2015年4月18日 丹沢 中川川 湯ノ沢 七ノ沢→九ノ沢下降

メンバー:ひろた、他2名
装備、ザイル8mm×30m、50m×2 カム#0.5、#0.4&マイクロカム 靴:アクアステルス
地形図:中川
遡行図、概念図はこちら
西沢本棚沢をはじめとする、錚々たる大滝を何本も擁する中川川流域。こうした中で左岸の湯ノ沢、押ン出シ沢を遡行する者は少ないようだ。
『丹沢の谷
110ルート』によると上級と紹介されているので手ごたえがあるのだろう。今回、土日でこの二つの沢を調査遡行することにした。
今回、押ン出シ沢を紹介してくれた
hitomaruさんとそのクライミング仲間のnhさんとご一緒させていただく

13:30発→19:35五霞IC通過→19:50 R16交差点通過→20:27安行→20:55用賀(R246)→21:55厚木→22:55道の駅「山北」、6:45同発→7:05基点着
7:38基点発→8:35深田堰堤下→9:32四ノ沢出合(黒滝見物&焚き火休憩10:55六ノ沢/七ノ沢出合→13:15七ノ沢F1
14:40稜線着→15:05 845mピーク着(九ノ沢下降開始→17:40本流出合→18:05基点P


湯ノ沢の基点とならる中川温泉を目指す。中川川、湯ノ沢にかかる橋を渡ると堰堤横に広い駐車スペースがあるので、ここにクルマを駐車。
ここでは
softbank携帯も繋がる。堰堤上は広河原になっておりベースを張るにはお勧めの場所となっていた。広河原を進むと右岸から顕著な
水量の7m滝が入る。これが
ニノ沢。その上の堰堤は右岸巻き。

堰堤横の広い駐車場(無料)
ベースにはお勧め。携帯も繋がる
二ノ沢と本流の堰堤(カーソルあてて)

さらに出てくる2段堰堤は水流右側から上って越えた。この辺りまでは左岸に薄い作業道が沢床から20mほどの高さを通っている。2段堰堤先
を越えた先で右岸崩壊地を見るとこれが三ノ沢との事
。この先3m滝を越えるとゴルジュ風になり左岸から十二ノ沢が合流。
2段堰堤は右壁を直登(カーソルあてて)
2段堰堤上の様相とザレた三ノ沢(カーソルあてて)
3m滝を超えると左岸から十二ノ沢(カーソルあてて)

本流は左に屈曲すると
小滝を下に携えた
“深田堰堤“と名づけられた堰堤の登場。右岸に巻き道もあるがザイルを出して水流左をnhさんが
直登。ハーケンで2箇所ほど支点を取って上がってくれた。残置ハーケンもあり。

 深田堰堤上はまた広河原状。大きな二俣様相となっており、右が十・十一ノ沢となっている。水流は左の方が多いのでそのまま左の本流を
進むと、今度は左岸から
九ノ沢が出合う。 九ノ沢を覗くと水流で刳り抜かれた堰堤が見えるので、これが目印。
深田堰堤を登る(カーソルあてて)
十・十一ノ沢出合
九ノ沢出合(カーソルあてて)

本流を進むと左岸から八ノ沢。奥に230m滝が控えているので見に行く。本流に戻るとまた左岸から3m滝水を落とす枝沢。これは七ノ沢
ではなく無名沢なので注意
この辺りは地形図で読むのは難しい。。。少し進むと顕著な二俣。左側が
四ノ沢となる。四ノ沢奥には”黒滝”
と名づけられた
40m滝があり、遠くに見えているので見に行く。黒滝は直登不可能。割りと見栄えはするが、水量が多ければかなりなものだ
と思う。

八ノ沢出合と 2段30m滝(カーソルあてて)
左岸無名沢と四ノ沢出合(カーソルあてて)
四ノ沢の40m黒滝(カーソルあてて)

引き返して本流に入ると一転ナメ床状。途中焚き火休憩を挟み進んで行くと右岸から五ノ沢。ここも奥に30m級の滝を携えている様だ。
2m滝を越えると、
六ノ沢/七ノ沢が出合う二俣になる。どちらも滝を掛けており、計画している本流筋の七ノ沢は25m滝となっており、直登
不可能。六ノ沢に掛かる
6m滝、8m滝を越えてトラバースを掛けるしか七ノ沢には行けない感じ。

本流に戻るとナメ床に(カーソルあてて)
五ノ沢出合
六ノ沢/七ノ沢出合

六ノ沢の6mは細かいスタンスやホールドを拾ってフリーで直登、後続にザイルを出して上がってきてもらう。この上の8m滝は左右どちら
からも登れそうに見えたので、水流右側にザイルを出して取り付くと、岩が脆く見た目以上に悪い。脆いガバを取り除き、
nhさんのマイクロ
カムで支点を取って
5m程上がるが、立ち込んでいた、スタンスが脆く、崩れる感触が足に伝わり断念。急いでクライムダウン。途中から
ルートを水流左側に移し、再び
6m程上がるが、上部がノッペリしており良いホールドが無く断念。何とかハーケン1枚打ってセルフを取り、
hitomaru
さんに巻き上がってザイルを上から出してもらう事にして、hitomaruさんが水流右のザレリッジに取り付いたが、ソコからも上に
上がれない様なので、仕方なくセルフを取っていたハーケンで、ロワーダウンすることに。。。しかし、このハーケンの利きが甘く抜けて
しまい、下に取ったカムもハズレ、危うくグランドフォールかと思ったら、一番下でハーケン
2枚打ちで取った支点が利いてくれて止まって
くれた。

六ノ沢 下段6m上からザイルを投げる
六ノ沢 上段8m滝は脆く、右ルートはここで断念
左ルートもここで行き詰る。

こうなると高巻きルートは右岸側に求めるしかなく、ルートを探る。倒木が意外と安定しており1段上がれた。ここからザレたバンドを利用し
て落ち口ジャストに出たが、いまひとつ悪いので、小尾根から大きめに高巻いたほうが良いかも。。
8m滝上に出ると、六ノ沢にも50m級の
大滝が掛かっていた。これも
直登は
難しいだろう。8m滝上から、七ノ沢に向かってトラバースを掛ける。特に問題無いが、沢慣れしていない二人には
ザイルを出して懸垂で沢床に降りてもらった。

上段は右岸を小さく巻くが若干悪い(カーソルあてて)
六ノ沢50m大滝
六ノ沢から七ノ沢へのトラバース

七ノ沢は概ねナメ床チック。この先、小滝は出てくるが、特に問題ない。nhさんは気合で。hitomaruさんにはお助け紐を出して登ってきてもらう。沢は次第
にV字ゴルジュの様相を呈してくる。
2段10m滝は下段は容易。上段は細かいスタンスを拾えれば特に問題ないだろう。右岸から二本程細い沢筋が入る
がすべて進路は左に取った。
自分は右からフリクションで突破
逃げ道のないV字ゴルジュへ
2段10m滝(カーソルあてて)

水も枯れてくるとゴルジュ内はザレ沢になる。尾根に逃げたくても上がれる地形では無く。地形図とは大分異なった様相だ。沢床の傾斜も徐々に立ってくる
が、相変わらず逃げ場はなく、悪いザレの急登でなんとか稜線に立つことが出来た。

小滝は点在
最後まで逃げ場はありません
詰めも悪い。

時間は既に14時半過ぎ。地形図を見て一番早く戻れそうな九ノ沢で下ろうとなり、845mピークを目指す。ここから小尾根を伝って下降開始するが、急下降
となり、そのままザレの下降になる。傾斜もどんどん強くなり、50mザイルで1回、さらに50mザイル2本繋げて懸垂し、九ノ沢に降り立つことが出来た。
この下降だが、弱点は全く見出せないので、40mザイルは2本要るだろう。降り立った九ノ沢は涸れ沢だが両岸側壁の切り立つ物凄いゴルジュになって
おり、地形図からは全く予想しえない。
845mピーク
1回目の懸垂と2回目の懸垂(カーソルあてて)
九ノ沢ゴルジュ(カーソルあてて)

幸い滝は目だったものは無く8mナメを懸垂で1回降りる、すると、その先に大滝が現れてしまう。左岸のザレた先に灌木があり、私がリードしてお助け紐で
2人に来てもらい、ここも50mザイル2本繋げての懸垂となる。。。滝は
25mの直瀑で水流に沿っての垂直懸垂だ。さらに8m滝があり、30mザイルを事前に
セットしココも懸垂。さらに堰堤も懸垂して、来る時に見たくり抜かれた堰堤を潜ってようやく本流と合流。
8mナメ滝の懸垂
大滝の懸垂(クリックして)
8m滝の懸垂

深田堰堤は右岸踏跡を利用して簡単に巻いて降り、その先の堰堤からは左岸踏跡で時間短縮。基点駐車場に着いたのは18時過ぎだった。急いで
薪集めして、ベースを張った。。。

左岸作業道でショートカット
広河原に戻ってくる
ベースでのんびり。。。

P.S:湯ノ沢は複雑に枝沢を持ち、さらに各枝沢に大滝を擁する特徴的な沢だ。大滝は巻けるが、簡単な巻きではなく、詰めも厳しいので、上まで詰める場合、
   決して初級の沢では無い。岩は脆いので、下から見て安易に取りつくと、痛い目に遭うかもしれない。地形図から想像できない側壁やゴルジュを持つので、
   沢で下降する場合は40m以上のザイル2本は用意した方が良いだろう。靴はラバーソールがお勧め。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


inserted by FC2 system