2014年7月13日 塩原 箒川 鹿股川 スッカン沢&桜沢

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×30m 、カム 靴:アクアステルス
地形図:塩原、高原山
遡行図・概念図はこちら

W杯ではドイツがブラジルを7-1で粉砕して、2002年以来の決勝進出!!!すっかり沢登りどころでは無くなってしまった。。。翌朝4時から始まる決勝戦をガチ観するため
近場の沢を選択。温めておいたスッカン沢、桜沢に行くことに・・・この沢は、ここ数年遡行記録も上がってきてメジャーになってきた沢。地元の沢として足を運んでみた

19:00自宅発→19:35石橋駅発→20:32片岡駅→21:08山の駅たかはら
5:15山の駅たかはら発→6:11スッカン沢/桜沢出合→6:45雄飛ノ滝→8:20雄飛橋(スッカン沢遡行終了)
→9:00スッカン沢/桜沢出合(桜沢遡行)→11:06雷霆ノ滝→13:58県道横断点→14:20山の駅たかはら着

矢板ICを過ぎ、県道56号線を上がり切ると"山の駅たかはら"の看板を発見。ここが今回の基点となる。携帯はdocomoではメールの受信が可能。
Softbankは圏外。トイレはキレイ。

今日は夕方から雨予報なので早出する。トイレ横から伸びる遊歩道で、スッカン沢/桜沢の出合を目指す。途中何回か小沢を横断し、つり橋で桜沢を
横断。小1時間で、スッカン沢/桜沢出合に到着。咆哮霹靂ノ滝下では既にこの時間から釣り人が居た。10cmくらいのしか釣れないとの事。
山の駅たかはら(カーソルあてて)
桜沢を横断する橋
桜沢/スッカン沢出合

スッカン沢と桜沢の水量比は(2:1)。スッカン沢は温泉成分が混じり水はコバルトブルー色となっている。まずは前半戦、スッカン沢の遡行を開始。
沢床は平凡だが、側壁の柱状節理や岩肌から水が湧き出し滝を作っている渓相は非常にすばらしい。岩は温泉成分で滑りやすいが、タワシでこすると
温泉成分が落ち非常にグリップが効くようになる。
スッカン沢の見事な側壁(カーソルあてて)
遡行自体は難しくない
枝沢の滝

スッカン沢遊歩道(正式名:雄飛ノ滝線歩道)の橋を潜って沢が右に曲がるとハイライトの雄飛ノ滝10mが現れる。深い大釜を持った轟瀑で、とても登れる
代物ではない。左岸遊歩道で高幕く。遊歩道には観瀑台が設けられ、「高原山のカルデラ跡を水源として鉱物や炭酸などの火山成分が多く含まれ水が辛くて
呑めない『酢辛い沢』からスッカン沢と呼ばれている」と書かれていた。ってことは何処まで遡上してもイワナは居ないってことか・・・。
遊歩道の橋を潜るとまた凄い(カーソルあてて)
雄飛ノ滝10m
左岸遊歩道で巻きます

雄飛ノ滝を巻き降りて沢床に戻ると、今度は仁三郎ノ滝と呼ばれる7m滝。この滝は水流右を直登出来る。この先で右岸から数本枝沢がはいるが、奥に
岩肌から顕著な滝を落とす「素簾ノ滝」と名づけられた滝が在るようだ。遡行中は名づけられているとは知らず「奥に滝がある!」と叫んでいた。
仁三郎の滝7m(カーソルあてて)
仁三郎の滝上の様相
ここも側壁が美しい

本流は2段4m滝を超えると、左岸に台地が広がり、良いテンバになっている。まぁ遊歩道があるので、ここで幕営はしないだろうが・・・。。。と、ここで、
キノコを発見してGET。。。沢はこの先両岸4mほどの壁を持つミニゴルジュ状が続く。右岸から行く筋も水が流れ落ち滝のカーテンみたいな場所もある。
ここは淵もあるが、腰上程度まで水に浸かれば簡単に突破していける。
2段4m滝
先両岸4mほどの壁が続く(カーソルあてて)
ミニゴルジュを進む(カーソルあてて)

このミニゴルジュは大岩のある2段5m滝で終了。この滝は水流左から超えた。沢は明るい様相に急変。これで魚が居れば完璧なのだが・・・といった
様相。もう、滝らしい滝は無く、インゼルを超えると県道が横断する雄飛橋もすぐだ。
2段5m滝と大岩(カーソルあてて)
沢は急に開けます(カーソルあてて)
雄飛橋到着。奥は旧道

雄飛橋下は岩盤が発達しており、その先に滝らしいものも見えるが、今日はここで、スッカン沢の遡行は終了。橋に上がる。ここから遊歩道を使って
スッカン沢/桜沢の出合に戻る。遊歩道は通行止めと書かれた区間もあるが、沢屋さんにとっては全く問題無し。普通に歩いて40分の道のりだ。
雄飛橋下は岩盤が発達
雄飛ノ滝線歩道案内図(クリックして)
遊歩道でスッカン沢/桜沢出合に戻る(カーソルあてて)

桜沢に入るとすぐに咆哮霹靂ノ滝。この滝は右の咆哮滝、左の霹靂滝の合わせた呼び方で。インゼルに二つの滝が掛かっている構造になっている。
まず右の咆哮滝は8m、4mの2段構造。"咆哮"とは猛獣がほえたける事。。。らしいが、スダレ状で猛獣とはかけ離れた癒し系の滝だ。左右どちらからでも
登れそうな事を確認して左の霹靂滝を見に行く。こちらは12mの幅広滝。"霹靂"とは雷が激しくなる事。。。との事で、こちらはそんな雰囲気をかもし出して
いる。水流が少なければ水流左端のルンゼ状を上がっていけそうだが、今日は水流が多く、最上部でまともなシャワーを食らってしまいムリ。右端は最初
の5mを頑張れば上がって行けそう。右の咆哮滝は簡単すぎるので、ここは左の霹靂滝の水流右をザイルを出して取り付く。4m程度上がったところで
カムを決め、そこから水流側に上がって下部をクリヤー。上部はリッジ状を登って滝上に出る。V
咆哮滝8m。
霹靂滝12m
霹靂滝を登る(カーソルあてて)

滝上は横幅25mもある超幅広ナメ床が広がる。桜沢の規模にしては驚くべき横幅だ。しかもこれだけの幅がありながら全面に水が流れているのもスゴイ。
「懸垂で降りて、今度は咆哮ノ滝も登ってみる?」言ったものの、「まぁ、イイか・・・」と先に進む事にした。

広―いナメ床はこのまま4mナメ滝へと続いていく。4mナメは適当な所から軽いシャワーで直登。この先で、幅が10m程度に収まっていき2段のナメ小滝と
なる。
超〜幅広4mナメ(カーソルあてて)
滝4mナメ滝は直登可能
2段ナメ(カーソルあてて)

この先で右岸から顕著な枝沢が入る。本流は幅広ナメ、4mナメ滝と続き、遊歩道の橋が見えてくるあたりで、平凡な様相に変化する。ここで魚影を
見たので、竿を出してみるが、それっきり魚影も見ず、もちろん当たりも無い。かつては岩魚の宝庫と聞く桜沢も県道や遊歩道が出来てしまって
入渓しやすくイワナも激減してしまったということだろう・・・。
右岸の顕著な枝沢
4mナメ滝
遊歩道横断点

しばらく進むと、雷霆ノ滝と名づけられた10m滝が現れる。遊歩道がすぐ脇につけられ、滝下にも二人組みが休憩していた。この滝は容易に直登可能で、
二人組みの前を失礼させていただき、フリーで直登した。滝上はまたナメ床で、すぐに8mナメ滝になる。この滝も容易で敢えて難しいところに取り付く感じ
だ。
ナメ床はまだ散見
10m雷霆ノ滝(カーソルあてて)
8mナメ滝(カーソルあてて)

滝上もナメ床が続く。3m幅広ナメ2mナメを超えると平凡な様相に変化する。ここでも竿を出してみるが、全くイワナは居ないようだ。遊歩道も沢から
離れ、そろそろ二俣か、と思ったところで、ちょうど二俣が現れたのだがインゼルだった・・・。しばらく進んでも二俣は現れず、山の駅たかはらの方に
詰め上げる沢は通り過ぎてしまったようだ。右岸の枝沢は数本見たので、そのうちのどれかだったのだろう。
3m幅広ナメ
2mナメ
二俣と思ったインゼル

竿を出しながら進むが魚影すら見ない状況が続く、焚き火休憩で竿をしまい、さらに進むと、突如8mトイ状滝に出くわす。「おしらじの滝」と呼ばれている
らしい。するとここで、左岸から数人の人影。。。どうも県道からこの滝まで続く遊歩道のようなものがあるらしい。 この8m滝は登れず左岸を巻く。巻いた
ところには小さな石碑が置いてあった。ここから少し行くと淵が現れ、ここで、ピタッと伏流になる。100m強進むと水が復活。3mトイ状。剣山のような側壁
が見事だ。
「おしらじの滝」8m
ここで一旦伏流に
3mトイと剣山のような側壁(カーソルあてて)

2m大釜滝を超えると県道横断点はすぐで、計画通りの場所に出た。県道に上がり20分ほど歩いて起点の山の駅に戻る。
2m大釜滝
終了点です
山の駅たかはらに戻ってきました。

P.S:柱状節理の側壁と、コバルトブルーの水の色が特徴のスッカン沢。ナメ床ナメ滝で癒してくれる桜沢と2本を日帰りで楽しめるお勧めコースです。
   今回は曇天でしたが、青い空の下で遡行できたら、さらに美しい事でしょう。難しい箇所は無く、遊歩道もあるので安心。経験者が居れば初心者も
   問題なし。ヘルメットは要るけど運動靴でも遡行可能。ザイルは30m1本でOK。どちらもハイキングコース内の沢なので、人に遭遇するのが嫌な人は
   平日に行ってください。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


inserted by FC2 system