2015年2月7日 房総 小櫃川 土沢→四郎治沢下降

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×25m、カム#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:坂畑、上総中野
概念図はこちら
ここ1、2年シーズンインがどんどん早まり、まだ2月の第1週。今回、冬でも沢登りするという、hitomaruさんとの初ジョイント。昨年の三間川が割とよかったので、房総の沢を狙ってみる。。。
房総の沢ならヒルが出ない今がハイシーズン。当初キンダン沢を検討したがその近くに面白そうな場所を見つけ、WEBで検索したら”四郎治沢”ということで記録がアップされていた。
今回はさらに隣に位置する土沢(地形図には折木沢と記載してあるので注意)を遡行して四郎治沢を下降に使う周遊ルートで歩いてみた。

17:55自宅発→19:15谷和原IC通過→20:30村上駅、21:08同発→21:23千葉北IC→22:02君津IC→22:26君津ふるさと物産館、6:50発→7:10滝原公園基点P
7:48基点P発→8:10土沢入渓→12:10土沢遡行終了→12:15四郎治沢下降開始→14:48車道横断点→15:55小櫃川出合
→16:05基点P着

折木沢、四郎治沢遡行の場合は基点は滝原公園の駐車場が良いだろう。トイレもあり静かな所だ。入渓準備をしていると、hitomaruさんが「手袋と、ネオ
プレーンの靴下忘れた!」
とのこと、この時期では致命傷ともなる忘れ物だが、私が持っていた大き目の買い物袋を靴下の上に履いて、手袋はタイヤ交換時
に使っている滑り止め付軍手で乗り切ることに・・・。。。この駐車場から地形図には無い、小櫃川を横断する橋が架かり、簡単に対岸に渡れる。この橋を
渡ってすぐ左に位置するのが土沢。ただ、小櫃川出合から入渓しようとすると、いきなり13mの懸垂になる。25mザイルでギリギリ・・・。

土沢の出合はボサっているが、15m程進めばちゃんとした沢になっており一安心。しばらくはゴーロ状の様相だが切り立った土壁が楽しませてくれる。

基点の滝原公園駐車スペース
小櫃川を横断してすぐに13m懸垂
土沢序盤の様相(カーソルあてて)

右岸の大側壁を見ると、釜を持った50cm程度の小ナメ滝が現れる。通常、記録に記載するほどの事でもないのだが、岩が恐ろしいほどよく滑るのだ。
左から取りつくも、右足を滑らせ、リカバリーしようとした左足も滑り、いきなり腰上までの大浸水・・・。。。タワシを取り出して、磨くもなかなかグリップ力は
あまり上がらず、「なんだ!この岩!?」っていうと、hitomaruさん「花崗岩ではく、この辺は砂岩なので・・・」との事。、三間川のナメはそんなに滑った印象は無かった
が、この沢特有なのだろうか? それでもタワシで磨きまくって、たった50cmの小滝を超える。hitomaruさんはフェルトソールだったが、私の浸水をみてか、
左岸を小さく巻いた。

ここからナメ床が続くようになる。見た感じ完全癒し系なのだが、この先もやたら滑る。靴底のパターンすら無い、履きつぶしたアクアステルスだと1歩1歩
の足の置場の微妙な傾斜を読みながら進んでいく感じで、かなり神経を使う。さらに困ったことに乾いたところでもやたら滑るので要注意だ。マンガの様に
”スッテンコロリン”するので、ヘルメットはもちろん、大きな文字盤を持つ腕時計では手を付いたとき、手の甲の骨折をする場合があるので、できれば
腕時計は外した方が無難だろう。フェルトソールだと多少マシな様だが、やはり相当滑る様だ。
最初の50cmナメ滝がいきなり・・・(カーソルあてて)
完全癒し系だが、癒されない程滑る(カーソルあてて)
こんな滝でも侮れない

ところどころ埋まった所もあるが、概ねナメ床が続く。途中2m程度の小滝が出てくるが、神経を集中させての登りになるから疲れる。左岸から6m滝
出合う枝沢が入るが、こんな滑った沢でこんな滝が出てくれば高巻き以外に登る手立てはないだろう。。。。
しばらく進むと急に沢が荒れだす。すると、重機の音がして、右岸50m程上がった所で林道工事をしていた。石や大木を落とされてはかなわないので、
ホイッスルを鳴らしながら進む。途中土沢を横断する橋を建設する予定なのか、この先、左岸でも林道工事現場の後が。。。この区間200~300m区間は
荒れ荒れの様相だ。。。
2m滝だが、まったく気が抜けない(カーソルあてて)
左岸枝沢6m滝、こんなな気が出てきたらまず登れない
両岸で見られる林道工事現場で沢は行ったん荒れる

ただ、この区間を過ぎると、またナメ床が復活してホッとした。しばらく進むと、4m滝で出合う二俣チックな所に出る。左はほとんど水量が無いため右を
選択。今までの内容を考慮すると滑落が怖いが、右沢の水流右側を登って行けた。滑る岩よりも苔が生えている所の方がグリップするくらいだ。ここから
少し進むと両岸の岩壁が切り立ち見事な景観を作っている場所が現れる。砂岩と言われれば確かに砂が固まった様な地層が見られる。ここからは両岸
砂岩の岩壁が続くようになる。息が白い中、手はとっくに悴んでおり、焚火休憩したいところだが、この岩壁がつづきなかなか焚火休憩できそうな所が見つ
からない。5分、10分進んだところで、ようやく岩壁上に上がれるバンドを見つけ大休止。。。
4m滝で出合う二俣は右から上がれる
両岸の岩壁が見事
休憩ポイントを探しナメ床を進む

体も暖まり、再び歩き始める。少し行くと、地形図で188mに位置する顕著な二俣に出る。水量比はほぼ(1:1)。どちらに入ってもほぼ同じ位置に出るが、左
を選択。沢が埋まってくると、終了点も近い。沢通しに進み、沢型が無くなって2,3分で尾根に到着。15m程移動すれば四郎治沢の境界尾根に出る。尾根
から5m程四郎治沢側に降りると明瞭なハイキング道が伸びていた。時間は12時過ぎ。 そのまま四郎治沢側に下降する。

188mに位置する(1:1)二俣を左に入る
土沢最後の詰め
土沢/四郎治沢境界尾根ハイキング道(カーソルあてて)

四郎治沢は割と早い段階でナメ床が現れる。幸いグリップが多少効き助かる。3mナメ滝はシュリンゲを垂らして下降。土沢より流域面積が広いせいで、
土沢のスケールをそのまま大きくした感じと言ってよい。ナメ床は長く続く砂岩の脆さならでわのずれ落ちた岩盤や、ナメ床の文様はアクセントとなって映る
。。。 hitomaruさんは「房総の沢にもオイカワとかが生息している」というが稚魚は発見するも、成魚が走ることは無かった。ナメ床のヌメリは上流部は少なかった
が、下降するにつれ激しく滑るようになる。チョットした釜のへつりはかなり慎重に進むも、またしても腰上まで浸水。
四郎治沢3m滝を下降(カーソルあてて)
ずれ落ちた岩盤とナメの文様(カーソルあてて)
これくらいの内容ですでに危険!(カーソルあてて)

この先、房総の沢特有の”川廻し”が現れる。すべて手掘りというのだからスゴイ! 潜って通過可能。少し進むとかなり高い位置に車道が横断する。
ナメ床は沢幅は広がり、ひたひたと快適に・・・ という感じに行きたいのだが、とにかく滑るので周りの景色を見る余裕もなく足元ばかりに注意を置き、
滑りそうになる所を筋力と、バランスで耐える事を繰り返すという、かなり疲れる遡行となる。ふと立ち止まって見上げると、80m近い側壁がそびえたって
おりビックリする始末。
四郎治沢の川廻し(カーソルあてて)
車道が横断
右岸の80m大側壁(カーソルあてて)

この大側壁を見ると、小櫃川本流出合は近い。途中、地形図に記載されている登山道横断点にはピンクテープがあったのがそうだろうか・・・明瞭な道は
発見できず、沢の横断も足を濡らすことになるだろう。小櫃川合流点はダム湖のバックウォーターのギリギリ上で、今日は歩いて横断可能。完全なナメ床
になっており、ここもまた非常に滑っていた。歩いて1,2分で基点に戻り、本日の遡行を終了した。
小櫃川本流が見えてくる
小櫃川本流を横断
対岸から見る四郎治沢出合

P.S:土沢も四郎治沢もナメが多く、こういった冬の時期にはお勧め出来る沢です。いままで遡行してきた中で1番スベリやすいと言っていいほど滑るので、注意。
   靴はフェルトの方がよいでしょう。ザイルは30m一本は持って行った方が良いと思います。四郎治沢→土沢下降の場合はGPSを持って行かないと詰めあげる
   沢筋を間違えやすいので辞めておいた方がいいだろう。
   

概念図(クリックして)


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