2016年6月11,12日 南会津 安越又川道行沢→下梯子沢下降→黒谷川東実沢→安越又川西沢下降

メンバー:RURUさん、ひろた
装備、ザイル8mm×30m、 靴:イドログリップ
地形図:高幽山、内川
遡行図、概念図はこちら

アプローチ&下山の不便さ&夏のアブ大発生を理由にまだ一度も遡行したことの無い福島県南会津の黒谷川流域。なんといっても一番の有名所は大幽西ノ沢であ るが、
伊南川(いながわ)流域の安越又川(あごしまたがわ、あごまたがわ)から入渓して黒谷川源流域の上梯子沢を上がって周遊する記録がいくつかWEBで アップされていて、
単独でも遡行できそうなルートとして昨年から注目していた。登山体系によると、上梯子沢と東実沢(ひがしうみさわ)左俣でそれぞれ滝が多い記載があり、今回は下梯子沢/
上梯子沢出合の到着時間で上梯子沢を上がるか、東実沢を上がるか判断する計画としてみる。


18:32自宅発→石橋駅19:08→道の駅番屋21:25、4:45同発→5:15 安越又川林道終点着
5:44基点P発→6:40道行沢出合→8:25稜線(下梯子沢下降)→9:50-10:48上梯子沢/下梯子沢出合→11:38黒谷川本流出合
→12:12東実沢/西実沢出合→15:05 1127m東実沢右俣出合行動終了

二日目
5:55出発→6:02東実沢左俣/中俣出合(左俣に入る)→10:10 1754m西側稜線→11:30-11:45坪入山→13:25-14:10 1320m右岸枝沢合流点
(幕営適地)→15:40道行沢出合→16:35基点P


R352から安越又川林道に入るとすぐにフラットダート。携帯は徐々に圏外になる。林道が右岸から左岸に渡って500mくらい進むと林道が荒れ始め、草が
クルマのアンダーを激しく擦るが特に損傷無く、920mにある林道末端までクルマを入れられた。車の転回を考えると、せいぜい駐車スペースは2台といっ
たところ。さらに末端から数百mくらい戻って1,2台のスペースがある。。。
林道末端から延びる踏跡で沢床に下りると崩壊した堰堤
少し進むとゴルジュになるが腰を濡らすことなく通過できる。
安越又沢林道終点
崩壊した堰堤から入渓
すぐにゴルジュになるが問題ない(カーソルあてて)

地形図では林道が左岸に道行沢まで伸びているが、随所に崩壊しており、沢通しで歩くしかないだろう。滝らしい滝は両岸の枝沢から入るものばかりで、
本流に滝らしい滝は無いままゴーロ状を50分ほど歩くと道行沢/西沢/東沢の三俣になる。ピッタリ同 じ場所で合流している。道行沢に入ると癒し系小滝
が出てくる。RURUさんに言わせると、山菜がやたら多い沢の様で、いろいろ教えてもらう。下梯子沢を下降する場合、2~3詰めるルートはあるが、今回は
地形図に記載のある1447mと1467mの間の鞍部を目指す。幸い稜線付近まで沢形は伸びており安越又川本流から1時間45分くらいで境界尾根に到着。
稜線上は薄藪で獣道が幾筋にも走っており、磁石を見ながら尾根を跨いだ。
道行沢/西沢/東沢の三俣
道行沢の様相(カーソルあてて)
境界尾根の様相

下梯子沢は滝が全くなく、下降に適した沢と言えるだろう。ある程度下降すると魚影も見えてくる。境界尾根から1時間半かからず上梯子沢とぶつかる。
下梯子沢との水量比は(1:1)。上梯子沢には結構滝があって楽しいという記載をWEBで見て来たので時間がなければ、この辺りで幕営して上梯子沢を
遡行するショートカット案を用意していたわけだが、時間はまだ11時前・・・。焚火休憩をして後、黒谷川本流目指して下降を続ける。
下梯子沢の下降(カーソルあてて)
上梯子沢/下梯子沢出合
梯子沢を黒谷川本流に向けて下降

1時間静かにしていたら間違いなくクマに遭遇しそうな雰囲気なので頻繁にホイッスルを吹く。途中終わりかけのヒラタケを随所に発見。食べれそうな物を
チョイスしてゲットした。すでにRURUさんのザックにも山菜が大量にしばりつけられていた。。。一瞬ゴルジュチックになった所を抜けると
黒谷川本流
ぶつかった。堰堤があるわけでもないのに広大な河原となっている!  ここで、実沢(うみさわ)側に入る。少し進むと、右岸の二つの大岩の間から水を
流すスギソネ沢が合流。
梯子沢唯一のワンポイントゴルジュ
黒谷川本流に出た
右岸からスギソネ沢が入る

さらに平凡な様相を進むと東実沢/西実沢出合。ここで休憩がてら西実沢向かって竿を出すも、平瀬が続く様相で釣りは難しかった。東実沢に入っても
平凡な感じの様相が続く。地形図に記載されている1127m手前になって初めて4m滝を観る。左から簡単に登ると右俣との出合。右俣の水量はそれほど
多くない。この辺りで今日の行動を終了する計画。左俣/中俣の出合も見てきたがそこには良い場所が無く。右俣出合手前の河原を10分ほど整地して
ツェルトを張った。。。  イワナ、山菜、キノコでお腹がいっぱいになり、自分の持って行ったおつまみが全く減らない・・・という大豊作を楽しんだ。
東実沢/西実沢出合
東実沢の様相と初めて出てくる4m滝(カーソルあてて)
右俣出合手前の河原で終了(カーソルあてて)


二日目
東実沢の左俣は4m滝で出合っている。ちなみに左俣、中俣に入ると幕営適地ぐっと少なくなるので注意。水量は中俣より左俣の方が多い。4m滝は水流
右に弱点を見 つけ直登。滝上はナメ床になっており、8m3段ナメと続く。ここを過ぎると平凡な様相にもどるが、9m、5mの連瀑になる9m滝は手が出ず右
のルンゼから 9m滝上に出ようと試みたが、上の5m滝もかなり難しそうだったので、ルンゼに戻って二つとも巻いてあがった。
左俣/中俣出合
8m3段ナメ
9m滝右から登って覗いてみたが・・・(カーソルあてて)

ここから先、少し行くと5m滝が現れ、ゴルジュに入る。規模は小さいものだが変なCS滝が出てくると面倒な様相。。。幸いな事に悪い滝も無く、泳ぎもショ
ルダーも無く突破出来る。途中、右岸から小滝で出合う枝沢をみる。その先に似たような高さの6m滝で顕著な(2:3)枝沢が入り、後者が1275mで出合う枝
沢の様だ。
5m滝
ミニゴルジュになります(カーソルあてて)
1275m右岸枝沢の6m滝

この先ゴルジュを抜けたと思われる所に7m滝が現れる。水流すぐ右に取りついたがダメで仕切りなおして水流左に取りついたが、1歩が立っていて、
空身&ハーケン打って長いシュリンゲでセルフをとって、さらにハーケンに足を乗っけてもA0で登った。上からRURUさんにはシュリンゲを繋いでゴボウで
登って来てもらう。この先、3m、2段5mを超えると、滝は無くなる。
7m滝遠望
7m滝は水流右はダメで左から登る(カーソルあてて)
2段5m滝

このまま左俣を素直に詰め上げると地形図に記載のある1712mピーク脇に詰め上げるが、もうこの先滝もなさそうなので、極力稜線での藪漕ぎを避ける
ため、1343m付近で出会う右岸枝沢に入り詰め上げることにした。この枝沢に滝は無い。振り返ると西実沢で詰め上げる梵天岳が見える。稜線付近まで
沢形が伸び、沢形が無くなって15分程度の笹薮漕ぎで1754mピークの南西鞍部に出た。潅木と背丈以上の笹薮で展望はあまり利かない。少し坪入山方
向に笹薮を掻き分けると開けた湿地に出るので、休憩するならここが良いだろう。

1343m右岸枝沢に入り詰め上げる
振り返ると梵天岳が見える(カーソルあてて)
稜線の密藪から一瞬開けた湿地へ(カーソルあてて)

時間は10時過ぎ。。。この湿地から坪入山は見えず、眼前の1754mへの獣道もない。それでもコメツガとかでは無く、概ね笹主体の蜜藪なので助かる。
笹藪の薄いところを選んで藪漕ぎ開始。1754mピークも展望は開けないが、坪入山は見えた。さらに潅木+笹のミックス藪を掻き分け進む。スギソネ沢
側に引き込まれると尾根に戻るのが腕力勝負になるので注意。スギソネ沢は稜線から見るかぎり果てしなく河原状の沢だった・・・。。。この鞍部から坪入
山への登りは多少笹藪が薄くなるので助かる。。。稜線に出てから約1時間半・・・ようやく坪入山に到着。この山も展望は開けず。大方笹薮で、三角点も
見つけられなかった。

1754mピーク付近から坪入山
稜線からスギソネ沢を見る
展望のない坪入山山頂


ここまで来れば、後は西沢に向かって下降するだけ。密笹藪を強引に突っ込むとすぐに笹薮を抜け展望が開ける。ガレを下り、沢形に入るとお花畑もあ
り雰囲気は良い。この先4m前後の小滝が3つ4つ出てくるが、1箇所3m滝は、突っ張りを駆使して降りたが、懸垂した方が無難な滝が出てくる。

坪入山から西沢を下降(カーソルあてて)
途中数か所水芭蕉のお花畑
濡れたくないのでツッパリで3m滝を降りる


この滝を降りると右岸から (1:1)で出合う顕著な枝沢が入る。休憩して地図を広げるとまだ高度1330m地点・・・この先難しいところは無さそうだが、まだ
まだ先は長そう。。。ちなみに西沢のテン場適地はココから下なら至る所で見つけられるだろう。この先、河原状を延々歩き、坪入山から休憩含め5時間
近くかかって基点Pに戻ることが出来た。。。湯の花温泉(200円)に立ち寄り自宅に戻る。。。

1330mで右岸から顕著な枝沢が合流
さらに下降を続けます(カーソルあてて)
もう一息で終了地点・・・(笑)

P.S:今回のルートは”沢登り”というより”沢旅”といった方が当てはまるだろう。東実沢を選択する場合は長丁場になるので、足が遅いという人は梯子沢を使っての
   周遊ルートにした方が無難だが、それでも安越又川の下降に5時間かかるので二日目は早出したほうが良いでしょう。ザイルは今回のコースの場合は20m1本
   あれば足ります。岩はすべりやすので、フェルトの方が良いのかな?熊の巣窟コースなので、ホイッスル吹きながら遡行してください。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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