2014年8月30日 日光 霧降川

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5 靴:アクアステルス
地形図:鬼怒川温泉、日光北部
遡行図・概念図はこちら

8月に入ってからというもの、毎週末不安定のまま秋雨前線が降りてきてしまった・・・今週末もダメダメ天気で、行先に四苦八苦してどうせダメなら近場でということで、
栃木県日光市の霧降川をチョイス。この川、”霧降ノ滝”が有名。実は栃木に20年以上住んでて一度も見たことが無い。。。今回はいい機会ということで足を延ばしてみた。

6:50観瀑台基点P→585m付近入渓→9:20霧降ノ滝(下滝)下→11:27霧降ノ滝(上滝)終了→13:58マックラ滝→15:20 20涸棚下(登攀敗退)
→16:40登山道横断点(合柄橋)→17:48観瀑台基点P

霧降川を遡行する場合、基点は2か所あり、一つは日光側からアプローチする霧降ノ滝観瀑台。もう一つは今市側からアプローチする砂渕橋になる。
地形図を見ると、この2か所を繋げる道は無いが砂渕橋から霧降ノ滝の区間も見所が多いので、霧降ノ滝観瀑台P(softbank携帯も使える)を基点として、
そこから登山道や林道を、うまく繋げて砂渕橋付近を目指して降りていく。

駐車場から観瀑台に入っていく道に入ってすぐに右尾根に伸びる細い道に入る。この道を670m付近まで下降すると、工事途中の林道と合流。この林道
が、霧降川から離れるところから、霧降川に向かって降りると、屈曲した霧降川に到着。地形図確認すると585m付近のところだった。砂渕橋まではまだ
距離があるが、今回はここから遡行することにした。
観瀑台入口から右に伸びる道に入る(カーソルあてて)
工事中林道が現れる
585m付近の霧降川に出る(カーソルあてて)

ここは大釜を持った3m滝上で、屈曲したところに幅広3mナメ滝が二つ控えており美しいところだ。滝上のナメ床が平凡な様相になると大釜をもった
4m滝。右から経つって超える。この先、淵もあるが、腰上を濡らす程度で通過できる。この先には5m幅広ナメがあり、やはり見所は多かった。

出だしの二つの3m幅広ナメ(カーソルあてて)
4m滝は右から(カーソルあてて)
5m幅広ナメ

この先、幅広のナメ床を交えながら、概ね平凡な様相を竿を出しながら進んでいくと、ハイライトの霧降ノ滝に到着する。霧降ノ滝は下滝と上滝に分かれ、
若干離れているため、ここから上滝は見えない。下滝は40mの多段ナメ滝。昨今の不安定な天気で水量は十分、実に見事というしかない。さて、この滝の
直登だが山登魂が記録を残してくれている。下部は傾斜もないので、中央リッジを利用してフリーで1段上がる。ここでザイルを出して水流を横断して左壁
に移動。左壁でハーケンを打って、壁伝いを回り込むように経つって直上。ここの灌木でピッチを切るVここまで上がればそのまま左から巻いてしまえる
が、ルンゼを利用して2m上がって草付からおちくちに向かって斜上。滝上に出た。W ちなみに下滝の右岸には石仏が祭られているそうで、時間があれば
こちらを参考に探してみるのも良いだろう。
霧降ノ滝 下滝登攀ルート(クリックして)
中段からザイルを出す。(カーソルあてて)
1ピッチ目フォロー(カーソルあてて)
1ピッチ目終了点にて
2ピッチ目はルンゼから水流側に移動(カーソルあてて)
2ピッチ目フォロー

下滝上に出ると、奥に上滝が見えてくる。上滝はかなり立っていて威圧感が凄く、遠目からではとても登れる様には見えない。さて、この滝の直登だが、
滝に近づくと水流左が階段状になっているのが見える。スタンス、ホールドとも十分そうで、非常に助かる。。。。ここはSACHが階段状をノーザイルで
上がっていくV-。20m強を快適に上がっていくと立ってくるので、私が先に登って、お助け紐を出した。するとテラスに到着。ここから水流左は壁が立ち
直登は不可能。山登魂の記録によると、ここから瀑芯を横断するそうだ。ルートを知っているから良いが、知らないと、とても、この水流を潜っていく気は
しないだろう。幸い、水流は多くとも、芯の内側を潜って行けそうで、水流にたたきつけられることはなさそうだ。バンド幅も十分で視界は無くとも大丈夫
そう。突っ込んでみると意外と安全に突破出来た。。。ここから水流左を登ろうとしたが、壁が立っていて、チョット悪い。若干巻き気味にルートを変更して
取りついたが岩が脆くて嫌らしい。慎重にトラバースして落ち口上に出た。W
上滝に向かう
霧降ノ滝 上滝35m(クリックして)
階段状を快適登る(カーソルあてて)
ここから水流を横断する(カーソルあてて)
横断し終えたところから滝下を覗く
落ち口への登り(カーソルあてて)

滝上は癒し系。少し進むと堰堤が現れる。堰堤上は庭園みたいな感じになっており、幕営地としては気持ちよいところだ。途中登山道が横断するくらいで
変化がなく平凡な様相が続く。この先(1:3)二俣。本流は右、左に入ると丁字ノ滝という10m滝がある様だが、これは見に行かなかった。本流はこの先で
玉簾の滝2段2条10m滝が現れる。塩原にある桜沢の咆哮霹靂の滝の様な幅広滝で、この滝も実に見ごたえがある。滝上も見事な幅広ナメが広がって
いた。
霧降ノ滝上の様相(カーソルあてて)
庭園のような幕営地
簾の滝2段2条10m滝(カーソルあてて)

少し進むと、また堰堤。これを超えると林道が横断。林道を上がって、さらに上の堰堤を超えるとすぐにマックラ滝のある右岸枝沢が出合う。水量比は
(2:3)。マックラ滝はこの出合からすぐ。20mはある滝で、下部がハングっており、登ることは出来ないだろう。本流に戻り遡行を続けるが、ここから平凡
な様相が長く続くので、先程の林道で引き返すのもアリかもしれない。
林道横断点(カーソルあてて)
マックラ滝
本流は平凡な様相が続きます

左岸にスダレ状の滝が掛かる枝沢、さらに右岸岩盤から多量の湧水が流れる枝沢を見ると、正面に行き止まりかの様な壁が立ちはだかる。沢はここで
右直角に曲がり、水がしたたり落ちる程度の20m涸棚が掛かっていた。下からでは取りつけないが、右の灌木をつたって、落ち口下にトラバースして
3m直上すれば突破できると読んで右から直上。不安定な灌木に支点を取ながらザイルを伸ばす。落ち口へのトラバースポイントは、もはやバンドとは
言えない幅狭外傾岩となっており、壁から延びる細い灌木を掴まなければ突破出来ない悪い状況・・・ここであきらめれば良いものを、気合と度胸で突破し
てしまうD。四つん這いで落ち口直下に出れたが、水が滴る左ジェードル部は、スタンス、ホールドが無く後一歩が出ない。なんとか一歩降りて、#0.4カム
を決められるポイントを見つけた。今度は右を見るが、両手がガバは発見したがスタンスが皆無。ハーケンを1発打って、シュリンゲA0で突破を試みたが、
時計を見ると16時過ぎ。仮に突破出来てもフォローの時間を考えるとOUT。時間切れ敗退。。。 先ほどの微妙なトラバースポイントを戻るのに打った
ハーケンとカラビナ1個を残置する羽目に・・・。正直命からがら逃げ帰る感じだった。。。長時間確保してくれたSACHに誤りそのまま左岸から高巻く。
左岸枝沢と右岸岩壁からの湧水(カーソルあてて)
20m涸棚ルート(カーソルあてて)
突破したバンドとその先の様相(カーソルあてて)

涸棚上は、岩盤が発達したミニゴルジュ状が続く、これが終了すると、登山道横断点となる。トラロープが張ってるので間違いはないだろうが、左岸側に
道標があるので、左岸を注意していればよいだろう。時間はすでに16時40分過ぎ。右岸尾根に上がって、”つつじヶ丘”へ伸びる登山道を下山する。
道は明瞭。途中マックラ滝に伸びる林道が横断するが、地形図の通りに道は伸びている。さらに下ると、ゲートで遮断された林道から日光霧降道路に
出て、そこから少し下ると、霧降ノ滝観瀑台に通じる道が伸びている。(案内板無し)。明るいうちに無事戻れたので、観瀑台から霧降ノ滝を観ることが
出来た。
涸棚上の様相(カーソルあてて)
登山道横断点(カーソルあてて)
観瀑台から霧降ノ滝

P.S:序盤のナメ床、大滝の直登など、日帰りの沢としては十分な内容でお勧めできる。後半は平凡な様相が続くので、マックラ滝まで見て帰る計画でも良いかと
   思います。今回の登山道横断点より先は、「足尾山塊の沢」によると5m滝と10mの涸滝以外は堰堤で、日光霧降道路に出ます。最後の涸棚は頑張れば直登
   可能ですが、かなりシブイのでご注意を。ザイルは30mでも足りますが、霧降ノ滝直登なら40m用意した方が良いでしょう。全体を通してテン場には困りません。
   ちなみにアブは居ませんがヒルは出ます。。。

霧降川遡行図(クリックして)
霧降川概念図(クリックして)


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