2015年5月2日 台高 東ノ川本流 シオカラ谷

メンバー:ひろた、他2名
装備、ザイル8mm×50m2本、8mm×30m1本、カム#0.4、0.5 靴:アクアステルス
地形図:河合、大台ヶ原山
遡行図、概念図はこちら   紹介ビデオはこちら 

昨日”関西沢ツアー”の初日『宇賀川 蛇谷』を終え、今日は大阪から河田さんが合流。今回の沢ツアーのハイライトである、東ノ川 シオカラ谷を遡行。関東で言うと湯檜曽本谷
くらいの有名な沢らしい。
この沢の場合、下流の坂本貯水池から入るルート(車2台必要)と、大台ヶ原ビジターセンターを基点に白崩谷下降で5時間半かけて本流に降り立つルート(1泊2日)。
さらに大台ヶ原ビジターセンターを基点にシオカラ橋から滝見尾根を下り、西ノ滝出合にダイレクトに降りシオカラ谷を遡行する日帰りルートが一般的。我々も天気の都合で
日帰り計画だが、国道の通行止めで坂本貯水池からの遡行は不可能。滝見尾根下降だと、今一つ物足りなさを感じたので、滝見尾根の一本南側の尾根で下降し、東ノ川
本流を少し遡行して、シオカラ谷を遡行する計画で遡行する事にした。


15:35宇賀渓発→19:07道の駅「杉ノ湯川上」着(仮眠)、6:00同発→6:50大台ケ原ビジターセンター着
7:25大台ケ原ビジターセンター発→7:43シオカラ谷吊橋→7:551490m派生尾根から下降開始→10:05東ノ川本流777m付近
→10:45遡行開始→12:30シオカラ谷出合→16:15シオカラ谷吊橋→16:45大台ケ原ビジターセンター着


蛇谷の遡行を終え、高速道路と見間違える名阪国道を利用し、河田さんとの集合場所としていた道の駅「杉の湯川上」に向かう。ここの温泉は日帰り
入浴だと18時に終わってしまうらしいので、入浴を考えている人はご注意を。
翌朝、新婚旅行から戻ったばかりの河田さんと合流。仕事が予想以上に溜まってて1時間くらいしか寝ていないとの事。大丈夫か・・・?
車2台で大台ケ原ビジターセンターに向かう。有名観光スポットだが駐車場が無料なのは嬉しい。今回、未知の下降ルートとなるため、50mザイルを
2本用意、絶壁の懸垂に備え出発。 シオカラ吊橋を過ぎ地形図と高度計を照らし合わせ。1490mから下降する尾根に取りつく。(概念図参照) この尾根は
細尾根で、誤った方向に降りて行くことはまず無い。下草も無く歩きやすいのでここまでは正解・・・。。。
前夜、宴会風景
合流した河田さん
小尾根を下る

北側に位置する”滝見尾根”を見ると50mザイル2本繋げても届かなさそうな絶壁が見え「ひろたさ~ん、あんなの出てきたらどーするんですか?」とΣさんが笑う。
しかし、案の定、懸垂でなければ降りれないところが登場。しかも降りた先がどうなっているか、灌木が邪魔してよく解らない。まぁ灌木が邪魔しているくら
いだから、問題ないでしょうと、50mザイルを2本繋げて懸垂。。。降りてみると40m懸垂で、安全に立てるところに着地・・・。ここからそのまま尾根で降りる
か、それとも北側のガレ沢で降りていくかの2社選択。ガレ沢に向かって降りていくと、懸垂せずしばらく降りれそうで、尾根にも復帰できそうな感じだった
ので、ガレ沢で下降していくガレ沢に出た高度は高度計読みで1250m付近。。。結局、懸垂はその後無く、東ノ川本流に無事降りることが出来た。ビジター
センターからここまで2時間40分。白崩谷下降だと5時間半とのことなので、このコースだと約半分の時間で本流に出られる計算だ。
40m弱の懸垂
ガレ沢に降りて行く(1260m付近から撮影)
途中の湧水ポイントとその後の下降(カーソルあてて)

東ノ川本流に出た時の高度計読みは777m。本流にある地獄釜滝のずっと上流側に出ているようだ。。。ここの魚影は濃いが、餌に反応しない(涙)。ここで
40分くらいノンビリするが、河田さんの体調が良くない。寝不足だけでは無く吐き気もあるとの事。。。そんな状況で東ノ川を歩き出す。ここからはひたすら
巨岩帯と言った様相。巨岩帯が作る滝は、滝と記載したところで、何が何だか整理はつかないだろう。通れる所を通り、岩潜りも交えながら進んでいく。
河田さんは吐き気があるというのに、我々と同じペースで歩けるというのがスゴイ。
777mの東ノ川本流に到着(カーソルあてて)
巨岩帯を進む-1(カーソルあてて)
巨岩帯を進む-2 (カーソルあてて)

岩潜りをして、少し進むと、前方に大滝が見え、テンションが上がってくる。するとここで、右岸に絶好のテン場を発見! 8人くらいまで何とかなりそうな
スペースがある。大滝も見え、薪もあるし、かなりいい物件だ! 
ここを通過して間もなく、左前方から西ノ滝が姿を現す。そう、今まで見ていたのは中ノ滝
だったのだ。

前方に大滝が見えてくる(クリックして)
右岸の極上物件
木々の陰から西ノ滝が姿を見せる(クリックして)

シオカラ谷出合で休憩。どちらも凄い迫力の大滝だが、やっぱりどちらも登られている様だ。生で見る西ノ滝に感動は抑えられない。。。体調が相変わらずの河田さんだったが、ここで少し寝て若干だが回復したとの事。シオカラ谷に入る。。。出だしは巨岩帯。少し進むとゴルジュになり6m巨大CS滝。幸い
巨岩に邪魔されずに上に上がれた。ゴルジュ内は広くなり、次の6mCS滝は、滝と勝負しなくても右岸から簡単に巻けてしまう。

シオカラ谷出合から見る西ノ滝150m(クリックして)
シオカラ谷 6m巨大CS滝(カーソルあてて)
続く6mCSは勝負せず巻く

沢が左に屈曲すると正面に”千石嵓”と呼ばれる岩壁が目に飛び込んでくる。150mあろう大岩壁だ。ここで、沢型が二分し、シオカラ谷は10m滝を掛けて
いる。水流右から簡単に滝上に出れる。その上の3条多段滝も簡単。
千石嵓の大岩壁
沢型が二分し10m滝へ(カーソルあてて)
3条多段滝

この上も大岩が転がる様相。これを過ぎると7mトイ状滝。直登はムリかと思ったが、両手両足ツッパリで登り切れた。この上も小滝が続く。その先10m滝
は大釜を右から釜を回り込んで滝を横断して水流左から直登したが、残置シュリンゲがぶら下がっている所からの1段上への1ポイントがちょっと渋い。
2人は右岸から高巻き。10m滝上の4m滝を超えた所で合流する。
7mトイ状滝(クリックして)
イイ感じの小滝が続く(カーソルあてて)
グロッキー気味の河田氏と10m滝(カーソルあてて)

少し行くと、大岩は続くものの、落ち着いた様相となり焚火休憩。 さらに進んでいくと、前方にシオカラ谷最大となる東ノ滝25mが見えてくる。水流右壁に
バンド状で斜上していくルートがチラつく。トポを見るとこのルートで巻いているようだが、巻きにしては悪い。明らかに右岸枝沢から高巻いた方が良さそう。
自分はどちらで巻いても良いのだが、なんか落とし穴でもあるのかと思って右岸枝沢から高巻くと、何ら問題なく滝上に出れた。 
落ち着いた様相に変化(カーソルあてて)
東ノ滝25m(クリックして)
右岸枝沢で高巻くカーソルあてて)

滝上は癒し系のナメ床が広がりフィナーレにふさわしい様相。少し進むとシオカラ吊橋が視界に入る。体調不良の中、通常のペースで歩き切った河田さん
さすがです。大台ヶ原ビジターセンターまでの30分の登りは結構カッタルかった。。。

東ノ滝上は癒し系(カーソルあてて)
ナメ床続きます
シオカラ吊橋が見えた!

P.S:東ノ川は台高を代表する沢だけあって見所は多い。やはり西ノ滝、中ノ滝の大滝有ってのコースで、全体的に明るい沢なので天気の良い日に狙いたいところだ。
   日帰りコースでも長いザイルを2本持って行けば、出発時間に合わせて、東ノ川に降りて行く尾根や沢筋を選択するのも良いだろう。我々が歩いたルートでは
   ザイルは40m以上が2本必要。靴はラバーソールが有利。泳ぎは無く、東ノ川本流に降りてしまえば難所は無い。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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