2016年3月20日 南紀 熊野川 立間戸谷

メンバー:河田さん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5 靴:アクアステルス
地形図:大里
遡行図、概念図はこちら

南紀ツアー二日目。。。昨晩のうちに鈴鹿から南紀まで移動。今日は、熊野川 立間戸谷(たちまどたに)。その名の通り、戸を立てたような岩壁を随所に持つ南紀屈指の大渓谷との事で、
この辺りでは一押しの沢らしい。今日は大阪から河田さんが合流してくれ、二人での遡行となる。彼はこの沢を遡行するのは10年ぶりとのこと。。。。


18:30伊勢関IC→20:30新宮→20:50道の駅 瀞峡街道熊野川着
7:07基点発→7:45源助滝下→8:25テン場適地から再入渓→8:35 7mナメ下(屏風滝往復)→10:55植林小屋→11:30 615m奥ノ二俣
→12:05林道→12:15子ノ泊山山頂、12:35下山開始→13:35植林小屋→15:25基点P着


河田さんとの集合は道の駅「瀞峡街道熊野川」。ここから熊野川本流を挟んで北東方向に延びる沢筋が立間戸谷になる。立間戸谷を横断する橋の
両側に駐車スペースあり。携帯も繋がるのが便利だ。この辺りは2011年9月の豪雨で大きな被害が出た所だ。橋から見る立間戸谷は荒れていたが、
豪雨の影響からだろうか。。。立間戸谷右岸側に子ノ泊山への登山口があり、ここに登山届を出すポストでは無く、登山道を示した地形図が用意されて
いたので1枚いただく事にした。
ここから不明瞭気味な登山道を利用して、源助滝が見えるところまで歩いていく。まぁ最初に沢を横断するところから入渓しても良いが、巨岩帯ゴーロなの
で時間はそれなりに掛かりそう。
立間戸谷左岸側の路側帯に駐車
登山口に下山路が書かれた地図が用意されている
沢を横断するところから見た巨岩帯ゴーロ

登山道を歩いていくと沢筋が緩やかに右カーブするところに源助滝2段30mが遠目に見える。折角なので登山道を離れ見に行く。ノッペリ岩を落ちる滝
でこれを超えるには水流左の灌木帯を利用するしかない。ここから始まるゴルジュに興味があったのだが、河田さんの同意が得られず断念して、右岸登山道で大きく高巻く事にする。他の記録を観る限りでは、このゴルジュ突破はカナリ厳しい様だが。どの記録もゴルジュ内の写真が掲載されていないのが残念だ。
ちなみに、2011年の豪雨で大きく様相が変わったのはここまで、これより上流は大きな変化が見られないとの事。
源助滝が見えてくる
源助滝を登るならここから
右岸で大高巻き(カーソルあてて)

概ね明瞭な登山道を上がって行くと。沢沿いのテン場適地に出て、ここから再入渓。少し行くと二俣となり、右から7mナメで入る沢筋が本流との事。ここに
荷物をデポして屏風滝を見に行く。3分ほど進むと天から水を落とすような大滝が現れた! 「すげーな!」 と言う言葉しか出ない。落差70mと言われる
屏風滝と右岸側壁はお見事と言う他ない。
”テントサイト”と呼ばれる所から再入渓
右から7mナメで入る沢筋が本流
屏風滝70m(クリックして)

本流出合まで戻り入口の7mナメ滝を巻いて上がるとすぐに60m牛鬼滝に出る。この滝は水流右の階段状スラブから登れそうだったので、行けるところ
まで行ってみることにする。河田さんにも声を掛けたが河田さんは右から巻くとの事。。。 45m位まで快調に上がって行き、ここから落ち口を見ると、落ち
口直下のワンポイントが立っている模様。ここで河田さんが「ザックごと預かりますよ!上からザイル出しますんで♪」と言ってくれたので、お言葉に甘え、ここから
空荷で落ち口に向かって斜上する。階段状は落ち口直下まで続き、ここまでⅢ級レベル。落ち口直下から2m弱の壁があり、右に斜上トラバースして抜け
るのだだ、このトラバースの1,2歩が嫌らしい。幸いボルトがイイところに打ってあるので、これに長めのシュリンゲを繋げれば、単独でも何とかなりそう。
ただ、河田さんが上からロープ投げてくれるという事なので、ムリせずチョット待つことに・・・。河田さんが左岸灌木帯まで出てきてくれた私との距離は7m程度。。ロープを投げてくれ一発でキャッチし、トラバース開始する。手置掛けた岩が動くので下に落とすと良いホールドは無くなったが、岩の隙間に手が掛かり一安心。スタンスもグリップしてくれ、トラバース成功。落ち口上に上がることが出来た。Ⅳ- 
ちなみに落ち口直下で水流を左に横断することも可能なので、右がヤバかったら左に行ってみるのも良いかも(水流左は未確認ですが。。。)
60m牛鬼滝
右から登ります(カーソルあてて)
落ち口直下へ(カーソルあてて)

牛鬼滝から、このまま水流通しで抜けられる事も可能だが、ザックも灌木帯にあるので、二人で左岸から巻いて沢床に戻る。戻った所は極上のナメ床。
すぐに12mナメ滝が現れ、水流右の苔の生えたラインで挑むが、思いの外グリップが利かずすぐに灌木帯側に逃げて高巻いた。滝上のナメを少し進むと
またもや大滝。30m位あろうか・・・これも手が出ず左岸巻き。。。切り立った壁が続いているが、手前側から20m程登って落ち口側にトラバースしていくと、
弱点が見つかって灌木を拾いながら壁上に出れた。
牛鬼滝上の様相(ここは左岸を巻いた)
極上ナメから12mナメ(カーソルあてて)
30m滝も左岸巻き

さらにこの先で、バックに柱状節理の壁を持った、スダレ状15m滝が登場。ここも左岸を巻く。その上の7mナメは傾斜が緩く水流右の乾いている所を、
ラバーソールのグリップを生かして登って行くことが出来た。滝上のナメ床を進むと25m滝が現れる。一見右岸巻きかと思うが、河田さんが、ここは左岸
巻きがイイと言う。上がってみると、展望リッジになり、入渓点の熊野川本流が望めて確かにお勧めだった♪
柱状節理の壁を持ったスダレ状15m
7mナメ(カーソルあてて)
25m滝は左岸リッジで巻く(カーソルあてて)

25m滝上の釜を持った4m滝も一緒に巻くと、明るいナメ床が続き、植林小屋が左岸に見えてくる。。。ここ520mに位置する(1:1)二俣を右に入る。
ナメ床はこの少し先で終了。長く平凡な様相になる。山頂付近に林道も通っているので、魚影を期待したが全く見なかった。持って行った『関西基点沢登り
ルート100』の2004年当時の遡行図によるとこの辺りも長いナメと記載されていたが、2011年豪雨の影響かここは完全に埋まってしまった様だ。
しばらく進むと、(2:1)二俣が現れる。地形図を見ると610m~620mの間で三俣の様に見えるところだ。ここは実際には二俣が二つ続くような感じになって
いる(遡行図参照)。ここは(2:1)二俣を左に。するとすぐ伏流っぽい沢筋が左が入るのでここを右に進む。そうしたら”奥ノ二俣”と呼ばれるナメ床どうしが
ぶつかった(1:1)二俣が出てくるようになっている。
ナメ床が続いた先に植林小屋(カーソルあてて)
608mに位置する(2:1)二俣を左に入る
ナメ床で出合う奥ノ二俣

ここからナメ床が長~く続く。この長いナメが終わると水も枯れ気味になりボサって来るので右岸に上がると山頂直下の林道も近い。林道に出て少し歩くと
子ノ泊山(ねのとまりやま)山頂に到着。何ともにぎやかな山頂でかなり有名みたい。山頂からは海が見え携帯も繋がる。
長くナメが続く(カーソルあてて)
キャタピラ車しか通れない様な林道に出る***
登頂をネズミが喜んでくれる!

さて下山だが、登山口で入手した地図(下山路概念図参照)の通りに降りてみる。。。登って来た林道を少し下り地図の通りに道が屈曲した所を探すと、目印
は無いが、確かに踏跡が伸びているので下って行くと、地図の通りに記載された番号が書かれた案内板が立っていた。。。”13”・・・”12”・・・”11”・・・と
不明瞭な道とポツポツ程度に現れる赤テープをたどりながら下って行くと植林小屋まで降りて来れた。ここから”9”・・・”8”・・・と辿れたが、この先道が
不明瞭になってしまい。急降下の灌木下りを強いられる。すると”7”を飛ばして”6”の案内板を発見! ここまでくれば、あとは本流を対岸に渡れば再入渓
したテン場適地になる。この先は大方迷う所は無く無事基点に戻ることが出来た。
お風呂は河田さんお勧めのわたらせ温泉に入る。
”12”の看板
植林小屋まで戻ってきました。
”6”を過ぎればあとは容易

P.S:標高差1000m満たない沢にもかかわらず、幾つもの大滝とナメ。2011年の豪雨の影響も小さく、一押しの沢と言うのも うなづける内容でした。
  さらに源助滝からのゴルジュを突破すれば、かなり濃い内容となると思います。大滝は登れる/登れないがハッキリしており、巻きは容易。
  牛鬼滝は登りました がザイルは30m一本でも足りるでしょう。靴はラバーソールがお勧め。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)
下山路概念図(クリックして) 


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