2016年3月5日 秋川流域 養沢川大岳沢 鈴ヶ尾沢+(鍋割沢)

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5 靴:アクアステルス
地形図:武蔵御岳
遡行図、概念図はこちら

奥多摩では、まだ踏み入れた事の無い秋川流域の養沢川に行ってみる。今回は養沢川の最大支流の大岳川の鈴ヶ尾沢をチョイス。ただ、これだけでは短いので、
記録の無い鍋割沢も遡行してみることにした。


3:40自宅発→4:40久喜IC通過→5:33新狭山駅通過→6:20武蔵五日市→6:40林道終点着
7:00基点発→7:05鈴ヶ尾沢出合→7:15障子岩窪出合→10:40稜線着→11:20基点P(鍋割沢へ)
→11:50 650m(1:1)二俣→12:10 右俣遡行打切り→12:25 左俣遡行打切り→13:30基点P

14:10出発→16:00川越IC(圏央道)→16:30五霞IC→17:35自宅着
2015年秋に圏央道が東北自動車道まで繋がり、新4号バイパス五霞ICが出来た事で格段に奥多摩へはアプローチが楽になったが、高速料金が非常に
高いため、往路は下道で行くことにした。大岳沢沿いの林道に入るとsoftbank携帯は圏外。道は細いが、簡易舗装&フラットダートで通常の2WD車で
問題なく入れる。林道は地形図の通り高度575mまで続いており、ここに6~7台駐車可能なスペースがある。ここは大岳山への登山口にもなるが、花粉
症の時期なのか、登山口には私の車だけ。
ちなみに、帰りに養沢川本流沿いの林道も車で走ってみたが、600mまで車が入れ、10台くらいの駐車スペースがあることを補足しておく

歩き始めてすぐに大岳沢と鍋割沢の分岐。水量比は(2:1)で大岳沢の方が多い。鍋割沢沿いにも作業道が伸びている。この少し先で鈴ヶ尾沢の出合
ココも水量比は(1:2)。鈴ヶ尾沢は藪っぽいが入ってみる。なんと魚影があったのにはビックリ。
大岳沢林道終点
大岳沢(左)/鍋割沢出合
鈴ヶ尾沢(左)/大岳沢出合

平凡な様相を進むと10分程度で右岸から障子岩窪が出合う。ここも水量比(1:2)で鈴ヶ尾沢の方が多い。ここを鈴ヶ尾沢に入ると3m滝、2m滝と小滝が
現れる。敢えて難しいラインで登るが岩は滑りやすい。すると両岸切り立った所に4m滝を掛けている。ザックに水が掛かりながら水流右を登る。滝上で
雪を見たが遡行に全く影響を与えない程度だった。
障子岩窪出合
3m滝
ゴルジュ内4m滝

右岸から大きな滝が入るのが見えたので枝沢の滝かと思ったら、どうもこちらが本流の様だ。8m滝・・・登れるかどうか微妙だが、水流左から取りついて
みる。バンドに見える部分は右に横断できず。さらに水流左を1段上がるが、ハーケンやカムがガッチリ利きそうな場所も無さそうで、フリーでは直上は
ムリ。慎重にクライムダウンして、今度は水流右に取りつくもやはりムリで一番小さく巻けるラインで挑むがルンゼに詰まった土にハンマーでステップを作り
ながら渋い登りになる。滝の高さまで上がってようやく灌木に手が届き一安心。8m滝の上には3m、2m、3mナメと多段連瀑が続いており、上二つを登る。
8m滝(カーソルあてて)
右から巻くが悪い(カーソルあてて)
8m滝上の様相(カーソルあてて)

この先、少し進むと再び大滝が目に飛び込む。15mの直瀑で、これは全く持って登れない。右岸、左岸どちらでも巻けそうだが、右岸を選択。極力小さく
巻くと、落ち口ジャストに降りれ、すぐに控える6mナメ滝下に出れる。このナメ滝は、水流左から取りついてから、水流右に移動。1ポイント渋めの所が
あったので途中ハーケンを1枚打ってセルフを取って、核心の1歩をあがってCSに手が届き上がれた。滝上はナメ床状になっている。

15m滝は右岸を巻く
15m滝上の6ナメ
滝上はナメ

この先、3m、5mを超えると、2段15m滝が現れる。鈴ヶ尾沢に掛かる三つの大滝で一番直登の可能性が高い滝だ。下段は水流右で、滑りやすいが簡単
に登って行ける。問題はここから、2段目の取りつきは良いホールドが無く、この時期飛沫を浴びながらホールドスタンスを探すのは難儀。一旦水流を横断
して左壁のルンゼに取りついたが、岩の脆さもあり2m上がった所で断念。渋いクライムダウンの練習となってしまい結局右岸を高巻く。。。ザイルを出して
行けば水流右が登れるかもしれない・・・?
5m滝は水流右を登る
2段25m(カーソルあてて)
大滝中段から・・・

大滝を超えると滝場は終了。平凡な様相に変化し焚火休憩。。。この先で沢筋は二手に別れる。地形図をみると835m付近に位置する二俣だ。ここを
左に進路を取る。3m小滝を超えると、また二手に別れるが、ここは下山道が近い右を選択した。920m付近で水涸れ。このまま藪漕ぎ無で稜線登山道に
到着。時間はまだ11時前。今日はもう一本遡行するので、休憩無しで、大岳沢沿いを通る登山道を利用し、基点に戻る。
835m付近の二俣を左に入る
最後の3m滝
最後の詰めから稜線へ

登山道から見る大岳沢は明るい感じの平凡な様相が続いていた。東京の沢にしては意外と魚影が多いのにびっくり。地形図にも記載のある大滝は20m
ほどの立派な物で、登山道から拝むことが出来る。滝下で一人の釣師と遭遇。「どうですか?」って言葉を掛けたら手を横に振っていた。

”大岳鍾乳洞”への登山道で下る
大岳沢本流に付けられた登山道
大岳沢の大滝

下山開始してから、40分で基点到着。このまま鍋割沢の遡行に向かう。鍋割沢左岸にも作業道が付けられており、これを嫌って沢床に降りたものの沢は
全体的に藪がうるさく、遡行意欲は湧かず作業道にまた上がって進む。650mにある(1:1)二俣に来ると右俣に10m滝が掛かっていた。作業道は左俣に
付けられていたので、ここは右俣を選択して10m滝の直登を試みる。水流右から取り付き、水流を横断して左に移動そのまま登って行くが、最後草付1m
区間が嫌らしく、シュリンゲを投げ灌木に巻き付かせてラストの1歩をA0でクリヤーした。。。水流右でもザイルを出し手の登攀なら可能性もあるだろう。
藪がうるさい鍋割沢
鍋割沢650m(1:1)二俣
右俣に掛かる10m滝(カーソルあてて)

10m滝上は3m滝があり、これを超えると、やはり藪っぽく、その後伐採した木が沢を埋め尽くすような様相が続いていたので、右俣の遡行を打ち切って
中間尾根を跨いで左俣に移動する事にした。。。中間尾根は低く、簡単に左俣に移動は出来たものの、左俣も藪っぽい様相は変わらない。高度計読み
で720mまで進んでみたが、藪沢のままなので左俣の遡行も打ち切り引き返した。どうりでWEBに鍋割沢の記録が無いのかが、これで解った次第。。。(涙)
右俣3m滝
右俣はここで打ち切り
左俣も藪藪で引返した・・・

P.S:鈴ヶ尾沢は短い沢だが、3つの大滝があり、春先や晩秋に半日で楽しむ沢としてお勧め。大滝のどれかを登ることが出来れば、より充実するかも。
  大滝を登るのなら、ハーケンや40mザイルを用意した方が良いでしょう。残置類は一切ない。鈴ヶ尾沢を遡行して、帰りがけ大岳沢で竿を出してみるのも
  良いかもしれません。一方、鍋割沢は藪沢で残念ながら遡行対象の沢では無いのが残念でした。。。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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