m滝は手足を濡らす物の用意に直登可能。続く5m滝も右から直登出来る事を確認した。
ここで、毛虫に指された応急手当ついでにまた、焚き火休憩・・・
ここで、淀ガ沢の核心部は終了。小滝を越えた先に9mトイ状ナメ滝があり、水流通しで快適に直登。この先で510mに位置する(1:2)二俣。右俣には
4mのトイ状滝が掛かっている。ここを右に入ると2m程度の小滝が連続。すべて突破に問題はない。
この先、一見難しそうな4m滝が現れるが左から容易に登れるので一安心。よく見ると右からも登れるので、敢えてこちらを選択。小滝を交える平凡な
様相を進んでいくと(1:1)二俣。左に入ると早く下山できそうだが、本流筋の右を選択。少し進むと3段6m、CS小滝が出てきて快適に超える。
ここをクリヤーすると685mに位置する(2:3)二俣。ここは右が本流筋の様だが、左を選択。この先(3:1)、(1:1)二俣をすべて左を選択して進む。水量は
乏しくなるが、3mCS、1枚岩7mと疲れた体に追い討ちをかける様な滝が続く。3mCSは大岩を抱きかかえてなんとか突破したが1枚岩7mは手も足も出ず
右から小さく巻いた。
この先、2mトイ状で水を落とす滝横にいかにも稜線登山道から"水場"として降りてくるような道を見つけ、これを利用して登っていくが、上手いこと
稜線に出ず枝尾根に・・・。。。疲れた体にはガクっと来たが、枝尾根をつめて稜線登山道に出た。沢床から離れて15分ちょっとなので、まぁこんな物で
しょう。5分登山道を歩くと与平ノ頭に到着。ここから枯葉で滑りやすい登山道を下山して基点に戻る
P.S:結構手ごたえがあるとの記録が多いが、7mCSの高巻きを除けば、そう難しい所は無い。この高巻きも他の記録と比較すると短い懸垂で沢床に戻れたので、
かなりチャレンジングなルートと推察。もう少し安全に巻けば、それほど難しくないかもしれない。ただ初級者交えた大人数だと時間が掛かるはず。"40mの懸垂"
など、ザイル2本必要とする記録が多いが、越後の沢と違い潅木は沢床近くまであるので、仮に40m懸垂になろうとも、2回に分けて懸垂すれば、ザイルは1本で
足りると思う。30m1本で何とかなったが、40m1本持っていけば安心でしょう。淀ガ沢に入ると良いテンバは見つけられませんでした。
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