2014年11月2、3日 奥秩父 入川 赤沢谷

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×25m、カム#0.5 靴:アクアステルス
地形図:居倉、中津峡
遡行図、概念図はこちら

狙っていた東北の沢が悪天予報、東京周辺で簡単な沢を探していたところ、気温も比較的高い予想が出ていたため、奥秩父、入川赤沢谷を選択。
入川最大の支流ではあるが、「奥秩父・両神の谷100ルート」に記録が無く、WEB上でも釣りの記録は多少散見されるが、稜線まで詰めた記録は少ない。
たとえ内容が薄い沢だとしても、そこは11月・・・、”この時期だからこそ”という事で調査遡行してみることにした。

17:30自宅発→19:15 R354→19:40 R407→21:00西部秩父駅→21:30道の駅大滝温泉、6:08同発→6:35入川基点P着
初日: 6:55基点発→8:08赤沢谷出合→9:50白秦沢出合→14:50 1440m行動終了
二日目: 7:10出発→9:35 1880m付近稜線登山道→10:00栃本分岐→13:00柳小屋→14:45赤沢谷出合→15:45基点P


道の駅「大滝温泉」は山屋さんの格好の仮眠場所となっている様で、到着すると前夜祭やってたり、それなりの賑わいを見せていた。ここはsoftbank携帯
も繋がるようだ。

早朝、入川左岸林道に入る。ゲート手前の駐車スペースに止めると、こんな時期でも1日500円掛かる。手前のキャンプ場も、以前来た時より杭が打たれ
て、駐車スペースが少なくなった印象。300mほど引き返して、スペースを見つけ駐車。落石の不安を感じさせない駐車スペースはせいぜい3台くらいと
思っていたほうが良いだろう。もちろん入川林道に入ると携帯は繋がらない。

ここから、林道→軌道跡を歩く事1時間で赤沢谷出合。赤沢谷出合付近は巨岩帯。おそらく変化の少ない沢と予想して、右の登山道を利用せず。
巨岩帯を縫うように上がっていく。。。
駐車スペースは少ないです(カーソルあてて)
赤沢谷出合
巨岩帯を縫うように上がっていく。

古い地形図だと、赤沢谷右岸に登山道(軌道跡)が記されているが、実際には、かなり沢床から離れた高い位置につけられており、遡行中、気分を害する
ことは無いだろう。岩はとても滑りやすく、タワシで磨いても滑りやすいところがあるから驚きだ。。。滝らしい滝は出てこないが、水流通しで進むと結構
楽しい。今日は比較的気温も高いので腰まで使っても特に問題なし。

右岸ガレの先で、様相が穏やかになり、白秦沢出合。右岸は絶好の幕営地となっている。少し先の右岸にはかつての飯場があり、ゴミが散乱してる。。。
ちなみに"グループ沢胡桃"の記録によると白秦沢は殆ど滝が無いらしい。
序盤の様相(カーソルあてて)
2条3m滝は左岸を小さく巻く
穏やかな様相になると白秦沢出合(カーソルあてて)

少し行くと左岸に白い大ガレが目に入る。大ガレ手前にある3m滝はオマケ程度のもの。この先、長いインゼルになり、水量も少ない感じになる。インゼル
が終了すると、水量は元に戻るが、平凡な様相が続く。
左岸の白い大ガレと3m滝(カーソルあてて)
1135mインゼルで出合う右岸枝沢
平凡な様相が続きます

1345mで出合う左岸枝沢を見ると、3m程度の小滝がいくつか出てくる。すると、今までの様相に似つかわしくない8m滝が現れた。今日はハンマーとATC
を忘れてしまっていたので、あまりムリを出来ないのだが、登れそうだったので取り付いてみる。3級レベルでが、岩はやたら滑るので要注意。。。滝の
上部の平らな岩に立ち、振り返ったとたんに滑るので本当にコワイ。そそくさと滝上に上がる。SACHさんは水流左から上がろうとするが、1歩が悪そう
なので、お助け紐を出して上がってもらった。

8m滝上で、1435mで出合う左岸枝沢が入る。時間は15時前。当初の計画ではこの辺りで幕営予定だったので左岸台地にテントを張り行動終了とした。
薪は豊富。
3m程度の小滝が散見(カーソルあてて)
8m滝をフリーで直登(カーソルあてて)
1440m付近で幕営



二日目
夜中多少雨がぱらついたが、オキが残っており問題なく着火。。。このさきは小滝が散見。魚影はこの辺りまでか? 2条3m滝を超えると、右岸から割りと
顕著な枝沢が1480mで出合う。水量比は(1:2)。ここは水量の多い右を選択。
出発してすぐの小滝
難しいところはありません
1480m(1:2)二俣

この先、3m滝を超えると、一旦伏流になる。水は少し先で復活するが再度伏流。みずが復活するとインゼル地形になるが、右の涸沢形はそのまま左岸涸
れ沢となっていた。テン場はこの1630m付近まで点在。
本流筋を進むと7m滝。傾斜は緩く快適に直登。すると、両岸が切り立ってきて、奥に滝で出合う(1:1)二俣が見える。
晩秋の奥秩父の沢の典型的な様相
7m滝
滝で出合う(1:1)二俣が見える

近づいてみると、左は12m、右は10m滝。左の滝は2段になっており、上部の直登は難しそうだが、下部のトイ状をシャワーで上がれば、右に逃げられ
そう。一方、右の滝は5mほど上がればあとは傾斜が緩む。ハンマーがなく、カムは1個持ってきただけ、一応、右の滝に取り付いてみるが、いきなり、20cm
くらいの岩が、2つほど取れてしまい、かなり脆そう・・・。一旦仕切り直して、今度は左の滝に取り付くが冷たいシャワーを浴びながらの腕力勝負。ガバが
取れたがしばらく濡れそうなので、こちらも断念・・・。まぁ今回は降参することにした。巻きは右岸だが、側壁が続いており、急斜面のトラバースで弱点を
見つけるまで斜上しながら戻る感じ。途中で潅木伝いに上がれる弱点を見つけ、安全圏にあがる。地形図を確認、この滝で出合う二俣は右に入る。
左12m、右10m滝
右の滝に取りつくが岩が脆いので断念
左岸を高巻く(カーソルあてて)

滝上は平凡で、水流はあるものの、"最後の詰め"といった雰囲気。。。やがて水が涸れた先で、稜線登山道を目指し、沢形から離れる。藪漕ぎなしで
10分掛からず高度計が1895m指す登山道に出た。
この稜線の登山道はさらに上に上がると地形図と異なり、稜線より西側についているので、沢型を最後まで詰めると、チョット面倒な事になる。ただ、
股の沢と赤沢谷の中間尾根の下降をする場合(天気がよければ、意外とこの下降ルートの方が余計なアップダウンが少なく早いかも・・・)はその限りではない。
最後の詰めの雰囲気(カーソルあてて)
沢型を離れ登山道へ
登山道は1995mピークを西側に巻くように付く

栃本分岐から柳小屋経由で下山する計画だったが、このルートも大きく変わっていた。赤テープは散見されるのだが、、途中から登山道を離れ、沢筋で
ショートカットをしよう!と思ったのがまずかった。。。今回持っていった地形図はずっと自宅に眠っていたものを引っ張り出してきた古いもので(とは言っても
5年も経っていないと思うが)「ここに登山道があるはずなのに・・・」という箇所に登山道を発見できず。尾根に上がっても道が無い・・・。持っていった
地形図に記されている登山道のある高度でトラバースするも、断片的に獣道?と思うようなものしか見つけられず、再び尾根に上がる・・・という事を3回
ほど繰り返すとようやく赤テープのある登山道に復帰できた。。。結局、栃本分岐から柳小屋まで3時間。1時間のロスくらいで済んだ。
栃本分岐。通行止めを装うが道は明瞭(カーソルあてて)
懸垂までしてショートカットしたが失敗。
やっと見つけた登山道(カーソルあてて)

柳小屋はとても綺麗。定期的に清掃に入っているようだ。柳小屋から赤沢谷出合までも、持っていった地形図では沢沿いにつけられているが、現在では
1200m強まで無駄な登りを強いられるように変更されていた。これを知っていたなら、天気も良かったので迷うことなく、赤沢谷/股の沢中間尾根で、赤沢
谷出合まで降りていた事だろう。まぁそれでも16時前には基点に戻ることが出来た。。。
柳小屋
柳小屋のすぐ先。かつてはここが核心だったらしい
やっと赤沢谷出合まで戻ってくる

P.S:赤沢谷は晩秋にゆったり歩く沢としてお勧めの沢だった。初級者を連れての遡行も良いし、宴会遡行にも適している。魚影も結構見たので夏場は釣り師が多いかも。。。
   ただ、登山道利用で柳小屋経由で下山すると、カッタルイ印象はぬぐえない。そこで、股の沢/赤沢谷中間尾根を下山ルートとするとかなり楽かもしれない。
   ザイルは30mあれば十分。岩はタワシて磨いても滑る岩も多く、ラバーソールの場合は注意が必要。テン場は1650m位までは随所にあり困らない。登山道の位置は、
   かなり変わっているので、地形図は最新の物を用意してください。


赤沢谷遡行図(クリックして)
赤沢谷概念図(クリックして)
新登山道と旧登山道(クリックして)


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