2016年4月9、10日 西上州 神流川 北沢 門倉沢→栃平沢下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、#0.5 靴:アクアステルス
地形図:浜平、十石峠稲子
遡行図、概念図はこちら

沢登りコースの空白スポットの神流川を2週連続遡行。今回は3年ほど前に地形図を見て見つけた沢。ネットで調べたが遡行記録がないが、群馬県が大々的に北沢流域を調査した結果
(レポートなのに日付が無いが2013年か・・・)が見つかり、地形図に無い沢の名前も判明(概念図参照)。計画していた沢は門倉沢という沢名だった。今回、下降ルートに栃平沢を利用。
イワナが生息するとの事なので、竿を出しながら1泊の計画で遡行してみる事にした。


17:40自宅発(R50)→19:55伊勢崎IC通過→20:23本庄児玉IC通過→21:20 R456宮地グランドP(仮眠)、5:10同発→5:35浜平温泉しおじの湯(基点)
初日
6:00出発(遊歩道利用)→7:00萩沢出合(入渓)→8:00細尾沢→10:10門倉沢出合→13:10 1390m遡行打切り
→13:30林道→13:50栃平沢下降開始→14:30林道横断点→15:30門倉沢出合(幕営)


二日目
6:45→8:40基点P

先週の橋倉沢へのアプローチで見つけた宮地グランドで仮眠をとる。綺麗なトイレもあり静かなのでお勧めsoftbank携帯も繋がる。翌朝基点を目指して
車を進める。北沢沿いに細い車道が伸びるが100mで行き止まりになるし、車の転回も困難なので入らない方が良い。いい駐車場所もあまり無く、しおじ
の湯
周辺に車を停めさせてもらう。。。
さて、地形図では北沢沿いから萩沢に向かって登山道が伸びているように記されているが、現地の看板をみると細尾沢に向かって遊歩道が続いている
事が解った。この遊歩道を萩沢出合まで利用することにした。
しおじの湯周辺が基点
シオジ原生林まで遊歩道が伸びる
北沢沿いの遊歩道

遊歩道を歩いていくと、萩沢出合の看板が立っているので間違う事は無い。降りて行くと水量比(2:1)で萩沢が出合う。地形図にある萩沢沿いの登山道は
痕跡も無く完全廃道と思った方が良いだろう。ここから沢通しで進む。概ね平凡な様相が続き滝もナメも無い。しばらく進むとゴルジュが現れた。高巻き
は面倒だが、幸いゴルジュ内は容易に抜けられる。ここを抜けると右岸が台地上に広がり、遊歩道が右岸から左岸に横断する。ここに案内板が立てら
れているのだが、かつてこの右岸台地に分校(寺小屋?)があったらしい。。。
ここから、さらに平凡な様相を進むと細尾沢出合。水量比は(2:3)で本流筋の栃平沢が多い。ここでシオジ原生林への遊歩道は細尾沢側に伸びていく。
萩沢出合から入渓(カーソルあてて)
一瞬ゴルジュを過ぎると分校跡(カーソルあてて)
細尾沢出合

ここまで、魚影も散見したので竿を出してみる。イイ感じの釜はあるのだが、入渓しやすい沢だけに釣師が多く入るのかそう簡単にはアタリは来ない。。。
すると、(1:1)の顕著な二俣が現れる。左が門倉沢で、右が栃平沢。。。今までもテン場適地は随所にあったが、ここにも絶好なテン場となっている。ここに
宿泊キットをデポして門倉沢→栃平沢と今日中に周遊するのもよいが、竿を出しながらの遡行で時間も読めないので、そのまま荷物を背負って門倉沢に
入って行く。
2m滝
を竿を持ちながら越えると、ほんのちょっとのナメ床があるが平凡な様相。地形図では、左岸の等高線がかなり密になっているが、切り立った壁と
言う様相にはなっていない。。。難所も無く進んでいくと10m滝が現れた。水流左側から取りつき、上部を水流沿いに行こうとしたが、岩の脆さもあり断念。
2m程の壁上に灌木があったので、長めのシュリンゲを巻き付けA0で登った。#0.4のカムがバッチリ決まる所があるので、持って行くと良いかも。
門倉沢/栃平沢出合
門倉沢最初の2m滝とナメ(カーソルあてて)
10m滝ルート(カーソルあてて)

滝上も概ね平凡で、時折現れるナメ床が癒してくれる感じ。先ほどの10m滝で魚留めかと思ったが魚影はまだ見ることが出来る。このあたりからポツポツ
ではあるが小滝が出てくる。大きさも5m以下で難しい物は無い。3mトイ状を超えると1215mで割と顕著な沢型が左岸から入るが水は少ない。さらに高度
を上げ、1260mで出合う右岸枝沢は割と顕著に水を流していた。
魚影はさらに上まで見たが、釣りを楽しむならこの辺りまでと思った方が良いだろう。
癒し系のナメと小滝(カーソルあてて)
3mトイ状上で1215mで出合う左岸沢型(カーソルあてて)
1260m右岸枝沢

この先も、イイ感じのナメ小滝があり、快適に進んでいくと、2段10m滝が現れる。近づいて見ると、左壁に釣り師が付けたと思われる残置ロープがあり、
チョイト興ざめするが、ここはそれに頼らず水線沿いで直登を狙う。水流左から取りつくが、岩が結構脆いし、濡れている所は非常に滑る。慎重に3m位
上がった所で水流右に横断して直上し下段を終了。上段は水流左にルートを求めるが乾いたところは岩がモロモロでNG。細く水を落としている所を注意
深くタワシで磨いてフリクションを利かして突破した。
まだまだ癒し系です(カーソルあてて)
2段10m滝直登ルート(カーソルあてて)
2段10m上段は細い水流を直登

この滝を超え少し進むと1330m(2:3)二俣になる門倉沢はテン場適地は少なく唯一ここが幕営可能だがあまり良い物件ではない。ここを左に入ると栂峠
に出るが今回は栃平沢を下降するので右に入る。2m程度の小滝を超えていくと県境尾根も見えてくる。早い所ベースを張って釣りに興じたいという思いか
ら県境尾根まで詰めず、1420m付近で遡行を打ち切り、左岸を適当に上がって行く。。。下草は無く歩きやすい。体力の衰えを感じながら25分の登りで林
道に出た。林道は未舗装で落石も少ないが、おそらくどこかにゲートがあり車は通れないだろう。。。
1330m(2:3)二俣とテン場
1420m付近で左岸に上がる
長野県側の送電線を見て林道へ(カーソルあてて)

林道を右に2,3分進むとT字路になり古い道標が立っている。GPSを持っておらず、あてにならない高度計と地形図と磁石で必死に読図。おそらくココだろ
うと思うが、門倉沢と栃平沢を分ける尾根に気が付かなかったので、もう一度林道に出た地点まで戻り、境界尾根を確認。地形図通りに道は付けられて
いた。。。確証を得たうえで、栃平沢の下降を開始する。1430mまで下ると水が流れ出す。ただ、滝は現れずひたすら平凡。まぁ下降しやすいと言えば
下降しやすい
T字路にぶつかった(カーソルあてて)
栃平沢に下降開始!(カーソルあてて)
至って平凡な流れ

1240m付近まで降りてくると、地形図に記載された左岸の林道が、さらに延びて沢を横断したところまで延びていた。。。上流側と下流側に計4つの堰堤が
あり興ざめだが、右岸を簡単に巻いてまとめて降りれる。魚影はこの4つの堰堤上から見ることが出来る。すると、1頭の鹿を発見。私を見て逃げるのだが
どうも逃げ足が遅い。。。近づいて見ると足を折ってしまった様だ。。。可哀想で仕方がないが、どうすることも出来ないのが残念。。。その場を離れる。
さらに1150mまで下降すると左岸に顕著な作業道が現れる。沢床自体は平凡なので、この作業道を利用して下降するとあっという間に門倉沢/栃平沢
出合に戻ることが出来た。
ここは絶好のテン場適地。まぁ日帰りで帰れる時間ではあるが、岩魚も釣れたし宿泊装備も持ってきたので、今日はここで行動を終了することにした。
1240mで林道が横断(カーソルあてて)
1150mで左岸に明瞭な作業道が現れる
栃平沢/門倉沢出合で行動終了♪


二日目
今日は、来た道を帰るだけ。左岸作業道は細尾沢出合少し手前で消失したが、あとは沢沿いを簡単に下れる。すると、尾細沢出合手前で釣師と遭遇。
下仁田在住でよくここに釣りに来るそうだ。彼の話によると、栃平沢左岸につけられた林道は出来た当時、多くの釣り人がバイク等で入渓するようになった
ので入れないようにしてしまったとの事。「昨年は結構大きい岩魚も出たけど、今年は見ないねぇー」と言っていた。。。
細尾沢出合からはシオジ原生林遊歩道を利用して戻るが、昨日通ったゴルジュのところで遊歩道は大きく右岸を巻き上がるように付けられていたので、
ゴルジュを通って下降し遊歩道が近づいたところで再び遊歩道を利用。萩沢出合を過ぎて基点付近もあと少しと言う場所で、頻繁に釣師にすれ違う。
釣果を聞くと「サッパリ・・・」との事。。。まぁ天然物狙うなら歩く距離に釣果は比例するわけで・・・。。。
細尾沢出合手前で左岸作業道は消失
遊歩道には案内板が多数あり
ほぼほぼ終了です♪

P.S:今回遡行した北沢流域は大きな滝もなく、“歩く沢“といって良いだろう。距離はあるが、遊歩道や作業道を利用できるので、足のそろったパーティなら
  門倉沢 →栃平沢下降であれば日帰りでも可能だが、竿をもってのんびり宴会遡行の方が良いでしょう。。栃平沢は林道が伸びているので、夏場であれば
  シオジ原生林を持つ細尾谷を下ってくる方が充実するかもしれません。ザイルは30m1本で十分。濡れた岩は非常に滑るので、靴はフェルトが良いかも。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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