2016年6月18、19日 会越 室谷川 大久蔵沢

メンバー:RURUさん、ひろた
装備:ザイル8mm×30m、カム#0.4、0.5 靴:イドログリップ
地形図:駒形山、貉ヶ森山
遡行図、概念図はこちら

雪解けが1ヶ月早いといわれている2016年、会越の沢には雪はほぼ無いだろうと、地形図を眺めてみると、。数年前行ったもうがけ沢の山の反対側にある室谷川 大久蔵沢という沢が
目に入る。早速、WEBで検索してみるとトマの風さんの記録がアップされ、単に歩く沢では無いようだ。沢沿いには林道“本名室谷線”が通っており、阿賀町役場に問い合わせると、
新潟県側からは福島県には抜けられないが、峠までは車が入れることを確認。新潟県側は全舗装という情報も入手し、準備は整った。。。。


17:30自宅発→18:30片岡駅発(下道)→20:55 R49→21:50上川スポーツパーク、5:00同発→5:30大久蔵橋(仮名)通過→6:00遡行終了点に自転車デポ→6:25大久蔵橋着
6:45入渓→11:23 495m左岸枝沢出合→13:45 595二俣手前幕営地

二日目
5:55 595m幕営地発→8:55 675m左岸枝沢出合→12:05林道着(チャリ)→12:35大久蔵橋着


この辺りに行くとき、国道49号線沿いのチェーン交換用駐車スペース等を仮眠に使っていたが、車の通行音がうるさいので、今回、県道227号線脇の上川
スポーツパーク
を利用。とっても静かな場所だが、スポーツパークに良くある、水道やトイレがパッと見、見当たらなかった・・・。
翌朝“本名室谷線”に進むと釣師さんと思われるクルマがすでに2台も大久蔵橋近くの路側帯に停まっていた。今回は、林道が全舗装ということもあり、遡
行終了点にチャリをデポする計画。RURUさんのGPSを頼りにさらにクネクネの林道を25分以上登って行き。チャリをデポしに往復。大久蔵橋近くの路側帯
に車を停め出発する。

平凡な様相を進むと、笛の音が聞こえ、先行する二人組み釣師さんを発見。「この先、300mに深い淵があり、そこで辞めるので、このまま先行させて欲しい」と紳士的
挨拶をしていただき、待機することに。。。確かに300mくらい先に門のように両岸立ちはだかる岩壁に深い淵を携えた場所が出現!通常の釣師さんの
装備ではここが関所になっているようだ。

大久蔵橋横に車を停める(カーソルあてて)
平凡な感じの入渓点付近
実は両岸とも側壁は高い

「では、どうぞ!」と釣師さんが見守る中、空身でザイルを引き左壁沿いに泳いでいく。滝の大きさはせいぜい1m。水量が少ない?こともあり、私の泳ぎレベ
ルで滝下に到着でき突破。ザイルは30mあれば、荷物の受け渡しも出来る。ここで釣師さん達に手を振りお別れ。。。
小滝上ですぐに顕著な左岸枝沢が合流。本流はゴルジュが50m位続くが特に難所は無い。ただ乾いたように見える岩でもやたら滑るので要注意。この先
は断続的にゴルジュ様相。腰まで浸かったりするところはあったものの、小さく巻けたりして泳ぎは不要。これと言った滝もしばらく出てこない。

泳いで突破
小滝上は易しいゴルジュ
序盤ゴルジュの様相

沢の様相が少し落ち着いた所で竿を出すと、まずまずの型が掛かった。しばらく進むと、太い倒木が沢を横断した先で2段8m滝。傾斜が緩いので、竿を
持ったまま登れた。すると、左岸にミニミニスラブ。。。室谷川本流上流部になると両岸のスラブの発達が凄いが、この辺りだとこの程度の規模なのか?
この先、淵を携えたミニゴルジュを抜けると495mで出合う左岸枝沢。大岩が鎮座しているのが特徴だ。
2段8m滝とミニスラブ
淵を携えたミニゴルジュ
495m左岸枝沢

この先も本流は淵を携えたミニゴルジュが続く。すると円形劇場のような岩壁から落ちる6m滝。釜も深いし、直登は難しそう。数十m戻れば高巻きポイント
も見つかるかもしれないが、釜手前から見渡すと、唯一右岸草付を利用して岩壁に上がる1ポイントのみルートが見出せ取り付いてみる。草付を上がった
所から戻る方向にトラバースする所がスタンス幅が狭く嫌らしい。微妙なへつりで上にある潅木に手が届き、RURUさんにはシュリン ゲを垂らし、続いてきてもらう。潅木に手が届きさえすれば、後は問題ない。。。ここは水流右から行った方がよかったかな???

ここから上流は、また2条3m滝を頭にまたゴルジュ。チョット荒々しい感じが増したかな??? ただ、突破に難しい所は無い。途中特徴的な三角岩が
良いアクセントとなっている
ミニゴルジュ内の淵を進みます(カーソルあてて)
6m滝は右岸で巻く(カーソルあてて)
ゴルジュ内の三角岩(カーソルあてて)

ゴルジュを進んでいくと幅が広がった所に5m滝と、そのすぐ後ろに12m滝が出現。奥の12m滝は全く手が出ず。5m滝を登ってから右岸で巻いた。滝上で
ゴルジュは終了。少し進むと左岸に絶好のテン場適地を発見。焚き火の跡もあった! ここから20m先で595mで出合う左俣/右俣を分ける(1:1)二俣
時間は14 時前。。。左俣をちょっと覗きに行ったが、出合いに掛かる4m滝を越えると倒木に覆われた滝が見え、その上も藪っぽい感じに見えたので、
すぐに引き返す。時間は早いが、地形図ではこの先ゴルジュが続くので、先ほどの絶好のテン場で行動を終了した。
5m滝と12m滝(カーソルあてて)
595m(1:1)二俣
595m二俣手前で幕営


二日目
オジサンは目が覚めてしまうので、ゆっくりでも良いのに自然と早出になる(^^)ゞ 右俣は初っ端からゴルジュで、左直角に曲がった所に12m滝。シャワー
を受けながら黒光りの岩をタワシで磨きまくれば水流右を辛うじて登れそうだが、左岸手前ルンゼから巻けそうなので高巻く。このルンゼは巻き上げられ
やすいので要注意。滝上は昨日見たような淵を携えたゴルジュが続くが、側壁は両岸とも高い。すると何やらヤバイ感じに見える滝が前方に現れる。
12m滝(カーソルあてて)
側壁の高いゴルジュが続く
ヤバ気な様相が前方に・・・

近づいて見ると滝は2m程度だが泳いで取り付くしか無い。空身で泳いで行って見たが、滝下についても、水流の左右ともスタンスがまったく見つからない。
体を引き上げるホールドも見つからず一旦退却。よく見ると右岸3mほど上がった所をへつって行けそうだったので、そのまま空荷で取り付くとなんとか突
破できた。まぁ落ちても釜にドボンするだけなので恐くはない。RURUさんはここは泳いで引き上げる。ここから振り向けばすぐに見事な15m滝が見えて
いる。
2m滝を泳いで行くが上がれず
ならば上から・・・
15m滝(カーソルあてて)

この滝は直登できるものではなく、高巻きルートを見渡すが、両岸岩壁が切り立っており、先ほどの2m滝付近から高巻かないと無理そう。右岸、左岸、
それぞれ1箇所づつ壁上に出れそうな所が見受けられるが、潅木がイイ感じで繋がっていそうな左岸を選択。戻る方向で側壁が終了するところまで斜上し
て行くと見た目どおり潅木が壁上まで繋がっていたので、安心して上がって行ける。側壁上をトラバースして滝上に出た。高巻きに要した時間は35分。。。
滝上のナメ床を上がると左岸にわずかながらの河原があり、2,3人なら何とか横になれそうだがエマージェンシーな物件と思った方が良いだろう。
15m滝は左岸で巻く(カーソルあてて)
高巻き途中から(カーソルあてて)
あまりいい物件ではありませんが・・・

ここを過ぎるとまたゴルジュ。1箇所腰上まで水に浸かる・・・。この先右岸大側壁を見ると12m滝。水流左から取り付いて滝の真ん中を登れるかも・・・と思って行って見たがダメで、仕切りなおして左壁に取り付く。潅木で支点をとって、滝の方にトラバースして上がった。
ここまで浸水
右岸大側壁と12m滝(カーソルあてて)
ここで断念・・・(カーソルあてて)

12m滝上は2条滝・・・と思ったがここが 675mで入る左岸枝沢の合流点だった。この出合にはテン場は無い。この先に出てくる7m屈曲滝は悪そうに見える
が、水流通しで上がる事が出来楽しい。この先ミニゴルジュ内の2mCS超えると10m滝。3段構成で2段目までは容易。3段目はさすがに高さがあるので、
カムを二つ決めたのち、長めのシュリンゲでセルフをとってカムの利きと岩の脆さをチェック。カムを決めた岩のガバをとって左足を水流中の岩に乗せ体を引き上げた瞬間、カムを決めてた岩ごと外れて落ちてしまった。。。瞬時に身を反転させ、幸いその場で止まった・・・。。。その場で手を合わせる。。。  
高度計のバンドがぶっ壊れてしまったが、RURUさんに「身代わりだね・・・」と言われ言葉もない。何事も無かったかのように右から巻いて滝上に上がった。
7m屈曲滝(カーソルあてて)
10m滝
結構確認したのだが・・・(カーソルあてて)

ここからは、小滝が続く様相となる。岩が滑りやすいのは昨日からずっと同じ・・・。最上部で10m滝が出てくるがスタンス・ホールド共に十分で問題ない。
さらに進むと(1:1)二俣になる。RURUさんのGPSで確認すると950mまで上がっている。左が本流筋だが(1:1)なので右に入ってショートカットした。
癒し系小滝が続きます(カーソルあてて)
10m滝は快適に上がる
950m(1:1)を右に入る

右に入ると最初はナメ床。もう滝は無く詰め上げるのみ。藪漕ぎはほとんど無くこの辺かな・・・?って所を詰め上げたらチャリンコデポ地ジャストに出た。
林道は全舗装なのでチャリで快適に下って行く! 時間を計ったら23分で大久蔵橋に到着。
右に入るとナメ
最後尾の詰め
車とって来まーす!

P.S:大久蔵谷は室谷川本流のような見事な両岸スラブは少ないが、10m級の滝を複数擁し、結構楽しめる沢であった。雪渓が残ってると厄介な場所もあるので入渓時期は
   考えた方が良い。チャリや車を林道上でデポ出来ると1.5日コース。ただ、割と濡れる沢なので、気温の高い時期が良いでしょう。釣師の入渓も多いようです。雪渓が無け
   ればザイルは30m1本でOK。岩はとても滑りやすいので、フェルトソールの方が良いのかな
。この沢は全体通して幕営適地は少なく。我々が泊まったところがBESTと思っ
   てください。

遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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