2015年2月28日 丹沢 皆瀬川流域 オオダ沢→ワリ沢左俣下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:山北
遡行図、概念図はこちら
春一番が来たと報道があれど、まだ寒い日は続く・・・。この時期で沢登りやるのはマニアの世界か(笑) 丹沢は有名な沢登りスポットであるが山北駅からほど近い皆瀬川流域は
ガイド本にも紹介されないマイナースポット。私もつい最近まで知らなかったが、kamogさんという方がいくつか紹介しており、ここなら冬でも遡行可能と判断。冬なので、
「内容は地味でもイイや!」と言う気持ちではるばる栃木から出向いてみる事にした。流域中いくつか遡行対象沢がある様だが、今回でチョイスしたのは長めのオオダ沢。。。
これにワリ沢の右俣を下降路として計画してみた。


4:07自宅発→6:00安行IC→7:35大井松田IC→8:00オオダ沢出合基点P
8:25出発→10:25 385m(2:3)二俣→(焚火休憩含む)12:15取水堰堤→13:25稜線登山道→13:35高松山→14:07ワリ沢下降開始
→15:00左俣/右俣出合→15:30皆瀬川出合→16:15基点P着


JR山北駅から県道725号線を北上。目立った目印は無いので、ナビが無いなら地形図を見ながら、対岸の山の切れ込みや、周囲の道路を見ながら
アプローチするしかないが、顕著な山の切れ込みがあるので、そう迷う事は無いだろう。オオダ沢出合対岸の県道には退避スペースがあり、ここを
利用させてもらう。携帯はsoftankでも繋がる様だ。

オオダ沢の出合は割と貧弱。入るとすぐに古い石積み堰堤。練習がてら右端に取りついて小さく巻く。この先も堰堤が散見、直登できるところは直登し、
それが出来ない所でも小さく巻いて上がることが出来る。数えると堰堤は9個あった。
オオダ沢対岸の待避所が基点
貧弱なオオダ沢出合
足慣らしに登る(カーソルあてて)

堰堤上は概ね平凡な様相が続く。右岸から枝沢が2本入るくらいで、この辺りは変化が少ない。倒木が多いのが気になる。魚影は無い・・・と思ったら10cm
くらいの小物が走ったのを見かける。350m付近、地形図で沢が左直角に曲がるところは砂岩から2本の枝沢が入り、ここからゴルジュ風に変化。
概ね平凡な様相が続きます(カーソルをあてて)
右岸枝沢
350m付近で左岸から2本の枝沢が入る(カーソルあてて)

すると、ゴルジュ奥に10m級の滝が目に入る。手前の2m滝を水流右から超えて、10m滝に近づいて見る。一見、全く取り付けそうも無い様に見えるが、
よく見ると、水流右から取りつくルートが見出せる。6m程登って右のグズグズルンゼに入り込むか、同じポイントからラバーソールのグリップ力をいかして
水流横断するかだが、単独で取りつけるレベルでは無い。一応、チョット取りつく。丹沢の沢でも、マイナーなだけあって、残置類は一切なし。岩も脆い感じ
なので取りつくなら注意が必要だ。。。Ⅳ+ 今回は15mほど戻って右岸を巻くが、小さく巻こうとすると結構な急斜面なので高巻きも注意が必要。

ゴルジュ内の2m滝前衛滝と10m滝
10m滝(カーソルあてて)
4m程登った所から、核心部を見上げる

10m滝上はナメ床様相になるが、すぐに終了、また平凡な様相に戻る。すると右岸から顕著な枝沢が入る。水量比は(2:3)。地形図を見ると385mで出合う
枝沢
の様だ。この枝沢にも8m程度の滝が掛かっているので見にいく。 この8m滝も登るなら右側、苔のついた細バンドを斜上して・・・となるが、これもⅣ+
のレベルだろう。 本流はここからゴルジュになる。難しいところは無かったが、一旦ゴルジュが切れた先に2mCSが立ちはだかる。杉の倒木が落ち口に
挟まっているのが嫌らしい。巻くことも可能だが、突っ込んでみた・・・。杉の倒木が邪魔してうるさいが なんとか強引に這い上がった。
10m滝上の様相
385m右岸枝沢とその8m滝(カーソルあてて)
本流はゴルジュ様相になり2mCS(カーソルあてて)

この先には4mCS、2mCSと二つの滝が行く手を阻む。釜は深く、腰上を濡らすのは必至。これを我慢すればシャワーで登ることも可能かもしれないが、
断念、右から高巻く。ここからは狭いゴルジュがが続き、すべてを右から高巻く事が可能だが、2mCS滝上に敢えて懸垂下降で降りる。次の2mナメを超え
て、その先の小滝は釜が深いので、左から小さく巻いて、狭いゴルジュを終了する。ゴルジュ上はナメ床だが、伐採した木が数多く横たわっているのが
残念。。。ここで右岸から割と顕著な沢筋が入る。
4mCSと、2mCS(左岸高巻き)
懸垂で降りて、このナメ滝は直登
ゴルジュ上で出合う右岸枝沢。本流倒木多し
ナメ床は長く続くが倒木が、残念だなぁーと進んでいくと、鉄パイプが沢を横断している箇所あり。ここで、後方から猟犬が吠えているのを耳にする。まだ、
2月なので狩猟期間中。。。犬に追い立てられるのも嫌だし、銃で撃たれるのもゴメンなので、ホイッスル吹いて回避(笑) 犬も吠えなくなったところで
焚火休憩。。。。

手も体も暖まり再出発したらすぐに小さな取水施設があった。このすぐ上で468m付近に位置する(1:1)二俣。ここには石を積み上げた小さな釜戸がある。
ここで、焚火休憩すればよかったよ・・・。。。この二俣を左に進路を取る。
謎の鉄パイプが沢を横断
小さな取水施設
468m付近(1:1)二俣。立ってる所に釜戸有り

この先も、小滝はポツポツ現れる。が、やはり伐採による倒木が多いのは残念。5mトイ状を超えて、615m付近に位置する(1:1)二俣を右に進路を取ると
間もなく水枯れ。枯葉で埋まる沢筋を少し詰めると沢型も浅くなるので左の小尾根にあがり、植林帯の急登を一汗かいて登ると稜線登山道に到着♪
小滝は散見(カーソルあてて)
615m(1:1)を右に進路を取る(カーソルあてて)
最後の詰め

ここから10分弱歩いて高松山山頂に到着。山頂は開けており、展望は良いが、富士山はガスが掛かっていた。 さて、下山だが今回はワリ沢の左俣を
利用する予定。地形図で805mピークへの分岐点には新旧の道標が立っているが、行きたい方向の尾根には道標が向いていない。800m超えるピークは
周辺にないので、磁石さえ持っていれば迷う事は無いだろう。分岐点から北西に伸びる尾根を下降すると、古い道標が立っている。ここから西に下れば
ワリ沢に降りれるはず。多少降りやすい所を探すが出だしは結構な急降下。ザイルは出さないで降りれた。沢型に降りると、枯葉が堆積しているが、水は
その下を流れているようだ。
広々とした高松山山頂
805mピークへの分岐に新・旧の道標有
この辺りから下ればワリ沢に入る(カーソルあてて)

少し下降すると、いきなりクライムダウンが難しそうな4m滝が現れる。どうしようか迷ったが、ここは大人しく左岸から懸垂。下降にザイルを出したのは、
ここだけ。ワリ沢はオオダ沢に比べて倒木は少ない。3m前後の小滝をいくつかクライムダウンしていくと、顕著な二俣で、ここが420mに位置する左俣/
右俣を分ける二俣になる。水量比は(1:2)で降りてきた左俣よりも右俣の方が多い。
ワリ沢左俣、唯一懸垂下降した4m滝
クライムダウンです(カーソルあてて)
420mに位置する左俣/右俣の分岐

ここから先はナメ床が続く。このナメ床が埋もれてくると堰堤が出現。右岸の踏跡を利用して小さく巻ける。さらに小滝を下ると右岸から顕著な枝沢が入り
この少し下で2つ目の堰堤。さらに下降すると右岸側に階段が付けられた3つ目の堰堤が現れ、皆瀬川本流とぶつかる。
ナメ床が続きます(カーソルあてて)
最初の堰堤
皆瀬川本流に出る(カーソルあてて)

対岸は八丁集落になっており、民家の脇を抜けて舗装された県道に出る。ゲートは丁度この辺りに設けられて居た。八丁集落に入る未舗装路脇にも
駐車スペースを見つけたが、私有地の可能性もあり、この辺りに車を停めるのならゲート手前の待避所の方がまだ良いかもしれない。。。皆瀬川流域の
他の遡行対象沢の取りつきを確認しながら基点に戻った。
八丁集落
八丁集落入口にある県道のゲート
県道から見る北ノ沢。ここも遡行対象らしい・・・

P.S:オオダ沢ですが、伐採による倒木が多かったのが残念です。10m滝等もあり、真向勝負すれば多少は・・・という事もありますが、丹沢には他にも良い沢
   がありますので、神奈川県民で ”丹沢をしらみつぶしに・・・”  と言う方か、 ”オフシーズンでも沢!”  とか言ってる私みたいなマニア以外の方には敢えて
   お勧めすることはないでしょう(笑) 栃木県民、いや神奈川県民外で、この沢を遡行するのは初かも!!! そう考えると、この記録は貴重かも(^^)v



遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)
 皆瀬川各支流名称(クリックして)


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