2016年4月30日~5月1日 台高 蓮川 千石谷 赤嵓滝谷→喜平小屋谷下降
メンバー:河田さん、山森さん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5 靴:アクアステルス
地形図:七日市、大豆生
遡行図、概念図はこちら
GWの蓮川(はちすがわ)集中計画。。。最奥に奥ノ平谷と言う有名な沢があるのだが、今回合流してくれた”河田さんが唯一遡行した事が無い”という理由で、その沢と二分する 千石谷をチョイスする。千石谷はハイライトの五段ノ滝上で沢は二分し、右に赤嵓滝谷(あかぐらたきだに)、左に喜平小屋谷(きへいこやたに)と名を変える。今回は赤嵓滝谷→ 喜平小屋谷下降で計画。尚、河田さんの大学ワンゲル時代の後輩の山森さんが急遽加わって3人の遡行となった。 初日 7:15基点P発→9:10井戸谷出合(竿だし)→11:15五段ノ滝下→13:10赤嵓滝谷/喜平小屋谷分岐(竿だし)→15:05 1010m付近で行動終了 二日目 6:35出発→7:55明神岳→8:35笹ヶ峰→8:45喜平小屋下降開始→10:05赤嵓滝谷/喜平小屋谷分岐→10:30林道→11:50基点P着 昨日のヌタハラ沢遡行後。絵馬小屋沢/野江股谷出合まで車を進め幕営。道はフィットでギリギリ最奥まで入れる駐車台数4台。歩いて1分でテンバ適地に
出れるし、焚火だけやって車中泊するのも良いだろう。当日の朝、食事を済ませ集合場所の蓮ダムに向かうと、ダムに向かう途中で河田カーとすれ違う。 凄い絶妙のタイミングだ! 千石谷への基点はヌタハラ橋から150mほど手前の路側帯。二人ともGWの1泊2日の沢なのにザックが20L未満と小さい。もち ろんパンパンではないが50Lザックを背負っている自分は余計な荷物を持ちすぎか・・・? ヌタハラ橋を超え、ゲート付近から沢に降りると奥ノ平谷/千石谷出合。ほぼ水量比(1:1)で二分している。千石谷に入ると堰堤は二つ。大岩のゴーロが 続く。
この先、大岩が巨岩に代わっていき傾斜も増してくる。岩間に出来る滝は現れるが、エアリアマップに記載されている”光滝”、”ドウム滝”なる名前を付け ても良さそうな滝は気付かなかった。すると、高度計読み540m付近で伏流になってしまう。。。巨岩帯は640mまで続き、左岸から井戸谷の40m滝が見えて くるとようやく水が流れ出す。この上で堰堤が出現。左から簡単に巻いて上がる。魚影はこの上から濃くなってくるので竿を出してみるとアマゴが掛かった。 ゴルジュっぽくなった所で竿をしまう。すると右に曲がった所に深い釜を持った6m滝。幸い右のルンゼから簡単に巻くことが出来る。 この辺りから千石谷は楽しくなって来る様だ。両手両足ツッパリで淵を抜け、岩潜りを抜けると20m、10m滝の二連瀑が現れる。登れる滝では無く纏めて
左岸巻き。その上はゴルジュになっていて、淵を持った小滝が現れる、経つって突破しようとしたらドボンしてしまった。。。 このゴルジュの通過は難所は無く、左直角に曲がるとハイライトの五段ノ滝が見えて来る。五段ノ滝と言っても滝下からは最下段と思われる直瀑しか見え
ない。。。水流脇両岸は切り立った垂壁で直登はムリ。左岸で巻くと、おそらく最上段まで巻き上げられそう、一方、右岸巻きは下からでは良く見えないが、 上手く繋げられれば1段目上に出られる可能性が見いだせる。時間は充分あるので、右岸巻きを選択。50mほど戻ってガレルンゼで上がって行く。 20m程上がったところでルンゼから離れ滝に向かって灌木帯の中をトラバースを掛けていく。
少し進むと灌木帯が切れるのでここでザイルを出しトラバースを継続。ザレのトラバースの先、五段ノ滝本体の手前に一本細沢型が走っており、1段目 落ち口の高さでトラバースを掛けるとこの沢型に行く手を阻まれ断念。。。ムリに突っ込んだので戻るのも必死・・・。。。少し戻った所にもう一段上に上がれ るポイントがあったので4m程登り、さらにザレを5mほど上がってピッチを切る。40mザイルで丁度といった所だ。ここからは上手い具合にバンドが沢を横断 しており、五段ノ滝本体の1段目落ち口の8m程度上の高さに出れた。このまま灌木帯の中を3段目上まで上がって行くことが可能で、河田さんと山森さん はそちらを選択。私は折角なので8m降りて1段目落ち口上に出た。まさにこのルートしかないと言った絶妙ルート取りだった。
ここから2段目、3段目をは快適に登って行ける。3段目上は広めのテラスになっていて、日当たりも良く休憩にはイイかも。4段目7m、5段目5mを登って 五段ノ滝は終了した。
これで核心部は終わりかと思ったが奥にまだ10m滝が掛かっている。水流右が定石で河田さんと山森さんはそちらを選択。自分は敢えて水流左を選択 してみる。水流左もタワシで磨きながら登って行けばそう難しくないが、落ち口が若干嫌らしく最後左に逃げて滝上に上がる。水流右も落ち口がちょっと 立っていて、山森さんは右から巻き気味に上がるも結構巻きも悪い様だ。。。 この10滝上には連続して4m、3m滝と続くが、最後の3m滝は足のつかない洗濯機状の釜を有し、危険極まりなく左から巻いて上がった。。。ここ少し先で 赤嵓滝谷/喜平小屋谷出合となる。水量比は(1:1)。喜平小屋谷には5m程度の堰堤がある。この二俣には良いテン場はないが、堰堤上には良いテン 場があるだろう。ここで再び竿を出して赤嵓滝谷に入って行く。
赤嵓滝谷は平凡な様相だが、少し進むとゴルジュとなり8mCS滝。ここは右岸を巻いて上がった。この先940mで左岸から入る枝沢を見ると4m滝が掛か
り、その奥に大滝が顔を出す。あれが赤嵓滝の様だ。
赤嵓滝は30m規模で水流右が登れそうだが下部5mと落ち口のヌケが悪く、TRYするなら時間が掛かりそう。ここは大人しく右岸で高巻いた。巻いてみる と赤嵓滝上はトイ状の急傾斜のナメとなっていて、かなり悪そうだった・・・。大滝上の小滝を超えると、癒し系の様相変化、テンバ適地となる。1010m左岸 に良い場所を見つけ行動を終了した。薪は豊富・・・釣ったアマゴを網焼きし、お二人の大学時代のワンゲルのお話で盛り上がる♪
二日目 昨日、赤嵓滝を越えてしまったので、あとは詰め上がるだけか・・・? 平凡な様相を進むと1075mに位置する(3:1)二俣になり水量の多い左に入る。魚影 は精々ここまでと思った方が良い。さらにすぐに右岸涸れ沢を含めた三俣となり。ここは真ん中を選択。すると15m滝が出て来た。二人は右岸を巻いて行 ったが、近づいて見るとスタンス・ホールド共に豊富で水流左を快適に登って行けた。滝上は波床になる。さらに高度を上げると7m滝が現れ水流右を直 登。これが最後の滝となった。。。
この先1200m付近で二俣となり右に入るとすぐに水枯れ。さらに70mほど高度をあげて沢型を離れ左岸に上がる。普段はトレランをやってると言う20代の 山森さんは流石に早い! そういえば関西に来て笹薮漕ぎをした事が無いが、聞いてみると、紀伊半島の沢には越後の様な笹薮の詰めは無いと河田さ んは言う。。。尾根に出で30秒北上すると明神岳に到着♪ 下山は喜平小屋谷を下るので、稜線上を笹ヶ峰を目指して南下する。”笹ヶ峰と書かれた”看板は無いものの、それとなく解る感じ。ここから少し下った ところから喜平小屋谷に下降した。
下った沢筋は左岸支流で、しばらく下ると右岸から本流筋がぶつかる。さらに下って行くと10m強の滝上に出る。左岸を巻いたがさらに枝沢があり、これを 横断しての割と大きな巻きで降りる。沢筋に戻り見上げると12m滝。この先も7m級の滝が頻繁に出てくるが明るく開けた感じでゴルジュが無い沢だ。 懸垂もせずすべて小さく巻くか、クライムダウンでクリヤー出来る。
この先、12mナメや3段20m滝等、登っても良いんじゃないか!という様な内容で、この沢降りて正解だった!さらに下ると944mで右岸から(1:1)で枝沢が 入るが、こちらにも10mスダレ状の滝が掛かっていて良い感じだ。いつか隣の奥ノ平谷に入ったら下降はこの右岸枝沢で降りてみようかと思う。
ここまで下ると、赤嵓滝沢との合流は近い。2,3の小滝を降りて行くと昨日見た堰堤が現れ、赤嵓滝沢とぶつかる。。。ここから左岸に赤テープが付けら れたところに作業道があり、これを利用して林道に出る。ほぼ地形図の通りの所まで林道が伸びていた。上を見て明るく開けている所が林道末端なので、 作業道ばかり追わない方が良い。5分程度で林道に出れる。1時間20分の林道歩きで車に戻れた。夏はこの林道歩きは相当暑いだろう。。。 温泉は森のホテルスメールに入ったが、レストランの食事はお粗末なので、利用しない方が良いかも。。。ここでお二人と別れ、自分は再び絵馬小屋沢に 移動して幕営した。。。
P.S:千石谷は蓮川流域では穴場的な沢であったが、五段ノ滝の巻きを含め結構楽しめる沢だった。下降に使った喜平小屋谷が予想以上に綺麗だったのもプラス要素だ。
ザイルは30mでも何とかなるはずだが、40m持って行くと安心でしょう。テン場は探せば見つかるかと思いますが。我々が泊まった1010m辺りがBEST。 魚影もあるので竿を持って行くと、より楽しめるでしょう。靴はラバーソルの方が良いです。 |