2015年3月14日 茨城 山田川流域 竜神峡
メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:フェルト
地形図: 大中宿
概念図はこちら
当初、奥多摩秋川流域を狙っていたのだが天気予報の急変で、温めておいた茨城の山田川流域 竜神川の遡行に変更する。昨年、WEBを見て遡行対象の沢だと知った。
”竜神峡”と呼ばれ、どうも地元の山岳会では割と有名らしい。下流には竜神大吊橋なる観光スポットになっており、日本一の高さ100mのバンジージャンプが体験できる有名スポット があるので、そのダム湖の上流で探せば場所は特定できるだろう。WEBでの記録は中武生(なかたきゅう)までの記録のみか・・・と思ったらなんと、山登魂の治田さんがさんが 上部の方まで詰めた記録を発見! 持方まで進むと風情が無くなるようなので、上武生にチャリンコをデポして、適当な所で遡行を打ち切る感じで計画してみた。 5:00自宅発→5:55常陸大宮通過→6:20竜神峡大吊橋(観光)→7:15上武生(チャリデポ)→7:30下武生基点P着
7:58基点P発→8:25亀ゲ淵入口→9:20地形図記載の登山道横断点(途中たき火休憩)→12:45中武生左岸枝沢出合
→14:50 340m右岸枝沢出合→15:15上武生遡行終了点→15:25林道着→15:32チャリデポ地着、15:40同発→16:05基点P着 竜神峡へのアクセスだが、竜神大吊橋ではなく、水府竜神ふるさと村を目指す。県道33号線から、細く目立たない武生林道に車を進める。この林道は
上武生で一部フラットダートが残るものの全面舗装。基点と遡行終了点が離れているので、上武生でチャリンコをデポするが、詰め上がった時にチャリ を見つけやすい様に、安寺集落からの道との合流点から武生林道を少し登った辺りにデポする(概念図参照)。 基点は水府竜神ふるさと村の駐車場で も良いのだが、入渓点となる亀が淵に降りていく山道の入口付近の広い路側帯(武生神社の駐車場?)を利用した方が近い。ここではsoftbank携帯だと アンテナ1本しか立たない。 地形図の通りの位置に、”亀ヶ淵”と書かれた案内板が立っており降りていく。道は明瞭。降り切った所に竜神川の支流が流れており、この道が支流を 離れるところから沢に入り、本流との出合いまで下降していく。一箇所、深い釜を小さく左岸から高巻くとダム湖側から延びる道路が現れる。ここで、本流と 合流。。。
本流に入るとすぐに亀ヶ淵への入口。淵と言っても、いわゆるゴルジュで、入口には深い大釜を持った2mの小滝を落としている。泳げば簡単だが、3月に 泳ぎたくないので、高巻き以外に唯一可能性を見出せる右壁トラバースで取りつく。落ちたら全身ずぶ濡れの恐怖に慄きながら、微妙なバランスで取りつ きクリヤー。滝上は”れき岩”で囲まれたゴルジュ。以外にも水が非常に綺麗。ゴルジュ内は難所は無く、腰下を濡らす程度で突破可能。100m強続く このゴルジュを終了する。 この先、一旦河原状になるも、その区間は短く、すぐに”れき岩”の岩がゴロゴロ転がる様相に変化。これが竜神峡の主たる様相と言っていいだろう。 ただ、水量も多く様相も綺麗で、房総の沢と違い伐採で荒れた個所も無く高い山の無い”茨城の沢”と考えると、遡行感度は非常に良い。。。しばらく進む と地形図に記載された山道の横断点が現れる。ただ、どうもあまり使われていないようで、目印は多いものの、あまり使われていない印象。
ここから沢は滝こそないものの、大岩が織りなす様相から癒し系の河原、そして巨岩帯での岩潜り。そして突如と現れる淵と、標高差の無い沢にしては
感心しながら進んでいく。うまく場所を選べば腰下まで濡らす程度で高巻きせずに進んでいけるだろう。”南面の沢”+”葉が出ていない時期”という事も あり陽が差し込み明るいのも、プラスに作用している感じだ。。
深い釜も、両手両足ツッパリ等、技を駆使して腰を濡らさないよう水流通しで進むのは結構楽しい。今回、久しぶりにフェルトソールで来たが、”れき岩”のグリップは比較的効くので、ラバーソールで来れば、さらに快適に遡行できると思う。。。ナメ床も一部現れ、平坦だが飽きることはない。この先には足も
届かない様な大釜を持った小滝が現れる。通常は巻だろうが、右壁をへつって突破。さらに一箇所2mのかぶり気味の滝を左壁に打ち付けられた、 ピンを利用せず。水流右壁を直登。なかなか楽しいのである。。
かぶり気味の2m滝上は巨岩帯。これを縫うように上がっていくと、中間地点となる中武生への案内板が建てられた唯一のエスケープルート地点に到着 する。ここは右岸枝沢が入っており、この枝沢を詰めるのか、踏跡が伸びているのか確認しなかったが、他の記録を見ると40分弱で武生林道に出られる そうだ。時間は13時前・・・。問題無しと判断して、このまま本流遡行を続ける。 ここからは平凡な様相。深い釜を持った小滝をへつって突破した後、右岸から5m滝で入る枝沢。ここで、本流は右直角に曲がる。
すると両岸が切り立ってきた先に、大岩がズレ落ちた所に深い釜が行く手を阻む。ドップリ水に浸かれば何ら問題ないが、それは避けたいところ。
高巻くなら、少し戻って右岸大高巻きだろう。ここは右壁を少し登ってバンド状をトラバース・・・と思い取りついたが、この土バンドがゆるゆるで、踏み抜き そうな危険を伴うものだった。ホールドも甘いものしかなく、踏み抜いたり滑り落ちたりすれば、軽く怪我しそう。。。確認しながら慎重に歩を進めなんとか 灌木の上に立つことが出来た。ここからは懸垂するしかないが、長めのシュリンゲを多数繋げて沢床に最後は飛び降りて終了。一番の危険個所だった。 かなり運が左右するので、このルートは全く勧められない。 ここから先は、徐々におとなしい様相になっていく。ナメ床もまた現れてくる。途中、右岸に石積み壁を発見、かつて植林だったところが点在している模様。 ここで、雨が降り出してくる。それほど体を濡らすものでは無いが、丁度すぎ林が沢横に広がっていたので、2度目の焚火休憩で暖まった。この先で顕著な 右岸枝沢が4m滝で入る。今までに無い水量で入るので、地形図を確認すると340mで出合う右岸枝沢だと判明。 チャリンコデポ地はもう近い。
蛇行を繰り返す竜神峡も、ここから先は大きく左カーブを描くのみで、沢が西方向に伸びたところで、左岸に上がれば林道に出るはず。ただ、この先も淵 があったり岩盤が発達したところもあり、まだ見所は続く。沢が西に向かって伸びるようになった所で左岸から細い枝沢が入る。右岸側に1段上がって 左岸奥を覗くと、林道の法面のコンクリート壁が見えた。沢床から林道法面が見えるところは、終了点付近以外には無いので、ここで遡行を打ち切り左岸 枝沢を詰めて林道に出た。林道を歩く事2,3分でチャリデポ地に到着。まさにビンゴと言った感じ・・・。 チャリで基点に戻るが、安寺集落への道との合流点先から中武生に向けて残念ながら標高差100mを登らなくてはならないのが辛いところ。。。それでも、 歩くよりは圧倒的に早く25分で基点駐車スペースに戻ることが出来た。 P.S:標高の高い山の無い茨城の沢なので、ほとんど期待していなかったが、滝こそ無いものの、水が想像以上に綺麗でビックリ。れき岩のミニゴルジュや淵をへつったりして
進んでいけば意外と楽しいところです。頑張れば精々濡れても腰までで遡行可能。高巻きもするなら、腰も濡らさずに遡行できるので、春先や晩秋にはお勧めです。 ザイルは30mあれば十分。今回はフェルトでしたが、ラバーソールだともっと楽かも。初級者が複数いるパーティなら中武生で終了するのが良いでしょう。車は2台あると 便利です。 |