2015年8月1,2日 清津川 サゴイ沢

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×25m、カム#0.4、#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:佐武流山
遡行図、概念図はこちら

寒気が南下してくる天気予報で関東北部に激しい雷雨の予報があり、雨確率の低い清津川源流域に的を絞る、赤湯温泉基点の遡行対象沢は棒沢、熊ノ沢、サゴイ沢の三本が有名だが、
熊ノ沢は遡行済みのため、サゴイ沢に行ってみることにした。


18:25自宅発→20:15太田桐生IC通過(一般道)21:15赤城IC通過→21:45月夜野IC通過→22:10猿ヶ京PA、4:40同発→5:30小日橋基点P
初日 5:55小日橋発→7:15赤湯温泉手前入渓点→8:20サゴイ沢/熊ノ沢出合(竿だし遡行)→13:30 1435m2段7m滝下(幕営適地はここまで)
    15:20二俣(右に入る)→15:50 1600m付近行動終了
2日目 6:15出発→8:00サゴイ沢/熊ノ沢分岐尾根→8:20主稜線→9:05登山道→10:20赤倉山山頂→12:00赤湯温泉→13:30小日橋着

赤湯温泉への入り口は苗場スキー場横の林道を入って行く。未舗装路で多少荒れているが、2WDのフィットでも大丈夫。前回、熊ノ沢に来た時は清津川
左岸の 駐車スペースに停められたが、現在は小日橋に簡易ゲートがあり、20分余計に歩く必要がある。駐車スペースも狭く車の転回を考慮すると
6~7台がいいとこだろう。早い到着だったが、既に3台の車が停めてあった。

橋から出発すると、左岸林道は何の支障も無く、これなら簡易ゲートをどかして奥まで入ればよかった。。。赤湯温泉小屋は営業しているのに、なぜ更
に不便になる様あそこにゲートを設けたのかは謎。

棒沢を横断すると急な登り。解っては居るけどキツイ。上がり切った先に『途中見返りの松』と銘打った携帯の電波が届く箇所がある。タクシー呼ぶなら
ココらしい。まぁsoftbankは繋がらないでしょう・・・。歩き出すこと1時間20分、汗だくになって赤湯温泉手前の橋に到着、前回は赤湯温泉小屋を通り、
1本奥の橋から入渓したがもう一回登り下りをしなくてはいけないので、今回はここから入渓する。

小日橋に簡易ゲート。基点はここ
本当につながるかは未確認
最初の橋から入渓(カーソルあてて)


平凡な様相のまま、奥の橋までいけるかと思ったら突破不可能な5mCSが現れ、右岸を巻く。小さく巻けたが下降出来ずに5m程度の懸垂になる。
ここからは特に滝は現れず、奥の橋に到着。この程度なら手前の橋から入渓した方が楽なような気がする。ここからは、小滝を交えた概ね平凡な様相。
5重滝はセオリーどおり左岸巻き。残置もあり懸垂無しで滝上に出れる。ここで熊ノ沢/サゴイ沢出合。水量比は(4:3)で若干サゴイ沢の方が多い・・・。

5mCS滝を超えて上流にある橋へ(カーソルあてて)
五重滝は左岸巻き
5重滝上でサゴイ沢/熊ノ沢出合(カーソルあてて)

サゴイ沢序盤は平凡、この辺りでは魚影は見ない。しばらく進むと8m滝。すぐ右にある泥ルンゼで巻く。上部まで上がり行き詰った所で振り返るとバンド
があるので、それを利用して、ルンゼを脱出。コメツガの小尾根を跨ぐとあまりにも小さく巻きすぎたせいか、懸垂でないと降りれない。今回用意した25m
ザイルでは一回では届かず2回の懸垂で沢床に降りた。通常この8m滝は泥ルンゼンでは無く、もう少し大きく巻いて沢床にもどるようだ。
8m滝上はしばらく平凡。この辺りから竿だしする。2匹ほどリリース&レギュラーサイズを釣り上げた所で前方に滝が見えてきたので、いったん竿をしまう。
近づいて見ると6m滝。その上にも滝がある様だ。直登は難しく左岸を巻き、このまま全部高巻いても良いのだが、2つ目の滝は登れるかどうかを確認
する目的で沢床に降りると左から直登出来そうだったので、タワシで岩を磨きながらフリーで登るった。その上に4m滝があり、これも容易に超えて3連瀑を
終了。すぐ上にはイイ河原があったので、先ほどのイワナをお刺身にしていただいた。
サゴイ沢最初の8m滝(カーソルあてて)
3連瀑最初の6m滝
左を直登した二つ目の滝と3つ目の滝(カーソルあてて)

ここからは概ね平凡な様相が続く、右岸から5m滝で入る細い枝沢が入ると左岸は脆そうな壁が続く。沢は左に曲がり、2段4m、5m滝が出てくるが、竿を
持ちながら左から超えられる。
癒し系の様相
左岸の脆い壁
4m、5m滝は左から超える

この先、1390m付近で右岸から50m多段滝で出合う顕著な枝沢を見ると、その先で二俣の様な地形になる。高度は1435m付近か、近づいてみると右は
単なる枝沢、左には2段7m2条滝が掛かっている。良いテン場はここまでで、この先はあまり良い場所が無いことを後で知ることになる。2段7m2条滝
片手に竿を持って上がれるが、ここから連瀑帯に入るようなので、竿をしまって進む。

右岸50m多段滝
1435mで左岸枝沢が入る(カーソルあてて)
2段7m2条滝

滝上はゴルジュで、右から5m滝を落としている。釜は 廊下状で深いが、倒木が詰まっており、これを横断して5m滝の左側に取り付き直登した。滝上は
間髪入れずに2段10m滝。左から登るが下段は簡単。上段は 頭からのシャワーを覚悟すれば簡単そうなルートが見出せるが、それを嫌って、飛まつの
掛からない所から上がった。この上は大釜の小滝があり、平凡な様相になるが、すぐに5m滝。釜を経つって水流左を登る。
釜を横断して水流左を直登した5m滝
2段10m(カーソルあてて)
5m滝左から経つって突破

するとすぐ先で今度はまた釜を持った8m滝。これも左から経つって水流左側から草付ラインを落ち口にトラバースする様な感じで登る。 この上で、一瞬
開け、2段7m滝を超えると、またゴルジュになり奥に嫌らしい滝が見えてきたと思ったら右岸枝沢の8m滝。本流は右に屈曲し、埋まった感じの淵が伸び
ていてホッとする。
8m滝は左草付から(カーソルあてて)
2段7m滝
奥は右岸枝沢の8m滝と本流の淵(カーソルあてて)

ゴルジュはまだ続き、巨岩が転がる6m滝を右から超えると、巻も難しそうな両岸切り立った悪い様相。奥に7m位の滝が落ちている。とリあえず、水流右
を経つって滝に近づくと、弱点を左壁に発見!最初の2mの登りがチョイト難しいが膝をうまく押し込んで這い上がる。ここから落ち口に向かって斜上
したがどうもヌケが悪く、仕方なく笹薮に突っ込んで小さく巻いた。下からは7m滝に見えたが上にもう1段あり2段(3段?)10m滝となっていた。この滝
だが、後日、現場監督さんの記録を見ると水流右から快適に登れるらしい。これで連瀑帯が終了、急に源頭チックな様相に変化する。

巨岩転がる6m滝は右から容易に上がる
2段10m滝(カーソルあてて)
連瀑帯を抜けると源頭チック

すると右岸から枝沢?と思ったら、水量比(2:3)。高度計を照らし合わせると、どうも二俣と呼ばれている所の様だ。この辺りにテン場があるとトポにあった
が、全くそのような場所が見つからない。左俣にチョット入ってみると暗い感じだったので、水量の多い右に入る。テン場が全く見つからないまま、少し進む
と3mトイ状。これを超えるとナメ床になるが、テン場は無いし、灌木が沢を覆う感じで、良い場所が出てくる気配すら感じ無いが、前方に崩壊壁が見えたた
めあの辺りが開けているのでは? と思い進んでみると予想通り開けていた。薪も十分。あとは平らな場所だけだが、これが見つからない。なんとか
整地すれば1人分が横になれる場所を作って今日の行動を終了した。平標山方向は物凄い積乱雲が出てたが、こちらは被害なし。快適な夜を過ごせた。
二俣(テンバが無い!)
右俣3mトイ状
開けた土地を発見(カーソルあてて)


2日目

食事を済ませ、出発。狭い沢筋を進むと、本日唯一の滝となる5m滝が出て来る。これを右から超える。(2:3)二俣を右に入り、ここからは水量が 多く、
沢型がハッキリしている方を選択して進む。正直、ここでドローンを飛ばしたいくらいだ! 潅木や笹が覆うようになってくるが、沢型は結構上まで続き、
結構行けるかも! と思ったが、ご他聞にもれず高度計読みで1840m付近で沢型も完全消失し笹の藪漕ぎになる。思ったほどきつくは無かったが、丁度
30分藪を濃いで出たところはサゴイ沢/熊ノ沢を分ける中間尾根。この尾根も笹に覆われており、20分程さらに藪をこいでやっと主稜線に出た。

5m滝
明瞭で水量の多い方を選択
サゴイ沢/熊ノ沢中間尾根に踏跡なし


ただ、この辺りでは登山道はかなり西側を通っているので、サゴイ沢側の際々を赤倉山方向に歩いていく。この辺りは腰下の笹や草付きで苦労は無い。
45分ほど進んでようやく登山道に出た。
赤倉山への登山道はあまり歩かれていない様だが道を見失うことは無い。赤倉山山頂は展望も無く、ここから
佐武流山への登山道はさらに歩かれていない雰囲気。

サゴイ沢全景。赤倉山に向かって進む(カーソルあてて)
赤倉山山頂


ここから、赤湯温泉に向かって下るが、水場は1カ所も無く、ガッツリ1Lの水を汲んでおいて正解だった。オーバーヒートした体を清津川本流で冷やし、
さら にもう一超え棒沢手前の登り下りを超えると、沢足袋を履いた男性を発見。なんと、あの有名な山登魂の治田さんではありませんか! 棒沢を単独
遡行してきたとの事。治田さんと沢の話をしながら基点に戻る。

清津川本流でクールダウン
こんな奥地で頑張ってる赤湯温泉

P.S:サゴイ沢はアブも少なく夏向きの沢のイメージ。平凡な様相も多いが、連瀑帯は水流通しで遡行でき、割と楽しめる。魚影は濃いと評判だが2015年現在はそれ程でもない。
ザイルは30m1本で十分、テン場は連瀑帯手前1440m付近までは点在するが、それより上流だと良い所はほぼ無いと思った方が良いだろう。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


inserted by FC2 system