2015年3月21日 西上州 碓氷川本流

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:軽井沢
遡行図、概念図はこちら

碓氷川流域では墓場尻川が”穴場”と言う形で紹介されて久しいが、地形図を見るとその一本南側に地味に水線が描かれている沢筋が数年前から気になっていた。。。
地形図には沢名すら書かれていないが、これが碓氷川の本流と知るのは最近事だ。ここに掛かる”めがね橋”は観光スポットとして超有名なのに遡行記録はWEBでも見ず、
釣りの記録さえもなかなか見つからない。。。墓場尻川と平行に流れているだけに、似たような内容なのでは?と推察していたのだが、釣りの記録も無い沢なんて、
どんだけショボイんだ・・・? 高速に乗って行く価値があるのか・・・? と、若干ブルーな気持ちを持ちながら、3月だからまぁいいか・・・という事で調査遡行することにした。。


19:05発→20:35太田桐生通過→21:05伊勢崎IC→21:28甘楽PA、5:53同発→6:25めがね橋駐車場着
6:50基点P発→6:55入渓(竿だし遡行)→8:50 710m右岸枝沢出合→13:45 940m(3:2)二俣→14:45峠町(遡行終了)
→15:05旧中山道下降開始
→16:35めがね橋基点P

碓氷川本流の基点となる”めがね橋”を目指す。駐車場がここから400m程碓氷峠側に進んだところにあるので、ここに駐車。現在レストハウスを建設中。
この駐車場では山陰になるのかsoftbank携帯が使えないが、チョット車で移動すると繋がった。。。入渓点は旧国道から碓氷川本流右岸に伸びる林道
末端からでも良いが、駐車場から本流を覗いてみると、ちゃんと水が流れているので一安心。。。意外と渓相が良さそうなので、駐車場から50m程歩いた
所から強引に本流に降りる。降りた所は2段5m滝下でちょっと得した気分になる。今日は滝なんか無いだろうと、ナメて来た事もあり、寿命をとうに超えた
ツンツルテン・アクアステルスを履いてきたがやたら滑るので、タワシを早速使って超えた。滝上はナメ床が続く。確かに人工物は視界に入るが、ここを
切り捨てるのは勿体ないかも。
基点となるめがね橋駐車場
入渓してすぐの2段5m滝
滝上はナメ床が続く(カーソルあてて)

少し進むと、めがね橋が見えてくる。車道が邪魔だが、まぁこれは仕方ない。橋の下もずっとナメ床になっている。流域面積も狭い割にこれだけの水量があれば十分だ。雪解けシーズンだからか??? と言っても周囲見渡しても雪は全くない。めがね橋を潜ると、右岸には車道が伸びているようだが、入口が
ゲートで閉鎖されてるため、何も通らないのであまり気にならない。また、めがね橋より上流側には地形図には記載がないが、JRの軌道橋が上り下りで1本づつが掛かっている。ここを通過すると右岸車道の旧横断点(現在は跡形もない)、さらにそのすぐ先に小さな取水堰堤が現れる
碓氷川本流からのメガネ橋(カーソルあてて)
JRの橋を潜る
旧林道横断点から取水堰堤を見る

取水堰堤は、すぐ上に控える堰堤と共に左岸から小さく巻く。。。平凡な様相からナメ床が復活した先で2条3m滝。その上にある堰堤は両岸が切り立って
おり、少し手前から左岸を巻こうとしたら、踏跡を発見し、これを利用。”如何にも堰堤
”というのはこれが最終になる。  堰堤すぐ上は平凡だが、ナメ床は
すぐに復活。その先には小滝の3連瀑。「何もないかも・・・」と思っていただけに、結構嬉しい。3連瀑最後は5m程の滝で、難しくはないが、やたら滑るので
タワシで磨いて直登した。 
2条3m滝と最終堰堤(カーソルあてて)
ツルツルナメ床から3連瀑へ
3連瀑最後の5m滝

3連瀑上はナメ床が続く。東面の沢で、葉も全然無いので、朝日が明るく差し込み、気持ちが良い。魚影は無いが、この辺りから早速竿を出してみる。
アタリが無いまま、2条5m滝が出てきたので竿を背中に差して、水流右を直登。この滝もやたら滑るのでラバーソールだとタワシが無いと手も足も出ない
だろう。魚影を見ないまま、710mに位置する右岸枝沢に到着。水量は圧倒的に右の方が多い。ここで最初のアタリがきた!!!
イイ感じのナメが続きます(カーソルあてて)
ラバーソールだと難儀する2条5m
710m右岸枝沢
ここで右の本流に入ると左岸岩壁の先で小さな岩がひっかかった下を潜る。潜った先に3m滝が掛かるが、ここは小さく右岸を巻いて上がった。この上で
沢は平凡な落ち着いた様相となる。流域面積が狭い割には水量が豊富なのがうれしい。やはり魚影は見ないが、ここでまたアタリが来る。

本流に入る
小さな岩潜りと高巻いた3m滝(カーソルあてて)
水量は意外と豊富(カーソルあてて)
すると、小さな石積み堰堤が現れる。景観を大きく損ねるものではなく、何事も無く通過。さらにこの先にも右岸に人工的な石積みを見た。ここで4m滝を
超えると、左岸から枝沢。さらに2m、3mの連瀑を超えると、右岸から2連続で枝沢が入るのだが、4m、さらに奥の枝沢は13m程度の滝で入いっている。
夏場、葉が生い茂ると、こうは見えないかも・・・。この時期だからこそ見れる景観といったところか。。。
石積堰堤が出現
2m、3mの連瀑
右岸から2本の枝沢

ここで、焚火休憩して先に進む。。。小滝を越え左岸枝沢を見ると、6mの美しい滝! と思ったら石積の人工滝だった。なんで、こんな奥に・・・と言う感じ
だが、理由は不明。傾斜も寝ているので、そのまま直登する。人工滝上は平凡だが、少し進むと両岸がちょっと立ってきて5m滝。水流左から登る。すぐ上に控える2m滝を超えた先でまたナメ床が続くようになる。。。魚影はまれだが、この辺りにも居る様だ。残雪はこの辺りでちらっと眼にする程度だ。。。
すると、4mナメ滝が現れる。ツルツルだが水流右を直登出来る。
6m石積み人工滝
5m滝は水流左から
ナメ床から4mナメ滝へ(カーソルあてて)

さらにこの先もナメ床が続く。この先の8mナメは傾斜もゆるいが、ラバーソールだと難儀。。。すると顕著な二俣。地形図を見ると、ここが940mに位置する
二俣だと判明。水量比は(3:2)で左の方が多いので左に入る。しばらく平凡だが、2段6m滝が姿を現す。倒木を利用して直登。その上も3段ナメがあって
なかなかの物。
やたら滑る8mナメと残雪の程度(カーソルあてて)
940m(3:2)二俣を左に入る
2段6m滝と多段ナメ(カーソルあてて)

ここから先はナメ床も偶に現れるが、概ね平凡な様相が続く。水流が途切れないのが良い。テン場適地も最奥まで散見される。。。沢の進路が北寄りに
なってくると、突如前方にワサビ田と思われる物が現れ完全に進路を絶たれる。覗いてみると、近年まで利用されていたワサビ田の様だ。仕方ないので
右岸の小尾根に上がると、そこはすでに峠町の民家が見えている。このまま藪漕ぎも無く終了。ちなみに、ワサビ田の上流側には水神様を祭った碓氷川
本流水源の碑みたいな物があった。
平凡だが水はしっかり流れる
突如ワサビ田が現れ右岸小尾根に(カーソルあてて)
峠町に到着!

すると、自転車を載った学生が2人軽井沢方面からやってきた。京都と東京の学生との事。京都から日本橋まで旧中山道を走破する企画らしい。地形図
ではここから先、登山道表記になってるけど、自転車で走れるんだ!? 

少したってから、旧中山道を下るが、やっぱりすぐに登山道。しかも雪ついてるし・・・。その雪に足跡とロードバイクのタイヤの跡が走っている(笑) 
すると、やはり学生二人が立ち往生していた。
「どうしたの」
「みちが二手に分かれてて・・・」 
「地図持って無いの?」
「スマホのGPSで現在地は解るんですけどー地図が・・・。ちょっとナメてました(^^)ゞ」

地形図出して高度計を見せると高度計に驚いていた・・・(笑) チャリンコじゃ無理なんじゃね?と聞くと、今回走破が目的らしいので、んじゃ頑張ってもらう
しかない。。。
「ここで沢を横断して対岸に渡れば道があるね!」 と、二人を引っ張っていく。運動靴で小沢を横断してひぇ~ とか言ってるし。この先、道は明瞭そう、彼らは
そのまま自転車を押していくみたいなので先に行かせてもらう。中山道には当時の案内板などが複数建てられていて、そのなかに『一つ家跡』と言う場所
があって、”かつてここに老婆がいて旅人を苦しめたといわれている”と書かれてある。一体どんな意地悪ババアだったんだ!? この旧中山道、890m
付近で二手に分かれるが、めがね橋方面は立入禁止のテープが張られていて分岐は明瞭! もちろん歩いて下るには何ら問題なく。基点の”めがね橋”
に戻った。
旧中山道と自転車の学生
すでに笑うしかない・・・
立ち入り禁止を下っていく

P.S:流域面積も小さく、全く期待していなかったが、ナメ床が多く、隣の墓場尻川を穴場というなら、ここは”穴場の穴場”と言っていいだろう。
   葉が生い茂ると暗くなるかもしれないので、葉が落ちた後や、新芽の頃がこの沢のベストシーズンかもしれない。難所は無く沢ハイキング
   にはお勧め。イワナも釣れたし満足。。。ザイルは20mで足ります。ラバーソルだとタワシ持って行かないと小さな滝も登れないので注意。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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