2016年5月28、29日 恵那山 本谷川流域 弓ノ又川→島ノ谷川下降

メンバー:RURUさん、ひろた
装備、ザイル8mm×40m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:伊那駒場、浪合、美濃焼山、中津川
遡行図、概念図はこちら

1昨年、中央アルプス周辺の沢を地形図で眺めていたとき、偶々見つけたのが弓ノ又川だ。栃木から300km以上はなれた恵那山の沢だが高速ICから近いので、
南ア遠山川へ行くよりは近いイメージか。弓ノ又川をWEBで検索すると2件ほど記録が見つかり、遡行対象になりえる沢らしいので、RURUさんにご同行していただき
行ってみる事にした。


16:50自宅発→18:20栃木IC→21:20小黒川PA、4:25同発→4:52飯田山本IC→5:30島ノ谷川チャリデポ→5:40弓ノ又川キャンプ場着
6:00キャンプ場発→6:20入渓→7:00 12m滝下→8:40 12m滝上→9:50 15m滝下→11:15 1290m左岸枝沢出合→13:30 1510m行動終了

二日目
5:45出発→7:00稜線→7:40 1806mピーク、7:50島ノ谷川下降開始→10:35林道→10:45チャリデポ地→11:00基点キャンプ場着


栃木からの移動中、オバマ大統領の広島での演説をラジオでLIVEで聞いた。。。戦後71年、沢登りに興じていられるのも、多くの犠牲者と、平和に向けた
先人方の努力があって・・・と考えると本当にありがたいことだ。。。

さて、今回の弓ノ又沢は基点と、下降する島ノ谷川が離れて居る為、車か自転車をデポするとかなり楽になる。折り畳みチャリを高野谷沿いの林道
デポする。道はダートで状態はあまりよくないが、フィットで入って行ける所まで進んでおけば、デポ地としては充分だろう。一方基点は弓ノ又川キャンプ
になる。キャンプ場脇の橋にゲートがあり引き返して、邪魔にならない所に車を停める。ここから20分ほど歩いて、堰堤上から入渓。岩が白く、南アルプ
ス北部の沢の様だ。すると15m級の巨大堰堤が出てくる。左岸のザレを登ったが、ザレの度合いが酷く悪かった。
弓ノ又川キャンプ場手前に車を停める
白い岩が南ア北部の沢の様
15m堰堤は左岸巻き(カーソルあてて)

平凡な様相を進むと、12m滝が現れる。チラッとWEBで予習したところによると「水流潜って直登した・・・」とあったが、パッと見、あまりイイ感じには見えない。
というか、明らかに悪い!!! 左岸から簡単に巻けそうだが、折角遠くから来ているので空荷で登ってみることに。ルートは水流左からで、滝下4m程度
下に落ち口に向かってトラバースか・・・?
しかし、水流横断した先は外傾ノッペリ岩となっているが、あそこにスタンスがあるのだろうか???。
ルーファイもそこそこに登ってみる。水流左の凹角に入り7m程直登。ハーケンと#0.4カムが決まる所があり、壁に行く手を阻まれる所から、水流側を見て
みるとバンド幅は20cmも無く、ホールドも良い物は無く、トラバースはかなり困難な印象以前にバンドに立ちこむ事すら勇気が要りそうな感じだ。なんとか
立ち込むことが出来#0.5カムを決めたが、ここでカムを使い切ると水流横断した先がどうなっているか解らないので、チョットカムは手元に残しておきたい
感じ。カムを左手に持ち、ズリズリ足をずらしていくと、右手で岩角にガバ掴んで一安心。カムを外して、細バンドを移動できた。ここでアングルを1枚打ち
込んで水流横に移動するが、水流を潜るというか辛うじて滝芯を外すという程度しか幅は無く。バンド幅も狭い”本当にこれ横断するの???”と思いつつ突っ込む。安心できるスタンスは無く、なんとなく丸みを帯びたホールドを掴みながら腹這いになって横断したが、水流を横断した先にやはりバンドやテラスなど
は無く、スタンスすらない・・・仕方なく、まだ水が流れるところで、手さぐりでホールドを探し立ち込む。滝芯は外れているので飛ばされるほどの水圧はない
が、一瞬立ち込む時に体がのけ反りそうになったが、ホールドが取れたのでセーフ。ここでしっかりしたホールドが無いと相当ヤバイが、2,3、ホールドが
取れたので真上にあがり、40分かかって終了したⅣ+
灌木までザイルを引っ張り、確実な支点を取り荷揚げ。。。RURUさんがフォロー出来るか心配したが。ロープを掴みながらも見事フォローしてくれた。
12m滝ルート(カーソルあてて)
狭すぎるバンドを横断(クリックして)
滝裏を潜るというより突っ込む感じ(カーソルあてて)

12m滝上はゴーロ状。途中ゴルジュ風の所もあるが、釜を持った2段滝一つくらいで、小さく巻けるので通過に問題はない。すると今度は15m滝が現れる。
これも高巻きは左岸だろうが、先ほどの12m滝より簡単に見えるので取りついてみる。右の細い水流沿いから上がって行き、立った2m程の壁も水流に足
を決めて上がる。このまま水流右を登って行くのはムリだったが、幸い水流を潜れる様になっていた! しかも先ほどの12m滝よりバンド幅は広いし、抜け
た先に安心して立てるスペースがある 荷物を背負ったままだと多少荷物に水が当たるが、ここを堪えて、水流左に出た。ここからさらに3m程上がって
灌木で支点を取る。ここはRURUさんも余裕でクリヤー。
ココは小さく右巻き
15m滝(カーソルあてて)
水流潜ってさらに登る(カーソルあてて)

15m滝上は間髪入れずに5mCS滝。これは手が出ず左岸を大きく巻こうと思ったら、左岸は切れ落ちており、滝横のルンゼから登るが土が崩れそうで、
チョット嫌な感じだった。RURUさんには上からザイルを投げる。。。滝上はゴルジュになっているが、通過に問題はない。ゴルジュを抜けると1290mで出合
う左岸枝沢。

5mCSは水流右ルンゼであがる(カーソルあてて)
5mCS上の様相
1290m左岸枝沢

ずぶ濡れの体を焚火で温め一休憩。先に進むが、この先は滝らしい滝は無く、ナメも無く、一部岩盤が発達した様相も見せるが、概ねゴーロ状・・・そして
魚影も無かった・・・。1500m付近にあるトイ状小滝を上がると左岸台地に平らな土地を発見、地形図を見る限りでは、ここから先はあまりいい場所はなさそうなので時間は14時前だが行動終了とした。
ほぼ癒し系の様相(カーソルあてて)
トイ状小滝
1510m付近で行動終了


二日目
自宅から遠い沢なので、早出。ゴーロ状を進んでいくと1525mに位置する(3:2)二俣。ここは右に入ると、下降に使う島ノ谷川を分ける1805.7mピーク付近
に詰め上げる事が出来るが、左の沢筋には小滝が見えており、水量も多いので左を選択して進む。。。2mの小滝を超えると初めてのナメ床・・・。しかし
これもすぐに終わってしまう。
1515m(3:2)二俣を左に入る
2m小滝
初めてのナメ床・・・
この先、1570m付近の(1:2)二俣を右、そのすぐ上の(1:1)を右に・・・後は水量の多い方を選んで進んでいく。。。やがて沢が笹に覆われ、水が涸れてか
ら5分ほどの笹薮漕ぎで稜線に出た。。稜線上には獣道すら無い。途中笹薮の高さが低くなり南アルプスが一望できる。RURUさんのGPSにも助けられ、
笹薮を40分ほど進んで1805.7mピークに出る。三角点は見つけられなかったが、どこぞのワンゲルさんの登頂記念プレートが木に掛かっているのが目印
になる。

概ね平凡な感じで詰め上げる(カーソルあてて)
道の無い稜線に出た(カーソルあてて)
1805.7mピークに到着♪

ここから先も主稜線には踏跡が無いので、ここから島ノ谷川に下降を開始する。地形図上では急下降になっているが、滝は一つも無くゴルジュも無い・・・傾斜が緩んできても魚影はまったく見なかった。。。 沢床が砂状に変化し、しばらく進むと、下降を開始して1時間20分、約1265mで本流筋とぶつかる。
水量比は(2:3)と言った所か。残念ながら、本流筋にも魚影は見ない。

島ノ谷川へ下降開始
急下降だが滝は一つもない(カーソルあてて)
砂状の沢床を下ると本流筋と合流(カーソルあてて)

ここから、平凡な様相を下り、3つ目の堰堤の左岸を見上げると堰堤工事用の道路跡。ここを100m程進めば林道に出れる。少し下ると綺麗な橋が架かり
これに”島の谷川”と記載があり沢の名前が判明した次第・・・。この沢が地形図に記載のある”高野谷”にぶつかり、本谷川に流れ込む。。。
橋から数分で、チャリデポ地に到着♪ 15分で基点に戻り車を回収する。
本流筋も平凡な様相
堰堤が現れ終了です
島の谷橋

まだ、正午前なのでに昼神温泉に立ち寄る。”湯ったりーな昼神”なる日帰り温泉に入るが、折角の露天風呂では、お湯を循環させる機械音が響き渡り
今一湯ったり感が得られなかったのが残念。。。
P.S:弓ノ又川はきれいな沢ではあるが、2つの滝を除くと平凡なゴーロの沢のイメージ。 2つの滝も簡単に高巻く事が出来るので、沢慣れしていない人でも遡行可能。
   足の揃った少数パーティであれば日帰りで戻ることも可能かも。2つの滝を登るなら荷揚げを考慮しザイルは40mが必要です。靴は今回初めてビブラム社の”イドロ
   グリップ”なるラバーソールを履いてみました。事前情報によると「濡れた所はアクアステルスより滑る・・・」と聞いてましたけど、そんな違いは感じられなかったの
   が正直な所。。。まぁ完全フラットソール化してしまっている小生のアクアステルス靴との比較ですけど。。。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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