2015年6月13日 泙川 湯ノ沢本流→鈴小屋沢下降

メンバー:単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:皇海山
遡行図、概念図はこちら

夕立が多く、非常に天気が不安定な群馬/栃木県境の泙川流域を狙らう。この流域、下流部で出合う小田倉沢を除くと、大きく三俣沢、湯ノ沢、三重泉沢の3本 の支流に分かれる。
三俣沢は日光側からのアプローチで2回ほど遡行、三重泉沢は序盤ゴルジュの突破は単独ではムリなので、今回は湯ノ沢に的を絞る。この沢 の場合はアプローチが難。2006年に
津室沢を下降した際、ゲートを突破して乗用車が林道を走っていたので、チャリなら走れるだろうと画策。湯ノ沢にも多くの支流を持つが、湯ノ沢本流→鈴小屋沢右俣下降、ナメ沢→
龍ノ沢(タツノ沢)下降
の2本立てで計画してみた。


18:10発→19:30清滝IC→20:06→20:35鎌田交差点、4:00発→4:26奈良先ゲート
4:47ゲート発→5:17三重泉橋→5:49ニグラ沢橋→6:05林道終点→6:27泙川入渓→6:41三俣沢/湯ノ沢分岐→7:00龍ノ沢出合(大滝下見)
→7:45ナメ沢出合→9:55広沢出合→10:05赤根沢出合→10:15鈴小屋沢/湯ノ沢本流分岐(湯ノ沢遡行)→11:50湯ノ沢/鈴小屋沢中間尾根
(鈴小屋沢下降)→13:25鈴小屋沢/湯ノ沢本流分岐→14:55広沢・ナメ沢間で行動終了。

ここ最近のWEBの情報では奈良(なろう)手前の不動滝で工事により車は入れないと言う記載をみたが、今日は奈良集落先の通常のゲート位置まで
車が入れた工事の形跡は無く、終了したものと思われる。。ちなみにここまで舗装されてたのには驚いた。ゲート手前に駐車スペースは3台。Max5台と
いった所か・・・到着したとき、一人の釣師が歩きで出発するところだった。彼は三俣沢に行くらしい。。。

ゲートは2006年当時のものに、更に一つ付け加えられ、もはやチャリでないと突破不可能と思われたが、準備をしていると源チャリ2台がやってきて、
二人で1台を横から回して突破していった。凄過ぎ!

遅れて、自分もチャリで出発する。林道の状況だが、震災の影響だろう、落石が多く、さらには落ち葉の堆積で道が緩んだところは数知れず、走りづら
い事この上ない。三重泉沢手前で先行していた単独釣師に追いつく。山屋の様な歩きっぷりで、チャリとペース変わらないんじゃない?と言う感じだ。
三重泉沢から先も落石の多さに押して歩くところも多々あり、もはや汗だく・・・。ニグラ沢を越えて400m程進んだところで、断念してチャリをデポ。林道
最奥まで20分弱歩くと、 例のバイク2台が停めてあった。アプローチはバイクが理想か・・・???

最終ゲートまで舗装済み
林道は荒れ模様(カーソルあてて)
自転車は断念、バイクは奥まで入れる(かーソルあてて)

林道最奥から明瞭な踏跡というのは見つけられず、南方向に下りていくと、林道から10m下くらいに踏跡発見。ただ、これは沢に下りていく物では無い様
だ。 無視して南方向に下っていくと、勾配が急になり、釣り師にはムリそうな下降となる。なんとか懸垂せずに沢床に到着。どこか他に沢に降りるルート
があるのだろう。広く流れる本流を進むと大釜をもった滝。突破は問題ない。ただ、この辺りでは完全に釣り尽くされてしまったのか魚影は皆無。すると、
三俣沢/湯ノ沢の分岐になる水量比はほぼ(1:1)。湯ノ沢川には2m程度の壊れた堰堤が掛かっているので目印になるだろう。

林道末端から南方向に強引に下降(カーソルあてて)
泙川本流の滝
三俣沢/湯ノ沢分岐(カーソルあてて)

ここを湯ノ沢に進む。時折大釜を持つ平凡な様相。水はすごく綺麗だ。大釜を持つ4m滝を超えると、右から龍ノ沢(タツノ沢)が入る。入り口から大滝が
見えるので、タツノ沢に入ってみると、30年前に書かれた“足尾山塊の沢“に掲載されている形を維持した大滝が掛かっていた。その記録には右岸高巻き
と書かれてあるが、靴が進化した今では、水流右から登れそう。明日この沢を下降するので、その時に試登してみようと思う。
水が綺麗! 癒されますぅ
大釜4m滝は左から超える
龍ノ沢出合(カーソルあてて)

偵察を終え本流に戻る。大釜を持つ2段6mは水流左から下段を超え、上段は真ん中を登って超える。この辺りの大釜は大イワナが居そうだが、もはや
昭和の頃の話・・・釣師が多く入るこの沢で平成も四半世紀たっていて、いるワケナイ。実際こうした大釜で釣れた事もないし・・・

暫く進むと、Y字型で左岸枝沢が入り、これがナメ沢出合。ここは明日遡行するので今日はパス。この先、本流は両岸が立ってきて、4m滝を右からへつ
って突破。右に曲がった所で、“足尾山塊の沢“に掲載されていた8m滝が出てくる。本に掲載されていた写真では悪そうに見えるが右からも巻けるし、
何ら問題なさそう。今回は、右から小さく巻いて、落ち口付近は水流通しで越えた。

湯ノ沢本流2段6m
ナメ沢出合
8m滝


この先、ナメ床を交えた癒し系の様相を進むと広沢出合。ナメ沢~広沢間には整地済みではないが、良いテン場が幾つかある。この先、右岸から赤根
沢が入るとナメ床になり、すぐに(1:1)二俣。ここが鈴小屋沢/湯ノ沢の分岐になる。ここで荷物をデポして右の湯ノ沢本流に入る。

広沢出合
テン場適地は多いです
鈴小屋沢/湯ノ沢本流の分岐

湯ノ沢本流には6mナメ。傾斜は緩いので問題なく登れた。滝上はナメ床が概ね続く。滝はせいぜいナメ小滝程度で、これと言った特徴を持った滝は現れ
ない。高度計読み1290m付近には絶好のテン場があり、この先にはテン場は見つけられなかった。

6mナメ滝
多段ナメ(カーソルあてて)
1290mテン場適地

この先、小滝を超えていくと1420mで左岸から枝沢が入る。水量比(4:1)で水量の多い左に進路を取る。この先ナメ状小滝を超えると、今度は右岸から
ほとんど水流の無い沢筋が入る。高度計を見ると1460m・・・。鈴小屋沢下降の場合はここを左に進路取るとショートカットできそうだ。本流も概ね平凡
だし、とっとと下って、イワナ釣りに興じた方が楽しいかもと判断・・・。ここを左に入ってショートカットする。
1420m左岸枝沢
小ナメ滝を超えていく
1460m右岸枝沢を左に入る

右岸の枝沢に入ると、水も流れるが、もはや詰めと言った印象。少し進むとまた二俣になり、左を選択。沢型も無くなると、ひざ下程度の笹の斜面。右手
方向を見ると皇海山が顔を出してくれた。高度は1580m。国境稜線はすぐ近くに見えているが、そこまで上がらず。1580mの高度で鈴小屋沢に向かって
トラバースを掛ける。

最後の詰め(ここは左に入る)
国境稜線近くは笹原(カーソルあてて)
1580mの高度でトラバースを掛ける
鈴小屋沢右俣の沢型にはスンナリ入れる。ナメ床もなく。ひたすら平凡な様相・・・7m滝、3m滝と変化が出たと思ったら、1275mで左俣と合流。水量比は
(3:2)で左俣の方が多く、本流筋はこちらの様だ。ここから少し進むと湯ノ沢本流と合流。デポした荷物を回収する。
平凡な様相が続く鈴小屋沢右俣
右俣最大の7m滝
1275m鈴小屋沢左俣/右俣分岐

本流を下って行くと、赤根沢出合を過ぎた所で、ヘルメットをかぶった3人の釣師と遭遇・・・。今日中には平滝まで戻ってそこで幕営との事。地形図も
持って居ないようで、よくこんな所まで来るもんだ・・・と釣師のイワナに対する熱意に感服する。それでも、「先ほどの枝沢は広沢ですよね!?」と言い当てる所を
みると、地元群馬の方だろうか??? 釣師と別れ、広沢過ぎて10分ほど下った1130m右岸に台地があったので、そこでタープを張った。

湯ノ沢本流を下降します
1130m付近右岸で幕営
薪は豊富です♪

P.S:湯ノ沢本流、鈴小屋沢はどちらも概ね平凡な沢で“歩く沢“といって良いでしょう。アプローチが不便なこともあり、敢えてマイナーな沢に
   入ろうと考える沢屋さんより源流釣師の方が多いです。ザイルはこのルートであれば、補助ロープ程度でOK。幕営適地は至る所にあります。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)
ゲート位置(クリックして) 
 


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