2015年9月12、13日 奥秩父山塊(甲斐) 荒川 伝丈沢 右俣→左俣下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.5、 靴:フェルト
地形図:茅ヶ岳、瑞牆山
遡行図、概念図はこちら

お盆過ぎてからというもの、土日連続して晴れる場所を探すのに一苦労。。。そして、栃木を水源とする鬼怒川は氾濫までしてしまった。 転進先を南アにしたものの
ココも日曜は午前中から雨予報となり、金峰山南面に位置する荒川 伝丈沢に的を絞る。この沢日帰り遡行の記録がほとんどだが、二俣に荷物を置き、右俣遡行して、
左俣を下降。二日目は右岸支流から隣の金石沢を下降する計画で行ってみることにした。 後に記すが、行動中カメラを落としてしまったため、写真が全くない報告
となってしまった。。。


17:00自宅発→19:03太田駅前⇒21:30雁坂トンネル料金所→21:50道の駅まきおか、4:45同発→6:10伝丈橋(基点)着
6:40基点発→10:00 1670m二俣→10:30 1750mエスケープポイント通過→12:15 2250m付近稜線(デジカメ捜索)
→13:30 左俣へ下山開始→15:45二俣。

2日目
7:20発→8:45基点P着


そもそも、”伝丈沢”と聞いたのが今年に入ってから・・・、どこにあるんだ?と探したら、金峰山の南面で、栃木から一番アプローチしにくい場所にある。
この辺りだと、通常、圏央道の入間までした道で走り中央高速に入るが、すべて一般道で現地に向かう。道の駅で仮眠後、明け方基点となる伝丈橋に
向かうが、ナビが無いので、手前の荒川ダム にたどり着けず、ランニングしている方に道を聞く始末。。。伝丈橋までは完全舗装。ここから北西に伸び
る林道は、ここにゲートが設けられ侵入出来ない。木賊峠方面はゲートは未確認。

橋横にある駐車スペース(10台ほど)に車を停める。なんと品川ナンバーの車が停まっていた。釣り師だろうか・・・? 入渓準備をして出発。ゲートを潜り
林道が伝丈沢から離れる所から入渓。一つ目の堰堤を右岸で高巻くと釣り師道が伸びており、5つ目くらいまでの堰堤を右岸で巻き、さらにその上の
堰堤は左岸の釣り師道ですべて高巻いた。

平凡な様相が続くと、4mナメ。水流右から簡単に超える。その先も、1か所くらい3m程度の小滝が有ったくらいで、ひたすら平凡な様相が1555m右岸
枝沢出合の先まで続く。この先ナメ床が現れるとその先に大滝が見えてくる。上部がヒョングった2段12m滝。直登は不可能で左岸につけられた踏跡で
簡単に高巻く。(右岸側にはトラロープもあり、こちらからも巻きは可能) 

12m滝上も概ね平凡。明日、詰める予定の、1630mで出合う右岸枝沢は長さの割には水流が少なくショボイ事が判明。この辺りから竿だしするが、見つ
かりやすく、なかなか難しい。やっと一匹釣り上げるとアマゴだった。

すると、顕著な二俣に到着。水量比(4:3)で若干左の方が多い。ここが1670mに位置する二俣の様だ。ここは幕営適地となっており、宿泊関連荷物を
デポする。

右俣に入ってすぐの2m滝を超えるとナメ床状が続く。魚影はもうない・・・。 このナメ床が終了すると、エスケープルートとしてよく使われる1750mで出合う
左岸枝沢が入る。

ここを見送ると平凡な様相は続き、少し先でまた左岸から枝沢。本流はこの先で6mトイ状滝が出てくる。快適に直登すると、岩壁から水を落とす大滝が
視界に入る。近づいて見ると2段30m大滝。伝丈沢のハイライトと言って良いだろう。ほぼ垂直に水を落としており、一見、高巻きは右岸岩壁の切れ目か
?。
ただ、水流左、下部岩壁を6~7mを上がれれば、灌木を交えジグザグに上がって行けそうに見える。また左岸側を小さく巻いて下段上に出て水流を横断
出来れば、前記した灌木ルートに入って行けそう。 今回は単独という事もあり、後者のルートで行ってみる。飛沫を浴びて最下部を水流左から右に横断。左岸灌木帯に少し入ってから下段上の水流に向かう。フリーで水流の所まで行けたが、段は奥行が1m弱しかなく、外傾のノッペリした1枚岩。
そして、仮にここを横断できたとしても2m程度の壁が横断した先に控えており、灌木ルートに容易に取りつけない感じだった。メガネに容赦なく飛沫が
掛かり、良く見えないのが残念だが、単独で頑張れる範囲は超えていそう。。。諦めてそのまま左岸で巻く事にした。幸い岩壁はすぐに切れていて、
小さく巻き岩壁上に上がる。展望があり、高度感も相まって気持ちが良い巻きとなった。

30m大滝上は明るく開け平凡な様相。整地すればテン場にできる場所もある。ただ、滝はもう出で来ることなく、このまま平凡な様相が最後まで続いた。
沢型が無くなってから、若干灌木の藪をすり抜けていくと2250m付近の稜線に到着する。登山道は消失仕掛けており、随所に不明瞭だ

道を失ってから、コメツガの藪を漕いだときに気になってデジカメに視線をやると、”無い・・・!” 普段セルフを取っているのだが、これが切れたのかと
思ったら、そうでは無くセルフにつけ忘れていた様だ。最後、稜線に出た時に写真を撮っているので、この稜線上に落ちているはずだが、、度々踏跡を
外して歩いてきただけに、戻っても見つかる可能性は低い。しかし大事なデジカメ。一応戻ってみる。。。。40分ほどは探したがやはり見つからなかった。
写真が無いだけでなく、現在どのメーカーにも搭載されていないボイスメモ機能があるデジカメだけにショックは大きい。。。 

仕方なく、2140m付近まで稜線を下り、左俣に下降する。左俣は概ね平凡で滝は6m程度の物が1,2個あった程度。ザイル、お助け紐を出すことなく
下れた。途中魚影が見えたので竿を出しながら下るが、チビッコ1匹をバラシた結果に終わる。カメラを無くし集中力も切れたのか、荷物をデポした二俣を通り過ぎてしまうマヌケな事をしたが、”やけに水量多いな!”と気づいて二俣に引き返す。。。


2日目

計画では、1630m右岸枝沢を詰めて隣の金石沢を下降する計画だったが、右岸枝沢がショボかったのと、デジカメも落としてしまったので、テン場周辺
で釣りを楽しんだあと、荷物をまとめ本流を引き返した。 12m滝を降りると釣り師の踏跡が右岸や左岸につけられており、ほぼこれを利用して基点に
戻った。

P.S:伝丈沢は癒し系の沢でした。釣師道もあるので、この内容でしたら日帰りでも遡行可能です。右俣の30m大滝は一見の価値があるので、1750m左岸枝沢で
   エスケープするにしても、30分程度で滝下に行けるので、ここまで歩いておくことを勧めます。ザイルは30m大滝を登るにしてもピッチを途中切れるので30m
    1本で足りると思います。靴はフェルトで行きましたが、大滝チャレンジする場合はラバーソールが良いはずです。テン場は至る所にあります。


伝丈沢遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)


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