2016年4月29日 台高 蓮川 ヌタハラ谷

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5 靴:アクアステルス
地形図:七日市、大豆生
遡行図、概念図はこちら

紀伊半島の天気が4日連続で晴れていたので、3月に引き続き、3泊4日で関西い遠征。割とアプローチが便利な蓮川(はちすがわ)流域に的を絞る。初日はヌタハラ沢をチョイス。
関西の沢屋さんの間では超メジャーな沢で、WEB上でも記録は多数アップされている。ガイドでは初級と書かれていたが、あんまり単独遡行の記録が無いので多少の不安を覚え
ながらTRYしてみた

14:00自宅発→15:10五霞IC→16:05八王子JC→16:35海老名JC→17:06足柄SA→18:05新静岡IC通過→19:00浜松SA→20:20御在所SA→20:56安濃SA、
4:43同発→5:10勢和多気IC→6:23ヌタハラ橋

6:45基点発→9:00夫婦滝下→10:50不動滝下→12:10 1160m二俣→12:40ネコ滝上→13:05アザミ滝上→13:35桧塚奥峰
→13:50桧塚→15:15基点P


半日勤務で、14時に自宅を出れたが、海老名JCでの渋滞・休憩を含め7時間掛かって三重県の安濃SAに到着。。。仮眠をとって、朝6時過ぎに蓮ダムを
通過。softbank携帯はダム湖を中ほどまで入ると圏外になってしまう。道は宮ノ谷出合までは舗装されているが、その先はフラットダート。フィットだと
底を擦る箇所が2,3か所あるので要注意。ヌタハラ橋50m手前に駐車スペースがあり、ここに車を停める。橋から堰堤が見えるので、その上から入渓。
すぐに小滝の現れる様相に。ただ釜が深いので容易に取りつけない。4m滝を左から巻き、その先の4mトイ状は左岸で小さく巻くとその先に5mハング滝
があり一緒に巻いた。この先は概ね平凡な様相。左岸には杉林に仙道が付けられている。
基点となるヌタハラ橋(カーソルあてて)
左岸を巻いた4m滝と5mハング(カーソルあてて)
概ね平凡な様相になる

大岩で構成された滝を縫うように抜けていくと7m滝。幸い左のルンゼから簡単に上がれた。続いて4m、12mと見事な様相。12m滝は右壁が安定しており
安心して上がって行ける。滝上は平凡、左岸にガレがあり、倒木が沢を覆っている箇所有り。この先小滝が現れるが釜が深く容易に取りつけず小さく巻い
て上がった。
7m滝は左のルンゼで上がる
4m、12m滝と続く(カーソルあてて)
小滝ながら容易に取りつけない(カーソルあてて)

少し進むと倒木がビッチリ詰まった場所があり、その先で左岸が大きくガレた場所に15m滝が掛かる。右岸側から大巻きかと思ったが左壁に1ポイント
弱点があり、登って行けた。15m上部はトイ状に水を流しており美しい。
左岸大崩壊先に15m滝(カーソルあてて)
15m滝(カーソルあてて)
15m滝上部はトイ状

この滝を上がると、ハイライトの夫婦滝が顔を出す。圧巻の高さで思ってた以上に立っていた・・・。前衛の7m滝は容易に右から登って行けそうなので、上
がってみる。夫婦滝は当然直登はムリ。左壁は垂直で、右の濡れた1枚岩の壁が上がって草付に逃げ込むルートが見いだせるが、取りついたら最後、
安心して立てる場所は一つも無く支点も取れそうにない。ここを諦めると右から大高巻きだが、小さく巻こうとすると4m程の脆い壁を登らないと安全圏に入れない。ここも単独ではリスクが高く。結局左岸の壁の弱点を見出すべく前衛の7m滝を左岸で巻き降りる。すると途中に1か所行けそうな所を発見。灌木
の根を掴みながら上がって行く。10m程度イイ感じで上がって行けたのだが、途中、灌木が途切れ、15cm幅のスタンスが抜け落ちたアウトの激ヤバトラバ
ースが1ポイント出てくる。ここを運よくクリヤー出来、さらに7m程直上して安全圏に入った。
左岸細枝沢を横断した場所から落ち口に向かうバンドを利用してトラバースを掛けて行くと滝芯まで行けるのだが、落ち口3m下で残念ながら上に上がれ
ない。少し戻った所から巻きなおして夫婦滝の高巻きを終了する。

夫婦滝が顔を出す(クリックして)
唯一のラインだがハイレベル(カーソルあてて)
夫婦滝に向かって伸びるバンド(カーソルあてて)

夫婦滝上には7m滝が掛かり、右から超えると大岩が転がるゴーロ帯になる。なぜかここに魚影あり。。出てくる滝は7m程度の物もでて来るが、特に問題
になる滝は無い。すると、またもや大滝が現れる。これが”不動滝”呼ばれる滝の様だ。落差は50mで水を空中に飛ばしており、滝の裏側にも入れる。
この滝も登れる滝ではなく左岸から大きく高巻く。滝上は絶好のテン場になっており魚影もある! 1泊2日で抜けるならここで行動終了すると良いだろう。
大岩ゴーロと 8mトイ状ナメ(カーソルあてて)
5m前後の滝・・・どれも難しくない(カーソルあてて)
不動滝50m

ここからは癒し系の平凡な様相。少し進むと岩盤も発達してイイ感じになる。すると左岸から顕著な沢型が入る水は殆ど流れておらず。地形図見ると、
1095mの左岸枝沢の様だ。さらに少し進むと1160mに位置する(3:2)二俣。持って行った『関西基点沢登りルート100』のトポでは、ここに来るまでにネコ
滝とかアザミ滝が出てくるようだが、実際はこの二俣を左に入ると、3m、コウ七滝7m、”ネコ滝”と続くようになっている。1160m二俣から一連の滝が見える
位置にある。ちなみにここを右に入ると桧塚へショートカットできる。コウ七滝7mは左から直登。”ネコ滝”と名付けられた2段40m滝は右岸を巻いて上が
った。。。
不動滝上の様相(カーソルあてて)
1160m(3:2)二俣を左に入ると連瀑(カーソルあてて)
”ネコ滝”2段40m右岸巻き

ネコ滝上の1220m(1:2)は右に進路を取り、1250m(1:1)二俣を左に入るとすぐ先に黒い8m多条滝。引き返して右に入ると、ここに18m”アザミ滝”が出て
きた。右壁に弱点があり、灌木が多少うるさいが、上手く落ち口ジャストに出れる。アザミ滝すぐ上には4mトイ状があり、これは直登する。
1250m二俣を左に入ると黒い8m多条滝(カーソルあてて)
1250m二俣を右に入るとアザミ滝(カーソルあてて)
アザミ滝すぐ上の4mトイ

これを上がると源頭の雰囲気・・・。左岸から細い枝沢が入るので、この枝沢に進路を求めショートカット。すぐに草原になり上がって行くと”桧塚奥峰”
書かれた所に出る。地形図にはこのピークが記載されていないが展望が開け素晴らしい。ただ、今日は強烈な北風が吹いて長居は出来ない。ここから
回り込むように桧塚への登山道が伸びている。
この左岸枝沢を詰める
桧塚奥峰
桧塚への稜線

桧塚からは地形図に記載のある1214mを目指し、稜線上に赤テープが付けられた薄い踏跡を降りて行く。1214mに着くと木に付けられた案内板がある
ので、ここから林道に向けて下降する。ここも赤テープがあるので忠実に従う。林道は途中荒れており、つづら折部はショートカットして降りたので確実な
事は言えないが、車では640m位までしか入れない。桧塚から走る事無く1時間半掛からず基点に戻れた。
桧塚山頂
1214mにある目印
ヌタハラ林道640m付近(車で入れるのはここまでか)

P.S:ヌタハラ沢の夫婦滝は一見の価値がある大滝です。今回は寒い日だったので入渓付近の滝は小さく巻きましたが、釜を泳いで取りつけば、より楽しいかもしれません。
   魚影もあるので、遠方からアプローチされる方は沢中1泊で行くのもお勧めです。”初級”とトポにはありましたが、高巻きルートで如何様にもグレードが上がるので、
   要注意。ザイルは夫婦滝の高巻きにも寄りますが沢慣れしたしたパーティーなら30m1本で十分です。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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