2015年4月4日 西上州 南牧川 熊倉川

メンバー:ひろた、他1名
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、#0.4 靴:フェルト
地形図:十石峠
遡行図、概念図はこちら
あいにく週末予報が天気が悪く微妙な感じだったが、何とか西上州の天気が持ちそうだったので、土曜日帰りで、先週行った渋沢川の代案だった南牧川 熊倉川をチョイス。
この川には”象ヶ滝”という30mの滝が観光スポットとして地元PRサイトに掲載されている。今回、たまたま、「山スキーの予定が中止になった。。。」と、RURUさんから
連絡をもらって、ご一緒していただく事になった。


19:00自宅発→19:45小金井→20:45太田桐生通過→21:15太田藪塚IC→21:45甘楽PA、6:00同発→6:45熊倉川基点P
7:10基点P発→7:20象ヶ滝下→9:00象ヶ滝上→焚火休憩1時間含む11:30 900m(2:3)二俣→12:35 965m(1:2)二俣(右岸枝沢へ)
→13:40稜線→14:25余地峠→15:30基点P着


上信越自動車道、下仁田ICから県道93号線を進み、熊倉川沿いの道に入ると、簡易舗装路ではあるが、道幅は非常に狭くなるので注意、3ナンバー
サイズの車は奥まで入らない方が良いだろう。この道はゲート手前で唯一のUターン可能場所が駐車スペースを兼ねており、南牧村のサイトにも、ここに駐車場2台有と記載されているのだが、車を2台変な場所に停められてしまうと、Uターンが困難になるので注意が必要だ。携帯はsoftbank、Auでは圏外。

右岸につけられた林道を歩くとすぐに象ヶ滝の看板があるので、これを利用すると堰堤の上に出れる。堰堤上はベースを張ることも可能。我々は堰堤
下から入渓したものの、魚影は見ず。 歩き始めてから10分でハイライトの象ヶ滝が現れる。

駐車スペース兼 唯一の車両展開場所(カーソルあてて)
ここを入っていきます(カーソルあてて)
ハイライトの象ヶ滝が見えてくる。

象ヶ滝は落差30mとの事。概ね3段構成。最下段の水流の流れが象の鼻に見えるので、この名前が付けられたものと推察。2段目が被り気味なので、
直登は一見難しそう。高巻きはかなり戻って右岸の大高巻きになる。自分もWEBで見たときは まずムリそう と見ていたため、今回はフェルトソール。ただ
、RURUさんから「2段目ダメでも右から懸垂できる」とアドバイスをもらい、ならば2段目が、どの程度難しいのかザイルを出して登ってみることにした。1段目は、
水流右から取りつき、そのまま水流を通っていきたいところだったが、靴に自信が無く、右の土壁側に逃げるが、こちらも若干嫌らしい。ハーケンで支点を
取ってクリヤー。2段目は水流横断可能だが、そのまま水流右の方がホールドが多そう。。。飛沫はかなり掛かるが、4月にしては水温が高いが救い。
ただ、出だしの一歩が被っている。ガッチリ取れるホールドを取って、体を上げると、ガバッっと岩が取れてしまい1m弱だが落ちてしまう。幸い脛を擦った
程度なので再度トライするが、自分の技量では上がれず、ハーケンを打ち込みシュリンゲに足を掛けて、A0で這い上がる。この一歩が上がれれば、
あとは難しくない。2段目を終了するとザイル残り5mのコール。30mザイルだと全く届かない。ここから3段目は若干離れており、滝上に出れるのか判断
しかねるので、ザイルを外して固定、3段目を見に行く。水流左はムリそうだが右なら何とかなりそう。ハーケンの残り枚数と右岸側にある倒木が意外と
ガッチリ固定されていて、懸垂の支点になり得ることを確認して、アクアステルスを履いてるRURUさんに上がってきてもらう。ゴボウながら自分が足を掛け
て登ったシュリンゲも回収して、上がってきてくれた。ⅣA0 

象ヶ滝1段目、2段目ルート(カーソルあてて)
2段目は最初の1歩が核心(カーソルあてて)
RURUさんフォロー。

3段目も水流右から。ここもハーケンで支点が取れる。スタンスがあるがホールドが甘く、フェルトだと滑るので、RURUさんに、スタンスに乗せた足の踵を
壁に押し付けてもらい1段あがる。さらに70cmの段差を上がるのだがスタンスゼロで、水の衝撃をまともに受ける左手のホールド一つでこの段差をクリヤ
ーしないと滝上に出れない。既にずぶ濡れの中躊躇したが、体温を奪われたらますますヤバいので、左足をツッパリ気味に岩にあて、左手のガバ一個で
水の衝撃を頭から受けながらずり上がることが出来た。RURUさんは、水流を避け、ゴボウで上がってきてもらい象ヶ滝を終了。

象ヶ滝3段目
ここは右足の踵を抑えてもらった(クリックして)
3段目落ち口から

象ヶ滝上はまだゴルジュで、すぐに10m滝。象ヶ滝を高巻きすると懸垂で沢床に降りない限りこの滝は拝めない事になる。この10m滝はザイル出して
ラバーソールであれば水流通しで登れるかもしれない、ここはノーザイルで上がってみたが、落ち口下で断念して、途中から右巻きした。ゴルジュはまだ
続き、間髪入れずに、また10m滝。この滝はいろいろルートが取れ快適に上がれる。 これでゴルジュは終了。大分濡れたので、早速焚火休憩となる。


10m滝(カーソルあてて)
ここは断念・・・
ゴルジュ最後の10m滝

ここから先は癒し系の様相。ナメ床も結構有りイイ感じ。ただ、最初の象ヶ滝の影響か、魚影は全く見ないのが残念。突如現れる6m滝は真ん中か直登
可能。この少し先で左岸崩壊地。これを過ぎると、またナメ床が復活する。

癒し系の様相が続きます
6m滝は真ん中から
左岸崩壊地

ナメ床、ナメ滝を堪能すると、また突如9m滝が出現。ザイルは出したがホールド、スタンスは充分で、ザイルを引っ張ったまま滝上に出る。丁度滝上は
(2:3)の二俣になっている。地形図で確認すると、900m位置する右岸枝沢と判明。ここを右の本流を進むと右岸にテン場適地が広がっていた。。。
まぁ1泊する人は居ないと思うが・・・

イイ感じのナメ滝
9m滝は簡単。
右岸テン場適地

この先、935mで出合う(1:3)右岸枝沢を過ぎると、今までの様相からは想像もできない様な巨大な門の様なゴルジュが立ちはだかる。どうして、こんな様
になったかは不明。門の中に入ってみると、倒木を有した4m滝。ツッパリで上がって、倒木を跨いで上に出ると、岩壁に囲まれた異空間。大岩潜りの先に
間髪入れずに7m滝。スタンス、ホールド共に細かく、中間支点も取れそうも無い。右のルンゼに突破口を求め、ザイルを出して6mほど上がっては見たが
中間支点は取れず、岩も不安定な様相をしているので怖くなってクライムダウン。岩潜りを戻り、右岸にある細ルンゼに入って巻くが、最後はグズグズで、チョイト面倒。RURUさんにはお助け紐を出して上がってもらった。もう一個下流側の所から高巻いた方が安全かも。。。

門の様なゴルジュが立ちはだかる(カーソルあてて)
潜らなくてもいい岩潜り
7m滝はルンゼから取りつくが断念(カーソルあてて)

高巻き終えると平凡な様相。すぐに965mで出合う(1:2)の右岸枝沢。ここで右岸枝沢に入ると登山道が通る1337mピーク付近に出る。時間は12時半
過ぎ。少し本流に進んでみたが、平凡な様相が続く様だったので、965m右岸枝沢で稜線を目指す。水流はしっかりあるものの、滝は一つも無く全く平凡。
1160m付近に位置する二俣は左に入る。詰めは藪漕ぎ無で稜線に到着。だが、先週に引き続き、薄い獣道程度の道しかなく、赤布も無い。とりあえず
尾根筋を進む。ガスっているのでチョイト解りずらい。尾根を外さない様、磁石を見ながら進むと地形図には無い林道に出た。大きな方向間違いをしない
様にこの林道を利用したら余地峠に出て一安心。
965m(1:2)右岸枝沢に入る。(カーソルあてて)
稜線到着です。
林道に出ると余地峠は近い(カーソルあてて)

余地峠からは地形図の通りの場所に登山道では無く林道が付けられている。1080mまで下ると車道から離れ植林帯の尾根ルートを選択。序盤は道が
不明瞭だが、尾根を外さなければ次第に道は明瞭になるので問題ない。
1050mT字路。写真右から降りて、写真左に進みます
傾いているので今一つ解らない道標
基点まではもうすぐです。

P.S:熊倉川は最初の象ヶ滝を登るか巻くかで大きく内容が変わります。象ヶ滝を登らなければ、ほぼ癒し系で終了。直登すると、際どいシャワークライミングを体験できます。
   象ヶ滝を登るならザイル40mあった方が良く、ハーケンは最低5枚必要。カムはあまり使える場所が無いです。靴はラバーソールの方が良いです。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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