2016年3月22日 南紀 高田川 内鹿野谷

メンバー:単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:アクアステルス
地形図:新宮、大里
遡行図、概念図はこちら

南紀ツアー4日目。。。幸いに3連続快晴で今日も晴れ。パートナーは昨日の栂谷でお疲れ模様だが、”せっかくなので・・・”と言ってくれた事もあり、単独で内鹿野谷(うちがのたに)に
行くことにした。昨日の栂谷より長く、途中に大滝があるらしいが、今回も予習は少な目で、何が出て来るかは行ってからのお楽しみと言う状況。。。また、この沢・・・定石下山ルート
を取ると、遡行開始ポイントからかなり離れた地点に降りてしまう様で、今回はパートナーの方に迎えに来てもらうという策で計画を立てさせていただいた。


6:30水車小屋(基点)発→7:30ナマズ口の滝(入渓点)→8:30一ッ落ノ滝下→10:00栂ノ戸滝上→11:10 510m二俣(左俣に入る)
→12:30稜線登山道→12:50白見山、13:00下山開始→13:45 510m二俣→13:50口高田へ繋がる左岸導水路入口→14:45口高田林道
→15:05口高田
会館前

前日の栂谷の遡行後、西ノ谷の左岸林道終点Pに車を停め焚火をする。車から非常に近い所で焚火が出来るのでベースとするにはお勧めの場所だ。
朝食をここで済ませ、内鹿野谷の基点となる水車小屋を目指す。ここは車が10台ほど止められるスペースがある。下山は口高田となり、そこから歩いて
戻るのは遠いので、口高田側にチャリンコをデポしておくと、ほぼ下りで水車小屋まで戻ってこられるので非常に便利なはず。お陰様で今回はその労力が
無いのがうれしい。
水車小屋から”出合の滝”と書かれた案内板を頼りに西高田の集落を抜け遊歩道を歩いて入渓点に向かう。。。
西ノ谷左岸林道終点で朝食
基点となる水車小屋
”出合の滝”案内板に従い遊歩道へ

遊歩道から見える内鹿野谷は平凡で、魚影も見えない。日帰りで遡行するなら、ここは遊歩道をそのまま出合の滝まで歩いた方が賢明だろう。途中
”フケの淵”、”ヨキトリ淵”と案内板が立っているがスゴイ!という内容では無かった。水車小屋から1時間ほど遊歩道を歩くとナマズ口の滝と書かれた
3m滝が現れここから入渓する。ここから出合の滝も奥に見えている。出合の滝は10mは水流右を灌木を交えながら登って行ったら落ち口横に太い
ロープが付けられていた。
遊歩道から見る内鹿野谷&ヨキトリ淵(カーソルあてて)
ナマズ口の滝と出合の滝
10m出合の滝は右から(カーソルあてて)

出合の滝上はナメ床。少し行くと右岸から水越谷が入る。水量比は(2:3)。ここを右に入って沢が左に曲がると15m滝。これも右の灌木帯を交え登って
行ったらロープが落ち口横にぶら下がっていた。まぁこれを使わなくても上に登れるでしょう。
この滝上にはトイ状に水を流す特徴的なナメがある。
 
右岸から水越谷が入る
15mナメ滝(カーソルあてて)
トイ状ナメ

この先ゴーロ状になった所で左岸から15m滝で入る枝沢があり、インゼル、岩潜り・・・と進んでいくと9m滝が現れる。なんかその奥に大滝が木々の中
から顔を出しているのも見えた。9m滝は右から取りつき、1枚岩に刻まれた細バンドを繋ぎ合わせて登って行ける。9m滝すぐ上に深い釜を持った3m滝
隠れており、これは右から小さく巻いて超えた。

左岸から15m滝で入る枝沢
9m滝は右壁で登る(カーソルあてて)
9m滝上に隠れる3m滝

すると先ほどチラッと見えていた大滝が全貌を表す”一ッ落ノ滝”と名付けられた40m滝・・・。圧倒的な高さにしばし見とれる・・・。結構立っている滝で、
左岸巻を選択。小さく巻いて落ち口ジャストに降りれば懸垂せずに沢床に降りれる。。。すると、”一ッ落ノ滝”の上にもう一つ大滝を発見! この滝は
”栂ノ戸滝”と名付けられた40m滝。先ほどの一ッ落ノ滝に比べるとチョット荒々しい雰囲気を醸し出していた。
一ッ落ノ滝40m
一ッ落ノ滝40m落ち口から
栂ノ戸滝40m

栂ノ滝はよく見るとロープ出してシャワーを浴びる覚悟だったら下部は直登出来る可能性あり。単独でも手前左岸から取り付いて、滝に向かってトラバース
していき、中段から先は灌木帯を掴みながら水線脇を直登出来ると判断。右壁から取りついてみる。片足ギリのバンド幅の箇所もあったが、下から偵察
した通りトラバース出来て下段は終了。ロープ出せばここから水線沿いに灌木に支点取りながら直登出来そうだが、ムリせずほんの少し灌木帯の中に入
って上がれる所まで上がって行く。すると3m位の壁に阻まれる水流側に出ればこの壁の高さは低くなるのだが、ギリまで水流が勢いよく落ちているので単
独では厳しい。ここから見る限り、この1ポイントが上がれれば藪漕ぎチックにはなれど、水流沿いに落ち口まで上がって行けそうだ。 今回は潔く断念し、
このポイントから高巻きに入る。チョット確認できなかったが、中段辺りで水流左に横断出来れば、上段は乾いた壁を快適に登って行けそうな気もする。
栂ノ戸滝ルート(カーソルあてて)
トラバースした右壁(カーソルあてて)
この先水流右は壁に阻まれる(カーソルあてて)

高巻きを極力小さく巻いていくと落ち口から10mほど先の位置で沢床に降りれた。早速上から落ち口を見に行くと、左岸側水流沿いに伸びている灌木帯
バンドは幅50cm程度で落ち口まで続いており、先ほどのワンポイントが登れれば藪漕ぎっぽくなるが上まで出れる可能性が高まった。

栂ノ戸滝上には5mスダレ状と小ナメ滝があり、この先で平凡な様相に変化。チョット竿を出してみるが魚影も見ないし当たりも無いのですぐしまう。
しばらく進むと左岸側に石垣が続いていた。どうもこれが下山道の様だ。
栂ノ戸滝落ち口
5mスダレと小ナメ滝(カーソルあてて)
左岸下山道付近で竿だし→魚居ない

さらに進むと510mに位置する左俣・右俣出合。水量比は(1:1)。先人のトポによると内容は左俣の方が良い様だ。一応右俣も行ってみたが少し行くと伏
流になリ引き返す。左俣は20m進むと右岸から枝沢が入る。。。と、思ったらこの枝沢が左俣で、真っ直ぐ進むと50mほど先で伏流になってしまった。左俣
に移動して進むと急にナメ滝が現れ、ここからナメ床が続くようになる。途中10mナメ滝など、1つ二つナメ滝があり楽しめる。
ゴーロで出合う510m二俣
左俣を進むとまたナメとなる
10mナメは水流左沿いで直登

途中、2条のナメ滝が現れると思ったら二俣の出合となっていた。高度計で確認すると、どうやらここが630mに位置する奥ノ二俣の様だ。真っ直ぐ伸びる
左俣はさらに長いナメを有している。右俣は若干荒れ気味で奥に8m滝を掛けていた。ここは右を選択。8m滝は右から簡単に登れる。すると、ここから右
俣も階段状のナメ床が続いていた。この先も終了かと思いきや4m、6m9m涸滝と滝が出てくる。9m滝は右岸を巻いたが急こう配の土壁で意外と悪い。
この滝を上がれば滝は終了。2、3沢筋が判れるが、概ね何処を詰めても変わらない。
630m奥ノ二俣から左俣
右俣も8m滝上から階段状ナメ
6m滝と9m涸滝(カーソルあてて)

藪漕ぎ無で上がって行くと稜線に飛び出る。地形図に登山道の記号は無いが、明瞭な踏跡が白見山まで続いている。稜線に出ればsoftbank携帯は繋が
る。20分程度あるいて白見山山頂に到着♪

さて下山だが、白見山から東に伸びる尾根を715mの鞍部まで降りる。ここまでは薄い踏跡が付いてるが、多少はずしても尾根伝いに下れば問題ない。
715m鞍部からは内鹿野谷側に降りるが赤テープは無く杉の切株に沿って薄い道がつけられている。ここが一番判りにくいが、降りていけば概ね同じ所
に出るだろう。

源頭部。あとは詰めるだけ
稜線を北上し白見山へ(カーソルあてて)
715m鞍部から内鹿野谷へ降りる(カーソルあてて)

沢筋に出たら、それに沿って下っていけば510mの二俣に戻ってくる。あとは右岸踏跡を5分ほど下れば左岸に渡る壊れた橋が現れ、左岸石垣 が見えて
くるので左岸に移動。ここが導水路の基点となっている。あとは明瞭な同水路を下っていくだけ。すると口高田にある地形図に掲載の無い舗装された林道
に出る(概念図参照)。15分ほど林道を歩くと地形図に描かれた車道に出た。このT字路には案内板が無いため、今回交差点の写真を掲載したので参考
にしてほ しい。

水車小屋川に下りるには導水路を歩く途中で、真南に伸びる尾根を降りていくことになるが、道は無い。まぁ藪は無いので困難は少ないはず。 

左岸に渡る壊れた橋
導水管に沿った明瞭な道で高田口へ(カーソルあてて)
地形図に無い 口高田側の下山口入口のT字路

P.S:内鹿野谷は二つの大滝を擁し、序盤・終盤のナメと内容のある沢だった。栂ノ戸滝は直登の可能性もあり、(もうすでに登られている?)
  直登する場合はロープは40m1本用意すると良いかも。靴はラバーソールがお勧め。下山は口高田から水車小屋まで歩くと長いので、チャリ
  をデポして置くとかなり楽です。(下の概念図は林道終点までの林道はGPS測定なので正確です)

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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