2015年9月26,27日 桧枝岐 舟岐川 黒沢 火打石沢→深沢下降

メンバー:ひろた単独
装備、ザイル8mm×30m、カム#0.4、 靴:フェルト
地形図:帝釈山
遡行図、概念図はこちら

週末雨予報を報じていた天気予報が週後半になって雨予報がずれ週末は良い方向に転じてきた。特に毎週のように雨予報の水上/奥日光/桧枝岐エリアにまとまった
雨予報が出ていなかったので増水してても問題なさそうな桧枝岐、舟岐沢流域を狙う。この流域では本流筋の火打石沢を遡行後、越ノ沢下降か、深沢を 下降するのが
手短な周遊コースとなるが、越ノ沢は“全く平凡“な沢という情報があるため、下降を深沢する計画した。


5:10自宅発→6:00矢板IC→7:55桧枝岐→舟岐橋(基点P)
初日 8:30基点発→(竿だし遡行)10:30曲沢出合→13:10越ノ沢出合→15:15深沢出合→15:20行動終了
2日目
 7:20出発(火打石沢遡行)→10:00馬引峠→11:05深沢へ下降開始→12:40火打石沢出合(旧林道利用)→14:05黒沢右岸林道最奥P
    →15:05舟岐川林道→15:10舟岐橋着


桧枝岐の燧ノ湯から伸びる舟岐川の林道に入る。この道は帝釈山登山口に通じており、舟岐オートキャンプ場先まで舗装路、そこからはフラットダートで
2WD 車でも問題なく入っていける。基点は黒沢を横断する舟岐橋か、地図には無いが、かつて馬引峠に向かって林道が延びており、この林道を奥まで
入った所のどち らかになる。この林道については詳細が不明な為、行きは舟岐橋から沢通しで、帰りはこの林道を利用するつもりだ。。。
駐車スペースは5台ほどで、すでに2台の車が停まっていた。ここに車を停める人は釣師と思ってほぼ間違いない。

駐車スペースのところから黒沢左岸に踏跡が伸びており、これを50mほど進んだところで入渓した。すぐに岩盤の発達したイイ感じの様相になる。

舟岐橋手前が基点
駐車スペースから延びる踏跡から入渓(カーソルあてて)
いきなりイイ感じ(遡行図には3m滝と記す)


ただ、このいい様相はすぐに終了。インゼルとなりここでひとりの釣師を発見、インゼルが終了した箇所に5m滝があり、ここで先に行かせてもらった。この
先平凡な区間に4つの堰堤が出て来るが、そう苦労せず巻いて上がれる。ここから先も概ね平凡だが水量は多めで渓相は悪くない。魚影も出てくるので
曲沢出合くらいから竿を出していくが、全くもってアタリ無し・・・どうもカップリングの時期で餌を食べないようだ・・・と、言い訳しておこう。。。

すぐに釣師に遭遇
5m滝(カーソルあてて)
曲沢出合

この先も、断念しては、魚影を見て竿を出し・・・断念しては竿を出しを3回くらい繰り返したので、超スローペース。それでいて”坊主”なのだから辛い。。。
特筆する内容も無いまま大きなインゼルの末端近くで右岸から越ノ沢が出合う。インゼルを右に入ると気づかない可能性もあるだろう。越ノ沢出合右岸に
は絶好のテン場がある。後述するが、黒沢右岸の旧林道でアプローチする場合は、午後入渓でここにベースを張って翌日周遊する手もある。
今回はここをパスして先に進む。
渓相はイイが釣れない
この顕著なインゼルで越ノ沢が出合う(カーソルあてて)
越ノ沢出合右岸にあるテン場

越ノ沢出合を過ぎてからは、小滝が散見されるようになってくる。5m岩潜り滝は平凡な黒沢のなかで特徴的な滝の一つだ。これを超えると淵になり5m滝
が掛かる。右壁を登ると淵は滝つぼで右に折れ曲がっており珍しい形をしていた。

癒し系の様相です(カーソルあてて)
5m岩潜り滝
滝壺が折れ曲がる5m滝

滝上はまた平凡な様相。進んでいくと今度はV字谷形状となり奥に進んでいくと6m2条滝が掛かっている。真ん中から登ろうとしたが今日はフェルト靴。
グリップ力が足らず釜に落ちると、胸まで水に使ってしまった。2度落ちて断念。水流右に取り付き点を変更したが、ホールドが甘く厳しかった。ここは右端
が一番簡単だろう。6m2条滝上はナメ床が伸びる。このナメが終わると深沢の出合。深沢側を除くと林道の橋が架かっていた。
V字谷形状から6m2条滝へ(カーソルあてて)
深沢/火打石沢出合
深沢にかかる林道


潜った先で林道に上がってみると草が密集。火打石沢側はちょっとした湿地帯みたいな感じを呈していた。今日はこの辺りで幕営場所を探したいところ
だが今ひとつ良い場所が無い。まぁ一人なら横になれる砂地を火打石沢側右岸に発見し今日の行動を終了する。ツェルトを張った横でナラタケを発見し
収穫。イワナを調達しに行くが結局釣れず。岩穴に追い込んだイワナも逃げられ、持ってきた イワシの燻製でタンパク質を補う事になる。

林道に上がってみた
ナラタケ
1人なんで結構適当な場所で幕営



二日目
暗いうちに目が覚めたので、ダメもとで釣りに出かけたらやっと釣れた!これで沢の評価が1ポイントアップ!(笑) 朝食を済ませお茶を飲んでいると、
まだ7時前なのに二人の釣師がやってきた。どうも黒沢右岸林道を歩いて来たようだ。これを利用すると、こんなに早い時間にここに来れるのか・・・!
「自分はもう竿を出さないのでどうぞ」と伝えると御礼を言って上流に上がっていった。自分も30分遅れくらいで出発する。
しばらくは平凡な様相。最初の4m滝は水流左から取りつき水流沿いで上がる。沢が左に折れ曲がると、ここにも林道の橋が架かっていた! ここで先程
の釣師に追いついた。やっぱり全く釣れないとの事。先に行かせていただく。この先も平凡な様相。釣師向きの沢と言ってよいだろう。3m滝を超えると
1695mに位置する(3:2)の二俣となり左に入る。

火打石沢は平凡な様相でスタート
火打石沢にかかる林道
3m滝を超えると1695mm(3:2)二俣(カーソルあてて)

すると2段7mナメ。寝ているので問題なく上がれる。ココをあがると左岸に絶好の幕営地が広がる。整地は必要だが大人数ならここが良いかも。イワナは
走ってるし、薪も豊富。
この先もナメ床が多少散見されるものの、出てくるのは2m~3m小滝。もはや関心は何処まで魚影が続くのか・・・だ!
2段7mナメ
この物件どうですか?(カーソルあてて)
出てくるのは完全癒し系の小滝のみ(カーソルあてて)

”これで魚留だろう!”という3mヒョングリ滝がかなり上流部で出てきたが、なんと、この上にも魚影をみる・・・。。。結局、1820mに位置する最後の(2:3)
二俣
まで魚影があった。この二俣を水量の少ない左に入る。水流は最後の最後まで続いていた。
3mヒョングリ
癒し系の様相が続く(カーソルあてて)
1820mの(2:3)二俣を左に入る

沢型が終了するとだだっ広い尾根に到着。ここが馬引峠であることは間違いないのだが、“馬引峠”とかかれた看板は見つけられない。踏跡らしき物も
あるのだが、赤テープは一切無く獣道かもしれない。この一帯はスギヒラタケが群生しており、これを相手にしていたら、あっという間に日が暮れそう・・・
 尾根自体は歩きやすいので、適当に1982mピークに向かって登る。ここの三角点は見つけられた。ここから踏跡が伸びるが、また見失ってしまう。尾根
沿いを歩いたが、どうも道は稜線からちょっと離れた舟岐川側についているようだ。
稜線沿いを歩いていると、倒木でバランスを崩し、転んだ所に生憎、細い枝が出ており右太ももを強打してしまう。先端が尖っていなかったので刺さらな
かったがメチャクチャ痛い・・・
ここからはペースが遅くなる。それでも途中時期ハズレのムキタケを見つけて収穫。1938ピーク手前で深沢側に下降開始。懸垂せずに沢床に降りれた。高度計読みで1840m。平凡ではあるが既に水流がある。

引馬峠
1938mピークで唯一見つけた赤テープ
深沢へ降りて行く(カーソルあてて)

下降に難しさは無く、出てくるのは2m前後の小滝程度、痛い右足をかばいながらも一定のスピードで降りて行けた。一番の見どころは6mナメだが下部が
倒木で覆われていたのが残念。テン場は1660mで出合う右岸枝沢から少し下流側の右岸と、1630mで出合う右岸枝沢の本流側左岸に良いところがある。
大人数であれば、4m滝を降りた先が良いだろう。下降なので魚影は殆ど見なかったが、1660m位で1回確認。 小滝のかかるミニ淵を過ぎると昨日見た
深沢に掛かる林道は近い。
深沢の癒し系小滝(カーソルあてて)
6mナメ
4m滝とその下流の側のテンバ(カーソルあてて)

さて、ここからの下降は釣師が利用してきたと思われるこの林道を利用してみる。林道なので、草ぼうぼうでも登山道くらいの踏跡位は残っているだろう と
深沢を横断する橋を渡ってみると、完全に踏跡が消失していた。林道なので、急に上がったり下がったりするわけけ無いが、左右を見ても密笹藪で道が
あった様には見えない・・・。上が開けているので5m程上がってみると、丁度ここで崩壊があったようだ。細い踏跡を見つけ黒沢に沿って歩いていくと
やはり、深沢を横断 する橋の高さで林道と合流した。ここから先は踏跡が続いている。笹が覆っているところが多々あるが、消失しかかっている所は
平行に釣師が歩いたと思わ れる踏跡が付けられている。元々車が通っていた道なので、迷ったらほぼ真っ直ぐに進んでいくと踏跡が見つかるはずだ。
越ノ沢を横断する橋まではS字で まがったりする所はない。この林道歩きで足の痛みがひどくなってきたのでロキソニンを飲む、大分違うので、痛み止め
は常備しておくと良いだろう。越ノ沢を 横断すると1箇所S字で道が曲がっており、すると、例の釣師の車だろうか?高度計読みで1400mは超えてい
高度でエクストレイが停まっていた。痛めた足で歩いて深沢の橋から1時間半の距離。

深沢に掛かる橋の上の様相
林道の様相と越ノ沢に架かる橋(カーソルあてて)
エクストレイルが停まっていた!

この先フラットダートが続く、フィットでも入れそうな道の状態だ。暫く下っていくと道が分岐。進行方向左側は黒沢方向に伸びる道で、堰堤工事に使われていた様だ。進行方向右側の帝釈山登山口に続く道は、ここから急に荒れだし、たとえ4WDのエクストレイルでも走れないんじゃないかと言う感じだ。。。

このまま黒沢右岸林道は帝釈山登山口に繋がる林道に合流。ゲートがあったが、鍵はかかって居らず、簡単に開けられるものだった。ここから基点の
舟岐橋まで何分歩くのだろう?と思ったが5分程度で舟岐橋が見えてきた。

道が分岐。素直に下る方向へ行く(カーソルあてて)
帝釈山登山道への道にぶつかる(カーソルあてて)
5分で舟岐橋に到着

P.S:黒沢流域は概ね平凡な様相。足のそろったパーティなら日帰り遡行も可能だが、竿をもっての宴会遡行の方がこの沢には似合っているでしょう。
   ただ、釣師が多 く入る様のでトラブルにはご注意を。ザイルの必要性はありませんが20m1本持って行けば安心でしょう。幕営適地は遡行図に記載
   した場所以外にも点在するので困ら ないはずです。


遡行図(クリックして)
概念図(クリックして)
林道位置はイメージ


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